毎日くだもの200グラムメールマガジン □■ くだもの&健康ニュース Vol.244 ■◇ 2022年3月11日(金)配信 こんにちは! やっぱり、認知機能の維持には果物がいい(文献紹介から)。 ────────────────────────────── 毎日くだもの200グラム以上食べましょう! 公式ホームページは下記です。 http://www.kudamono200.or.jp ────────────────────────────── <<< 本日のメニュ- >>> ・ 季節の便り ・ くだものレシピ:沖縄のパイナップル ・ 第23回全国果樹技術・経営コンクール農林水産大臣賞受賞者   の概要について(前編) ・ 文献紹介:果物などが豊富な抗炎症性の食事は認知機能の維持        に最適 ・ 文学の中の果物:ハワイの色(中谷宇吉郎) ・ くだものいちば ・ 編集部より ────────────────────────────── ■ 季節の便り   鶯や誰が許して庭の梅     - 正岡子規 ────────────────────────────── ■ くだものレシピ:沖縄のパイナップル ○ 琉球ご当地果汁パスタ  沖縄県立美里工業高等学校調理科、生徒考案レシピです 一人当 たり294キロカロリー。食塩相当量2.8g。 材料(4人分)  パイナップル300g、シークヮーサー(果汁) 10g、シークヮー サー(実)(1/2切る) 2個、そでいか 100g、オリーブオイル、鷹の 爪 (種を取り出す)1本、にんにく(みじん切り) 2片、パスタ 200g、 ハンダマ(葉) 20g、ミニトマト(くし切り) 4コンソメ、個、 海ぶどう 10g、塩、ブラックペッパー 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 https://cookpad.com/recipe/6987661 ○ パイナップル☆チャーハン  沖縄で食べられるパイナップルチャーハン ご飯と甘いパイナッ プルの良い組み合わせ 材料(1人分)  パイナップル 1/2個、冷凍むきえび 半カップ、玉ねぎ 1/2個、 ピーマン 1/2個、ご飯 1/2合、卵 1個、塩、醤油、こしょう、など。 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 https://cookpad.com/recipe/4140434 【沖縄のパイナップルの旬】  沖縄産のパイナップルの旬は、石垣島で4月下旬~7月下旬、沖 縄本島では5月中旬~8月初旬頃です。 ────────────────────────────── ■ 第23回全国果樹技術・経営コンクール農林水産大臣賞受賞者   の概要について(前編)  第23回全国果樹技術・経営コンクールにおいて、農林水産大臣賞 を受賞者された方の経営の概要について紹介します。(敬称略) ◎大湯知己(青森県平川市、りんご)  昭和55年、親からりんご園1.6haと水田0.23haの移譲を受け21歳 でUターン就農し、平成11年からカットりんごの製造・販売に取り 組み、平成20年に「(株)アップルファクトリージャパン」を設立、 また、カットりんごの原料を安定的に確保するために、平成25年に は生産部門の「(株)ファームあおもり」を立ち上げて、現在はり んご専業で16.45haとなっており、うち2.1 haは高密植わい化栽培 を導入している。りんご栽培は、現在、マルバカイドウ台樹を主体 に、品種はふじ60%、ジョナゴールド15%、つがる10%となってい るほか、近年はシナノゴールド等の黄色品種も導入している。  平成13年にカットりんごの褐変防止技術を開発し、平成20年には 販売の全国展開を図るため国内に広く販売網を有する兵庫県の「エ ム・ヴイ・エム商事(株)」と共同出資でカットりんごを加工販売す る「(株)アップルファクトリージャパン」を設立し、学校給食をは じめ首都圏ホテルや大手外食チェーンのほか東京地下鉄駅構内や大 阪阪急梅田駅等に22台設置された自動販売機で販売している。一方、 生産部門の規模拡大を更に進めるため、平成25年、生産部門の経営 管理や作業管理を二人の息子の担当とするなど体制の明確化と安定 雇用のため、「(株)ファームあおもり」を設立した。  園地の移動時間を減らすため、1園地を2~3haの団地とし、園地 毎に防除機のスピードスプレヤーを配置する等、機械の効率的な利 用を図っている、カットりんご向けの園地では、摘果は1回とし、 着色管理を不要とした葉とらず栽培を行う等、徹底した省力化を図 り、10a当たりの労働時間は116.8時間で、青森県の指標である209 時間(ふじ無袋栽培:普通台)の56%となっている。 ◎早川宏・早川比佐子(山梨県笛吹市、ぶどう)  昭和54年東京農業大学卒業後、「公益社団法人山梨県果樹園芸 会」の職員を経て、平成7年11月に父親から加温ハウス3棟30a、 露地ぶどう32aの計62aを任されて就農した。ぶどう専作であり、 経営面積は80a、特徴としては、加温ハウス栽培を経営の主力とし て、5月から9月の長期間にわたりぶどうを出荷している。加温ハウ ス栽培の基幹品種は「シャインマスカット」で、「種なしピオー ネ」「悟紅玉(旧名:ゴルビー)」を補完品種としている。労働力 は本人と妻の2人で、夜業は行わない経営を実現して収益性の高い 経営に取り組んでいる。  就農時から施設栽培が主体で12月に加温する「超早期加温栽培」、 1月に加温する「早期加温栽培」、1月下旬以降に加温する「普通 加温栽培」の作型を組み合わせることで、長期間の連続出荷を行っ ている。平成26年の大雪では、支柱パイプによる補強や暖房能力の 高い加温機を複数台導入するなど事前対策を講じていたこと等によ り倒壊を回避した。また、地域の加温ハウスぶどう農家に呼びかけ て組織した「ハウスぶどう研究会」において、現在11棟の加温ハウ スに環境モニタリングシステムを導入し、高品質化と管理の省力化 に取り組んでいる。  花穂の着生を良好にするため収穫後の6月に再度剪定を行う「二 度切り」、加温開始後に発芽や花穂形成を促す「高温・高湿度管 理」技術等により、連年超早期栽培に取り組むほか、「炭酸ガス」 を施用する「収量倍増」技術により所得を向上させた。また、「シ ャインマスカットの上部支梗を用いた省力栽培技術」をいち早く導 入したほか、令和2年2月にはJAふえふきハウスぶどう専門部会の 一員として、山梨県の第三者認証GAPである「やまなしGAP」 の認証、さらに、令和3年7月、脱炭素社会の実現や地球温暖化の抑 制に貢献する農産物として県が推進している「やまなし・4パーミ ル・イニシアチブ制度」の認証を受けた。 ────────────────────────────── ■ 文献紹介:果物などが豊富な抗炎症性の食事は認知機能の維持        に最適  21世紀に入り、心血管疾患などの生活習慣病に、軽微な炎症反応 が長期間持続している状態「慢性炎症」が関与していることが明ら かとなりました。この慢性炎症をもたらす原因として食習慣との関 連性が分かってきました。  そのため、健康の維持・増進を図るために体内の炎症を促進する 程度をスコア化した食事性炎症インデックスが開発されました。こ の食事性炎症インデックスのスコアの低い食事としては、果物など が豊富な地中海式ダイエットがよく知られています。  今までに、疫学研究や臨床研究から心血管疾患の予防には食事性 炎症インデックスのスコアが低い食品の摂取でリスクを減らせるこ とが明らかにされていましたが、認知機能との関連は不明でした。  年を重ねるにつれて、免疫系の炎症が増加し、脳細胞に損傷を与 えます。ギリシャ、アテネ大学などの研究チームは、果物、野菜、 豆、お茶やコーヒーを多く含む抗炎症食を摂取した人は、認知症を 発症するリスクが低いと、医学雑誌「神経学」に発表しました。 「脳の老化と関係する炎症の予防に役立つ栄養ツールがあなたの身 近にある」と研究者は述べています。  研究では、認知症のない平均年齢73歳のギリシャ人1,059人を対 象に、食物摂取頻度調査を行い、食べた食品の炎症スコアを算出し ました。食事の炎症スコアは、-8.87~+7.98の範囲にありました。 スコアが高いほど、果物、野菜、豆、お茶またはコーヒーの摂取量 が少ない、より炎症性の高い食事であることを示しています。  研究では、食事性炎症スコアに従って3群に分けました。食事性 炎症スコアが最も低い-1.76以下の抗炎症性の食事をしているグ ループは、週に平均20サービングの果物(1サービングは握り拳1 個)、19サービングの野菜、4ビーンのマメ科植物、11サービング のコーヒーまたは紅茶を摂取していました。スコアが0.21以上の食 事性炎症スコアの最も高い食事のグループは、週に平均9サービン グの果物、10サービングの野菜、2サービングのマメ科植物、9サー ビングのコーヒーまたは紅茶を摂取していました。  平均3年間、フォローアップしました。この期間中に、62人(6 %)が認知症を発症しました。認知症を発症した人の食事性炎症ス コアの平均は-0.06でしたが、認知症を発症しなかった人の平均ス コアは-0.70でした。  年齢、性別、学歴などの因子の影響を調整して解析した結果、食 事性炎症スコアが1ポイント増加するごとに、認知症の発症リスク が21%高まることが明らかになりました。  最も炎症スコアの低い食事しているグループの人と比べて、炎症 スコアが最も高いグループの人は、認知症を発症するリスクが3倍 も高いことが分かりました。  「今回の結果は、認知症を予防するためには、適切な食事の摂取 が重要であることを示しています」と研究者はコメントしています。 今後、長期にわたる研究などが必要ですが、極めて興味深い結果で す。 【文献】 Charisis, S. et al.: Diet Inflammatory Index and Dementia Incidence: A Population-Based Study. Neurology, 97: e2381-e2391. (2021) [doi: 10.1212/WNL.0000000000012973] ────────────────────────────── ■ 文学の中の果物:ハワイの色(中谷宇吉郎)  ハワイは美しいところである。一番驚くのは、パイナップル畑の 土の色であって、本当に真赤な色をしている。日本でいう赤土など とは、まるでちがっていて、文字どおりに真赤である。あの土を採 ってきたら、そのまま油画の赤絵具に使えそうな色なのである。  こういう赤土はシンガポールでも前に見たことがある。その時も、 熱帯の土地に特有な植物の鮮やかな緑と、目に痛いような真赤な土 との激しい対照に、特殊な美しさを感じた記憶がある。  パイナップルの葉は、鮮やかな緑というよりも、白緑(びゃくろ く)がかった浅い緑である。それで赤土との対照も、それほど激し くは感ぜられない。しかしとにかく、日本には無い色の世界を現出 している。  パイナップル畑よりももっと驚くのは、家々の庭や、垣根などに 咲いている花の色である。もちろんいろいろな色があるが、とくに 真紅の花が、目のさめるような色をしている。それはただ赤いとい うばかりでなく、輝いた色なのである。濃い緑の葉蔭から、この真 紅の花がのぞいていると、それが光り輝いて見えるのである。  ハワイといえば、常夏の国ということになっている。事実、ほと んど一年中海水浴ができるところであるから、文字どおりに、常夏 の国である。しかし真夏でも、いわゆる熱帯地方の暑さではない。 享楽しうる程度の暑さである。この程度の気温と、日射とが、花の 色を出すのに、一番適しているのかもしれない。  ハワイの気象状態については、いま一つ著しい特徴がある。それ は空気がひどく澄んでいる点である。このころ雨や雪がどうしてで きるかということが、気象学界の大きい問題になっている。それに は大気中にあるコロイド的の微粒子、即ち凝結核が、大きい役割を 果している。それで、この凝結核の研究が、この方面では、現在流 行の課題になっている。  ところが、大陸では、どこでも人間生活の影響、即ち工業や燃焼 物の影響が効いていて、大気は著しく汚染されている。その点、ハ ワイは、太平洋の真ん中にある小島なので、清浄な大気の研究には、 もってこいのところなのである。大気の汚染は広い範囲にわたるも ので、アフリカの埃が米本土に飛ぶことがしばしばある。  それで、この数年来、ハワイの上空で、大気中の凝結核の研究が 為されている。その結果によると、凝結核の数は著しく少なく、世 界中で、最も「空気のきれいな」ところであることが確かめられた。  空気のきれいなことと、花の美しいこととの間にどういう関係が あるかは、まだよくわかっていないであろう。しかし何か密接な関 係があっても良さそうな気がする。 ────────────────────────────── ■ くだものいちば  今回は、仙台市中央卸売市場に入荷している果物を紹介します。 入荷量が多いのは、ミカン、ハッサク、デコポン、リンゴ、イチゴ、 バナナなどです。 [旬の果物と産地] ウンシュウミカンは静岡産です。 イヨカン(宮内)は愛媛産です。 ハッサクは和歌山産です。 デコポン(不知火)は熊本産です。 ネーブルオレンジ、レモンはアメリカ産です。 グレープフルーツはイスラエル産です。 リンゴ(ふじ、王林)は青森産です。 イチゴ(もういっこ、とちおとめ、紅ほっぺ、など)は宮城、栃木、 静岡産などです。 メロン(アールス、など)は高知産などです。 バナナ、パイナップルはフィリピン産です。 キウイフルーツは和歌山産です。 「くだものいちば」は青果物市況情報を参考に作成しています。 https://www.seisen.maff.go.jp/seisen/bs04b040md001/BS04B040UC010SC999-Evt001.do ────────────────────────────── ■ 編集部より  梅まつりのニュースが伝えられ、春の訪れを感じます。これから、 アンズ、モモ、ナシ、リンゴの花が咲き出します。感染症や戦争な どが収まって、平和な春を楽しみたいものです。(tnk)  3月に入って急に暖かくなり、桜の開花が待ち遠しい時期です。 今年こそは、新型コロナウイルスの感染に気を付けながらも、きれ いな桜をのんびりと見たいものです。(EK) ──────────────。─────────────── ◆発 行◆ 公益財団法人中央果実協会 kudamononews@kudamono200.or.jp Copyright(C) 2011-2022.  Kudamono & Kenko News 無断での転載、複製等はお断りします。ご協力に感謝いたします。 ────────────────────────────── ▽ 「読者から」欄への投稿方法  「読者から」欄への投稿は、下記のサイトからです。皆様からの 果物にまつわる思い出、食べ方の工夫、メルマガへのご意見、ご感 想など、楽しいお話をお待ちしています。  メールの件名は「投稿」としていただき、メルマガネームを記載 していただければ幸いです(例:りんごちゃん)。  また、本メルマガの転載依頼もこのサイトをご利用ください。件 名は「転載申し込み」でお願いします。 くだもの&健康ニュースへの投稿アドレスは下記です。 kudamononews@kudamono200.or.jp ────────────────────────────── ▽メルマガのバックナンバーは、下記に掲載しています。 http://a.hml.jp/bm/p/bn/list.php?i=hm020254&no=all http://www.japanfruit.jp/consumption/mailmagazine.html ────────────────────────────── ▽メールマガジンの配信登録・解除等は下記です。 http://a.hml.jp/bm/p/f/tf.php?id=hm020254 ──────────────────────────────