毎日くだもの200グラムメールマガジン □■ くだもの&健康ニュース Vol.234 ■◇ 2021年10月1日(金)配信 こんにちは! 果物が豊富な食生活で新型コロナの感染リスク、重症化リスクを軽 減できます。(文献紹介から) ────────────────────────────── 毎日くだもの200グラム以上食べましょう! 公式ホームページは下記です。 http://www.kudamono200.or.jp ────────────────────────────── <<< 本日のメニュ- >>> ・ 季節の便り ・ くだものレシピ:イチジク ・ くだもの広場:「令和2年度果物の消費に関する調査」(連載第5回) ・ 文献紹介:果物などが豊富な食生活で新型コロナの重症化リスクを軽減 ・ 文学の中の果物:妻(横光利一) ・ くだものいちば ・ 編集部より ────────────────────────────── ■ 季節の便り   無花果の鈍な枯れ樣したりけり     - 正岡子規 ────────────────────────────── ■ くだものレシピ:イチジク ○ 【季節限定】イチジクのワイン煮【動画】  イチジクの季節になりました。季節限定のデザートを作ってみて 下さいね。 材料(4人分)  イチジク 4個、グラニュー糖 100g、ロゼワイン 600ml、アイス クリーム、ミントの葉 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 https://cookpad.com/recipe/6911954 ・動画サイト https://www.youtube.com/watch?v=_RQ79h5UZI8 ○ いちじくとサバのサラダ  残った焼き鯖がオシャレな前菜に早変わりです。 材料  イチジク 2~3個、焼き塩鯖 1切れ、ベビーリーフ 1袋、ディル 2本、バルサミコ、オリーブオイル、塩、胡椒 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 https://cookpad.com/recipe/4686169 ────────────────────────────── ■ くだもの広場:「令和2年度果物の消費に関する調査」(連載第5回)  今回は、令和2年度「果物の消費に関する調査」のうち、コロナウ イルスの感染の果物消費への影響を紹介します。 【新型コロナウイルスの感染拡大に伴う果物摂取量の変化】  新型コロナウイルスの感染拡大による果物の摂取量は、変わらな いが85.8%、増加したが8.7%、減少したが5.5%となっています。年 代別でみると、20代では増加した割合が12.9%と1割を超えてい ます。また、果物摂取量別でみると、摂取量が多いほど増加した人 の割合が高くなる傾向があり、特に200グラム以上の層では21.2%と 2割を超えています。 【果物摂取量増加者の増加理由】  健康増進のためが51.1%、免疫力・抵抗力の強化のためが48.3%、 家で食事やおやつを食べることが増えたからが47.1%、おいしいか らが45.4%となっています。性別でみると、男性は健康増進のため が57.3%と女性の45.7%に比べて10ポイント以上高くなっています。 一方、女性は免疫力・抵抗力の強化のためが54.3%と男性の41.5%に 比べて10ポイント以上高く、また、家で食事やおやつを食べること が増えたからも女性が51.1%に対して男性が42.7%と女性の方が10ポ イント近く高くなっています。 【摂取量が増加した果物の品目】  摂取量が増加した果物の品目は、りんごが46.0%、バナナが42.5%、 みかんが40.8%、キウイフルーツが35.6%、ぶどうが25.9%で、かき、 パインアップルと続いています。性別でみると、キウイフルーツが 男性の30.5%に対して女性が40.2%とほぼ10ポイント高くなっていま す。また、果物摂取量別でみると、果物を200グラム以上摂取して いる人ではりんごの摂取量が増加した人が56.8%と他の果物が増加 した人に比べて顕著に高くなっています。 【果物摂取量の増加量】  果物摂取量の増加量は、「1~2割増加」が48.3%と最も多く、 「1割以内」が23.0%、「2から3割」が16.7%、「3割以上」が12. 1%となっています。 【果物摂取量減少者の減少理由】  外出を控えて買えなかったからが48.2%、食費を節約しようと思 ったからが42.7%で、性別でみると、食費を節約しようと思ったか らが男性の35.3%に対して女性が49.2%と15ポイント近く高くなって います。 【果物以外で摂取が増えた食品】  麺類が14.0%、野菜が11.8%、ご飯が11.2%、乳製品が10.1%と1割 台で並んでおり、性別・年代別では20代の女性で麺類が22.4%と 顕著に高くなっています。また、特にないが70.1%となっています。 果物摂取量別でみると、果物摂取量が多いほど野菜、ご飯、肉、魚 の摂取量が増えた割合が高くなっています。 【果物以外で摂取が減った食品】  魚が5.7%、ご飯5.5%、麺類4.0%、肉類4.0%、野菜3.9%と並んでい ます。また、特にないが81.2%となっています。 ────────────────────────────── ■ 文献紹介:果物などが豊富な食生活で新型コロナの重症化リスクを軽減     アメリカ・マサチューセッツ総合病院などの研究チームは、果物 や野菜、豆類や全粒穀物を豊富に摂取している人は、甘い飲料や菓 子類、動物性食品を多く摂る人に比べて新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)の発症・重症化リスクともに低いと、イギリスの医学 雑誌「消化管」に発表しました。  研究では、アメリカ、イギリスに住む59万人以上を対象にスマー トフォンを用いたアンケート調査を行い、新型コロナの発症の有無 や症状の度合いのほか、パンデミック前の食生活の状況について調 査しました。  食生活の評価にあたっては、健康的な果物など植物性食品の摂取 の程度をスコア化しました。果物と野菜、豆類や全粒穀物といった 健康的な植物性食品を多く摂る人ほどスコアが高く、甘い飲料や菓 子類、精製穀物や動物性食品、ファストフードを多く摂る人ほどス コアが低くなりました。  研究期間(2020年3月24日~12月2日)中に新型コロナを発症した 人は31,831人でした。食事スコアによって全対象者を4群に分けて 比較したところ、スコアが最も高い群は最も低い群よりも新型コロ ナウイルス発症リスクが9%低く、重症化リスクは41%も低くなりま した。  この結果は、他の健康的な行動や社会的決定要因、コミュニティ のウイルス感染率を考慮しても一貫していました。  以上の結果から、健康的な果物などが豊富な植物ベースの食事に 改善すれば、新型コロナに感染したり、重症化のリスクを減らせる と研究者は述べています。 【文献】 Merino, J. et al.: Diet quality and risk and severity of COVID-19: a prospective cohort study.Gut., Online 2021 Sep 6; gutjnl-2021-325353. [doi: 10.1136/gutjnl-2021-325353] ────────────────────────────── ■ 文学の中の果物:妻(横光利一)  見ると、妻の髮に白い韮(にら)の花がこの朝早くから刺さつて ゐた。  私はまた葡萄棚の下へ戻つて來た。それから井戸傍で身體を拭い た。雇つてある老婆が倒れた垣根の草花を起してゐた。  私はふと傍の薔薇の葉の上にゐる褐色の雌(めす)の鎌切りを見 附けた。よく見ると、それは別の青い雄(をす)の鎌切りの首を大 きな鎌で押しつけて早や半分ほどそれを食つてゐる雌の鎌切りだつ た。 「なるほど、これや夫婦生活の第四段の形態だ。」と私は思つた。  雄は雌に腹まで食はれながらまだ頭をゆるく左右に振つてゐた。 その雄の容子が私には苦痛を訴へてゐる表情だとは思へなかつた。 どこかむしろ悠長な歡喜を感じた。その眼の表情には確に身を締め つけられるやうな恍惚とした喜びがあつた。婆やが曲つた腰つきで 箒を持つて無花果の樹の下から私の方へ歩いて來た。 「おい、婆さん。一寸來て見な。」と私は云つた。  婆やは私の指差してゐる鎌切りを覗き込むと、 「ははア。」と云つた。 「これ、何んだか知つてるかね。」 「旦那さま、これや二疋ですな。」と老婆は急に大きな聲を出した。 「さうだ。」  すると老婆はまた「あらツ」と聲を上げた。 「何んだ?」 「これや旦那さま、食はれてゐますのぢや。」 「それやさうさ。」 「ははア。これや、旦那樣、食はれてをりますのぢや。」 「食つてゐるのは雌(めす)なんだよ。鎌切りの女は亭主が入らな くなると食ひ殺すんだ。」 「ほんたうでございますか。」 「本當さ。」 「まア奥樣、來て見なさい。憎い奴がをりますわ。自分の亭主を食 ひやがつて、これやツ、これやツ。」と老婆は云つて足で地を打つ た。  私は身體を拭きながら無花果の樹の下へ來た。無花果は厚い葉の 陰から色づいた實を差し出してゐた。不氣嫌さうに栗のいがは膨れ てゐた。 ────────────────────────────── ■ くだものいちば  今回は、横浜市中央卸売市場本場に入荷している果物を紹介しま す。入荷量が多いのは、ミカン、リンゴ、ナシ、カキ、ブドウなど です。香り高いユズ、カボス、スダチの季節です。 [旬の果物と産地] ウンシュウミカンは宮崎産です。 バレンシアオレンジは兵庫産です。 レモンは愛媛産です。 ユズは岩手産、スダチは徳島産、カボスは佐賀産です。 リンゴ(つがる、紅玉、ふじ、など)は青森、長野、山形、岩手産 です。 ニホンナシ(豊水、新高、二十世紀、など)は福島、茨城産です。 スモモは山形産です。 プルーンは長野産です。 ブドウ(デラウェア、巨峰、マスカット・オブ・アレキサンドリア、 ピオーネ、マスカット・ベリーA、甲斐路、など)は山形、長野、 山梨産です。 カキ(平核無、刀根早生、など)は和歌山産です。 クリは茨城産です。 イチゴは山形産です。 メロン(アールス、など)は静岡、茨城、青森産です。 スイカは山形産です。 「くだものいちば」は青果物市況情報を参考に作成しています。 https://www.seisen.maff.go.jp/seisen/bs04b040md001/BS04B040UC010SC999-Evt001.do ────────────────────────────── ■ 編集部より  今号では、新型コロナウイルス感染症と食生活に関する最新の情 報を掲載しています。本メルマガでは、新型感染症発生以来、食生 活との関係を紹介してきました。以来、一貫して果物などが豊富な 食生活が大切であることを示しています。他のメディアでこうした 情報をもっと取り上げてほしいです。(tnk)  新型コロナウイルスの緊急事態宣言は、ようやく解除されました が手洗い、マスクの着用など、感染防止対策を引き続き行って感染 防止に気を付けて過ごしましょう。(EK) ──────────────。─────────────── ◆発 行◆ 公益財団法人中央果実協会 kudamononews@kudamono200.or.jp Copyright(C) 2011-2021.  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