毎日くだもの200グラムメールマガジン □■ くだもの&健康ニュース Vol.216 ■◇ 2020年11月20日(金)配信 こんにちは! 医科学的努力で、不確実性のあった「リンゴやベリーなど食事性フ ラバノール含有食品は血圧を下げる」の客観性が極めて高くなりま した。 ────────────────────────────── 毎日くだもの200グラム以上食べましょう! 公式ホームページは下記です。 http://www.kudamono200.or.jp ────────────────────────────── <<< 本日のメニュ- >>> ・ 季節の便り ・ くだものレシピ:セイヨウナシ ・ くだもの広場:びわについて紹介します。 ・ 文献紹介:リンゴやベリーなど食事性フラバノール含有食品は        血圧を下げる ・ 文学の中の果物:人間本性論(人性論) - 実験的研究方法を精           神上の主題に導入する一つの企て(デイビッド・           ヒューム:井上基志訳) ・ くだものいちば ・ 編集部より ────────────────────────────── ■ 季節の便り   霜月の梨を田町に求めけり     - 正岡子規 ────────────────────────────── ■ くだものレシピ:セイヨウナシ ○ ワインのつまみブルーチーズと洋梨の前菜  ワインの美味しい季節に最高な、家庭で気軽に楽しむ本格オード ブル。ボジョレヌーボー解禁日等ダーリンとのお家ごはんにどうぞ 材料(2人分)  熟したセイヨウナシ 1個、クリームチーズ、ブルーチーズ、ロー ストくるみ、はちみつ、塩、コショウ、レモン汁、ハーブ、パプリ カパウダー 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 https://cookpad.com/recipe/649434 ○ 洋梨と真鯛のカルパッチョ  特別なおもてなしの前菜に簡単に作れるセイヨウナシと真鯛の カルパッチョです。 材料(2人分)  セイヨウナシ 1個、真鯛 200gくらい、ベビーリーフ 1パック、 バルサミコ酢、セイヨウナシの果汁、塩、こしょう、オリーブ油 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 https://cookpad.com/recipe/2069468 ────────────────────────────── ■ くだもの広場:びわについて紹介します。 おじさん:今回は、びわの話しをしよう。びわは、見たり聞いたり  したことはあるかな。 ミカ:スーパーで、何度か、見たことがある。橙色のかわいいくだ  ものね。 おじさん:びわは、語源は、葉の形や実の形が楽器の琵琶に似てい  るからと言われている。漢字では、枇杷と書くね。原産は中国南西  部と言われており、日本で本格的に栽培が始まったのは、江戸末期  に中国から導入された唐ビワの種子から優良品種が育成されてから  だ。明治時代は、和歌山県で多く栽培されていたが、大正、昭和と  時代が進むにつれて長崎県での栽培が増加した。余談だが、楽器の  琵琶は、中国から伝来したが、その中でも、とりわけ有名なのは、  奈良時代に伝わって聖武天皇に献上された「螺鈿紫檀五弦琵琶」で  正倉院宝物として保存され、五弦琵琶としては世界唯一のものと言  われている。この美しい琵琶は、昨年、東京国立博物館で開催され  た展覧会に久しぶりに出品され、大きな話題を呼んだことでも有名  だ。 ミカ:実際に果実が実っているところは、見たことがないわ。どん  なところで生産されているのかしら。 おじさん:びわは、常緑の小高木で木の高さは5m~10m程度になる。  葉は20cm程度の大きさになり、晩秋から冬(11月から2月)にかけ  て白い花が咲き、初夏(5月から6月)に球形から卵形で鶏の卵よ  りも少し大きいくらいの黄橙色の果実が実る。果実の中には、大  きな赤褐色の種子が数個あるので、可食部の果肉は、その分、少  なくなっている。 平成30年産の収穫量は、全国では2,790トンで、県別の収穫量は、  長崎県が第1位で858トン、全国の31%、第2位が千葉県で450トン、全国  の16%、第3位が鹿児島県で256トン、全国の9%で、この上位3県で全体  の56%を生産している。びわの10アール当たり収量は、平成30年産の全  国平均で238kg/10aとなっており、おうとうの416kg/10aの60%程  度となっている。主要なくだものの中では、くりが一番少なく  90kg/10aだが、その次に少ない10a当たり収量ということになる。  びわは、2005年の収穫量が6,730トン、2015年の収穫量は5,290トンで、  近年は生産農家の高齢化等により、生産量が大きく減少してきている。 また、葉や種子は、古くから咳止めなどの生薬として知られて  いる。ただ、近年の知見では、未熟なびわの実や種子には、高濃度  のシアン化合物が含まれる場合があり、通常は問題にならないもの  の、一度に大量に未熟な種子の粉末などを摂取することは危険なん  だ。 ミカ:来年になってしまうけど、次にスーパーなどで見かけたら、  一度、食べてみよう。 ────────────────────────────── ■ 文献紹介:リンゴやベリーなど食事性フラバノール含有食品は        血圧を下げる  イギリス、レディング大学などの研究チームは、リンゴ、ベリー などの食事性フラバノールが豊富な食品を摂取している人は血圧が 低いと、「サイエンティフィックレポート」に発表しました。  研究では、イギリス、ノーフォークの25,618人の食事と血圧との 関係を調査しました。今までの栄養研究では、摂取した食品の自己 申告を元に計算していたため、正確性に欠けていました。そこで、 今回は、直接血液を採取し、血液中に含まれているバイオマーカー を使用してフラバノールの摂取量を客観的に測定しました。  解析の結果、食事性フラバノールの摂取量が最も低かった下位10% の人は、最も高かった上位10%の人と比べて、血圧が2~4mmHg高 いことが分かりました。これは、果物の摂取量が多い地中海式食や、 高血圧を止めるためのダッシュ(DASH)」ダイエットの研究で観察 された血圧の有意な差に匹敵するものでした。特に、その効果は高 血圧の参加者で強い逆相関が認められました。  この研究は、リンゴやべりーなど食事性フラバノール食品の心血 管予防効果を裏付ける確かな証拠です。同時に、サプリメントのよ うなフラバノール単独摂取の効果ではないことも示しています。  また、この研究の方法論も重要です。本研究は、血液中のバイオ マーカーを用いて食事性生物活性化合物を調査した最大規模の研究 の一つで、研究で得られた食事性フラバノール摂取量には、自己申 告による食事データとは異なり、客観性があります。  長い間、摂取量を客観的に示すことが出来る血液中のバイオマー カーを使用した研究は、ゴールドスタンダードと見なされてきまし た。今回、バイオマーカーの開発、検証、適用が可能となったのは、 すべての協力者の長期的な取り組みの成果であると、研究者は述べ ています。 【文献】 Ottaviani, J.I. et al.: Biomarker-estimated flavan-3-ol intake is associated with lower blood pressure in cross-sectional analysis in EPIC Norfolk. Scientific Reports, 10, 17964. (2020) ────────────────────────────── ■ 文学の中の果物:人間本性論(人性論) - 実験的研究方法を精           神上の主題に導入する一つの企て(デイビッド・           ヒューム:井上基志訳)  なぜ人は一般規則を造り、目下の観察と経験に反してさえ、判断 に影響させるのを許容するのか、と問うのならば答えよう。私の考 えでは、因果関係に関する全ての判断が依存する原理と、まったく 同じ原理に起因するのである。因果関係に関する我々の判断は、経 験と習慣に由来する。つまり、一つの事物がもう一つの事物に結合 するのを見慣れていたとき、省察に先行し省察によっては防ぐこと ができない自然な推移によって、我々の想像は最初の事物から次の 事物へ推移するのである。さて、習慣の本性は、それまでに慣れて いた事物とまさに同じ事物が現れたときに、十分な勢いで作用する ばかりではなく、類似する事物を発見したときでも、下回る程度で はあるが同じく作用する。即ち習慣は、あらゆる差異によって、あ る程度その勢いを失うにもかかわらず、少なからぬ相当な要因は依 然として同じままであり、全く無効になるわけではない。例えば、 桃や洋梨を食して果物を食べる習慣を身につけた人は、食べ慣れた 果物が無いときでも、メロンで食欲を満たすであろう。また、赤ワ インを愛飲して大酒飲みになった人は、白ワインを飲んだときでも、 ほとんど同じく耽溺するであろう。以上の原理から、既に前節の終 わりで、類推に由来する種類の蓋然的知識を説明した。その蓋然的 知識は、過去の実例中の経験を類似する事物へ転移するが、その事 物は、我々が経験した事物と必ずしも同じではない。類似が衰える のに比例して、蓋然性は減少する。しかし、類似の痕跡が少しでも 残る限り、依然としてある程度の力はあるのである。 ────────────────────────────── ■ くだものいちば  今回は、仙台市中央卸売市場に入荷している果物を紹介します。 入荷量が多いのは、ミカン、リンゴ、カキ、バナナ、キウイフルー ツなどです。 [旬の果物と産地] ウンシュウミカンは静岡産です。 レモン、グレープフルーツはアメリカ産です。 リンゴ(ジョナゴールド、ふじ、ぐんま名月、など)は青森産です。 セイヨウナシ(フランス)は山形産です。 カキ(富有、平核無)は奈良、新潟産です。 メロン(アールス、など)は高知産です。 バナナ、パイナップルはフィリピン産です。 キウイフルーツはニュージーランド産です。 「くだものいちば」は青果物市況情報を参考に作成しています。 https://www.seisen.maff.go.jp/seisen/bs04b040md001/BS04B040UC010SC999-Evt001.do ────────────────────────────── ■ 編集部より  「文学の中の果物」で、難しいストーリでも果物が現れると突然 リアリティが出現します。アンティークな果物皿に載せられたリン ゴやミカンの登場で白黒画面が多彩な色で飾られたりもします。果 物が描かれることで、小説の中の登場人物だけでなく、著者の日常 生活も見え隠れしたりします。果物って不思議ですね。(tnk)  だんだんと朝晩が冷え込むようになり、これに連なるようにして 新型コロナの感染拡大が進んでいます。これから、さらに低温低湿 になり、感染拡大が心配な時期です。マスク、手洗い、換気に気を 付けましょう。 (EK) ────────────────────────────── ◆発 行◆ 公益財団法人中央果実協会 kudamononews@kudamono200.or.jp Copyright(C) 2011-2020.  Kudamono & Kenko News 無断での転載、複製等はお断りします。ご協力に感謝いたします。 ────────────────────────────── ▽ 「読者から」欄への投稿方法  「読者から」欄への投稿は、下記のサイトからです。皆様からの 果物にまつわる思い出、食べ方の工夫、メルマガへのご意見、ご感 想など、楽しいお話をお待ちしています。  メールの件名は「投稿」としていただき、メルマガネームを記載 していただければ幸いです(例:りんごちゃん)。  また、本メルマガの転載依頼もこのサイトをご利用ください。件 名は「転載申し込み」でお願いします。 くだもの&健康ニュースへの投稿アドレスは下記です。 kudamononews@kudamono200.or.jp ────────────────────────────── ▽メルマガのバックナンバーは、下記に掲載しています。 http://a.hml.jp/bm/p/bn/list.php?i=hm020254&no=all http://www.japanfruit.jp/consumption/mailmagazine.html ────────────────────────────── ▽メールマガジンの配信登録・解除等は下記です。 http://a.hml.jp/bm/p/f/tf.php?id=hm020254 ──────────────────────────────