毎日くだもの200グラムメールマガジン □■ くだもの&健康ニュース Vol.160 ■◇ 2018年7月9日(月)配信 こんにちは。 桃の美味しい季節がやってきました。今号は桃特集です。 ───────────────────────────── 毎日くだもの200グラム以上食べましょう! 公式ホームページは下記です。 http://www.kudamono200.or.jp ────────────────────────────── <<< 本日のメニュ− >>> ・ 季節の便り ・ くだものレシピ:桃 ・ くだもの広場:邪馬台国と桃 ・ 文献紹介:果物など植物ベースの食事で糖尿病患者の心血管代        謝リスク要因が改善 ・ 文学の中の果物:帯広まで(林芙美子) ・ くだものいちば ・ 編集部より ────────────────────────────── ■ 季節の便り   蓁々たる桃の若葉や君娶る     − 正岡子規 ────────────────────────────── ■ くだものレシピ:桃 ○ 簡単爽やか!素麺で桃の冷製パスタ  今が旬! 白ワインやシャンパンにピッタリ。 材料(2人分)  桃 1個、素麺 100g、オリーブオイル 大さじ1杯、ホワイトバ ルサミコ酢 大さじ1杯、塩 少々、ルッコラ 2枚 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 https://cookpad.com/recipe/2713033 ○ ピーチカレー  桃のとろりとした甘さがまろやかなカレーです。 材料(2人分)  桃(ネクタリン使用) 1個 、ツナ缶詰 1缶、玉ねぎ 1/2個、に んにく 1片、生姜 1片、トマト水煮缶 1/2缶、ココナッツミルク 100ml、サラダオイル、コンソメ、カレーパウダー、砂糖、塩 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 https://cookpad.com/recipe/4710117 ────────────────────────────── ■ くだもの広場:邪馬台国ともも おじさん:ミカさん、リン太くん、二人は「邪馬台国(やまたいこ  く)」って知っているかな? リン:うん、知っているよ。卑弥呼(ひみこ)という女王様が治め  ていた古代の日本の王国でしょ。 ミカ:「魏志倭人伝(ぎしわじんでん)」という中国の歴史書に邪  馬台国や卑弥呼について書かれているって学校で習ったわ。でも  それが果物と何か関係があるの? おじさん:実は8年ほど前に奈良県桜井市の纒向(まきむく)遺跡  というところで2,000個以上の桃の種や土器などが見つかったと  いうニュースがあったんだが、つい最近、この桃が実っていた時  期は西暦135年〜230年の間だということが判明したそうなんだ。 リン:それと卑弥呼はどんな関係なの? おじさん:実は、卑弥呼は西暦248年頃に亡くなったとされているん  だよ。邪馬台国がどこにあったかということについては、九州と  いう説と畿内(京都から奈良、大阪、兵庫にかけての地域)説が  あって、どちらが正しいか論争が続いているんだよ。纒向遺跡に  ある箸墓古墳(はしはかこふん)が卑弥呼の墓だという説もある  ので、今回の桃の種の年代確定が畿内説を補強する有力な材料に  なりそうだということなんだ。 ミカ:面白そうな話ね。でも、なぜそんなに大量の桃の種が遺跡から  見つかったのかしら?卑弥呼の時代には、桃が主な食料だったの  かしらね。 おじさん:古代の中国では、桃の木は邪気を払う力を持っていて、  桃の実には不老長寿や悪魔払いの力があると考えられていたんだ。  それが日本にも伝わり、特別な力があるとされて祭祀に使われて  いたそうなんだよ。古事記にも、イザナギノミコトが桃を投げつ  けて鬼女を追い払ったということが書かれているよ。 リン:昔の人はお祭りで桃を食べて種を土の中に埋めたということ  なの? おじさん:いいや、遺跡から見つかった桃の種には一部に果肉が残っ  ていて、未成熟のものがあったので、実の状態で埋まっていた可  能性が高いと考えられているんだ。 リン:美味しい桃を食べずに埋めるなんて、もったいないなぁ。 おじさん:今食べられている桃はとても甘いからそう思うのも無理は  ないね。でも、昔の桃は今ほど甘くはなかったようで、平安時代か  ら鎌倉時代にかけては食用というよりも主に観賞用や薬用として  栽培されていたということらしいんだ。卑弥呼の時代には、実の  大きさももっと小さかったようだよ。今食べられている桃は、明治  時代に輸入された水蜜桃という甘みの強い品種の子孫なんだ。それ  から、桃は甘いけれど意外にカロリーが低い果物で、100gあたり  40kcal位しかないんだよ。にんじん(根、皮付き、生)が39kcal  だからほぼ同じくらいなんだ。 ミカ:そうなの。それじゃ、安心してたくさん食べられるわね。  よかった!! ─────────────────────── ■ 文献紹介:果物など植物ベースの食事で糖尿病患者の心血管代        謝リスク要因が改善  生活習慣病に対する果物、野菜、穀物、豆類を中心とした植物 ベースの食生活は、冠状動脈心臓病、2型糖尿病、肥満、高血圧、 心血管死亡率、全死因死亡率のリスクを下げると認められています。  今回紹介する研究は、栄養療法のための欧州糖尿病学会の臨床実 践ガイドラインを更新するために行われました。  カナダ・セント・マイケルズ病院などの研究チームは、果物など 植物ベースの食事は、2型糖尿病患者の血糖値やコレステロール値 を改善出来るだけでなく体重も減らせると、「臨床栄養学」に発表 しました。  研究では、糖尿病患者における植物ベースの食事の有効性を評価 した9件の無作為化比較試験を検証しました。  その結果、植物ベースの食事を摂取した人は、血糖値やヘモグロ ビンA1c値の低下、コレステロール値の低下、体重減少など、心血 管代謝リスク因子が改善しました。  そのため、果物、野菜、穀物、豆類を中心とした植物ベースの食 事は、糖尿病患者の血糖コントロール、コレステロール、体重/脂 肪分を改善することが分かりました。その理由として、植物ベース の食事を構成している果物や野菜には、低血糖(GI値が低い)食品 であること、食物繊維が多い、飽和脂肪酸が少ない、ファイトケミ カルが豊富に含まれていることが役立っていると研究者らは考えて います。 【文献】 Viguiliouk, E. et al.: Effect of vegetarian dietary patterns on cardiometabolic risk factors in diabetes: A systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials. Clin. Nutr., pii: S0261-5614(18)30220-6. (2018) [doi: 10.1016/j.clnu.2018.05.032] ────────────────────────────── ■ 文学の中の果物:帯広まで(林芙美子)  水気の多い南風が吹いていて、朝からごろごろ雷が鳴っていた。 昼から雨になった。伊代は九太から手切れの金だと云って貰った四 拾円の金を郵便局に貯金に行った。雨の中を傘もささずに歩きなが ら、伊代は足が地につかないような、ふわふわした気持ちであった。 四枚の拾円札が貯金の通帳になってしまうと、手も足も風にむしり とられて行ったような変な淋しさになった。心のうちには、夫婦ぐ らしが終りになったら、こんな卒業証書を貰うものかと、伊代は歩 いて帰りながら、そんな事を考えていた。市場の前を通ったが、九 太と連れ添っていた時のような食慾はなかった。それでも伊代は眼 をつむって通った。眼をつむりかけた時、八百屋の店先きには、熟 した桃の並べてあるのが眼に写った。酢っぱい唾がごくんと咽喉を 潤おした。伊代は桃を買って帰った。  夜になると、雷はいっそう非道くなった。伊代は早くから寝床を 敷いて暗い部屋の中で小さくなっている。二三日前まで九太が同じ 寝床にいたのだと思うと、伊代は暗い寝床で桃を噛(ママ)りなが らぽろぽろ泣いているのであった。四囲あたりが湿っているので、 伊代は苦しめられるような蒲団の匂いをかいだ。歪んだ雨戸の隙間 から、時々雷光が射し込むと、軈て地の底を搖すぶるようにして雷 鳴が走って行く。伊代は枕の下に貯金の通帳を挟んで、蒲団の中に もぐり込んだ。涙がぶつぶつ湧き出て両方の耳の穴へ溜って行った。 四拾円くれると云った時、何故、別れるのは厭だと云わなかったの だろう。伊代は「別れても何ともないわよ」とせゝら笑っていた自 分が口惜しくてならなかった。何時間かうとうとしたと思うと、枕 元へ誰か「おい」と云って坐ったような気配がした。伊代は寝呆け た眼を暗がりに向けた。九太が枕元にしゃがんでいる。伊代は何か 訳の判らないような叫び声をあげて起きあがると電気をつけた。 ────────────────────────────── ■ くだものいちば  今回は、広島市中央卸売市場中央市場に入荷している果物につい て紹介します。入荷量が多いのは、スイカ、モモ、スモモ、リンゴ、 バナナ、キウイフルーツなどです。スーパーの果物売り場にはスイ カやモモがひな壇に沢山並んでいます。 ウンシュウミカン(ハウスみかん)は大分、佐賀産です。 レモン、バレンシアオレンジ、グレープフルーツはアメリカ産です。 リンゴ(ジョナゴールド、ふじ)は青森産です。 ニホンナシ(幸水)は福岡産です。 モモ(白鳳、日川白鳳、八幡白鳳)は岡山、和歌山産です。 スモモ(サンタローザ)は広島、佐賀産です。 サクランボ(佐藤錦)は山形産です。 ブドウ(デラウェア、巨峰、マスカット・オブ・アレキサンドリア、 ピオーネ、など)は島根、広島、福岡、岡山産です。 スイカは鳥取、福岡、広島産です。 メロン(アールス、アンデス、など)は静岡、高知、山形産です。 バナナ、パイナップルはフィリピン産です。 キウイフルーツはニュージーランド産です。 「くだものいちば」は青果物市況情報を参考に作成しています。 https://www.seisen.maff.go.jp/seisen/bs04b040md001/BS04B040UC010SC999-Evt001.do ────────────────────────────── ■ 編集部より  最近、「甘い果物は糖尿病に悪いので避けるように」と、まこと しやかに語られています。今回紹介した文献では、糖尿病患者の栄 養管理に果物の摂取が必要であると結論づけています。エビデンス とは、論文があるだけではだめで、検証が必要なのです。(tnk)  4年に一度のサッカーワールドカップでは、開幕前の悲観的な予想 を裏切って日本代表が大活躍しました。深夜の観戦で寝不足になっ た方も多いのではないでしょうか。かくいう私もその一人ですが、 夏至も過ぎて、これからは暑さのために寝不足になりそうです。 暑さをしのぎ、水分を補給するためには果物が最適ですよ。(HK) ────────────────────────────── ◆発 行◆ 公益財団法人中央果実協会 kudamononews@kudamono200.or.jp Copyright(C) 2011-2018.  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