毎日くだもの200グラムメールマガジン □■ くだもの&健康ニュース Vol.250 ■◇ 2022年6月17日(金)配信 こんにちは! 果物は、脳内の神経伝達物質の生合成や機能に関与していることが 分かってきました(文献紹介から)。 ────────────────────────────── 毎日くだもの200グラム以上食べましょう! 公式ホームページは下記です。 http://www.kudamono200.or.jp ────────────────────────────── <<< 本日のメニュ- >>> ・ 季節の便り ・ くだものレシピ:モモ ・ お知らせ「全国果樹技術・経営コンクールの募集について」 ・ 文献紹介:果物と野菜の摂取で子供のADHD症状が和らぐ ・ 文学の中の果物:海上の道(柳田国男) ・ くだものいちば ・ 編集部より ────────────────────────────── ■ 季節の便り   明け易き夜頃を桃のまだ苦し     - 正岡子規 ────────────────────────────── ■ くだものレシピ:モモ ○ 桃と帆立貝の重ね揚げ  魔法の北京鍋で本格中華料理の揚げ物を作りました。材料はスー パーで売っている物で。 材料(2人分)  モモ 1個、帆立の貝柱(生食用) 4個、百花餡(エビのすり身餡) 40g、 スモークベーコン、パセリ、エビむき身、など。 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 https://cookpad.com/recipe/5258683 ○ ちょっとおしゃれに~桃を召し上がれ♪  フランスよりお届け ちょっとおしゃれにモモをいただきません か? 材料(1人分)  モモ(中ぐらいの大きさ) 1個、白ワイン スプーン2杯分、 ライム 搾り汁5滴ぐらい 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 https://cookpad.com/recipe/1915142 ────────────────────────────── ■ お知らせ「全国果樹技術・経営コンクールの募集について」  全国果樹技術・経営コンクールは、果樹の生産技術や経営方式等 において他の模範となる先進的な農業経営体及び集団組織を表彰し ています。  平成11年度の開始から、令和3年度の第23回までに合わせて 473の農家、集団を表彰しています。  第19回コンクールからは、生産技術・経営に優れた若手の経営 者に対して、農林水産省生産局長賞1点の表彰が追加されています。  今年度の第24回コンクールは、令和4年6月10日から9月9 日まで公募を行っています。詳しくは、公益財団法人中央果実協会 のHPに開催要領、応募様式等を掲載していますのでご覧ください。 http://www.japanfruit.jp/producer/concour.html ────────────────────────────── ■ 文献紹介:果物と野菜の摂取で子供のADHD症状が和らぐ  注意欠陥多動性障害(ADHD)は、世界中の子供たちの約7%、ア メリカの子供たちの約10%に影響している一般的な神経発達障害で す。ADHDは、感情的な調節不全を含む可能性のある自己調節の問題 を伴うものとして認識されています。  アメリカ、オハイオ州立大学の研究チームは、ADHDの子供が果物 や野菜が豊富な食生活に改善すると、症状が緩和すると、「栄養神 経科学」のオンライ版に発表しました(文献1)。  本研究は、「青少年におけるADHDの微量栄養素(MADDY)研究」 に参加している、ADHD症状のある134人の子供たち(6歳から12歳) の親に依頼し、90日間にわたって子供の食べた典型的な食べ物につ いての詳細な質問票に記入してもらいました。さらに別の質問票を 用いて、集中力を維持できない、指示に従わない、物事を覚えるの が難しい、感情の制御が難しいなど、子供たちの不注意の症状(AD HDの特徴)の評価を依頼しました。  研究の結果、より多くの果物と野菜を摂取した子供たちは、深刻 な注意欠陥多動性障害の症状を示さなくなったことが分かりました。 また、果物や野菜を含む健康的な食事を摂取していると、ADHDの症 状のいくつかを軽減できる可能性も示唆されました。  また、ADHDとイライラする気分の子供たちを対象とした36の微量 栄養素について行われた国際ランダム化プラセボ対照試験研究の結 果、微量栄養素を摂取した子供は、プラセボ(偽薬)を摂取した子 供よりもADHDと感情制御不全の症状が約3倍も有意に改善したこと 分かりました(文献2)。  さらに別の研究では、家庭に食料不安の問題がある子供ほど、慢 性的な過敏、怒りの感情、怒りの爆発など、感情的な制御不全のよ り深刻な症状を示す可能性が高いことが分かりました(文献3)。  これら3つの研究はみな同じことを指し示しています。具体的に は、必要とするすべての栄養素を提供する果物が豊富な健康的な食 事は、子供たちのADHDの症状を軽減するのを助けることができると 考えられます。  また、ADHDの子供がより重篤な症状を示し始めたときは、薬の投 与量を増やす等の処方が行われますが、その前に、子供たちの食生 活の状況と食事の質をチェックして、それが症状の重症度に影響し ているかを確認する価値があることを示しています。  なぜADHDにとって食事がそれほど重要なのかについて研究者らは 次のように説明しています。ADHDは、ビタミンやミネラルなどの微 量栄養素不足により脳内の一部の神経伝達物質のレベルが低いこと に関連しています。しかし、食事からビタミンやミネラルなどの微 量栄養素が十分に供給されれば、必要な量の脳内の神経化学物質が 作られ、かつ脳全体の機能を助ける補助因子としても働くためと考 えられています。  一方、十分な食事が与えられないと、ADHDの子供の症状が悪化す る可能性があります。お腹が空いたときは誰もがイライラする傾向 があります。ADHDの子供も例外ではありません。  こうしたことから、臨床医は、治療計画を立てたり、変更する前 に、ADHDの子供たちが食事を安定して入手できているかを評価する 必要があると、研究者らは指摘しています。 【文献】 1) Robinette,L. M. et al.: Fruit and vegetable intake is inversely associated with severity of inattention in a pediatric population with ADHD symptoms: the MADDY Study. Nutr. Neurosci., 2022 May 10; 1-10. [doi: 10.1080/1028415X.2022.2071805.] 2) Johnstone, J.M. et al.; Micronutrients for Attention-Deficit/ Hyperactivity Disorder in Youths: A Placebo-Controlled Randomized Clinical Trial. J. Am. Acad. Child. Adolesc. Psychiatry, 61: 647-661. (2022) [doi: 10.1016/j.jaac.2021.07.005] 3) Shankar, P. et al.: Association of Food Insecurity with Children's Behavioral, Emotional, and Academic Outcomes: A Systematic Review. J. Dev. Behav. Pediatr., 2017; 38: 135-150. (2017) [doi: 10.1097/DBP.0000000000000383] ────────────────────────────── ■ 文学の中の果物:海上の道(柳田国男)  たとえば東方の、旭日(あさひ)の昇ってくる方角に、目に見え ぬ蓬莱(ほうらい)または常世(とこよ)という仙郷の有ると思う 考えかたは、この大和島根(やまとしまね)を始めとして、遠くは 西南の列島から、少なくとも台湾の蕃族(ばんぞく)の一部までに、 今日もなお分布している。槎(いかだ)に乗って東の海に遊ばんと か、または東海を踏んで死すあらんのみとか、なかば無意識にもこ れを口にする人が多かったのは、必ずしも東だけに海をもった大陸 の、経験とも言われぬように思う。いわゆる徐福伝説の伝播(でん ぱ)と成長とには、少なくとも底に目に見えぬ力があって、暗々裡 (あんあんり)に日本諸島の開発に、寄与していたことは考えられ る。  それからなお一つ、是まで注意した人はないようだけれども、徐 福が数百人の男女の未婚者を引き連れて、船出をしたということに は意味があったと思う。もしも仙薬を採って直ぐに還(かえ)って くる航海だったら、そんな手足纏(てあしまと)いを同船する必要 は少しもなく、同時に他意あることを疑われもしたであろう。それ を堂々とあの大一行をもって出征したというのは、是も後世の開発 団のように、行ってその土地に根を張ろうという本式の移民事業か、 少なくともそういうふれこみをもって、親々を承知させたものと、 世間では解していたのであろう。三千年に一度実(み)を結ぶ桃 (もも)という話もある。仙薬は決して夢の山のダイヤモンドのよ うに、熊手(くまで)で掻(か)き集めて背負ってこられるもので なく、やはり育てて収穫して調製し加工して、後(あと)から後か らと献上してくるものと予定せられ、昔の人は気が永いからそれを 際限もなく待っていたのかと思う。 ────────────────────────────── ■ くだものいちば  今回は、名古屋市中央卸売市場本場に入荷している果物を紹介し ます。入荷量が多いのは、リンゴ、モモ、スモモ、サクランボ、ウ メ、メロン、スイカ、バナナ、キウイフルーツなどです。 [旬の果物と産地] ウンシュウミカンは愛知産です。 バレンシアオレンジ、レモンはアメリカ産です。 グレープフルーツは南アフリカ産です リンゴ(ふじ)は青森産です。 ブドウ(デラウェア、巨峰、など)は島根、山梨産です。 ビワは愛媛産です。 モモ(ちよひめ、山加早生、など)は愛知、山梨産です。 スモモ(大石早生、など)は和歌山、山梨産です。 サクランボ(佐藤錦)は山形、山梨産です。 ウメは(南高)和歌山産です。 メロン(アールス、クインシー、など)は静岡、愛知、高知、茨城 産です。 スイカは愛知、熊本、和歌山産です。 バナナはフィリピン産です。 キウイフルーツはニュージーランド産です。 「くだものいちば」は青果物市況情報を参考に作成しています。 https://www.seisen.maff.go.jp/seisen/bs04b040md001/BS04B040UC010SC999-Evt001.do ────────────────────────────── ■ 編集部より  メルマガ250号をお届けします。2011年に配信を開始してから、 果物と健康を巡る研究は飛躍的に進歩してきました。最近では、生 活習慣病の予防だけでなく、脳の機能との関連性も明かとなってき ました。「果物を食べて、死ぬまで元気」です。(tnk)  いよいよ梅雨の季節です。おいしい果物を食べて元気に過ごしま しょう。 (EK) ──────────────。─────────────── ◆発 行◆ 公益財団法人中央果実協会 kudamononews@kudamono200.or.jp Copyright(C) 2011-2022.  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