毎日くだもの200グラムメールマガジン □■ くだもの&健康ニュース Vol.245 ■◇ 2022年3月25日(金)配信 こんにちは! 果物を食べるほどメンタルヘルスが向上(論文紹介から) ────────────────────────────── 毎日くだもの200グラム以上食べましょう! 公式ホームページは下記です。 http://www.kudamono200.or.jp ────────────────────────────── <<< 本日のメニュ- >>> ・ 季節の便り ・ くだものレシピ:沖縄とバナナ ・ 第23回全国果樹技術・経営コンクール農林水産大臣賞受賞者   の概要について(後編) ・ 文献紹介:果物摂取でメンタルヘルス向上 ・ 文学の中の果物:南嶋を思いて―伊波文学士の『古琉球』に及           ぶ―(新村出) ・ くだものいちば ・ 編集部より ────────────────────────────── ■ 季節の便り   めづらしや梅の莟に初桜     - 正岡子規 ────────────────────────────── ■ くだものレシピ:沖縄とバナナ ○ ゴーヤとバナナの沖縄風スムージー  苦くない?!栄養満点のスムージー 材料(2杯分)  バナナ 1本(100g)、シークアーサー果汁 小さじ1杯、ゴーヤ 60g、 豆乳 150ml 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 https://cookpad.com/recipe/6950761 ○ サーターアンダギー(風)バナナ味  沖縄に行って食べてから好きになったサーターアンダギー。 材料(4人分くらい)  バナナ60g位、ホットケーキミックス 150g、強力粉 50g、グラニ ュー糖 40g、卵(M) 1個、油(サラダ油) 15g 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 https://cookpad.com/recipe/2836887 ────────────────────────────── ■ 第23回全国果樹技術・経営コンクール農林水産大臣賞受賞者   の概要について(後編) 第23回全国果樹技術・経営コンクールにおいて、農林水産大臣賞 を受賞者された方の経営の概要について紹介します。(敬称略) ◎鈴木義弘・鈴木美有紀(愛知県豊橋市・かき)   鈴木氏が経営する『百年柿園ベル・ファーム』は、大正初期の曽 祖父からかき栽培が始まったかき専作農園である。鈴木氏は大学院 修了後、平成8年に就農し、放任園などを借用して面積を拡大し、 現在の栽培面積は568.5aである。すべて露地栽培であり、労働力は、 鈴木氏、美有紀氏、鈴木氏両親と臨時雇用6名である。令和2年の 販売金額は農協出荷が60%、ネットなどによる青果直販が30%、加 工品販売が10%となっている。  自園地の古木の「次郎」を早生品種「早秋」や晩生品種「陽豊」 等に改植し、園地の若返りを図ると同時に、9月中旬から12月上旬 までの収穫期間を平準化し、大規模かき専作経営を実現している。 摘蕾・摘果作業と収穫作業の労働力確保のため、シルバー人材セン ターを利用しており、高齢者でも安全かつ効率的に作業が行えるよ う、低樹高化や棚栽培の導入を図っている。さらに、規格外品を利 用して「ドライ次郎柿」や「次郎柿チップス」を製造している。  平成9年に地域に先駆けて、40Lの不織布ポットでのポット栽培 を開始し、通常栽培では3~4mに達するかきの樹高を2m程に抑 制でき、収穫も通常栽培の半分程度の3年目から可能となった。現 在は5aでポット栽培により移植用の大苗を育成し、移植当年から 果実の収穫が可能となっている。また、「早秋」は頂芽優勢が強く 高木になりやすい特性があることから、平成18年の導入当初にV棚 仕立て、平成27年から垣根仕立てを産地で初めて導入し、低樹高化 を図って作業を効率化している。さらに、8月下旬に「次郎」で8000 果袋かけを行うことで、霜や冷気から果実を保護し「次郎」の収穫 時期の延長とロスの低減を図っている。また、地力向上や除草剤使 用低減を目的に草生栽培を全園地で導入するとともに、剪定時に発 生する枝の処理にはチッパーを活用し、粉砕した枝を柿園に還元し ている。 ◎JAフルーツ山梨 東雲支所 モモ部会(山梨県甲州市・もも)  平成13年に東山梨地域の10農協が合併して「フルーツ山梨農 業協同組合」が誕生した。モモ部会の構成員は132戸、約35ha で、正・副部長や各地区役員を中心に消費者に「安全・安心」でお いしい果実を提供するため、エコファーマーやポジティブリスト制 度への対応、「やまなしGAP」を導入した生産工程管理システム による労働安全や経営改善に取り組んでいる。また、優れた栽培技 術の継承や産地力を高めていくための新品種の栽培特性や新しい制 度の勉強会の開催、市場関係者との情報共有化による消費者ニーズ への対応を行っている。  早生種の「ちよひめ」から晩生種の「川中島白桃」まで9品種を 6月下旬~8月中旬まで継続的に出荷し、外観・糖度による階級分 けを通じた他産地との差別化を図っている。  高品質果実を出荷するため、地区毎の栽培技術講習会や品種毎の 出荷目合せ会を実施し、防除に当たっては、散布時期・使用薬剤の 情報をメールやFAXにより全戸へ確実に情報を伝達、平成26年か ら最新の透過式光センサー選果機の導入により、各部会員の果実品 質の結果(糖度、熟度、大きさ、着色など)を毎日フィードバック している。令和元年5月の降雹に対しては技術対策を徹底させると ともに、販売面では市場との調整や販売計画の見直しなどに取り組 んだ。また、せん孔細菌病が地域全体に蔓延したが、収穫終了後の 秋季防除や翌年春先からの生育期防除を徹底しV字回復を図った。 平成17年度に県下でもいち早く、全部会員でエコファーマー認定 を受け有袋栽培やフェロモントラップ調査による化学合成農薬の低 減を実践、令和元年度から勝沼ブロック全体として、「やまなしG AP」に認証され、「GAPチェックシート」による適正な栽培管 理や農薬管理、労働安全管理に取り組んでいる。 ────────────────────────────── ■ 文献紹介:果物摂取でメンタルヘルス向上  4人に1人が、人生のある期間に精神障害に苦しんでいます。世界 保健機関(WHO)は、精神障害をもはや無視されるべきではない健 康上の問題として取り上げています。そのため、専門家は、健康と 社会福祉の観点から、栄養の潜在的な影響を明らかにする必要があ ると指摘しています。中でも、精神障害の予防と治療における適切 なバランスの取れた食事の役割が注目されています。特に、果物と 野菜には、精神障害の予防に有効な栄養素が多く含まれていること が知られています。  そこで、ポーランドのワルシャワ生命科学大学の研究チームは、 成人の果物と野菜の摂取量とメンタルヘルスとの関連を分析した疫 学研究の系統的レビューを行い、メンタルヘルスの向上に果物と野 菜の摂取が効果的なことが明らかになったと、「栄養素」に発表し ました。  研究は、系統的レビューとメタアナリシスのガイドラインに準じ て、2019年6月までに公開された査読済み疫学研究を対象に、デー タベースPubMedおよびWeb of Scienceで研究論文を検索しました。 果物と野菜の摂取量は、グラムまたはサービングで表示しました。  検索された5911件の研究報告について、2人の研究者がタイトル と要約から、論文が選択基準を満たしているかどうかを検証しまし た。選択基準を満たしていたのは61件でした。  解析した61件の研究から、果物や野菜の摂取がメンタルヘルスに 統計的に有意な影響を及ぼしていることが証明されました。果物と 野菜の消費量を1日1回増やすだけでも効果があり、幸福度が改善さ れ、抑うつ症状が軽減されました。さらに、1日8回の消費は、生活 満足度の増加につながりました。  楽観主義や自己効力感も摂取量を増やすと高まりました。また、 心理的苦痛のレベルを低下させる可能性も認められました。さらに、 ガンによる精神的苦痛や抑うつ症状を和らげることも明かとなりま した。  以上の結果から、果物や野菜は、メンタルヘルスにプラスの作用 をすると結論付けることができました。ただし、方法論や母集団が 異なるので、結果が必ずしも十分に比較できるとは限らないため、 これらは本研究の制限事項であると、研究者らは述べています。 【文献】 G??bska, D. et al.: Fruit and Vegetable Intake and Mental Health in Adults: A Systematic Review. Nutrients, 12: 115. (2020) [doi: 10.3390/nu12010115] ────────────────────────────── ■ 文学の中の果物:南嶋を思いて―伊波文学士の『古琉球』に及           ぶ―(新村出)  今春琉球に関する一、二の古本を読んでから南島を思う情が切に なり来った矢先に、伊波君の『古琉球』と題する南国の色彩豊かな 著述がしかもその国の人の手に由って贈られたのは異常に嬉しかっ た。  森島中良の『琉球談』中に見える年中行事(むしろ歳時記)を読 んだのは未だ寒い頃であったかと思う。 □二月十二日、家々にて浚井(いどかえ)し女子は井の水を汲んで 額を洗ふ、如此(かくのごとく)すれば疾病を免るゝとなり、此 (この)月や土筆(つくし)萌出、海棠・春菊・百合の花満開し蟋 蟀(こおろぎ)鳴く。 □三月上巳の節句とて往来し、艾(くさもち)を作て餉(おく) る、石竹・薔薇(ろうさばら)・罌粟(けし)倶(とも)に花咲く、 紫蘇生じ、麦秋(みの)り虹(にじ)始て見ゆ。 □四月させる事なし、鉄線開き笋(たけのこ)出。蜩(ひぐらし) 鳴き、蚯蚓(みみず)出、螻(けら)鳴き、芭蕉実を結ぶ、国人 是(これ)を甘露と名づく。  この本の挿画にも見るように髪の頂に簪(かんざし) を長く突出して島の女子が南音ゆるく蛇皮線を弾(ひ)いている側 に、熟しきったバナナを食いながら、芭蕉葉の扇を使って懶気(も のうげ)に聴惚れている若者を想像すると、〔荻生〕徂徠が『琉球 聘使記』に挙げたいとやなぎの唱歌が聞える。  こんな島へも昔、「びん」から支那の冊使を載せて来る船が通 (かよ)ったのみならず、十八、九世紀の替り目からは西洋の探検 船が渡って珍しい島物語を絶域に伝えることになった。琉球語を初 めて学問的に研究して世に著(あら)わしたバジル・ホール・チャ ンバレン Basil Hall Chamberlain 氏の祖父に当る Captain Basil Hall の率いた英吉利(イギリス)船が帰航の途に 聖ヘレナ島に立寄って船長の口から流竄(りゅうざん)中の那翁 に沖縄島の話を伝えた事は近時邦人の間にも普(あまね)く知ら れるようになったと思うが、同じ航海で那覇港に来た英船アルセ スト Alceste 号に就いての話は聞えぬらしい。 ────────────────────────────── ■ くだものいちば  今回は、沖縄県中央卸売市場に入荷している果物を紹介します。 入荷量が多いのは、オレンジ、レモン、リンゴ、スイカ、バナナ、 パイナップルなどです。ビワの出荷も始まりました。 [旬の果物と産地] ネーブルオレンジ、レモンはアメリカ産です。 グレープフルーツはイスラエル産です。 タンカンは鹿児島産です。 リンゴ(ジョナゴールド、ふじ、王林)は青森産です。 ビワは沖縄産です。 イチゴは佐賀産です。 メロン(アールス、など)は鹿児島、熊本産です。 スイカは沖縄産です。 バナナ、パイナップルはフィリピン産です。 キウイフルーツは福岡産です。 「くだものいちば」は青果物市況情報を参考に作成しています。 https://www.seisen.maff.go.jp/seisen/bs04b040md001/BS04B040UC010SC999-Evt001.do ────────────────────────────── ■ 編集部より  複雑な現代社会では、精神の安定が必要です。様々なアプローチ が行われていますが、果物を食べることでも改善できることが分か ってきました。文献紹介をご一読ください。(tnk)  年始から始まった新型コロナまん延防止措置が、桜の開花ととも にようやく解除となりました。感染防止に気を付けながらお花見を 楽しめそうです。 (EK) ──────────────。─────────────── ◆発 行◆ 公益財団法人中央果実協会 kudamononews@kudamono200.or.jp Copyright(C) 2011-2022.  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