毎日くだもの200グラムメールマガジン □■□ くだもの&健康ニュース Vol.31 ■□■ 2012年9月21日(金)配信 みなさん、こんにちは! 今週はクリの特集です。 童謡「里の秋」では、「栗の実煮てますいろり端」と唄われています。 ───────────────────────────── 毎日くだもの200グラム以上食べましょう! 公式ホームページは下記です。 http://www.kudamono200.or.jp ────────────────────────────── <<< 本日のメニュ− >>> ・ 季節の便り ・ くだものレシピ:クリ ・ くだもの広場:台湾は果物の消費が多いようですが、何が多い    ですか。 ・ 文献紹介:健康日本21(第2次)推進計画(その2)        食事を1人で食べる子どもを減らす ・ 文献紹介:高血圧の予防にはカリウムの豊富な果物と野菜 ・ 文学の中の果物:ピアノ(芥川龍之介) ・ くだものいちば ・ くだもの豆知識:三内丸山遺跡とクリ栽培 ・ 読者から:ブドウの血糖値について教えてください ・ 編集部より ────────────────────────────── ■ 季節の便り   栗飯や下駄ぬぐきはに菊の花      − 正岡子規 ────────────────────────────── ■ くだものレシピ:クリ ○ さんまと栗の炊き込みご飯  さんまの塩気とほくほくの甘い栗がマッチ 材料 ( 2人分 )  むき栗 150g、米 2合分、さんま 2尾、など。 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 http://cookpad.com/recipe/918507 ○ 鶏・栗・芋煮  シャキッと&ほっこり食感の長芋と栗の煮汁でほんのりやさしい 甘さの煮物です 材料(3〜4人分)  栗の甘露煮 適量、鶏肉(胸肉使用) 1枚(皮なしで約280g)、 長芋 15pくらい、いんげん(下茹でしたもの) 適量、など。 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 http://cookpad.com/recipe/1667088 ────────────────────────────── ■ くだもの広場:台湾は果物の消費が多いようですが、何が多い    ですか。  勉強熱心で果物には目がないミカさんが何か聞きたそうに博士の ところにやって来ました。 ミカ:こんにちは。台湾では果物がたくさん食べられていると聞きま    したが、どれくらい食べているんですか。 博士:こんにちは。そうなんだよ。台湾の2009年の統計から推定する    と1人1日当たり果物消費量は334g位になるね。これは、我が国    の144gの2倍以上で、世界のトップクラスの水準だよ。 ミカ:どんな果物が多いんですか。 博士:パインアップルが48g、リュウディンというみかんが26g、梨が    18g、バナナ17g、マンゴーとグァバが15g、ぶどうが14g、りんご が13g、ポンカン12g、ライチ10g、龍眼とパパイヤが9g、など    多種類の果物が食べられているよ。スイカも24gだね。    ちなみに、日本はりんごが43g、みかんが28g、バナナが23g、 ぶどうが5g、すいかが8gだよ。    ミカ:日本に比べて、いろんな種類の果物をたくさん食べているんで    すね。 博士:ホントだね。欧米食に比べて果汁の消費が少ないだろうから、    生鮮果実の消費では世界のトップかも知れないね。 ミカ:どうして多いんですか。 博士:気候が亜熱帯で、いろんな果実が栽培され、年間を通じて出 回っているからかな。水分補給としても食べられているかも知れ ないね。 ────────────────────────────── ■ 文献紹介:健康日本21(第2次)推進計画(その2)        食事を1人で食べる子どもを減らす  第2次推進計画の食生活の改善目標で、食事を1人で食べる子ど もの割合を減らすことが掲げられています。平成22年度児童生徒の 食生活等実態調査から、食事を1人で食べる子どもの割合は、朝食 で小学生15.3%、中学生33.7%、夕食で小学生 2.2%、中学生6.0% でした。 国内外の研究から、家族との共食頻度が低い児童生徒で肥満・過 体重が多いと報告されています。日本人では、孤食頻度が高い中学 生は、自覚的症状の訴えが多いことが分かりました(文献1)。ま た、共食頻度が高い者は、果物・野菜・ご飯を「よく食べる」人が 多いなど食物摂取状況が良好な傾向にあることも分かりました(文 献2) 。  欧米では、共食頻度が高い児童・生徒ほど、果物・野菜の摂取量 が多く、かつ、ビタミン、ミネラルの摂取量も多い一方で、清涼 飲料水の摂取量が少ないことが報告されています。  また、思春期の共食頻度の高さがその後の食物摂取状況とも関連 することも分かりました。したがって、学童・思春期の共食を推進 することは、健康状態、栄養素摂取量等の面から、食習慣の確立等 につながると期待されています。 【文献】 1) 小西史子ら:子どもの食生活と精神的な健康状態の日中比較(第 1報)食事状況と精神的な健康状態の関連. 小児保健研究. 60:739-748.(2001) 2) Kusano-Tsunoh, A. et al.: Effects of Family-Togetherness on the Food Selection by Primary and Junior High School Students: Family Togetherness Means Better Food. Tohoku J. Exp. Med., 194: 121-127. (2001) ────────────────────────────── ■ 文献紹介:高血圧の予防にはカリウムの豊富な果物と野菜  ポルトガルの研究チームは、高血圧を予防するためには、カリウ ムの豊富な果物と野菜をたくさん食べることが必要であると、 「ヨーロッパ臨床栄養学雑誌」に報告しています。  血圧は、一般に、加齢に従って高くなります。血圧が高いと動脈 硬化になり、心臓疾患や脳卒中などのリスクを高めます。  研究では、40歳以上の549人を対象に、食生活など生活習慣と高 血圧発症との関係を調査しました。カリウムの摂取量に従って、3 グループに分けて比較すると、最も摂取量が多いグループの人は、 最も少ない人より、高血圧の発症リスクが35%減少することが分か りました。  果物と野菜の摂取量に従って3グループに分けて比較した場合、 最も摂取量が多いグループの人は、最も少ないグループの人と比べ て、高血圧の発症リスクが39%減少していました。  ほとんどの食物にカリウムは含まれていますが、特に、果物と野 菜に多く含まれています。カリウムは、腎臓からのナトリウムの排 出を促す働きがあることから、血圧を下げる作用があると考えられ ています。そのため、高血圧予防には、果物と野菜の摂取が大切で す。 【文献】 Camoes, M. et al.: Role of physical activity and diet in incidence of hypertension: a population-based study in Portuguese adults. Eur. J. Clin. Nutr. 64: 1441-1449. (2010) ────────────────────────────── ■ 文学の中の果物:ピアノ(芥川龍之介)  或雨のふる秋の日、わたしは或人を訪ねる為に横浜の山手を歩い て行つた。この辺の荒廃は震災当時と殆ど変つてゐなかつた。 ☆  五日ばかりたつた後、わたしは同じ用件の為に同じ山手を通り かゝつた。ピアノは不相変ひつそりと藜の中に蹲つてゐた。桃色、 水色、薄黄色などの譜本の散乱してゐることもやはりこの前に変ら なかつた。只けふはそれ等は勿論、崩れ落ちた煉瓦やスレヱトも秋 晴れの日の光にかがやいてゐた。  わたしは譜本を踏まぬやうにピアノの前へ歩み寄つた。ピアノは 今目のあたりに見れば、鍵盤の象牙も光沢を失ひ、蓋の漆も剥落し てゐた。殊に脚には海老かづらに似た一すぢの蔓草もからみついて ゐた。わたしはこのピアノを前に何か失望に近いものを感じた。 「第一これでも鳴るのかしら。」  わたしはかう独り語を言つた。するとピアノはその拍子に忽ちか すかに音を発した。それは殆どわたしの疑惑を叱つたかと思ふ位だ つた。しかしわたしは驚かなかつた。のみならず微笑の浮んだのを 感じた。ピアノは今も日の光に白じらと鍵盤をひろげてゐた。が、 そこにはいつの間にか落ち栗が一つ転がつてゐた。  わたしは往来へ引き返した後、もう一度この廃墟をふり返つた。 やつと気のついた栗の木はスレヱトの屋根に押されたまま、斜めに ピアノを蔽つてゐた。けれどもそれはどちらでも好かつた。わたし は只藜の中の弓なりのピアノに目を注いだ。あの去年の震災以来、 誰も知らぬ音を保つてゐたピアノに。 ────────────────────────────── ■ くだものいちば  今回は大阪市中央卸売市場本場に入荷している果物について紹介 します。取扱量の多い果物は、ナシ、リンゴ、ブドウ、ミカンなど です。 ニホンナシ(豊水、新高、二十世紀、など)は鳥取、長野、熊本、 徳島、長崎産などです。セイヨウナシは山形産です。 リンゴ(つがる、など)は青森産などです。 ブドウ(巨峰、マスカット・オブ・アレキサンドリア、、ピオーネ、 マスカットベリーA、など)は長野、山梨、広島、岡山産などです。 カキ(西村早生、平核無、刀根早生)は福岡、和歌山産です。 ウンシュウミカン(ハウスみかん、早生温州、日南1号)佐賀、高 知、宮崎産などです。ユズ は高知、山口産、スダチは徳島産、カ ボスは大分産です。 クリは茨城、熊本産です。 メロン(アールス、など)は静岡、福井、茨城産などです。 「くだものいちば」は青果物市況情報を参考に作成しています。 https://www.seisen.maff.go.jp/seisen/bs04b040md001/BS04B040U C010SC999-Evt001.do ────────────────────────────── ■ くだもの豆知識:三内丸山遺跡とクリ栽培  青森県の三内丸山遺跡は、八甲田山に連なる台地の縁に位置して います。集落の標高は約20mで、すぐ北側には沖館川が流れていま す。  三内丸山遺跡は今から約5500年前〜4000年前の縄文時代の集落跡 です。花粉の分析結果から、植物性の食料が多く利用されていたこ とが分かりました。居住が開始されると、周辺を開拓し、クリを植 えていたと推測されています。  遺跡からは、直径が約1mもあるクリの柱根が見つかっています。 そのほか、クリの木は道具を作る材料として、また燃料としても使 用されていたと考えられています。  静岡大学の佐藤洋一郎教授らは、遺跡から発見されたクリのDNA には、野生の植物集団の特徴であるDNA多型が見られなかったこと から、クリの人為的栽培が行われていたと考えています。 ────────────────────────────── ■ 読者から:ブドウの血糖値について教えてください  いつも楽しくメルマガを読んでいます。果物が大好きです。先日、 ブドウをいただいて食べたのですが、ブドウは甘いので血糖値を上 げやすいと聞いたことがありますが本当でしょうか、教えてくださ い。(メルマガネーム:山梨akb) 【編集部より】  メールありがとうございました。血糖値のコントロールは、糖尿 病の場合だけでなく、生活習慣病の予防にも有効です。そのため、 血液中のブドウ糖濃度が急激に上昇しない食品選びが大切です。例 えば、精白米よりも玄米がよいのはそのためです。 ブドウは、食物繊維を豊富に含んでいるので血糖値を上げにくい 食品です。科学的な証拠を紹介します。血糖上昇の科学的な指標で あるグリセミック・インデックスでは、ブドウ糖を100とすると、 ブドウは46です。ちなみに、デンプン食品であるフランスパンは95、 です。  かって「果物は血糖値を上げる」と言われたこともありますが、 科学的な証拠から誤りであることが分かりました。そのため、「健 康日本21」の中では、糖尿病予防のために果物の摂取を勧めていま す。毎日、ブドウを一房(デラウエア等の小粒系は2房、巨峰等の 大粒系は2分の1房)以上、食べることが大切です。(tnk)  皆様からのメールをお待ちしています。投稿アドレスは下記です。 mainitikudamono@gmail.com ────────────────────────────── ■ 編集部より  先日、講演会に来ていただいた方にメルマガをお勧めしました。 そうしたら、「おもしろい」との感想を送ってくれました。こうした メールは私たちを勇気づけてくれます。皆様からのお便りをお待ち しています。(tnk)  最近、テレビ局から、たて続けに、果物についての質問電話を受 けました。Nテレビからは、果物の王様はドリアンか、Yテレビからは、 世界一のぶどう生産国は日本か、です。本格的な果物シーズンの到来 をテレビ局から知らされた次第です。(HK) ────────────────────────────── ◆発 行◆ 公益財団法人中央果実協会 Copyright(C) 2011-2012.  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