毎日くだもの200グラムメールマガジン □■□ くだもの&健康ニュース Vol.50 ■□■ 2013年8月23日(金)配信 みなさん、こんにちは! 50号をお届けします。 今週はブドウの特集です。 ───────────────────────────── 毎日くだもの200グラム以上食べましょう! 公式ホームページは下記です。 http://www.kudamono200.or.jp ────────────────────────────── <<< 本日のメニュ− >>> ・ 季節の便り ・ くだものレシピ:ブドウ ・ くだもの広場:日本人の好きな果物のランキングはありますか。 ・ 文献紹介:グリセミック・インデックス値の高い食材は空腹感        を増す ・ 読者から:ブドウは甘く糖分が多いが血糖値を上げるのですか? ・ 花実好きの家庭果樹だより:ぶどう ・ 文学の中の果物:あばばばば(芥川龍之介) ・ くだものいちば ・ 編集部より ────────────────────────────── ■ 季節の便り   小説を読む窓さきや葡萄棚     − 正岡子規 ────────────────────────────── ■ くだものレシピ:ブドウ ○ ぶどうとチキンのブランチサンド  ブドウをフルーツとしてではなく、ご飯として頂きます!ブドウ の甘みとスパイシーなチキンの相性ばっちりです! 材料(2人分)  ブドウ 適量、ナッツ類 40g、鳥もも肉 150g、パン 4きれ、塩、 あらびきコショウ、ガーリック、マヨネーズ、マスタード 、バ ター 適量 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 http://cookpad.com/recipe/1868892 ○ 自家製干し葡萄  簡単に干しブドウができます。 材料  デラウエア 6房、塩 適量 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 http://cookpad.com/recipe/2305560 ────────────────────────────── ■ くだもの広場:日本人の好きな果物のランキングはありますか。  果物大好きのミカさんが、なにか聞きたそうに、博士のところに やって来ました。 ミカ:こんにちは。日本人の好きな果物のランキングはありますか。 博士:こんにちは。中央果実協会が2008年1月に調査(注1)したも    のがあるよ。これをみると、次の10品目について、「好き」    と答えた人の割合は、高い順に、1位が89%のみかんで、以    下、なし、もも、りんご、ぶどう、バナナ、かき、パインア    ップル、グレープフルーツ、10位が50%のキウイフルーツだ    ったね。 ミカ:他の調査もありますか。 博士:NHK放送文化研究所も2007年に実施しているんだ(注2)。こ    れは、中央果実協会の調査より多くの品目を対象にしている    けど、同じ10品目についての順位は、ももとなしの順位が逆 転しているだけで他の順位は同じなんだよ。 ミカ:みかんがどちらも1位なんですね。 博士:さすが、生産量がずっとトップだったみかんだけのことはあ    るね。小さい頃から誰もがたくさん食べていて、美味しさが    身に染み込んでいるんだろうね。でも、みかんは本当に美味し    いよね。 ミカ:グレープフルーツやキウイフルーツの順位が低いのは、出回    った歴史が浅く、消費量も少なくて馴染みが薄いからかも知    れないですね。 博士:そうかも知れないね。 ミカ:年齢層別にはどうですか。 博士:かき以外は、ほとんど順位が変わらないんだ。でも、かきは    年齢が高くなるほど順位が上がってきて、60歳以上では、み    かんに次いで2位なんだよ。NHKの調査でもそうなんだ。 ミカ:どうしてなんですか。 博士:年齢とともにかきの味の嗜好が合ってくるのかな。それに、    60歳以上の人が10代の頃の昭和40年代は、かきがりんごに次    いで3位の生産量だったから、食べ慣れていることも要因と    考えられるね。 ミカ:小さい頃の食習慣の影響が大きいんですね。 博士:そうだね。小さい頃の食習慣は果物の消費拡大を図るための、    大きな要素になると思うね。     (注1)食育啓発協議会(財団法人中央果実生産出荷安定基金協会)    「『くだもの』の消費に関するアンケート調査報告書」(2008年) (注2)NHK放送文化研究所世論調査部「日本人のすきなもの」(2008年) ────────────────────────────── ■ 文献紹介:グリセミック・インデックス値の高い食材は空腹感        を増す  アメリカ、ボストン小児病院の研究チームは、脳内血流のイメー ジング解析(fMRI)から、グリセミック・インデックス(GI)値の 高い食材の摂取は、脳内の欲求などに関係する領域を刺激し、過度 の食欲と空腹をもたらすと、「アメリカ臨床栄養学雑誌」のオンラ イン版(2013年6月26日配信)に発表しました。  研究では、12人の過体重か肥満の男性(18才〜35才)を対象に、 カロリーと味が同じでグリセミック・インデックス値の異なる2種 類のミルクセーキを被験者に飲んでもらいました。そして、飲んで から4時間、脳内の血流の変動をfMRIで観察しました。  その結果、グリセミック・インデックス値の高いミルクセーキを 飲んだ被験者は、グリセミック・インデックス値の低いミルクセー キを飲んだ被験者と比べて、血糖値の上昇が急激で、かつ、4時間 後には急速に低下しました。その間、被験者の脳内の欲求などに関 する領域が強く活性化され、強い空腹感を感じることが分かりまし た。  以上のことから、カロリーや味とは別に、食材のグリセミック・ インデックスは、食欲と強く関係していることが分かりました。そ のため、「肥満を防ぐには、精白度の高い白パンなどグリセミッ ク・インデックス値の高い食品の摂取を控え、低グリセミック・イ ンデックス値の食品に変えるなどすれば、肥満患者の食欲を抑制し、 食べ過ぎを防ぐことができるかもしれない」と研究者らは述べてい ます。 【用語解説】 1) グリセミック・インデックス  グリセミック・インデックス(GI: Glycemic Index)とは、炭水 化物を含む食品の血糖上昇作用を数値化した指標のことです。50g のブドウ糖を摂取した後、2時間の間の血糖値上昇曲線に囲まれた 面積を基準に、同量の炭水化物を含む食品を食べた後の血糖値上昇 の割合をパーセントで表した数値です。 2) fMRI  fMRI (functional magnetic resonance imaging) は、MRI(磁気 共鳴画像診断装置)を利用して、脳などの活動に関連した血流動態 をイメージングして観察する装置です。 【文献】 Lennerz, B.S. et al.: Effects of dietary glycemic index on brain regions related to reward and craving in men. Am. J. Clin. Nutr., online Jun 26. (2013) [doi: 10.3945/?ajcn.113.064113] 【研究のポイント】  今まで行われた多くの疫学研究から、グリセミック・インデック ス値が低い食事(低GI食)をしている人は、高GI食の人と比較して 肥満の人が少ないことが明らかとなっていました。今回の報告は、 その理由の一端を明らかにした研究です。 ────────────────────────────── ■ 読者から:ブドウは甘く糖分が多いが、血糖値を上げるのですか?  「日本人にも海外のデータが役立つか」についての前号(49号) の回答ありがとうございました。人種という概念が誤解であるとの 科学的証拠を初めて知りました。大変参考になりました。そこで、 今回は、甘くて糖分が多いブドウについて質問します。ブドウは、 血糖値を上げやすいのですか。糖尿病の友人が気にしていたのでお 尋ねします。よろしく。(東京:詮索好き) 【編集部より】  メールありがとうございました。お役に立てて何よりです。今回 のご質問ですが、ブドウは、甘く糖分が多くても血糖値を上げにく い食品です。糖尿病食では、血液中のブドウ糖濃度が急激に上昇し ない食材が求められています。血糖上昇の科学的な指標であるグリ セミック・インデックスでは、ブドウ糖を100とすると、フランス パンは95、ブドウは46です。ブドウは、フランスパンの半分以下で す。ちなみに、ニンジンは47で、ブドウと同等です。  かって「ブドウなど果物は血糖値を上げる」と言われていました が、科学的な証拠から誤りであることが明らかとなりました。ブドウ など果物には食物繊維などが豊富に含まれているため、血糖の上昇 が緩やかになります。一方、フランスパンのデンプンは唾液、胃液、 膵液によって、すばやくブドウ糖に消化され、吸収されるため、血 糖値が急激に上昇します。  こうした科学的根拠を基に、政府は「健康日本21(第二次)」の 中で、糖尿病予防のために果物の摂取を勧めています。  皆様からのメールをお待ちしています。 ────────────────────────────── ■ 花実好きの家庭果樹だより:ぶどう    緑のカーテンのぶどう(ナイアガラ)がそろそろ食べごろになってき ました。  ぶどうの緑のツヤのある果実の写真は、下記のサイトにあります。 http://www.kudamononet.com/kudamono200/back_number/K&K050phto1.html  昨年のように過熟にならないうちに味わいます。(花実好き)  ────────────────────────────── ■ 文学の中の果物:あばばばば(芥川龍之介)  保吉は爾来半年ばかり、学校へ通ふ往復に度たびこの店へ買ひ物 に寄つた。もう今では目をつぶつても、はつきりこの店を思ひ出す ことが出来る。天井の梁(はり)からぶら下つたのは鎌倉のハムに 違ひない。欄間(らんま)の色硝子は漆喰(しつくひ)塗りの壁へ 緑色の日の光を映してゐる。板張りの床に散らかつたのはコンデン スド・ミルクの広告であらう。正面の柱には時計の下に大きい日暦 (ひごよみ)がかかつてゐる。その外飾り窓の中の軍艦三笠も、金 線サイダアのポスタアも、椅子も、電話も、自転車も、スコツトラ ンドのウイスキイも、アメリカの乾(ほし)葡萄(ぶだう)も、マ ニラの葉巻も、エヂプトの紙巻も、燻製(くんせい)の鰊(にしん) も、牛肉の大和煮(やまとに)も、殆ど見覚えのないものはない。 殊に高い勘定台の後ろに仏頂面(ぶつちやうづら)を曝(さら)し た主人は飽き飽きするほど見慣れてゐる。いや、見慣れてゐるばか りではない。彼は如何(いかに)咳(せき)をするか、如何に小僧 に命令をするか、ココアを一罐買ふにしても、「Fry よりはこちら になさい。これはオランダの Droste です」などと、如何に客を悩 ませるか、――主人の一挙一動さへことごとくとうに心得てゐる。 心得てゐるのは悪いことではない。しかし退屈なことは事実である。 保吉は時々この店へ来ると、妙に教師をしてゐるのも久しいものだ なと考へたりした。(その癖前にも云つた通り、彼の教師の生活は まだ一年にもならなかつたのである!) ────────────────────────────── ■ くだものいちば  今回は、札幌市中央卸売市場に入荷している果物について紹介し ます。入荷量の多い果物はスイカ、メロン、モモ、ミカンなどです。 メロン、スイカは北海道産です。 モモ(あかつき、白桃、一宮白桃、など)は福島、山梨産などです。 スモモ(大石早生、太陽、など)は北海道、山梨産などです。サク ランボは北海道産です。 ブドウ(デラウェア、巨峰、など)は山形、山梨、新潟産などです。 ウンシュウミカン(ハウスみかん)は佐賀産などです。バレンシア オレンジはアメリカ産、グレープフルーツは南アフリカ、メキシコ 産です。 ニホンナシ(幸水、など)は福岡、茨城産などです。 リンゴ(つがる、ふじ)は山形、福島、青森産です。 バナナはフィリピン、エクアドル産です。パインアップルはフィリ ピン産です。 キウイフルーツはニュージーランド産です。 「くだものいちば」は青果物市況情報を参考に作成しています。 https://www.seisen.maff.go.jp/seisen/bs04b040md001/BS04B040UC010SC999-Evt001.do ────────────────────────────── ■ 編集部より  読者の皆様に、50号(2011年7月8日創刊、ほぼ隔週配信)を お送りできることをとても嬉しく思っています。さらに、読者を広 げるためのキャンペーンを行っていきたいと考えています。よいア イデアがあればお教えください。今後ともどうぞよろしくお願いい たします。(tnk)  かきの嗜好が年とともに合ってくるのを、小生も実感しています。 (HK) ────────────────────────────── ◆発 行◆ 公益財団法人中央果実協会 Copyright(C) 2011-2013.  Kudamono & Kenko News 無断での転載、複製等はお断りします。ご協力に感謝いたします。 ────────────────────────────── ▽ 「読者から」欄への投稿方法  「読者から」欄への投稿は、下記のサイトからです。皆様からの 果物にまつわる思い出、食べ方の工夫、メルマガへのご意見、ご感 想など、楽しいお話をお待ちしています。  メールの件名は「投稿」としていただき、メルマガネームを記載 していただければ幸いです(例:りんごちゃん)。  また、本メルマガの転載依頼もこのサイトをご利用ください。件 名は「転載申し込み」でお願いします。 くだもの&健康ニュースへの投稿アドレスは下記です。 mainitikudamono@gmail.com ────────────────────────────── ▽メルマガのバックナンバーは、下記に掲載しています。 http://a.hml.jp/bm/p/bn/list.php?i=hm020254&no=all http://www.kudamono200.or.jp/JFF/kudamono200/merumaga/merumaga.html ────────────────────────────── ▽メールマガジンの配信登録・解除等は下記です。 http://a.hml.jp/bm/p/f/tf.php?id=hm020254 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━