毎日くだもの200グラムメールマガジン □■ くだもの&健康ニュース Vol.207 ■◇ 2020年6月19日(金)配信 こんにちは! アルツハイマー病予防にはベリーやリンゴ、ナシが効果的との研究 結果が発表されました。 ────────────────────────────── 毎日くだもの200グラム以上食べましょう! 公式ホームページは下記です。 http://www.kudamono200.or.jp ────────────────────────────── <<< 本日のメニュ- >>> ・ 季節の便り ・ くだものレシピ:アンズ ・ お知らせ「全国果樹技術・経営コンクールの募集について」 ・ 文献紹介:ベリー、リンゴ、ナシなどでアルツハイマー病を予防 ・ 文学の中の果物:庭(芥川龍之介) ・ くだものいちば ・ 編集部より ────────────────────────────── ■ 季節の便り   桃に梅を杏に梨をつきし哉     - 正岡子規 ────────────────────────────── ■ くだものレシピ:アンズ ○ あんず漬けで爽やか~なお素麺  アンズを梅干しのように漬けた物をおそうめんのトッピングにし ました。酸っぱさの中にほんのりアンズ風味でおすすめです  材料(2人分~)  アンズ漬け 1~2個、そうめん、麺つゆ 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 https://cookpad.com/recipe/1486671 ○ なめらかカレー!まさにカレー店の味!  カレー店のあの味です。ちょっとの工夫で美味しくなります! 材料  アンズジャム 大さじ1杯、玉ねぎ 1/2個、ニンジン 1本、コンソ メ 4g、ソース、ケチャップ、カレー粉、など。 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 https://cookpad.com/recipe/3950120 ────────────────────────────── ■ お知らせ「全国果樹技術・経営コンクールの募集について」  全国果樹技術・経営コンクールは、果樹の生産技術や経営方式等 において他の模範となる先進的な農業経営体及び集団組織を表彰し ています。  平成11年度の開始から、令和元年度の第21回までに合わせて 446の農家、集団を表彰しています。  第19回コンクールからは、生産技術・経営に優れた若手の経営 者に対して、農林水産省生産局長賞1点の表彰が追加されています。  今年度の第22回コンクールは、令和2年6月9日から9月11 日まで公募を行っています。詳しくは、公益財団法人中央果実協会 のHPに開催要領、応募様式等を掲載していますのでご覧ください。 http://www.japanfruit.jp/producer/concour.html ────────────────────────────── ■ 文献紹介:ベリー、リンゴ、ナシなどでアルツハイマー病を予防  アメリカ、タフツ大学などの研究チームは、長期間の追跡調査の 結果、ベリー、リンゴ、ナシなどのフラボノイドの豊富な食品の摂 取が少ない高齢者は、多い高齢者に比べて、2~4倍アルツハイマー 病(用語解説)の発症リスクが高いと、「アメリカ臨床栄養学雑 誌」に発表しました。  フラボノイドは、リンゴ、ベリー、ナシなどの果物や野菜などに 含まれている天然物質です。すでに、炎症の軽減効果など様々な健 康上の利点が報告されています。  大規模疫学研究であるフラミンガム心臓研究子孫コホート(用語 解説2)に参加した2,801人(平均年齢59.1歳、52%が女性)を平均 19.7年追跡調査した結果、193人にアルツハイマー病とその関連認 知疾患(ADRD)が発生しました。うち158人がアルツハイマー病で した。  食事との関連を解析した結果、リンゴやナシなどに含まれている フラボノールの摂取量が多い人と比べて、摂取量が少ない人はADRD の発症リスクが2倍高くなりました。  ブルーベリーやイチゴなどに含まれているアントシアニンの摂取 量が多い人と比べて、摂取量が少ない人はADRDの発症リスクが4倍 高くなりました。  リンゴやナシなどに含まれているフラボノイドポリマーの摂取量 が多い人と比べて、摂取量が少ない人はADRDの発症リスクが2倍高 くなりました。  アルツハイマー病に限っても結果は同様でした。  以上の結果から、3種類のフラボノイドタイプの食品の摂取量が 少ない場合は、摂取量が最も多い場合と比較して、認知症のリスク が高いと判断されました。  現在のところ、アルツハイマー病の治療に利用できる有効な薬物 は存在しないので、健康的な食事を通じて病気を予防することは重 要であると、研究者は述べています。 【用語解説】 1)アルツハイマー病  アルツハイマー病は、不可逆的な進行性の脳疾患で、記憶や思考 能力がゆっくりと害され、最終的には日常生活の最も単純な作業を 行う能力さえも失われる病気です。ほとんどのアルツハイマー病の 患者では、60歳以降に初めて症状が現れます。アルツハイマー病は、 高齢者における認知症の最も一般的な原因です。この疾患は、アロ イス・アルツハイマー博士の名前にちなんで命名されています。 2)フラミンガム心臓研究子孫コホート  アメリカでは1930年代以降、心血管疾患が急増しました。その原 因を探るために、1948年ボストン郊外のフラミンガム町で始まった 疫学研究です。1971年には初代参加者の子供とその配偶者を対象と した研究、2005年には初代参加者の孫である第3世代スタディが始 まりました。最も影響力のある疫学研究の一つです。 【文献】 Shishtar, E. et al.: Long-term Dietary Flavonoid Intake and Risk of Alzheimer Disease and Related Dementias in the Framingham Offspring Cohort. Am. J. Clin. Nutr., nqaa079. (2020) [doi: 10.1093/ajcn/nqaa079] ────────────────────────────── ■ 文学の中の果物:庭(芥川龍之介)  庭は二年三年と、だんだん荒廃を加へて行つた。池には南京藻 (なんきんも)が浮び始め、植込みには枯木が交るやうになつた。 その内に隠居の老人は、或旱(ひで)りの烈しい夏、脳溢血の為に 頓死した。頓死する四五日前、彼が焼酎(せうちう)を飲んでゐる と、池の向うにある洗心亭へ、白い装束(しやうぞく)をした公卿 (くげ)が一人、何度も出たりはひつたりしてゐた。少くとも彼に は昼日なか、そんな幻が見えたのだつた。翌年(よくとし)は次男 が春の末に、養家の金をさらつたなり、酌婦と一しよに駈落ちをし た。その又秋には長男の妻が、月足らずの男子(をとこのこ)を産 み落した。  長男は父の死んだ後、母と母屋に住まつてゐた。その跡の離れを 借りたのは、土地の小学校の校長だつた。校長は福沢諭吉翁の実利 の説を奉じてゐたから、庭にも果樹を植ゑるやうに、何時か長男を 説き伏せてゐた。爾来(じらい)庭は春になると、見慣れた松や柳 の間に、桃だの杏(あんず)だの李(すもも)だの、雑色の花を盛 るやうになつた。校長は時々長男と、新しい果樹園を歩きながら、 「この通り立派に花見も出来る。一挙両得ですね」と批評したりし た。しかし築山や池や四阿(あづまや)は、それだけに又以前より は、一層影が薄れ出した。云はば自然の荒廃の外に、人工の荒廃も 加はつたのだつた。 ────────────────────────────── ■ くだものいちば  今回は、熊本市(在)地方卸売市場に入荷している果物を紹介し ます。入荷量が多いのは、リンゴ、スイカ、メロン、バナナ、パイ ナップルなどです。 [旬の果物と産地] ウンシュウミカンは熊本産、甘ナツミカンは熊本産です。 カボスは大分産です。 レモン、バレンシアオレンジはアメリカ産です。 グレープフルーツは南アフリカ産です。 リンゴ(ジョナゴールド、ふじ、王林)は青森産です。 ブドウ(デラウェア、巨峰、ピオーネ、など)は福岡、島根、チリ 産です。 モモ(はなよめ、日川白鳳、など)は熊本、佐賀産です。 スモモ(大石早生)は熊本、福岡産です。 サクランボは山形産です。 ウメ(南高)は熊本、大分産です。 メロン(アールス、アンデス、など)は熊本産です。 スイカは熊本産です。 バナナ、パイナップルはフィリピン産です。 キウイフルーツはニュージーランド産です。 「くだものいちば」は青果物市況情報を参考に作成しています。 https://www.seisen.maff.go.jp/seisen/bs04b040md001/BS04B040UC010SC999-Evt001.do ────────────────────────────── ■ 編集部より  新型コロナウイルス対策には免疫力アップが必要で、果物の摂取 が推奨されています。しかし、残念なことに、わが国の果物摂取量 は、推奨量に遠く及びません。次の流行に備えて果物をたくさん食 べる準備が必要です。幸いこれからが果物の季節です。(tnk)  いよいよ本格的な梅雨の季節の到来です。昨年は、随分と遅い梅 雨入りでしたが、今年はほぼ平年並みの梅雨入りとなりました。相 変わらず、マスクが手放せない日々が続きますが、熱中症にはくれ ぐれも気を付けてお過ごしください。(EK) ────────────────────────────── ◆発 行◆ 公益財団法人中央果実協会 kudamononews@kudamono200.or.jp Copyright(C) 2011-2020.  Kudamono & Kenko News 無断での転載、複製等はお断りします。ご協力に感謝いたします。 ────────────────────────────── ▽ 「読者から」欄への投稿方法  「読者から」欄への投稿は、下記のサイトからです。皆様からの 果物にまつわる思い出、食べ方の工夫、メルマガへのご意見、ご感 想など、楽しいお話をお待ちしています。  メールの件名は「投稿」としていただき、メルマガネームを記載 していただければ幸いです(例:りんごちゃん)。  また、本メルマガの転載依頼もこのサイトをご利用ください。件 名は「転載申し込み」でお願いします。 くだもの&健康ニュースへの投稿アドレスは下記です。 kudamononews@kudamono200.or.jp ────────────────────────────── ▽メルマガのバックナンバーは、下記に掲載しています。 http://a.hml.jp/bm/p/bn/list.php?i=hm020254&no=all http://www.japanfruit.jp/consumption/mailmagazine.html ────────────────────────────── ▽メールマガジンの配信登録・解除等は下記です。 http://a.hml.jp/bm/p/f/tf.php?id=hm020254 ──────────────────────────────