果樹農業生産力増強総合対策とは
果樹農業振興のため、農林水産省の補助事業により、うんしゅうみかん、りんご等の果樹を対象として、①果樹産地の労働生産性の向上を推進するための果樹労働生産性向上等対策、②省力樹形の導入等に必要な苗木の生産等を推進するための果樹優良苗木・花粉安定確保対策、③果実の需要に即した流通加工等の推進を図る果実流通加工対策等を実施することとされ、中央果実協会が事業実施主体に選定されています。
なお、本対策は、令和2年度から果樹産地の労働生産性の向上等を推進するため「果樹農業生産力増強総合対策」として従来の「果樹農業好循環形成総合対策」から事業の拡充等が図られました。
別記様式、参考様式は
こちらをご覧下さい。
なお、参考様式3号など、産地協議会や都道府県協会等で頻繁に用いられる様式等を効率的に作成できるエクセルのマクロも用意しております(
こちらから)。ご活用下さい。
事業内容
果樹労働生産性向上等対策事業
果樹経営支援等対策事業
産地の担い手が行う優良品目・品種への改植、小規模園地整備など果樹経営の基盤を強化する取組および優良品目・品種への改植等を実施した後、十分な収穫が得られるまでの未収益期間の経費に助成しています。また、大苗育苗ほの設置に要する経費を補助します。
(1)果樹経営支援対策事業
産地構造を改革し競争力のある産地を構築するため、産地自らが産地の特性や意向を踏まえ、産地ごとに目指すべき具体的な担い手や生産体制などに関する姿を定めた「果樹産地構造改革計画」に基づいて、担い手等が行う優良品目・品種への転換、小規模園地整備、被害を防ぐために必要な設備(防風ネット等)の導入等経営基盤を強化する取組に要する経費を補助します。また、省力樹形への転換を短期間で実施するため、自園地を省力樹形等に一斉に改植し成園までの間は代替園地で営農を継続する取組や、省力樹形等の導入に向けて先進地や研究機関からの指導者派遣及び産地内での研修会の開催等の取組、大苗育成ほの設置に要する経費を補助します。
(2)果樹未収益期間支援事業
優良品目・品種への改植等を実施した後、経済的価値のある水準の収穫が得られるまでの未収益期間に要する経費の一部を補助します。
(3)未来型果樹農業等推進条件整備事業
労働生産性を抜本的に高めたモデル産地を育成するため、まとまった面積での省力樹形又は整列樹形及び機械作業体系を導入する場合に、早期成園化や成園化までの経営の継続・発展に係る取組に要する経費を総合的に補助します。
(4)果樹型トレーニングファーム推進条件整備事業
果樹産地における新たな担い手の確保・定着に向け、新規就農者等の受入に必要なトレーニングファームの整備、改植等に必要な経費、省力技術を習得するための調査や研修の受講に要する経費、果樹型トレーニングファームの運営に必要となる技術指導や園地の管理に要する経費を補助します。
(5)花粉安定確保対策事業
海外からの輸入花粉に依存している品目について、海外での病害の発生等による花粉不足のリスクを軽減し、国内での花粉の安定的な生産・供給を図るため、花粉専用樹の新植・改植や機械のリース導入等に要する経費を補助します。
果樹農業調査研究等事業
国内果樹産業の振興、需給・価格の安定、輸出の拡大等に資するため、国内外の果樹・果実をめぐる生産、流通、加工、消費に関する調査、情報収集を行い、成果を公表します。報告書を見る
果樹優良苗木・花粉安定確保対策事業
(1)優良苗木生産推進事業
省力樹形の導入等に必要となる優良苗木の生産・供給体制の構築、苗木生産に必要となる育苗ほの設置等及び省力樹形用苗木の安定生産に向けたモデル的な取組に要する経費を補助します。
(2)果樹種苗増産緊急対策事業
緊急的に輸入ぶどう苗木等を確保するための体制の構築、既存施設の隔離栽培施設への改修等に要する経費を補助します。
(3)省力的苗木生産体制推進事業
省力樹形の導入等に必要な苗木の安定生産・供給に向け、ポット苗栽培等の省力的な苗木生産に必要となる簡易ハウスやポット、コンテナ等の必要な資機材の導入を補助します。
(4)苗木契約生産拡大支援事業
果樹産地との契約に基づく苗木の生産拡大に伴い必要となるかん水設備等の安定生産技術の導入を補助します。
被害果実利用促進等対策事業
(1)果汁特別調整保管等対策事業
災害等により傷果等生食用に適さない果実(以下1において「対象 果実」という。)が大量発生した場合に、当該果実製品の調整保管又は当該果実の産地廃棄に係る取組に要する経費を補助します。
(2)自然災害被害果実加工利用促進等対策事業
台風、降ひょう等の自然災害等により被害を受けた果実が大量発生した場合に、農産局長が定めるところにより、当該被害果実の加工利用促進及び区分流通又は当該被害果実及びその果実製品の利用促進に要する経費を補助します。
果実流通加工対策事業
(1)中価格帯・加工専用果実生産支援事業
国産果実について、新たな加工・業務用需要への対応を図るため、消費者等のニーズをとらえた果実加工品の試作、当該加工品の原料価格や業務用需要を想定した低コスト・省力化栽培技術の実証等に要する経費を補助します。概要を見る
(2)国産果実競争力強化事業
国産かんきつ果汁等の競争力強化を図るため、部門別経営分析、過剰な搾汁設備の廃棄、国産果実を対象にした高品質果汁製造設備の導入、新製品、新技術の開発等に要する経費を補助します。
(3)加工・業務用果実安定供給連携体制構築事業
慢性的な供給不足となっている加工・業務用等の果実の生産・流通実態を踏まえ、加工・業務用等の果実の選別及び出荷体制の構築、生産者と取引先との間で生産者が再生産価格を確保しうる合理的な生産・流通体制を構築するための契約取引等による計画的な取引手法の実証、加工専用園地を育成するための産地における加工・業務用果実の安定供給に向けた作柄安定技術や省力化技術の実証に要する経費について補助します。
パインアップル構造改革特別対策事業
(1)パインアップル優良種苗緊急増殖供給事業
パインアップルの品質向上及び栽培農家の経営安定を図るため、優良種苗の効率的な増殖、育苗及び種苗の配布並びにこれに必要な施設 ・機械の整備、優良種苗の供給計画の作成及びその普及推進のための協議会の開催等に要する経費を補助します。
(2)パインアップル産地構造改革事業
産地における担い手の育成を図りつつ、パインアップルの作付けを生食用と加工用のバランスのとれたものに転換するため、産地構造改革検討会の開催その他の推進体制の整備に要する経費を補助します。
果樹緊急総合対策支援事業
上記の事業のほか、果実等の輸出入の急激な変動、自然災害等の不測の事態に対処するため、果実等の需給調整、消費改善、需要拡大又は再生産の確保を図る上で必要となる事業として農産局長が別に定める事業を実施します。