毎日くだもの200グラムメールマガジン □■ くだもの&健康ニュース Vol.259 ■◇ 2022年11月11日(金)配信 こんにちは! 未加工の果物は、超加工食品より人と地球の健康に良いことが明ら かになりました(文献紹介から)。 ────────────────────────────── 毎日くだもの200グラム以上食べましょう! 公式ホームページは下記です。 http://www.kudamono200.or.jp ────────────────────────────── <<< 本日のメニュ- >>> ・ 季節の便り ・ くだものレシピ:セイヨウナシ ・ くだもの広場:「果物が好きになるパンフレット」          からの紹介(連載第2回) ・ 文献紹介:超加工食品は、健康と生物多様性を損なう ・ 文学の中の果物:灰かぶり姫のものがたり(アッシェンプッテル) ・ くだものいちば ・ 編集部より ────────────────────────────── ■ 季節の便り   渋柿のとり残されてあはれ也     - 正岡子規 ────────────────────────────── ■ くだものレシピ:セイヨウナシ ○ 洋梨と柿の炒め物  意外な組み合わせですが、食べてびっくりな美味しさです。 材料(4人分)  セイヨウナシ 1個、カキ 1個、生ハム 8枚、オリーブオイル 大さじ1杯、塩、粗挽き胡椒 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 https://cookpad.com/recipe/4811533 ○ 洋梨のシュトロイゼルマフィン【ドイツ】  シュトロイゼルのサクサク感とセイヨウナシのジューシーさが美 味しいマフィンです。チョコチップも加えて美味しさ倍増!焼き立 てをお召し上がれ~。 材料(約10個)  セイヨウナシ 2個、ヨーグルト 300g、刻んだチョコ(無くても良 い) 50g、全粒粉、小麦粉、砂糖、バター、重曹、シナモン、卵、 植物油、ラム酒 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 https://cookpad.com/recipe/403421 ────────────────────────────── ■ くだもの広場:「果物が好きになるパンフレット          からの紹介(連載第2回) Q2 果物には果糖が含まれますが、健康への影響はありません か? A2 果物から摂る分量では問題ありません。  「果糖」情報に神経質になり、健康に役立つのに果物を口にされ ない方がおられるようです。そのような皆様にとっておきの情報で す。 【前回の回答の続き】 以下に、果物はカロリーが意外に少ないこと、ビタミンCに富むこ とを紹介します。 【果物100g中のカロリー及びビタミンC含有量】 (参照:参照:日本標準食品成分表2015(7訂) https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/index.html) レモン(エネルギー19kcal、ビタミンC15mg、以下、括弧内の数字 は果物100g中のエネルギーとビタミンCの含有量)、グレープフ ルーツ(38,3)、日本なし(43,3)、うんしゅうみかん(45,35)、 しらぬひ(51.48)、西洋なし(54,3)、りんご(57.4)、 ぶどう(64,2)、バナナ(86,16)、キウイフルーツ(53,69)、 かき(60,70) ・健康被害が生じる要因は高果糖ブドウ糖液糖 清涼飲料、ファストフードには「高果糖ぶどう糖液糖」が使用され ています。これらの多食・多飲は、過剰なエネルギー摂取につなが ると共に、過剰な果糖が脂肪合成に利用されるため、肝臓に脂肪が 蓄積する非アルコール性脂肪肝の一因となります。さらに脂肪肝か ら非アルコール性脂肪肝炎、肝硬変、肝がんへと進む可能性もあり ます。高果糖飲料の多量摂取は健康上要注意とする研究報告は多数 あります。しかし、果物に含まれる果糖が健康上良くないとする研 究報告は見当たりません。 Q3 糖分を含む果物は肥満の原因になりませんか A3 みかん産地の静岡での調査では、みかんをよく食べる習慣の ある人に肥満が多いとは言えませんでした。  20年も前のことです。「果物は糖分が多いから体に悪いので は?」 との疑問を持った農林水産省果樹研究所(現国立研究開発法 人 農業・食品産業技術総合研究機構果樹茶業研究部門)のメンバー は、みかん好きが多いと考えられる静岡県民を対象に、(1) みかん をどれだけ食べていますか? (2) 何か持病を持っていますか?  のアンケート調査を行いました。  下図は回答者6,049人の集計結果です。一日に4個のみかんを食 べると、摂取する糖分は30グラム程になりますが、食べない人に比 べても肥満者が多いとは言えず(右上緑色)、糖尿病、高血圧、心 臓病、痛風と回答した人はむしろ少ない傾向にありました(ピンク 色)。みかんのような果物は糖分だけでなく、病気予防に効果的な 成分も含まれていることが伺えます。 (文中の図は、下記に掲載されているパンフレットの4ページの棒 グラフをご覧ください。)  中央果実協会>果実消費拡大>食育>パンフレット>果物が好き になるパンフレット https://www.japanfruit.jp/Portals/0/resources/JFF/kudamono200/kudamonosukipanf.pdf ────────────────────────────── ■ 文献紹介:超加工食品は、健康と生物多様性を損なう  果物など未加工食品を中心とした植物ベースの食事は、健康に良 いだけではなく、地球環境の維持・改善にも有効なことが報告され ています。一方ファストフード、ソフトドリンク、甘いまたは風味 豊かなパッケージスナック、加工肉製品、調理済み冷凍食品などの 超加工食品は、生活習慣病のリスクを高めることが明らかになって いますが、環境に対する影響は不明でした。  そこで、ブラジル・サンパウロ大学などの研究チームは、世界的 な超加工食品の普及と地球環境との関係を調査したところ、人間が 消費できる植物種の多様性に悪影響を及ぼしていると同時に、人間 と地球の健康にも悪影響を及ぼしていると、「イギリス医学雑誌 (BMJ)グローバルヘルス」に発表しました。  すでに、超加工食品が人間の健康に及ぼす悪影響についてのエビ デンスは蓄積していますが、地球の健康への悪影響についての認識 はまだ低く、考慮すべき事項として国際開発項目から欠落している と、研究者らは考えています。  また、世界的な農業生物多様性、特に人間の消費に使用される植 物の遺伝的多様性が低下していると警告しています。  人間の食物には7,000種以上の食用植物が使用されていますが、 2014年に重要な生産があったのは200種未満であり、全作物生産の66 重量%以上を占めるのは、わずか9作物だけでした。さらに、人間 のエネルギー摂取量の90%は、わずか15の作物からのもので、40億 人以上が、米、小麦、トウモロコシの3つだけに依存していました。  研究チームは、食料システムにおける生物学的多様性のそのよう な低下は、信頼できる持続可能な食料生産を支える生物圏のプロセ スと生態系を破壊し損害を与え、食事の多様性を減らし、健康的で 回復力のある持続可能な食料システムへの障壁を生み出していると 警告しています。  ブラジルの主要スーパーマーケットチェーンで販売されている 7,020の超加工食品の調査から、それらの5つの主要成分には、サトウ キビ(52.4%)、牛乳(29.2%)、小麦(27.7%)、トウモロコシ (10.7%)および大豆(8.3%)に由来する食品成分が含まれてい ることが報告されています。  また、オーストラリアでは2019年によく売れた包装済み食品・飲 料には、砂糖(40.7%)、小麦粉(15.6%)、植物油(12.8%)、 および牛乳(11.0%)が含まれていることが分かりました。  人々の食事は多様性が失われ、未加工食材の利用によるバランス のとれた食事の代わりに超加工食品が使用されるようになっていま す。  製造された超加工食品には、少数の高収量植物種(トウモロコシ、 小麦、大豆、油糧種子作物など)から抽出された成分が多く使用さ れています。また、こうした少数の植物種で飼育された動物由来の 成分も超加工食品に多く含まれています。  もう1つの懸念事項は、超加工食品の生産に大量の土地、水、エ ネルギー、除草剤、肥料が使用され、温室効果ガスの排出と包装廃 棄物の蓄積による環境劣化を引き起こしていることです。  食生活における超加工食品の急速な普及は、人間が消費できる植 物種の多様性を損なう圧力として働き続けると研究者は考察してい ます。そのため、国際的な枠組みの中で、超加工食品によって引き 起こされる農業生物多様性の破壊を遅らせ、逆転させるための制度 設計と行動が必要であると、研究者らは指摘しています。  こうした意見を受けて国連は、持続可能な開発目標(SDGs)の中 で果物などが豊富な植物ベースの食料生産システムの構築を推進し ています。 【文献】 Leite, F. H. M. et al.:Ultra-processed foods should be central to global food systems dialogue and action on biodiversity. BMJ Glob. Health, 7: e008269. (2022) [doi: 10.1136/bmjgh-2021-008269] ────────────────────────────── ■ 文学の中の果物:灰かぶり姫のものがたり(アッシェンプッテル)  アッシェンプッテルのお父さん、まま母、姉たちがいえの中に入 ると、アッシェンプッテルはいつものように、ちいさなランプのほ のかな明かりにてらされながら、灰でよごれたワンピースをきて、 よこになっていました。  どうやってここまできたかといいますと、アッシェンプッテルは ぜんそくりょくで、しいくごやをとおりぬけて、ハシバミの木のと ころまできました。そして木の下でドレスをぬぎ、鳥さんがもちか えれるように、木の下においてから、いつもとおなじように、灰色 のワンピースをきて、灰の中にねそべったというわけです。  つぎの日もパーティがはじまり、お父さん、まま母、姉たちは出 かけてしまうと、アッシェンプッテルはハシバミの木のところへ行 って、いいました。 「ふるえて、ゆれて、小さな木、  わたしに金銀ふりかけて。」  鳥さんがもってきたのは、きのうよりもずっときれいなドレスで した。パーティにきていくと、アッシェンプッテルがあまりにもう つくしいので、みんなおどろいてしまいました。王子さまはアッシ ェンプッテルをまちこがれていて、手を取って、いっしょにダンス をしました。ほかのひとが、アッシェンプッテルにダンスをもうし こんでも、王子さまはやっぱり、こういうのでした。 「このかたは、ぼくとダンスをしているのですよ。」  夜がふけて、かえるじかんになりました。この日も王子さまはつ けていって、きのう見うしなったところまできました。しかし、ア ッシェンプッテルはあっというまに、いえのうらにわにきえてしま いました。  にわに、おいしそうにみをつけた、洋なしの木がありました。ア ッシェンプッテルはほかにかくれるところも見つからないので、だ れにも見られないうちにと、木のはっぱの中へかくれてしまいまし た。  王子さまはアッシェンプッテルを見うしなってしまい、どこに行 ったかまったくわからなくなりました。アッシェンプッテルのお父 さんがかえってくると、王子さまはこういいました。「いっしょに ダンスをおどった、なぞのおひめさまがきえてしまったのです。た ぶん、この洋なしの木の中にかくれているとおもうのですが。」 「もしかして、アッシェンプッテルが?」とお父さんはおもって、 おのをもってきました。えいと木を切りたおしましたが、ひとのか げもかたちもありませんでした。  みんながだいどころへ行くと、アッシェンプッテルはやっぱり灰 の中でよこになっていました。  どうやったというと、アッシェンプッテルは、木のはんたいがわ からとびおりて、きれいなドレスをハシバミの木の鳥さんにかえし てから、灰色のちいさなワンピースにきがえた、というわけでした。 ────────────────────────────── ■ くだものいちば  今回は、京都市中央卸売市場に入荷している果物を紹介します。 入荷量が多いのは、ミカン、リンゴ、カキ、イチゴ、バナナなどで す。 [旬の果物と産地] ウンシュウミカンは和歌山産です。 レモンはアメリカ、チリ産です。 バレンシアオレンジはオーストラリア産です。 グレープフルーツはメキシコ、南アフリカ産です。 ユズは京都、徳島産です。 スダチは徳島産です。 リンゴ(ジョナゴールド、ふじ、王林)は青森、長野産です。 ニホンナシ(王秋、など)は鳥取産です。 セイヨウナシ(ラ・フランス)は山形産です。 カキ(富有、平核無、など)は福岡、奈良、和歌山、福井産です。 ブドウ(巨峰、紫苑、など)は長野、岡山産です。 イチゴは福岡産です。 メロン(アールス、など)は静岡、高知産です。 バナナ、パイナップルはフィリピン産です。 キウイフルーツはニュージーランド、福岡産です。 「くだものいちば」は青果物市況情報を参考に作成しています。 https://www.seisen.maff.go.jp/seisen/bs04b040md001/BS04B040UC010SC999-Evt001.do ────────────────────────────── ■ 編集部より  現代は、お金万能の時代と言われます。調理時間や食べるスピー ド、「面倒くさい」までお金に換える超加工食品が普及しています が、単純に受け入れるのではなく立ち止まる必要があるようです。 良く言われる「果物は食べにくい」も再考が必要と感じています。(tnk)  晩秋に入り、スーパーの果物売り場では、ブドウ、ナシからリン ゴ、ミカンが目立つようになってきました。日本の代表的な果物で すから、たくさん食べましょう。(EK) ──────────────。─────────────── ◆発 行◆ 公益財団法人中央果実協会 kudamononews@kudamono200.or.jp Copyright(C) 2011-2022.  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