毎日くだもの200グラムメールマガジン □■ くだもの&健康ニュース Vol.223 ■◇ 2021年4月9日(金)配信 こんにちは! 果物が豊富な地中海式ダイエットは、肥満の患者にも、その家族に も良い効果をもたらします(文献紹介から)。 ────────────────────────────── 毎日くだもの200グラム以上食べましょう! 公式ホームページは下記です。 http://www.kudamono200.or.jp ────────────────────────────── <<< 本日のメニュ- >>> ・ 季節の便り ・ くだものレシピ:マンゴー ・ くだもの広場:第22回全国果樹技術・経営コンクール農林水          産大臣賞受賞者の概要について(後編) ・ 文献紹介:地中海式ダイエットで患者の家族にも減量効果 ・ 文学の中の果物:貧乏物語(河上肇) ・ くだものいちば ・ 編集部より ────────────────────────────── ■ 季節の便り   小原女の薪にまじる梨の花     - 正岡子規 ────────────────────────────── ■ くだものレシピ:マンゴー ○ マンゴーと冷しゃぶの冷製パスタ  マンゴーの季節、実は塩気と肉が合う!白ワインと一緒にどうで しょう 材料(1人分)  マンゴー 1/2個、カッペリーニ 100g、豚スライス(ロース、バ ラお好み) 100g、パプリカ 1/3個、わさび菜 1/2房くらい、豆腐 (絹)、オリーブオイル、バルサミコ酢、塩麹、など。 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 https://cookpad.com/recipe/6384639 ○ トロピカルマンゴーサラダ  意外だけど病み付きになる美味しさ。本当は内緒にしたい、ジ ューシーな玉葱たっぷりマンゴーサラダです。一口食で南国気分~ 材料(2~3人分)  マンゴー 一切れ、玉ねぎ 1個、アボカド 1/2個、刺し身 3、4枚、 レモン汁、ココナッツオイル、ワサビ、など。 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 https://cookpad.com/recipe/3406333 ※:マンゴーの美味しい旬の季節は、4月中旬から7月頃です。 ────────────────────────────── ■ くだもの広場:第22回全国果樹技術・経営コンクール農林水          産大臣賞受賞者の概要について(後編)  第22回全国果樹技術・経営コンクールにおいて、農林水産大臣賞 を受賞された方の経営の概要について紹介します。 ◎石田 直人・石田素美子(愛知県知多郡東浦町、ぶどう)  経営主の石田直人氏は、昭和55年に愛知県追進営農大学校(現愛 知県立農業大学校)卒業後すぐに就農し、平成6年に経営移譲され た。平成14年頃から、東浦町では栽培の少ない「巨峰(無核)」の 栽培面積を増やし、現在、栽培面積は270a(無加温ハウス130a、露 地140a)である。栽培品種は、「巨峰(有核)」40%、「巨峰(無 核)」29.6%、「デラウエア」3.7%などであり、労働力は、経営主、 妻、後継者と常時雇用3名である。  園地は、自宅に隣接した直売所を囲うように整備し、効率的な作 業を行うことができる体制を整えている。ぶどうの魅力をPRする ためにぶどう狩りを実施している。宅配用の段ボール箱にはこだわ りを持ち、宅配輸送向けの強度を高めた箱で発送している。  令和2年に家族経営協定を締結して家族の役割分担を明確にして おり、4~7月は日曜日を定休日にするなど従業員が働きやすい環境 を整備している。平成元年に「無加温ハウス(3月上旬被覆)」10a を導入して、お盆需要に対応できるようにし、その後も、病害に弱 い欧州系品種を栽培するために増やして全栽培面積の約半分の130a を無加温ハウスとしている。また、平成14年からGA1回処理並び に平行整枝技術をいち早く導入し、「巨峰(無核)」栽培に取り組 み、現在では、盆前に販売する無加温ハウスの「巨峰」は、消費者 ニーズの高い「巨峰(無核)」のみとなっている。石田農園では、 まとまった樹園地を有効利用し、複数品種を効率良く収穫するとと もに、出荷期間中の人、物、設備の作業動線の問題点を解決し、効 率的な作業環境を実現している。石田氏は、以前より省力化技術と してGA1回処理技術に対する豊富な知見を有していることから、 地域で新たに無核栽培に取り組む生産者には、1回処理の特長や処 理時のポイントについて、技術指導・アドバイスを行っている。 ◎笛吹農業協同組合青果物生産団体連絡協議会ハウスぶどう専門部  会(山梨県 笛吹市、ぶどう)  笛吹農業協同組合青果物生産団体連絡協議会ハウスぶどう専門部 会は、平成26年2月に管内6支所(八代、岡部、石和、一宮、御 坂、富士見)のハウスぶどう部会を集約再編して発足した。専門委 員会では、生産者の栽培技術向上のための講習会(房づくり、摘粒、 剪定等)や、平成30年からは、次年に向けて本年のぶどう生産で 課題となった点を検討し、改善を図るための栽培反省会を開催して いる。  全てのハウスで、果汁による糖度測定と透過式非破壊糖度計によ る糖度の確認を行い、基準糖度をクリアした園だけに収穫を許可す ることで、食味を重視した出荷を徹底している。全面積の62%を 占めるシャインマスカットを中心とした有利販売のため、県果樹試 験場と産地JAで作成した収穫適期判別カラーチャートを用いて果 実の色を確認し、外観を揃えている。  また、ハウスぶどうと露地ぶどう・モモの複合経営による労力分 散を行うほか、ハウスぶどう栽培における「スマート農業」として、 遠隔地からハウス内の環境モニタリングを行い、天窓開閉、被覆 カーテン、加温機、換気扇、炭酸ガス発生装置などの導入により環 境制御の自動化を可能とし、ハウス栽培の省力化とともに体系に基 づく適切な温度管理による生産安定を図っている。  山梨県の第三者認証GAPである「やまなしGAP」に取り組み、 令和元年に団体認証を受け、市場からは常に高い評価を受けている。 近年はハウスブドウの販売が好調なこともあり、新規就農者の参入 が増加するなど、ハウス栽培面積も拡大している。 ────────────────────────────── ■ 文献紹介:地中海式ダイエットで患者の家族にも減量効果  果物が豊富な地中海式ダイエットと身体活動による減量プログラ ムに参加した117人の肥満患者は、対照群に比べて、1年目に5.10kg、 2年目に6.79kgと、大幅に減量できました。  肥満は、ライフスタイルが同じ家族集団と強く結びついています。 そこで、スペイン・ホスピタルデルマール医学研究所の研究チーム は、地中海式ダイエットと身体活動による減量プログラムに参加し た肥満患者の家族に対する影響について世界で初めて調査を行いま した。その結果、集中的な減量治療を受けている患者だけでなく、 一緒に暮らす家族も、この治療法の恩恵を受けていることが分かっ たと、「国際肥満学雑誌」に発表しました。  研究では、地中海式ダイエットと身体活動による減量プログラム に参加した患者117人の家族148人を対象に2年間追跡しました。家 族は、研究に登録されてはおらず、直接的な治療を受けていないに もかかわらず家族もプログラムから間接的な利益を得たかどうかを 調査しました。  患者の家族(4分の3は配偶者)は、プログラムの最初の1年の間 に、対照群の家族に比べて、平均1.25kgも多く減量していました。 2年目には差はほぼ4kgまで開きました。家族が患者と食事を共にし ている場合、とりわけ患者自身が調理を担当している場合により明 確に減量効果が認められました。しかし、身体活動に対する影響は 認められませんでした。  本研究により、世界で初めて肥満患者に対する食事療法の減量介 入の影響が、治療していない家族へも良い影響を与える証拠が認め られました。この結果は、肥満予防対策の促進剤となると、研究者 は述べています。 【文献】 Zomeno, M.D. et al.: Halo effect of a Mediterranean-lifestyle weight-loss intervention on untreated family members' weight and physical activity: a prospective study. Int. J. Obes., Online 2021 Mar 3. [doi: 10.1038/s41366-021-00763-z] ────────────────────────────── ■ 文学の中の果物:貧乏物語(河上肇)  ロンドン大学教授エドウィン・キャナン氏はその著『富』に序し て 「経済学の真の根本問題は、われわれすべてが、全体として、今日 のごとき善(い)い暮らしをしているのは、――善(い)い暮らし をしていると言うのが悪ければ、悪い暮らしをしていると言うても いいが、――それは何ゆえであるかということと、われわれのうち ある者は平均よりはるかに善(い)い暮らしをしており、他の者は はるかに悪い暮らしをしておるのは何ゆえであるかということと、 この二つである。」 と言っているが、一句よく斯学(しがく)の本領を道破して遺憾な きものである。今余はこの二大問題中の後者を説明するがためいさ さかさかのぼりて前者に言及するのやや避け難きを感ずる。諸君、 請う吾人(ごじん)をしてしばらく人間を去って、蟻(あり)の 社会を観察するところあらしめよ。  蟻の一種に葉切り蟻という者あり、熱帯地方に繁殖す。フォルソ ム『昆虫学(こんちゅうがく)』に記載するところを見るに 「この種は非常の多数にて生活し、数時にして樹枝に一葉をとどめ ざるに至るものにして、園芸家はこの恐るべき蟻に対しては施すべ きの策なし。実にこの蟻の多き地方にてはオレンジ、コーヒー、マ ンゴー、その他の植物の栽培不可能なりという。この蟻は地下きわ めて深く巣をうがち発掘せる土をもって垤(とう)を造る。時に直 径三四十尺に及ぶことあり。しかして諸方面に巣より付近の植物に 通ずる道路を設く。ベルト氏はしばしばこの蟻が巣より半マイルを 隔てし地において働きつつあるを目撃せりという。この蟻の攻撃す るは主として植物の葉なれども、その他花、果実、種子をも害す。 うんぬん」(三宅(みやけ)、内田(うちだ)両学士訳本、五三九 ページ以下)。 とあり。 ────────────────────────────── ■ くだものいちば  今回は、金沢市中央卸売市場に入荷している果物を紹介します。 入荷量が多いのは、リンゴ、イチゴ、バナナなどです。ビワの出荷 も始まっています。 [旬の果物と産地] 甘ナツミカンは熊本産です。 ハッサクは和歌山産です。 清見は佐賀産です。 デコポン(不知火)は鹿児島産です。 ネーブルオレンジ、レモン、グレープフルーツはアメリカ産です。 リンゴ(ふじ)は青森産です。 ビワ(茂木)は長崎産です。 イチゴ(あまおう、紅ほっぺ、など)は愛知、福岡産などです。 メロン(アールス、アンデス、など)は静岡、鹿児島産などです。 スイカは熊本、群馬産です。 バナナはフィリピン、エクアドル産です。 パイナップルはフィリピン産です。 「くだものいちば」は青果物市況情報を参考に作成しています。 https://www.seisen.maff.go.jp/seisen/bs04b040md001/BS04B040UC010SC999-Evt001.do ────────────────────────────── ■ 編集部より  持続可能な地球の創出のための最近の報道では、化石エネルギー にのみ注目していて、農業や森林の役割についてあまり関心がない ようなのが気になります。二酸化炭素をゼロにするには、私たちの 食生活も大切で、果物が豊富な地中海式ダイエットは選択肢の一つ です。(tnk)  大阪府、兵庫県、宮城県などをはじめ、全国的に、また、新型コ ロナの感染者が増えてきました。不自由な生活が続きますが、ひと りひとりの小さな努力を積み重ねることが重要な時期だと思います。 (EK) ────────────────────────────── ◆発 行◆ 公益財団法人中央果実協会 kudamononews@kudamono200.or.jp Copyright(C) 2011-2021.  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