毎日くだもの200グラムメールマガジン □■ くだもの&健康ニュース Vol.168 ■◇ 2018年11月2日(金)配信 こんにちは。 果物摂取と遺伝子発現との関係解析の研究が世界的に増えています。 本号でもその一端を紹介しています。 ───────────────────────────── 毎日くだもの200グラム以上食べましょう! 公式ホームページは下記です。 http://www.kudamono200.or.jp ────────────────────────────── <<< 本日のメニュ− >>> ・ 季節の便り ・ くだものレシピ:キウイフルーツ ・ 文献紹介:果物と野菜の豊富な食事で炎症性遺伝子の発現が減少 ・ 文献紹介:最新の科学的証拠に基づく心臓病予防食とは ・ 文学の中の果物:折々の記(吉川英治) ・ くだものいちば ・ 編集部より ────────────────────────────── ■ 季節の便り   新米や何はともあれいたゝきて     − 正岡子規 ────────────────────────────── ■ くだものレシピ:キウイフルーツ ○ キウイとモッツアレラチーズのパスタ  塩、黒胡椒、オリーブオイルのシンプルパスタに、キウイとモッ ツアレラチーズが絶妙 材料  キウイフルーツ 1個、モッツァレラチーズ(チェリータイプ) 90g、 パスタ 80g、塩 小さじ1/4杯、黒胡椒、オリーブオイル 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 https://cookpad.com/recipe/5108320 ○ ポリ袋で簡単★キウイとバナナのハニーピザ  ポリ袋で簡単に作れるピザです キウイとバナナたっぷり〜はち みつとチーズの甘じょっぱいスイーツピザはパーティにぴったり 材料(天板2枚分)  キウイフルーツ 2個、バナナ 2本、はちみつ 大さじ2杯、オリー ブオイル 20g、ピザ用チーズ 120g、など。 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 https://cookpad.com/recipe/4024602 ────────────────────────────── ■ 文献紹介:果物と野菜の豊富な食事で炎症性遺伝子の発現が減少  近年、果物と野菜を沢山摂取すると体内の炎症が抑えられること が明らかとなってきました。体内で炎症がゆるやかに進行すると生 活習慣病になることが分かったことから、体内の炎症性遺伝子発現 と摂取した食品との相互作用に関心が集まっています。遺伝子発現 とは、DNAの遺伝情報が、mRNA遺伝子を介して細胞の構造または機 能に使用されるタンパク質に翻訳されるプロセスのことです。  スペイン、ナバラ大学の研究チームは、若者を対象に炎症性マー カーの血液中の濃度および遺伝子(mRNA)の発現と果物・野菜の摂取 量との関係を評価しました。  研究では、健康な被験者120名(男性50名/女性70名、平均20.8 歳)を対象に、生活習慣、血圧、血液生化学成分などの測定が行わ れれました。また、末梢血単核細胞から遺伝子(mRNA)を単離し、 炎症マーカーに関する遺伝子発現を評価しました。  その結果、果物・野菜の摂取量が最も高い若者(1日当たり 660 g以上)では、、体内で炎症などが起きているときに血中に現れるC 反応性タンパク質(CRP)、および脳梗塞、閉塞性動脈硬化症、深 部静脈血栓症などに関与するホモシステインの血液中の濃度の低下 が認められました。また、炎症マーカーであるインターロイキン1 (IL-1)や腫瘍壊死因子(TNF)などの遺伝子発現の低下も認めら れました。この結果は、性別、年齢、エネルギー摂取量、身体活動、 喫煙、体格指数、収縮期血圧などとは無関係でした。  さらに、果物・野菜から食物繊維を1日当たり19.5g以上摂取し ている若者は、C反応性タンパク質、ホモシステイン、炎症性遺伝 子の発現が低いことも分かりました。  以上の結果から、果物・野菜の摂取量が多い若者では、C反応性 タンパク質やホモシステインの減少だけでなく、炎症性マーカーの 遺伝子の発現も低いことが分かりました。このように、果物と野菜 の摂取を増やすことが、若者の健康の維持・増進に有益であること が分子・遺伝子レベルでも証明されました。 【文献】 Hermana, H. et al.: Fruit and vegetable consumption and proinflammatory gene expression from peripheral blood mononuclear cells in young adults: a translational study. Nutr. Metab. (Lond), 7: 42. (2010) [doi: 10.1186/1743-7075-7-42] ─────────────────────── ■ 文献紹介:最新の科学的証拠に基づく心臓病予防食とは  カナダ・マクマスター大学などの国際研究チームは、心臓の健康 と長寿を促進するための食事を明らかにするため、最新かつ国際的 な大規模調査を行い、信頼性が認められている医学雑誌「ランセッ ト」に発表しました。  研究では、高所得国だけでなく中・低所得国も含む五大陸50カ国 21万8千人(35-70歳)を対象とし、食品を五群に分けて食事の質 を評価しました。  その結果、果物、野菜、ナッツ、豆類、魚類、乳製品、生鮮肉を 豊富に摂っている人たちは、他の人たちに比べて心血管疾患と早期 死亡のリスクが最も低いことが明らかになりました。肉では、生鮮 肉(非加工肉のことで、ソーセージやベーコン等の加工肉を含まな い)のみがリスクを下げる効果が認められました。  今回の大規模な研究からも、果物などの豊富な食事の有効性が裏 づけられました。また、精製度の高い穀類の摂取量を制限すべきこ とと、新たに乳製品と生鮮肉は健康的な食事に含める必要があるこ とが示唆されました。 【文献】 Dehghan, M. et al.: Association of dairy intake with cardiovascular disease and mortality in 21 countries from five continents (PURE): a prospective cohort study. Lancet, pii: S0140-6736(18)31812-31819. (2018) [doi: 10.1016/S0140-6736(18)31812-9] ────────────────────────────── ■ 文学の中の果物:折々の記(吉川英治) 女  日本の娘と、日本の果物は、年々美しくなつてゆくやうだ。フ ルーツ・パーラーへ入るといつもさう思ふ。世界的に驚異されてゐ るこの國の科學のうちでも、著しいもののうちに數へてよからう。 女性美と果物美(味は別問題)はたしかに近代人の努力した藝術的 産業だ。ただその産業的精神にすこし區別の足りないせゐか、近代 の女の感じは甚だ果物に似、近代の果物は又女性に似過ぎてゐる。 そしてどつちも大地の乳を離れた手工品になりつつある。たとへば、 銀座どほりの往き來の女の影を眼でひろつて、假に果物皿に乘せて みるとすれば、それは枇杷か、メロンか、アレキサンドリヤか、水 蜜桃か、梨か、クルミか、黄色リンゴか、どの女も何かしらの果物 と似かよつてゐる。西鶴の世之介をして銀座を歩かせたなら、彼は その味惑の、あまりにフルーツ・ポンチに過ぎないことを歎くだら う。  戯れに、或る實業家が醉つて詠歎するには――吾々廿年早く生れ 過ぎたよと。――つまり彼は、近代の女性美が自分には眼だけのも のに過ぎないことに腹を立ててゐるらしいのだ。だが、安んじ給へ と傍人がしきりと慰めて云ふ。それは、貴下が明治大正の二百三高 地といふ洋髮だの、原油にひとしい臭氣の鬢つけ油だの、羽ぼつた い綿入羽織を著た女などを知つてゐるからの嗟嘆であつて、現代の 若い男性たちには、さういふ比較觀照はあり得ないから、今の女性 の著しい美の進歩も貴下の如くには眼に映らないのだ。だから、今 の壯年者が貴下の年齡になれば、やはり同じ歎きを洩らすのさと。 ――さう慰めてゐるのも五十四五の男性だつた。 ────────────────────────────── ■ くだものいちば  今回は、福岡市中央卸売市場に入荷している果物について紹介し ます。入荷量が多いのは、ミカン、リンゴ、カキ、バナナなどです。 ウンシュウミカンは佐賀、福岡、熊本産です。 バレンシアオレンジはオーストラリア産です。 グレープフルーツは南アフリカ産です。 リンゴ(つがる、ジョナゴールド、ふじ、王林)は岩手、山形産です。 ニホンナシ(新高、など)は大分産です。 セイヨウナシ(ラフランス)は山形産です。 カキ(富有、など)は福岡産です。 ブドウ(巨峰、ピオーネ、など)は長野、福岡産です。 クリは福岡産などです。 メロン(アールス、など)は長崎、熊本産です。 バナナ、パイナップルはフィリピン産です。 キウイフルーツはニュージーランド産です。 「くだものいちば」は青果物市況情報を参考に作成しています。 https://www.seisen.maff.go.jp/seisen/bs04b040md001/BS04B040UC010SC999-Evt001.do ────────────────────────────── ■ 編集部より  秋が深まり、わが家やの食卓にはリンゴ、みかん、柿、キウイフ ルーツなど色とりどりの果物が載せられています。消費拡大に、食 卓に置かれたAIロボットとのコラボが可能ではないかと考えていま す。(tnk)  NHKで放映している「趣味の園芸」のテキストを書店で見かけ たら、11月号の特集は「注目の果樹 大集合」というテーマでし た。以前、このメルマガでも果物の種を播いてみようという記事 を掲載したことがありましたが、ご関心のある方はぜひテレビ放 映をご覧になってください。(HK) ────────────────────────────── ◆発 行◆ 公益財団法人中央果実協会 kudamononews@kudamono200.or.jp Copyright(C) 2011-2018.  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