毎日くだもの200グラムメールマガジン □■ くだもの&健康ニュース Vol.228 ■◇ 2021年7月2日(金)配信 こんにちは! イギリスでは、パンデミックに対抗して免疫力を高める果物の摂取 量が増加!(文献紹介から) ────────────────────────────── 毎日くだもの200グラム以上食べましょう! 公式ホームページは下記です。 http://www.kudamono200.or.jp ────────────────────────────── <<< 本日のメニュ- >>> ・ 季節の便り ・ くだものレシピ:モモ ・ くだもの広場:おいしい果物の選び方 ・ 文献紹介:パンデミック中、イギリス人の3分の1が果実と野        菜の摂取を増やす ・ 文献紹介:果物が豊富な健康的な生活習慣は遺伝に関係なく認        知症予防 ・ 文学の中の果物:半之助祝言(山本周五郎) ・ くだものいちば ・ 編集部より ────────────────────────────── ■ 季節の便り   夏桃はまだ毛の多き苦さ哉     - 正岡子規 ────────────────────────────── ■ くだものレシピ:モモ ○ 桃と帆立貝の重ね揚げ  魔法の北京鍋で本格中華料理の揚げ物を作りました。材料はスー パーで売っている物で。 材料(2人分)  モモ 1個、帆立の貝柱(生食用) 4個、百花餡(エビのすり身餡) 40g、スモークベーコン、パセリ、など。 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 https://cookpad.com/recipe/5258683 ○ 豚しゃぶと桃?のぶっかけそうめん  モモがおいしい時期。豚肉と合うんです。シンプルに具は3つ。 薬味は無し。あえて言えば白胡椒です。 材料(2人分)  モモ(冷凍マンゴなど) 半分、レモン汁 少々、豚肉(しゃぶしゃ ぶ用) 150g、キュウリ 1本、白ワイン、生姜汁、麺つゆ(ストレー ト) 250ml、素麺 2束、など。 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 https://cookpad.com/recipe/3977258 ────────────────────────────── ■ くだもの広場:おいしい果物の選び方 おじさん:前回まで、果物と健康について、色々と紹介してきたけ  ど、どんな感想かな。 ミカ:果物を食べることは健康にいいということはよく分かったん  だけど、やっぱり、果物の魅力一つは美味しいことだと思うわ。  美味しい果物って、何となくわかるように思うけど、もっと知り  たいな。 おじさん:。そうだね。消費者アンケートでも、美味しい果物の選  び方に関心が示されている。今回は、美味しい果物の選び方を紹  介しよう。果物のおいしさは、糖度や酸度の影響が大きいが、こ  れ以外に、食べたときの食感(肉質)、香り等もおいしさに影響  する。追熟や脱渋を必要とする一部の果物を除いて、多くの果物  は樹上で成熟し食べごろで収穫される。すなわち、収穫した時点  の品質がもっともよく、その後品質が低下していく。こうした果  物は、購入・入手後、早めに食べるといい。一方、追熟を必要と  するキウイフルーツ、西洋なし、バナナ等は、収穫時点では熟し  ておらず購入段階で適度な追熟状態になるように出荷されている。  こうした果実は、かたさ、色、香り等をみて、食べごろを判断す  る。   少し、具体的にいくつかの果物の選び方を紹介しよう。温州み  かんは、あまり大きくない、色が濃い、果皮が薄い、皮が浮いて  いない、へたがあまり大きくないものがいい。りんごは、中くら  いで重い、果皮に張りがあり軸がしっかりしている、指で軽くた  たくと締まった音がするものがいい。なしは、果形がやや横長で  ある、果皮に張りがあり軸がしっかりしている、均一に色づいて  いるものがいい。ぶどうは、軸が緑色でしっかりしている、色が  鮮やか(巨峰は濃黒色)で果皮に張りがある、果皮に白いブルー  ム(果粉)があるものがいい。ぶどうの皮に、白い粉がついてい  て、何か変な物じゃないかと思っている人もいるかもしれないけ  ど、これがおいしいものを選ぶときの目安なんだ。かきは、全体  に赤みがある、へたが緑色で皮にツヤとハリがある、へたと果実  の間に隙間がないものがいい。ももは、ふっくらと丸みがある、  果皮全体にまんべんなくうぶ毛が生えている、甘い香りがするも  のがいい。   次に買ってから少し間をおいて追熟してから食べる果物につい  て紹介しよう。キウイフルーツは、果皮に毛が密生し、均一に茶  色に着色している(毛のない品種もある)、表面にシワや傷がな  い、すぐに食べない場合は硬めのものでもよい、食べ頃は、優し  くさわって少し柔らかく感じるころがいい。バナナは、全体が黄  色く色づき、ふっくらと丸みをおびている、傷やへこみがないも  のがいい。バナナは、出荷前に購入後に食べられるように適度に  追熟されている場合がほとんどだから、買ってからすぐに食べて  も美味しいね。 ミカ:へえ、果物によって、上手な選び方があるということね。全  部は覚えられないけど、少しでも覚えて美味しい果物を選んでみ  よう。 おじさん:分かりにくいときは、お店の人に聞いてみると、色々と  教えてくれるし、美味しい物を選んでくれると思うよ。 ────────────────────────────── ■ 文献紹介:パンデミック中、イギリス人の3分の1が果実と野        菜の摂取を増やす  イギリス栄養財団の調査結果は、過去1年間の生活習慣の変化に ついて心強い姿を描きだしました(文献1)。イギリス人のおよそ 3分の2は、パンデミックに対抗するために、過去1年の間に健康 的な食事に前向きな変更を加え、中でも3分の1は果実と野菜を増 やしました。これは、イギリス栄養財団が委託した新しい調査から 分かったもので、イギリス人の62%が過去1年間に健康増進のため に食事を変えたことを示しています。約33%が食事の中の果物や野 菜を増やし、29%がより健康的な食事を作り始め、32%が水を飲む 量を増やしたと回答しました。  この調査は、イギリス栄養財団の「健康的な食事週間2021」の一 環としてオンラインで実施したもので、パンデミックに見舞われた 過去一年の間、人々が食事と生活習慣に加えた変化を調べました。 調査結果ではさらに、57%の人が2020年5月以降、より健康的な料 理をするようになったことが明らかになりました。約21%がより健 康的なレシピを見つけ、20%は可能であれば直火焼き・網焼きや油 炒めの代わりにオーブンで焼くなど健康的な調理方法をしていまし た。回答者の半数は、活動的であり続けるための新しい取組みにつ いて言及し、29%が定期的に歩き始め、12%が定期的に運動を行う ようになりました。  「健康的な食事週間2021」(6月14~18日)は、誰もが自分 の健康と満足感を高めることを奨励し、「より健康な自分を見つけ る」よう促しています。また、エビデンスに基づく様々な無料の資 料とツールを提供して参加者をサポートしています。 ●イギリス栄養財団の「健康的な食事週間2021」のキーメッセージ  (文献2) ・さまざまな果物や野菜を、毎日、少なくとも5サービング摂取  果物と野菜の量は、私たちが毎日食べる食事全体の約3分の1を占 めるようにしてください。果物と野菜は、食物繊維の優れた供給源 であるだけでなく、多くの必須ビタミンやミネラルを含んでいるた め、健康的でバランスの取れた食事のために非常に重要な役割を担 っています。  果物や野菜をたくさん食べると、カロリーと脂肪が自然に少なく なるため(たくさんのバターやオイルでローストしたり揚げたりし ない限り)、健康的な体重を維持するのに役立ちます。そのため、 心臓病、脳卒中、ある種の癌や肥満のリスクを減らすことができま す。  バラエティが大事です。果物や野菜の種類や色が異なれば、食物 繊維やビタミンなど、私たちの体が健康を維持するために必要な重 要な栄養素のさまざまな組み合わせが含まれています。したがって、 5 A DAY(ファイブ・ア・デイ)を最大限に活用するには、緑、黄、 赤、紫、オレンジ、白の各色グループからさまざまな果物や野菜を 摂取してみてください。 【文献】 1) A third of Brits 'eating more fruit and veg' British Nutrition Foundation survey paints encouraging picture of changing habits over the past year http://www.fruitnet.com/fpj/article/185503/a-third-of-brits-eating-more-fruit-and-veg Monday 14th June 2021, 13:45 London 2) Fruit and vegetables https://www.nutrition.org.uk/healthyliving/healthydiet/fruit-and-vegetables.html ────────────────────────────── ■ 文献紹介:果物が豊富な健康的な生活習慣は遺伝に関係なく認        知症予防  生活習慣病の発症に関与するのは遺伝子か、食生活などの生活習 慣かについて長い間研究されてきました。その結果、生活習慣病の 発症には、遺伝子よりも食生活が大きく関与することが明らかとな りました。例えば、ハワイに移住した日系アメリカ人の食生活は肉 食で病態はアメリカ型となり、ブラジルに移住した日系人の病態も ブラジル型でした。  認知症の発症にも食生活など生活習慣が関与しているのではない かと推定されています。中国、崑山杜克大学の研究チームは、80歳 以上の人々においては、果物などが豊富な健康的な生活習慣が認知 障害のリスク低下と関連しているが、これは認知症遺伝子であるAP OE遺伝子の変異には依存していないと、「プロス医学」に発表しま した。  認知症の中で最も多いアルツハイマー病や高齢者の認知機能の低 下に関与するAPOE遺伝子が変異すると認知障害やアルツハイマー病 のリスクが高まることが知られていました。  研究では、APOE遺伝子の変異と生活習慣、および認知機能の関係 を明らかにするために、中国で進行中の縦断的健康長寿研究に参加 した80歳以上の6,160人のデータを解析しました。  解析の結果、果物などが豊富な健康的な生活習慣の人、また中程 度に健康的な生活習慣の人は、果物などを食べていない不健康な生 活習慣の人に比べ、認知障害の発症リスクが、それぞれ55%および2 8%低いことが分かりました。さらに、認知障害との関連するAPOE遺 伝子に変異がある人でも同じ結果でした。  この結果は、遺伝的リスクに関係なく、果物などが豊富な健康的 な生活習慣が80歳以上の人の認知機能を維持するのに役立つと考え られました。 【文献】 Jin, X. et al.: Association of APOE ε4 genotype and lifestyle with cognitive function among Chinese adults aged 80 years and older: A cross-sectional study. PLoS. Med., 18: e1003597. (2021) [doi: 10.1371/journal.pmed] ────────────────────────────── ■ 文学の中の果物:半之助祝言(山本周五郎)  折岩半之助が江戸から着任した。  その日、立原平助が桃の咲きはじめたのを見た。次席家老の前田 甚内の家の桃である。平助はそれについて次のような感想を述べた。 「南枝一輪、桃などもそう云っていいものかどうか、ともかく南面 の枝に三つ四つ、ふっくらと咲いていたよ、こんなふうにさ」  彼は両手でそんなふうな恰好をしてみせた。 「――私は思わずどきりとしたね」  そこで葵太市が訊いた。 「桃が咲いてなぜどきりとするんだ」 「一種の前兆、といったものかどうか、なにかしら起る、これは単 に桃が咲いたというだけのものじゃない、吉か凶かわからないけれ どもとにかくなにか起る、こうしてはいられない、といった感じだ ねえ」  葵太市はそうかねえと云った。ほかの者は聞いてもいなかった。  着任した折岩半之助を見て、重役の人々はその若いのに驚いた。  この異動には相当むずかしい重要な使命がある。経験に富み、老 巧にして円滑、才気縦横、大胆不敵といった人材でなければならな い。それには半之助はいかにも若すぎた、二十六だというが二十二 三にしかみえない。背丈は五尺六七寸、まる顔でおちょぼ口で、梟 ふくろうのような眼をしている。人品はなかなかである。しかしど う値ぶみをしても、世間知らずで気立てのよい坊ちゃん、ぐらいに しかふめなかった。 「どうですかなこれは、どんなものですかな」 「さよう、どんなものでしょうか」  前田甚内はじめ重役たちは首をひねった。念のために「使命」の 点をたしかめると、 「ええ知っています」  彼はあっさり頷(うなず)いた。あんまりあっさりしているので、 それ以上なにも訊く隙がなかった。もちろんそれで安心したわけで はないが、藩主の任命でもあるし、とりあえず住居を与え、実情査 察のため半月の休暇を出した。  着任して五日めに、玄武社の幹部たちが、折岩半之助を招いて会 食した。 ────────────────────────────── ■ くだものいちば  今回は、沖縄県中央卸売市場に入荷している果物を紹介します。 入荷量が多いのは、リンゴ、スイカ、バナナ、オレンジなどです。 沖縄産のパイナップルの入荷量も多く、広く出回っています。 [旬の果物と産地] ネーブルオレンジ、バレンシアオレンジはアメリカ産です。 クレープフルーツ、レモンは南アフリカ産です。 リンゴ(ジョナゴールド、ふじ)は青森産です。 モモ(白鳳)は山梨産です。 スモモ(大石早生)は福島産です。 ブドウはオーストラリア産です。 メロンは茨城産です。 スイカは熊本産です。 バナナはフィリピン産です。 パイナップルは沖縄産です。 キウイフルーツはニュージーランド産です。 「くだものいちば」は青果物市況情報を参考に作成しています。 https://www.seisen.maff.go.jp/seisen/bs04b040md001/BS04B040UC010SC999-Evt001.do ────────────────────────────── ■ 編集部より  調査によるとイギリスだけでなく、アメリカや中国などでもパン デミックに対抗して免疫力向上を目指して果物の消費が伸びている ようです。わが国では、そうした兆候が認められないのが残念です。(tnk)  本格的な梅雨の季節に入りました。最近は、一度にたくさんの雨 が降ることも多く、大雨による災害も発生しています。日頃からの 備えをして災害に気を付けましょう。 (EK) ────────────────────────────── ◆発 行◆ 公益財団法人中央果実協会 kudamononews@kudamono200.or.jp Copyright(C) 2011-2021.  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