毎日くだもの200グラムメールマガジン □■ くだもの&健康ニュース Vol.249 ■◇ 2022年6月3日(金)配信 こんにちは! 「認知症にならず死ぬまで元気で」なら、果物を食べることから始 めましょう(文献紹介から) ────────────────────────────── 毎日くだもの200グラム以上食べましょう! 公式ホームページは下記です。 http://www.kudamono200.or.jp ────────────────────────────── <<< 本日のメニュ- >>> ・ 季節の便り ・ くだものレシピ:アンズ ・ くだもの広場:「令和3年度果物の消費に関する調査」            (連載 第1回) ・ 文献紹介:果物が豊富な食事など健康的な生活は長命でアルツ        ハイマー病が少ない ・ 文学の中の果物:桃林堂の砂糖づけ(中谷宇吉郎) ・ くだものいちば ・ 編集部より ────────────────────────────── ■ 季節の便り   山梨の中に杏の花さかり     - 正岡子規 ────────────────────────────── ■ くだものレシピ:アンズ ○ アシュレ、ノアの箱舟プディング(トルコ)  ノアの箱舟に由来する、特別なデザートです。ドライフルーツと ナッツがこれでもかと入って、栄養たっぷり優しい味です。 材料(作りやすい量(2?)) ドライアンズ 15粒くらい、ドライイチジク 15粒くらい、レーズン 20粒ほど、クルミ 1/4カップほど、アーモンド 1/4カップほど、 マツの実(あれば 20粒くらい、ザクロ(生の粒) 適量、オレンジ ピール 少々、シナモンパウダー 適量、小麦 1カップ、ヒヨコ豆 半カップ、白いんげん豆 カップ、コメ 半カップ、砂糖 半カップ ほど お好みで:ヘーゼルナッツ、ピスタチオ、ブラックカラント、 かぼちゃの種など。 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 https://cookpad.com/recipe/1734233 ○ 炊飯器で簡単フランス料理 鶏肉煮込み  香辛料の良い薫りでフランス家庭料理が楽しめます。 材料(4人分)  干アンズ(なければ干しブドウ) 150g、アーモンド 100g、鶏肉 500g、玉ねぎ 2個、ラスエルハヌート(なければ粉末カレー粉) 1さじ、そのほかお好みでニンジンなど。 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 https://cookpad.com/recipe/4734566 ────────────────────────────── ■ くだもの広場:「令和3年度果物の消費に関する調査」          (連載 第1回)  中央果実協会が毎年行っている「果物の消費に関する調査」の令 和3年度の結果がまとまりました。中央果実協会のHPにも調査結 果が掲載されていますが、このメルマガでは、調査結果の概要を紹 介していきます。  調査結果をご紹介する前に、令和元年度の「国民健康・栄養調 査」の結果によれば、一人1日当たり96.4グラムと2年連続で100グ ラムを下回る結果となりました。なお、令和2年度、令和3年度の 「国民健康・栄養調査」は、新型コロナウイルス感染症の影響によ り調査は中止されています。 それでは、日常の消費行動から紹介します。 【1日当たりの果物の摂取量】 1日当たりの果物の摂取量では、「50グラムから100グラム未 満」が最も多く31.9%、次いで「100グラムから150グラム未満」が 29.3%でした。前年度は、「100グラムから150グラム未満」が最も多 かったのですが、今年度は「50グラムから100グラム未満」が最も 多くなりました。また、食事バランスガイドで推奨している一日200 グラム以上摂取出来ている人の割合は13.0%で、令和2年度の13.4% と、ほぼ同じ割合です。 【200グラム摂取できていない理由】  1日当たり摂取量が200グラム未満の人の理由としては、「値段 が高く食費に余裕がないから」が44.9%、「一度にそんなに量を食 べられないから」が38.1%、「他に食べる食品があるから」が36.8%、 と、これ以外の理由よりもかなり高くなっています。昨年度と同様 に「値段が高く食費に余裕がないから」が一番多い理由となりまし た。年代別でみると、20代から50代では共通して「値段が高く食費 に余裕がないから」という理由が最も高くなっています。 【果物の購入頻度】  果物の購入頻度は、昨年度は二番目だった「ほとんど買わない」 が34.2%と一番多くなり、「週に1~2日」の32.9%が続いています。 この「ほとんど買わない」を性別でみると、男性が42.7%、女性が 25.7%と大きな差があります。また、年齢別、性別では20代男性の51. 3%、20代女性の44.7%が「ほとんど買わない」という非常に高い割 合となっているほか、30代、40代の男性も「ほとんど買わない」が 45%程度と高い割合になっています。 【果物の摂取頻度】  果物の摂取頻度は、「ほとんど食べない」が23.4%、「ほぼ毎 日」が23.0%とほぼ並んでおり、令和2年度と割合はほぼ同じになっ ています。年代別でみると、年代が高くなるほど「週3~4日」以 上摂取する割合が増加する傾向が見られ、60代では「ほぼ毎日」が 3割、「週3~4日」が2割強で、およそ6割の人が「週3~4日」 以上摂取しています。 【果物の摂取時間帯】  果物の摂取時間帯は、朝食時が51.5%、夕食時が51.7%、間食のお やつ時が38.0%となっています。この割合はいずれも令和2年度とほ ぼ同じになっています。性別でみると、男性は20代から60代のすべ ての世代で夕食時が50%を越えている一方、女性は20代から60代の すべての世代で朝食時が50%を超えています。 ────────────────────────────── ■ 文献紹介:果物が豊富な食事など健康的な生活は長命でアルツ        ハイマー病が少ない  多くの人は、「死ぬまで元気でいたい」、「認知症にはなりたく ない」と思っています。また、平均余命が長くなると、晩年、アル ツハイマー病に罹患した年数も長くなると心配しておられます。  アルツハイマー病やその他の認知症の世界の罹患数は、2019年の 5,700万人から2050年の1億5,200万人へとほぼ3倍になると推測され ています。  そこで、アメリカとスイスの国際共同研究チームは、平均余命の 長短と晩年のアルツハイマー病との関係について調査したところ、 果物が豊富な食事など健康なライフスタイルは、平均余命が長くな り、かつ晩年にアルツハイマー病に罹患しにくいと、四大医学雑誌 の一つである「イギリス医学雑誌(BMJ)」に発表しました。  研究は、「シカゴ健康・老化プロジェクト」に参加していて、認 知症の既往のない65歳以上(平均年齢76歳)の2,449人のデータを 分析しました。参加者の詳細な食事とライフスタイルの回答を元に、 健康的なライフスタイルスコアを作成しました。調査項目は、食事、 運動、晩年の認知刺激活動、喫煙の有無、アルコールの摂取量です。 晩年の認知活動とは、読書、美術館への訪問、クロスワードパズル などが含まれています。  健康なライフスタイルとは、(1)脳の健康のための食事(果物が豊 富な地中海-DASH食事スコアの上位40%)、(2)晩年の認知活動(複 合スコア上位40%)、(3)中程度または激しい身体活動(150分/週以 上)、(4)禁煙、(5)軽度から中程度のアルコールの摂取(女性 1~15 g /日、男性1~30 g /日)です。  ライフスタイルの要因ごとに、参加者は健康の基準を満たしてい る場合はスコア1、満たさない場合はスコア0としました。5つの ライフスタイル要因のスコアを合計して、0から5の範囲の最終スコ アを算出しました。スコアが高いほど、より健康的なライフスタイ ルを示しています。  年齢、性別、民族、教育など潜在的に影響力のある要因を考慮し て解析した結果、健康スコアが4~5で65歳以上で健康なライフスタ イルの女性の平均余命は24.2年で男性は23.1年でした。一方、健康 スコアが0~1の不健康なライフスタイルの女性の平均余命は21.1 年で男性で17.4年でした。その差は女性で約3年、男性では約6年 です。  また、健康スコアが4~5の健康なライフスタイルをもつ女性の アルツハイマー病の罹患率は10.8%で、罹患して過ごす晩年の年数 は2.6年でした。男性では6.1%が罹患して、罹患年数は1.4年でした。  一方、健康スコアが0~1の不健康な女性では、アルツハイマー 病に19.3%が罹患しており、罹患年数は4.1年でした。男性では12.0% が罹患しており、罹患年数は2.1年でした。  調査対象者を85歳以上にすると、健康的なライフスタイルの人と 不健康な人との差は顕著で、さらに差が拡がることが分かりました。  以上の結果から、健康的なライフスタイルにより平均余命が増加 すると、アルツハイマー病に罹患するリスクは低く、かつアルツハ イマー病に罹患して暮らす年数も格段に少ないことが分かりました。 つまり、健康的なライフスタイルにより平均余命が延びるとアルツ ハイマー病で暮らす年数が増えることはないのです。  本研究の結果は、高齢者の幸福と関連する公衆衛生政策に重要で、 かつ介護者の負担を減らすことにもなると考えられています。  平均余命とアルツハイマー病の研究は緒に就いたばかりですが、 認知症を伴わないで寿命をのばせる可能性が示唆されました。まず は「死ぬまで元気」で暮らすために、果物が豊富な食事に改善する ことは有益です。 【文献】 Dhana K, et al: Healthy lifestyle and life expectancy with and without Alzheimer's dementia: population based cohort study. BMJ, 13;377:e068390. (2022) [doi: 10.1136/bmj-2021-068390] ────────────────────────────── ■ 文学の中の果物:桃林堂の砂糖づけ(中谷宇吉郎)  小雨の中を、私たちは、二、三度桃林堂への道をききながら、八 尾の町に車を馳せた。大都会の場末らしい感じの町で、こんなとこ ろに、大橋さんの説明にあったような家があるかと、ちょっと妙な 気持であった。しかし桃林堂へ着いてみると、なるほどと思った。 大きいかやぶきの母屋の屋根が、雨空を背景に、どっしりとおさま っている。しもたや風の表も、なかなか感じがよい。  奥の座敷に通された一行の目の前には、簡素な庭があって、立派 なザボンの木が一本繁っていた。大きいザボンがたくさんなってい た。  サラ・リイの主人は、窮屈そうに、畳の上に坐り、初対面の挨拶 をした。抹茶をすすめながら、この家の主人は、いろいろと、この 自家製の砂糖づけの苦心を語り出した。  材料は、いちじく、杏(あんず)、金柑(きんかん)、グレー プ・フルーツの皮など、果物はもちろんであるが、その他にも、野 菜に重きをおいているそうである。一番苦心をするのは、自然の香 気を、いかに保存するかという点で、それには、何よりも新鮮さが 肝腎であった。香気はもちろんのこと、色にも一切人工のものは加 えない方針なので、頼るところは、品質と新鮮さだけである。  野菜は、蕗、茄子(なす)、人参、セロリー、蓮根、わらびなど、 ほとんど全部の野菜を、砂糖づけにしているが、旬(しゅん)の時 期は、一カ月くらいしかない。果物の方も同じことである。一番困 るのは、この点であって、一定の材料がごく短期間しか供給されな いのでは、工業生産の方式は採れない。従って、いつまでも家内工 業の域を脱することができないのである。  この話は、サラ・リイの主人には、非常に意外らしかった。年間 を通じて、毎日トラック八十台のフルーツ・ケーキをつくっている のにくらべては、あまりにも時代ばなれのした話である。「どうし て、保存の方法を考えないのか」というのが、最初の質問であった。 「桜んぼうが、一番むつかしいが、あれでも濃いブラインにつけて おけば、一年は充分もつ。それをよく洗って使えば、大丈夫です よ」 ────────────────────────────── ■ くだものいちば  今回は、京都市中央卸売市場に入荷している果物を紹介します。 入荷量が多いのは、リンゴ、ビワ、ウメ、イチゴ、メロン、スイカ、 バナナ、キウイフルーツなどです。 [旬の果物と産地] ウンシュウミカンは和歌山産です。 甘ナツミカンは熊本、福岡、愛媛産です。 レモンはアメリカ産です。 グレープフルーツはイスラエル産です。 リンゴ(ジョナゴールド、ふじ)は青森産です。 ビワは長崎、和歌山産です。 ブドウ(デラウェア、巨峰、など)は奈良、福岡、山梨産です。 モモ(日川鳳、など)は山梨産です。 スモモは山梨、福岡産です。 サクランボはアメリカ産です。 ウメ(南高、など)は和歌山、京都産です。 イチゴ(ほのか、あまおとめ、あまおう、など)は大分、愛媛、 福岡、佐賀産です。 メロン(アールス、アンデス、アムス、クインシー、など)は静岡、 高知、茨城、長崎、熊本産です。 スイカ(祭ばやし、など)は熊本、鳥取産です。 バナナ、パイナップルはフィリピン産です。 キウイフルーツはニュージーランド産です。 「くだものいちば」は青果物市況情報を参考に作成しています。 https://www.seisen.maff.go.jp/seisen/bs04b040md001/BS04B040UC010SC999-Evt001.do ────────────────────────────── ■ 編集部より  美味しい果物の摂取は個人の幸福のためになるだけでなく、公衆 衛生上も有益です。それだけではありません。持続可能な地球のた めにもなると、良いことばかりなのです。なのに消費は伸びていま せん。残念です。(tnk)  ロシアによるウクライナ侵攻や円安の影響で、エネルギーや食品 の値上げが相次いでいます。果物も自然災害による収穫減なども重 なって高値で推移していますが、毎日食べるようにしましょう。(EK) ──────────────。─────────────── ◆発 行◆ 公益財団法人中央果実協会 kudamononews@kudamono200.or.jp Copyright(C) 2011-2022.  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