毎日くだもの200グラムメールマガジン □■ くだもの&健康ニュース Vol.233 ■◇ 2021年9月17日(金)配信 こんにちは! 果物の摂取は、生活習慣病予防効果だけでなく、精神的ストレス解 消にも効果があります。特に女性で。(文献紹介から) ────────────────────────────── 毎日くだもの200グラム以上食べましょう! 公式ホームページは下記です。 http://www.kudamono200.or.jp ────────────────────────────── <<< 本日のメニュ- >>> ・ 季節の便り ・ くだものレシピ:クリ ・ くだもの広場:「令和2年度果物の消費に関する調査」(連載第4回) ・ 文献紹介:女性のメンタルヘルスには果物がいい ・ 文学の中の果物:山の秋(高村光太郎) ・ くだものいちば ・ 編集部より ────────────────────────────── ■ 季節の便り   栗の樹と背あはせやさるすへり     - 正岡子規 ────────────────────────────── ■ くだものレシピ:クリ ○ 秋刀魚と栗の土鍋ご飯  手間隙半端ない。でも美味い。 材料(2合分)  クリ 10個くらい、サンマ 2匹(多いとよりよい)、しめじパック 半分、ゴボウ 細いの半分、ニンジン 細いの2/3本、厚揚げ 1枚、 米 2合、だし(調味液と合わせて) 360ml、酒、みりん、醤油、生姜、 青ネギ、すだちあれば 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 https://cookpad.com/recipe/4736062 ○ ナッツ類のトッカルビ(韓国式ハンバーグ)  カルビで出来た韓国式ハンバーグ"トッカルビ"!ナッツやお餅で 様々な食感 材料(2人分)  クリ 10g、クルミ 5g、ナツメ 6g、牛バラ肉 200g、刻みニンニ ク 1かけ、刻みネギ 6g、トッポッキ 2人分、モチ米粉 5g、砂糖、 しょう油、蜂蜜(水飴でもok)、ごま油、松の実(お好みで) 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 https://cookpad.com/recipe/3244572 ────────────────────────────── ■ くだもの広場:「令和2年度果物の消費に関する調査」(連載第4回) 今回は、令和2年度「果物の消費に関する調査」の結果のうち、 果物の消費拡大施策について紹介します。 【果物についての希望情報】  果物についての希望情報は、「食べごろの見分け方」が45.7%、 「おいしい果物の見分け方」が45.5%、「鮮度の見分け方」が38.2%、 「栄養成分」が25.3%で、その次に、残留農薬、適量、生活習慣病 との関係と続きます。上位3つは、令和元年度と同じで、割合もほ ぼ同じになっています。特徴的なのは、「食べごろの見分け方」と 「おいしい果物の見分け方」が女性の方が10ポイント以上高くなっ ています。また、年代が高いほど残留農薬の情報の割合が高くなっ ています。 【果物消費拡大施策の認知】 「国は健康増進のために果物を200グラム食べることを勧めてい る」ことを知っていた(何となく知っていたを含む。以下同じ。)が 14.6%、「毎日くだもの200グラム」の標語を知っていたが8.8%、 「毎日くだもの200グラム運動のロゴマーク」を知っていたが6. 9%、「機能性表示をしている果物がある」を知っていたが7.8%とな っています。年代別にみると、全ての項目で20代の認知が最も高 く、特に「国は健康増進のために果物を200グラム食べることを勧 めている」ことの認知は21.0%と全体を5ポイント以上上回っていま す。また、全ての項目で果物の摂取量が多いほど認知度が高くなる 傾向が顕著で、特に、果物を200グラム以上摂取している人は、 「国は健康増進のために果物を200グラム食べることを勧めてい る」の認知度は36.5%、「毎日くだもの200グラム」の標語の認知度 は30.8%と3割を超えています。 【果物消費拡大施策の認知度別果物摂取量】  「国は健康増進のために果物を200グラム食べることを勧めてい る」ことを知っていた人では、1日200グラム以上の果物を摂取し ている人の割合が4割を超えるのに対して、何となく知っていた人 では1日200グラム以上の果物を摂取している人の割合は約2割に 減少し、知らない人では1日200グラム以上の果物を摂取している 人の割合は1割にとどまっており、果物消費拡大施策を知っている 人ほど、果物の摂取量が多くなっています。 ────────────────────────────── ■ 文献紹介:女性のメンタルヘルスには果物がいい  最新の研究は、個人の精神的な幸福感に食事と運動が強く影響し ていることを示唆しています。そのため、ストレス解消のための食 事療法は、健康的なライフスタイルを維持するモチベーションの高 まりを通じて、脳の健康を改善し、精神的な幸福を高めると考えら れています。ただし、これらの関係は複雑で多次元的です。考慮す る必要がある重要な要素の1つは、これらの危険因子に対するジェ ンダーの影響です。例えば、男性と女性の精神的ストレスの有病率 に格差があるとの証拠が増えています。  ニューヨーク州立大学ビンガムトン校などの最新の疫学研究の結 果、女性の精神的健康状態は男性よりも食事の要因との関連性が強 いと、「個別化医療雑誌」に発表されました。  食事と心の状態に関する今までの研究から、研究者らは、質の高 い食事がメンタルヘルスを改善するとの仮説を立てました。30歳以 上の男女1,209人(女性329人、男性880人)を対象に調査を行いま した。データは、北アメリカ、ヨーロッパ、中東、北アフリカから 収集しました。  研究では、対象者の精神的ストレスに関連するさまざまな食品グ ループとの関連を解析すると同時に、運動の頻度と精神的ストレス に関連するさまざまな食事パターンとの関連も調査しました。  その結果、精神的ストレスに関する食品群および食事療法の直接 的な関連性が明らかとなりました。また、運動も精神的ストレスに 対する独立変数であることも分かりました。  特に、女性では、ファーストフードの摂取頻度が高いと精神的ス トレスも高いという統計的に有意な相関が認められました。また、 カフェイン、高グリセミックインデックス食品(精製度の高い穀類 や高度に加工した食品)の摂取頻度が高いと精神的ストレスが高い という相関も認められました。逆に、果物と魚の摂取頻度や朝食は、 精神的なストレスを改善・軽減しました。  さらに、興味深いことに、不健康な食事パターンの人の精神的ス トレスのレベルは、男性よりも女性で高いことが分かりました。こ のことは、女性のメンタルヘルスは、男性よりも食事要因との関連 性が強いことを示しています。  同時に、精神的な健康を改善するためには食事とライフスタイル の要因をカスタマイズするのが良いとの理論を支持する結果でした。  一方、運動は、高グリセミックインデックス食品やファースト フードに起因する精神的ストレスを統計的に有意に減らす効果が認 められました。また、運動するとカフェインに起因する精神的スト レスを大幅に改善しました。さらに、興味深いことに、果物や魚な どの精神的ストレス解消効果をさらに高めることもわかりました。 このことは、運動が、精神的ストレス解消のメディエイターとして 働いているためと考えられました。このように、健康的な食生活、 運動、精神的健康の間には、相互に深い関係があることがわかりま した。  この研究の新しいところは、精神的ストレスと相関が認められる 高グリセミックインデックス食品やファーストフードの摂取による による悪化を、運動することによって軽減できることと、果物など のストレス解消効果をさらに高めることが明らかになったところで す。  以上の結果と今まで発表された複数の研究から、適切な食事と運 動は、成人女性の精神的ストレスに対する最初の防波堤であると考 えられました。 【文献】 Begdache, L. et al.: Customization of Diet May Promote Exercise and Improve Mental Wellbeing in Mature Adults: The Role of Exercise as a Mediator. J. Pers. Med., 11: 435. (2021) [doi: 10.3390/jpm11050435] ────────────────────────────── ■ 文学の中の果物:山の秋(高村光太郎)  旧盆がすむと世の中が急にひっそりする。草木は生長をやめて専 ら種子をつくる方にかかりはじめる。畠では、トマト、ナス、イン ゲンがまっさかり、小豆や大豆も大分大きくなり、土用にまいた大 根ももう本根をのばし、白菜、秋キャベツもそろそろ結球をはじめ、 ジャガイモも二番花を過ぎて玉を肥らせ、芋の子もしきりに親いも のまわりに数を増し、南瓜(カボチャ)、西瓜(すいか)、南部金 瓜はもう堂々と愛嬌のある頭をそろえる。野山に山百合の白い花が 点々と目立ち、そこら中に芳香を放つようになると、今度は栗の番 になる。  山麓(さんろく)から低い山にかけて東北には栗の木が多い。栗 の木は材の堅いくせに育ちが早く、いくら伐(き)ってもいつのま にか又林になる。そして秋にはうまい栗の実をとりきれないほど沢 山ならせる。山口部落の奥のわたくしの小屋はその栗林のまんなか にあるので、九月末になると殆と栗責めである。  日中はまだ少し暑いが、朝の空気はむしろ肌さむいほどの清涼さ。 そのきれいな空気を吸いに朝の戸口をとび出すと、眼の前の地面に 栗いろの栗がころころ落ちている。この落ちて間もない栗の実の色 とつやとは実に美しく、清潔な感じで、殊にお尻の白いところがく っきりと白く、まったく生きている。しっとりとした地面の上にこ れが散らばっている黒と褐色との調和は高雅である。拾いはじめる と、あちらにもこちらにも眼につき、繁ったニラの葉の中や、菊の かげ、ススキの根もとなどに光っている。毎朝ざるに一杯ずつ拾い、 あとはすてて置く。拾っているうちにもぱらぱら落ちてくるし、小 屋の屋根には案外大きな音をたてる。クマザサの中にもばさっと落 ちるが、下草のある中に落ちた栗の実はなかなか見つけられないも ので、不思議にうまくかくれてしまう。  山の栗は多く実が小さいシバグリだが、小屋のあたりのはタンバ グリとシバグリとの間くらいのもので食うのにあつらえ向きだ。毎 日栗飯を炊いたり、うで栗にしたり、いろりで焼栗にしたりする。 ぬれ紙につつんで灰の中で焼く焼栗を電灯の下でぼつぼつ食べてい ると、むかし巴里(パリ)の街角で、「マロンショウ、マロンショ ウ」と呼売していた焼栗の味をおもい出す。あの三角の紙包をポケ ットに入れて、あついのを歩きながら食べたことを夢のように思い 出す。あれはフランス、ここは岩手、なんだか愉快になったものだ。  部落の子供や小母さんらがよくかごを持って栗ひろいにくる。裏 の山の南側のがけに取りきれないほど落ちているが、自然にどこの 木が一番うまいというようなことがあるようである。栗拾いには随 分山の奥の方まで出かけるが、そういう時に時々熊のいる形跡に出 あって逃げてかえってきた人がある。熊も栗やドングリが好きで、 この季節にさかんに出没する。熊は木のまたに棚というものをこし らえて、そこに坐って食べるらしい。 ────────────────────────────── ■ くだものいちば  今回は、長野市(在)地方卸売市場に入荷している果物を紹介し ます。入荷量が多いのは、ミカン、リンゴ、ナシ、スモモ、ブドウ などです。今が旬のリンゴ「つがる」など、秋の果物が店頭に並ん でいます。 [旬の果物と産地] ウンシュウミカンは愛知産です。 リンゴ(つがる)は長野産です。 ニホンナシ(幸水、など)は長野産です。 モモ(白根白桃、など)は長野、山梨産です。 ネクタリン(秀峰、など)は長野産です。 スモモは長野産です。 プルーンは長野産です。 ブドウ(デラウェア、巨峰、など)は山形、長野産です。 メロン(アールス、など)は愛知、茨城産です。 「くだものいちば」は青果物市況情報を参考に作成しています。 https://www.seisen.maff.go.jp/seisen/bs04b040md001/BS04B040UC010SC999-Evt001.do ────────────────────────────── ■ 編集部より  本号で紹介している「果物の消費に関する調査」によれば、「国 は健康増進のために果物を200グラム食べることを勧めている」こ とを知っていた人では、1日200グラム以上の果物を摂取している 人の割合が4割を超えるとのこと。つまり、現状は認知度が低いと いうこと。私たちの成績表を見ているようです。(tnk)  9月も中旬を迎え、朝晩は涼しさを感じるようになってきました。 いよいよ実りの秋の到来です。スーパーには美味しそうな梨や栗が、 たくさん出回り始めています。旬の時期の美味しい果物を食べてみ てはいかがでしょうか。(EK) ──────────────。─────────────── ◆発 行◆ 公益財団法人中央果実協会 kudamononews@kudamono200.or.jp Copyright(C) 2011-2021.  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