毎日くだもの200グラムメールマガジン □■ くだもの&健康ニュース Vol.255 ■◇ 2022年9月9日(金)配信 こんにちは! 敬老の日の食卓に果物を!幸福感が高まります(文献紹介から)。 ────────────────────────────── 毎日くだもの200グラム以上食べましょう! 公式ホームページは下記です。 http://www.kudamono200.or.jp ────────────────────────────── <<< 本日のメニュ- >>> ・ 季節の便り ・ くだものレシピ:イチジク ・ くだもの広場:「令和3年度果物の消費に関する調査」(連載第5回) ・ 文献紹介:高齢男性の幸福度は果物と野菜の摂取量と強く相関 ・ 文学の中の果物:樅ノ木は残った(山本周五郎) ・ くだものいちば ・ 編集部より ────────────────────────────── ■ 季節の便り   無花果の落ちてもくれぬ家主哉     - 正岡子規 ────────────────────────────── ■ くだものレシピ:イチジク ○ 敬老の日!煮いちじくのチーズケーキ風  イチジクのコンポート×ヨーグルトを使ったチーズケーキ風。季 節感のある、ヘルシースイーツ! 材料(グラン ラウンドMサイズ1台分)  イチジクのコンポート、水切りヨーグルトのチーズケーキ、ミン ト 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 https://cookpad.com/recipe/5824865 ○ 季節限定 イチジクのワイン煮  イチジクの季節になりました。季節限定のデザートを作ってみて 下さい。(動画付き) 材料 (4人分)  イチジク 4個、グラニュー糖100g、ロゼワイン 600ml、アイスク リーム お好みで、ミントの葉 4枚 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 https://cookpad.com/recipe/6911954 ────────────────────────────── ■ くだもの広場:「令和3年度果物の消費に関する調査」(連載第5回)  今回は、令和3年度「果物の消費に関する調査」のうち、コロナ ウイルスの感染の果物消費への影響を紹介します。 【新型コロナウイルスの感染拡大に伴う果物摂取量の変化】  新型コロナウイルスの感染拡大による果物の摂取量は、変わらな いが84.8%(前年度85.8%)、増加したが10.5%(前年度8.7%)、減少し たが4.9%(前年度5.5%)となっています。年代別でみると、増加した と回答した人の割合が20代では14.8%、30代では13.1%と1割を超え ており、両世代とも前年より2~3ポイント高くなっています。また、 果物摂取量別でみると、摂取量が多いほど増加した人の割合が高く なる傾向があり、特に200グラム以上の層では16.6%となっています。 【果物摂取量増加者の増加理由】  「家で食事やおやつを食べることが増えたからが50.0%、「おいし いから」が48.6%、「健康増進のため」が47.1%、「免疫力・抵抗力 の強化のため」が43.3%となっています。上位4つは同じですが、昨 年度1番目、2番目だった「健康増進のため」と「免疫力・抵抗力 の強化のため」が3番目、4番目になる一方、昨年度は3番目、4 番目だった「家で食事やおやつを食べることが増えたから」と「お いしいから」が1番目、2番目になっています。  性別でみると、男性は「ストレス緩和のため」が30.9%で女性の 20.4%に比べて10ポイント以上高くなっています。一方、女性は「お いしいから」が53.1%(男性43.3%)、「健康増進のため」が52.2%(男 性41.2%)、「免疫力・抵抗力の強化のため」が52.2%(男性33.0%)と、 どの項目もほぼ10~20ポイント程度高くなっています。 【摂取量が増加した果物の品目】  摂取量が増加した果物の品目は、バナナが41.1%、りんごが40.0%、 みかんが39.0%、キウイフルーツが29.0%、ぶどうが27.6%で、パイ ンアップル、かきと続いています。昨年度はりんごが1番でしたが、 今年度はバナナが1番になりました。ただ、上位5品目の種類は同 じでした。性別でみると、キウイフルーツが男性の21.6%に対して 女性が35.4%とほぼ10ポイント以上高くなっています。また、果物 摂取量別でみると、果物を200グラム以上摂取している人ではみか んの摂取量が増加した人が58.5%と他の果物が増加した人に比べて 顕著に高くなっています。 【果物摂取量の増加量】  果物摂取量の増加量は、「1~2割増加」が52.4%と最も多く、 「1割以内」が17.1%、「2から3割」が15.2%、「3割以上」が 15.2%となっており、前年と同様の傾向になっています。 【果物摂取量減少者の減少理由】  食費を節約しようと思ったからが49.0%で、外出を控えて買えな かったからが40.8%で昨年度と1番目と2番目が逆転しました、性別 でみると、食費を節約しようと思ったからが男性の43.9%に対して 女性が52.6%、外出を控えて買えなかったからが男性の31.7%に対し て女性が47.4%と10~15ポイント近く高くなっています。 【果物以外で摂取が増えた食品】  麺類が14.2%、野菜が13.4%、ご飯が11.7%、乳製品が11.2%と1割 台で並んでおり、昨年度と順位は同じで、割合もほぼ同じです。性 別・年代別では20代の男性でご飯が20.3%、30代の男性で麺類が 21.3%と顕著に高くなっています。 【果物以外で摂取が減った食品】  ご飯7.8%、肉類5.8%、魚が5.7%、麺類5.3%、野菜4.6%と並んでい ます。また、特にないが78.1%となっています。 ────────────────────────────── ■ 文献紹介:高齢男性の幸福度は果物と野菜の摂取量と強く相関  先行研究からポジティブな感情と幸福は、健康を改善し、寿命を 延ばす可能性があることが明らかとなってきました。食事の質、果 物と野菜が豊富な地中海式ダイエット、果物と野菜などの消費は、 ポジティブな影響、気分の改善、うつ病のリスクの軽減に関連して いました。  そこで、フィンランド、ヘルシンキ大学の研究チームは、高齢男 性における食事、栄養、および知覚された幸福の間の関連性を調べ たところ、果物と野菜の摂取量と幸福感の間には強い正の相関があ ることがわかったと、医学雑誌「ヨーロッパ老年医学」に発表しま した。  横断的分析研究であるヘルシンキ ビジネスマン研究コホートに 参加している在宅男性338人、平均年齢88歳(82~97歳) を対象に 調査が行われました。  栄養調査は、3日間の食事日記、地中海式ダイエットへの順守ス コア、およびフィンランドの食事推奨事項への順守度を測定し、食 事の質スコアを判定しました。  幸福度は、主観的幸福スコア(Visual Analogue Scale of Happiness) を使用して評価しました。  参加者は、幸福スコアに従って四分位に分けられました。分析は、 食事の質スコア、食物摂取量、およびその他の指標と、幸福スコア を比較検討しました。  その結果、幸福度は果物と野菜の総摂取量と強い正の相関が認め られました。一方、年齢、血糖値、昼食抜き、食物摂取量の減少、 体重減少とは逆相関がありました。  以上の結果から、果物と野菜の摂取量は高齢者の幸福度を示し、 食物摂取量の減少と体重減少は幸福度と逆相関していました。した がって、十分な栄養を維持し、果物や野菜の消費を増やすことが、 高齢者の心理的健康にとって重要であることがわかりました。 【文献】 Jyvakorpi, S.K. et al.: Happiness of the oldest-old men is associated with fruit and vegetable intakes. Eur. Geriatr. Med., 9: 687-690. (2018) [doi: 10.1007/s41999-018-0084-9] ────────────────────────────── ■ 文学の中の果物:樅ノ木は残った(山本周五郎)  おくみがいちじくを小皿にのせて、甲斐の前へさし出した。皮を 剥いたいちじくは、白い肌を出して、果頭の部分が、薄紫色のぼか しになって、えみ割れていた。 「かよも喰たべるか」  甲斐はその一つを取ってかよに与えた。おくみが、かよさんはあ とで、と云ったが、かよはすばやく歯を当てていた。  甲斐もいちじくを一つ喰べた。かよは喰べるあいだもお饒舌りを やめず、一つ喰べ終ると、すぐに次のに手を出したが、おくみは、 いけません、とやさしく睨(にら)んだ。またおなかが痛くなるから いけない、一つだけでおやめなさいね、と云い、かよはべそをかい て父親を見た。 「そう、おなかが痛くなるね」と甲斐が云った、「あとで煮てもら ってお喰べ、煮て喰べれば大丈夫だよ」 「にいにで喰べる」とかよが母親に云った、「にいにでよ、かあか ん」 「ええにいにしてあげましょうね、ばあやに煮てもらって喰べまし ょ、ばあや」  おくみが呼び、乳母がはいって来ると、かよは父親にしがみつい て、ここにいるとかぶりを振った。ばあやが煮て来ればいい、かよ は父さまに抱かっているのだ、と強い口ぶりで云い張った。久しぶ りに抱かれるので、よほど側をはなれたくないらしい。おちょぼ口 を屹(きっ)とひき緊め、力んだ顔つきで、かよたんは抱っこでいる のよ、と繰り返した。  甲斐の額に皺がよった。可哀そうに、と甲斐は思った。こんな父 を持って、年に幾たびと数えるほどしか会えないし、ゆくさきの幸 不幸もわからない。母親には兄があるから、生活に困るようなこと はないだろうが、父母といっしょに、安穏な暮しができるという望 みはない。父である自分は、いつ最悪な立場に立たなければならな いかもしれないし、そのおそれは充分にある。おまえは生れて来な いほうがよかったのだ、と甲斐は、またしても、思うのであった。 ────────────────────────────── ■ くだものいちば  今回は、沖縄県中央卸売市場に入荷している果物を紹介します。 入荷量が多いのは、ミカン、オレンジ、スイカ、バナナ、パイナッ プルなどです。 [旬の果物と産地] ウンシュウミカンは沖縄産です。 ネーブルオレンジ、レモン、グレープフルーツはオーストラリア産 です。 リンゴ(ジョナゴールド、ふじ)は青森産です。 ニホンナシ(豊水、二十世紀)は熊本産です。 モモ(川中島桃、など)は山形産です。 ブドウ(巨峰など)は福岡産です。 メロンはアメリカ産です。 スイカは沖縄産です。 バナナ、パイナップルはフィリピン、沖縄産です。 キウイフルーツはニュージーランド産です。 「くだものいちば」は青果物市況情報を参考に作成しています。 https://www.seisen.maff.go.jp/seisen/bs04b040md001/BS04B040UC010SC999-Evt001.do ────────────────────────────── ■ 編集部より  文献紹介から、果物の摂取量が多い高齢男性は幸福度が高いこと がわかりました。くだもの広場のデータでは、果物を増やした男性 の30.9%が、「ストレス緩和のため」と回答しています。少し古い 資料ですが、百寿者(百歳を超えた人)の調査で、寿司や甘いもの を抑えて、果物が一番好きな食べ物に選ばれました。(tnk)  これからは気候も良くなり、外出の機会もあると思いますが、引 き続きコロナ感染対策に注意して過ごしましょう。 (EK) ──────────────。─────────────── ◆発 行◆ 公益財団法人中央果実協会 kudamononews@kudamono200.or.jp Copyright(C) 2011-2022.  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