毎日くだもの200グラムメールマガジン □■ くだもの&健康ニュース Vol.256 ■◇ 2022年9月23日(金)配信 こんにちは! 精神的安定、うつ病のリスクを下げるなら野菜ではなく果物を! (文献紹介から) ────────────────────────────── 毎日くだもの200グラム以上食べましょう! 公式ホームページは下記です。 http://www.kudamono200.or.jp ────────────────────────────── <<< 本日のメニュ- >>> ・ 季節の便り ・ くだものレシピ:クリ ・ くだもの広場:令和3年産みかん生産量 ・ 文献紹介:果物は精神を安定し、うつ病リスクを下げる ・ 文学の中の果物:山日記(堀辰雄) ・ くだものいちば ・ 編集部より ────────────────────────────── ■ 季節の便り   道端に栗賣竝ぶ祭かな     - 正岡子規 ────────────────────────────── ■ くだものレシピ:クリ ○ チキンときのこ・栗のカルドソ クリとキノコ、秋の魅力が詰まったスペインの雑炊(カルドソ) です。 材料(4人分)  クリ 8個、鶏もも肉 250g、ヒラタケ 1パック(125g)、ピー マン(粗みじん切り) 1個、コメ 120g、ソフリット35g、ニンニク (チューブ) 大さじ1杯、ブイヨン(キューブ) 1個、水 500ml、 ターメリック、塩、黒胡椒、オリーブオイル、マスタードスプラウト 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 https://cookpad.com/recipe/7009735 ○ あめ色オニオンと栗のゴルゴンゾーラピザ ほんのり甘みが美味しいトルティーヤを使ったゴルゴンゾーラ チーズピザ 材料(直径約17cm2枚分)  むきクリ 約60g、トルティーヤ 2枚(直径約17cm)、タマネギ 大きめ1個、オリーブオイル 大さじ2杯、ゴルゴンゾーラチーズ 大さじ4杯、パルメザン粉チーズ 大さじ2杯 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 https://cookpad.com/recipe/296900 ────────────────────────────── ■ くだもの広場:令和3年産みかん生産量  令和4年5月に農林水産省から公表された令和3年産のみかんの 生産量について概要をご紹介します。詳細は、農林水産省の統計情 報をご覧ください。 参考URL https://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/sakumotu/sakkyou_kazyu /attach/pdf/index-15.pdf  令和3年産のみかんの結果樹面積は37,000haで前年産に比べて800 ha(2%)減少しました。収穫量は749,000トンで令和元年産並みとな りました。  過去3年間の結果樹面積は、令和元年38.700ha、令和2年37,800ha、 令和3年37,000ha、過去3年間の収穫量は、令和元年746,700トン、 令和2年765,800トン、令和3年749,000トンです。10年前の平成24年 の結果樹面積は44,600ha、収穫量は846,300トンで、令和3年の収穫 量は平成24年の89%となっています。 品種別の収穫量は、早生温州442,100トン(59%)、普通温州306,900 トン(41%)です。 都道府県別の収穫量は、和歌山県147.800トン(20%)、愛媛県127,800 トン(17%)、静岡県99,700トン(13%)、熊本県90,000トン(12%)、長 崎県52,000トン(7%)、その他231,700トン(31%)となっています。  みかんの1世帯当たりの年間支出額、購入数量は、平成3年は 4,309円、9.4kgです。過去5年間の年間支出額は、平成29年4,373円、 平成30年4,439円、令和元年4,160円、令和2年4,461円と多少変動は あるものも、4,300円程度の横ばいで推移しています。また、過去5 年間の購入数量は、平成29年9.2kg、平成30年9.9kg、令和元年9.3kg、 令和2年10.1kgと9.5kg程度の横ばいで推移しています。 ────────────────────────────── ■ 文献紹介:果物は精神を安定し、うつ病リスクを下げる  イギリス、アストン大学の研究チームは、果物を頻繁に食べる人 は、そうでない人よりも精神的に安定し、うつ病のリスクも低くな ると、「イギリス栄養学雑誌」に発表しました。  逆に、ポテトチップスなどのスナック菓子を頻繁に食べる人は、 不安のレベルが高い傾向にあることが見い出されました。また、意 外にも野菜は精神的健康との関連は認められませんでした。  研究では、イギリス在住の成人428人を対象に、果物、野菜、甘 い菓子やスナック菓子の摂取と精神的健康との関係を調査しました。  得られたデータを年齢、健康状態全般、運動などといった人口統 計学的および生活習慣の要因によるデータを調整後に分析したとこ ろ、栄養豊富な果物と栄養的価値の低いスナックがそれぞれ精神的 健康に関連していることがわかりました。また、野菜の摂取と精神 的健康との間には直接的な関連性がないことが分かりました。  さらに、果物の総摂取量に関係なく、果物を食べる頻度が高いほ ど、うつ病スコアは低くなり、精神的健康スコアが高くなることが 明らかになりました。  果物と野菜はどちらも、最適な脳機能を促進する抗酸化物質、食 物繊維、必須微量栄養素が豊富ですが、野菜の場合、これらの栄養 素は調理の過程で失われる可能性があります。果物は生で食べるこ とが多く、このことが精神的健康へより強く影響している可能性が 高いと示唆されました。  一方、栄養的価値の低いスナック菓子を頻繁に食べると、不安が 増大することが分かりました。また、スナック菓子をより頻繁に消 費することは、認知障害の増加を介して、うつ病、ストレス、不安 の症状の増加、および精神的健康の低下と関連していることが明ら かになりました。  さらに、スナック菓子を頻繁に食べている人は、「日常的な物忘 れ」(主観的な認知障害)を経験し、精神的健康状態が低下する可 能性が高くなりました。  しかし、日常的な物忘れと果物や野菜の摂取量、甘い菓子との間 に関連はなく、スナック菓子との間にだけ関係があることが示唆さ れました。これらのイライラする日常的な物忘れの例には、物を置 いた場所を忘れたり、特定の部屋に入る目的を忘れたり、知人の名 前を思い出せそうで思い出せないなどといったことが含まれていま す。  今回の研究から、栄養的な価値の低いスナック菓子を頻繁に食べ ることが日々の物忘れを増やし、そのことが精神的健康の低下につ ながることが示唆されました。  以上の結果から、フルーツボウルに手を伸ばす習慣を身につける ことは間違いなく価値があると、研究者はコメントしています。 【文献】 Tuck, N-J. et al.: Frequency of fruit consumption and savoury snacking predict psychological health; selective mediation via cognitive failures. Br. J. Nutr., 2022: 1-26. (2022) [doi: 10.1017/S0007114522001660] ────────────────────────────── ■ 文学の中の果物:山日記(堀辰雄) 十月九日  こちらはもう秋が深い。冬までゐられさうなことを言つてゐた川 端さんも、これからずつと木曾をまはつて鎌倉へ歸ると、さきをと つひお別れに來られたが、たぶんけふあたりはその木曾を旅してゐ られることだらう。僕達はいまやりかけてゐる「續かげろふの日 記」の仕上がるまでは頑張つてゐるつもりだが、さあ、いつ出來上 がることか知らん? 實はその仕事もいよいよこれからといふとこ ろで、僕が一週間ばかり寢込んでしまつたので、二人ともすつかり 悄げてゐた。が、きのふけふはもう大ぶいい。――その病氣の原因 はといふと、こなひだうちの栗拾ひらしい。採れたときは、わが家 のまはりだけでも、さう、毎日百個ぐらゐづつは採れたらう。しま ひには僕よりも身輕な女房に、裏の大きな栗の木に登らせて、枝を ゆすぶらせると、忽ち二十やそこいらは大きな音を立てて落ちてく る。僕はその木の下で、それを傍から拾ふのである。そんな勞働が 過ぎてか、或晩、僕はなんだか身體がへんに大儀なのでためしに熱 を測つて見たら、三十八度近くもあつた。……それからはもう朝つ ぱらから大きな音を立てて屋根の上なんぞに落ちるのもそのままに させつきり、女房を傍らのラッキング・チェアに坐らせて、おとな しくベッドに寢てゐた。川端さんがお別れに來られたのはそんな最 中だつたのでちよつと淋しかつた。歸られたすぐあと、藤屋の子供 が川端さんを搜しに來たので、丁度いいところと思つて、まだどつ さり殘つてゐた栗をみんな川端夫人にお屆けさせたりした。――し かし、もうそんな熱もすつかり下つた。  こんやあたりから又ぽつぽつと仕事をはじめようかとさへ思つて ゐる。その前にちよつと夕方庭へ望みたら、僕が閉ぢ籠つてゐた間 に、いつのまにか何處もかしこも枯葉の山、――そんな中から可哀 いやな、龍膽りんだうの花がちらほらと小さな顏を出してゐる。ひ さしぶりに其處で夜を過ごすことにした、ファイア・プレェスのあ る廣間なんぞは、病中散らかしたまんまにして置いたもんだから、 いかにも山小屋然となつてゐる。  おまけに、日が暮れると一しよに、急に風が物凄く吹きだした。 ときどきそんな野分めいた風がさつと屋根や窓にそこらぢゆうの枯 葉を夕立のやうにぶつつけてゐる。そんな枯葉の或物は窓や戸の隙 間なんぞを見つけては、無遠慮にコッテエヂの中まで飛び込んでく る。そして僕たちのまはりで、一塊りになつて、くるくると旋囘し てゐる。僕は無關心を裝つて、あかあかと燃やしたファイア・プレ ェスの前で、ほんの仕事の眞似、女房もかういふ山住みには大ぶ馴 れて來たと見え、僕の傍で落着いた顏をして手紙を書いてゐる。さ ういふ僕たちを恰も慈(いつくし)むかのやうに、マントル・ピイ スの上から、この夏釋迢空さんが僕たちのために書いて下すつた朱 の短册が、森嚴に見下ろしてゐる。 人も馬も道ゆきつかれ死ににけり。旅寢かさなるほどのかそけさ ────────────────────────────── ■ くだものいちば  今回は、福岡市中央卸売市場に入荷している果物を紹介します。 入荷量が多いのは、リンゴ、ナシ、ミカン、レモン、バナナ、パイ ナップルなどです。 [旬の果物と産地] ウンシュウミカンは佐賀産などです。 バレンシアオレンジはオーストラリア産、グレープフルーツは南ア フリカ産、レモンも海外産です。 リンゴ(つがる)は青森、長野産です。 ニホンナシ(豊水、二十世紀など)は長野、大分、福岡産です。 モモは福島、長野産です。 スモモは長野産です。 ブドウ(巨峰、ピオーネ、など)は福岡、長野、岡山産です。 メロン(アールス、など)は熊本産です。 バナナ、パイナップルはフィリピン産などです。 キウイフルーツはニュージーランド産です。 「くだものいちば」は青果物市況情報を参考に作成しています。 https://www.seisen.maff.go.jp/seisen/bs04b040md001/BS04B040UC010SC999-Evt001.do ────────────────────────────── ■ 編集部より 今回紹介した論文から、精神的安定、うつ病のリスクを減らすた めには果物を食べる回数を増やすことが大事だと分かりました。果 物は冷蔵庫にしまわないで、手の届く机の上の果物籠に入れておく のが良いのかも。(tnk)  コロナ感染がようやくピークを越えつつありますが、先週末の三 連休は大きな台風がやってきて、なかなか気が休まることがありま せん。まだ、台風シーズンも続きますので、気を付けてお過ごしく ださい。 (EK) ──────────────。─────────────── ◆発 行◆ 公益財団法人中央果実協会 kudamononews@kudamono200.or.jp Copyright(C) 2011-2022.  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