毎日くだもの200グラムメールマガジン □■ くだもの&健康ニュース Vol.157 ■◇ 2018年5月25日(金)配信 こんにちは。 アンズの栽培は、長野県が中心です。旬の時期は6月で短いです。 ───────────────────────────── 毎日くだもの200グラム以上食べましょう! 公式ホームページは下記です。 http://www.kudamono200.or.jp ────────────────────────────── <<< 本日のメニュ− >>> ・ 季節の便り ・ くだものレシピ:アンズ ・ くだもの広場:「29年度果物の消費に関する調査」(連載第3回) ・ 文献紹介: 果物などが豊富な質の良い食事が脳の萎縮を予防する! ・ 文学の中の果物:不思議な国の話(室生犀星) ・ くだものいちば ・ 編集部より ────────────────────────────── ■ 季節の便り   ゆふ立にふりまじりたる杏哉     − 正岡子規 ────────────────────────────── ■ くだものレシピ:アンズ ○ 田舎の3時のおやつ 干しあんず天ぷら  衣のカリッとした食感とあんずの甘いようで酸味がある感じがた まらない! 長野県で有名なあんず。田舎のおやつ。試してみて! 材料  干しあんず 1パック(200g程度)、天ぷら粉 1カップ、水 350cc、 揚げ油 適量 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 https://cookpad.com/recipe/984099 ○ 干しあんずのご飯  ウズベキスタンのオゾタさんのおすすめのご飯料理です。あんず と人参の甘さに鶏肉を煮込んだウズベキスタン風リゾットです。 材料  干しあんず 15個(好みの量)、鶏肉 1枚、にんじん 2本、玉ねぎ 小1個、サラダ油 100cc、コメ 2合 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 https://cookpad.com/recipe/4473843 ────────────────────────────── ■ くだもの広場:「29年度果物の消費に関する調査」(連載第3回) 前回に引き続き、「果物の消費に関する調査」の結果につい  て紹介します。今回は第3回です。 おじさん:前回も少し話したけれど、今回は果物の加工品の  消費から説明を始めようか。まず、そもそも生鮮果物と果物  加工品のどちらをよく食べているかという質問だよ。どんな  結果だったと思うかな?   ミカ:そうねぇ、最近はカットフルーツをコンビニでも売るよ  うになったし、スーパーの果物売場ではカットフルーツの盛  り合わせがよく売れているようだけれど、やっぱり生鮮果物  の方が良く食べられているのじゃないかしら。 おじさん:うん、回答者全体でみると、7割弱の人が生鮮果物が  主体と回答しているね。男性と女性を比べると、女性の方が  生鮮果物主体という人の割合が高いんだよ。年齢別にみると、  男女とも年齢が高い層ほど生鮮果物主体の人が多いね。でも、  20代、30代の男性では生鮮果物主体という人は約半分と少な  いのが特徴だよ。 リン:若い男の人は果物の皮をむいたりするのが面倒だと感じて  いるのかなぁ?最近は男性でも料理をする人が増えてるそうだ  けれど......。 おじさん:そうかもしれないけれど、この結果だけで決めつける  わけにもいかないね。次に、よく買う加工品の種類については  果汁(100%ジュース)が66%と圧倒的に多く、カットフルー  ツ、ジャム、ゼリー、ヨーグルトと続いているけど、2位のカッ  トフルーツが20%だから、ジュースの強さがよくわかるね。  果物加工品を食べる(飲む)理由については、簡単に食べられ  るからという理由を選んだ人が50%以上で、次がおいしいから、  買い置きができるからという順になっているよ。特徴的なのは、  男女とも20代ではおいしいからという理由を選んだ人の割合が  他の年代よりも目立って高いということだね。 ミカ:ストレートジュースは高いけれど、濃縮還元のジュースは  価格も手頃だからよく飲まれているのもわかるわ。カットフル  ーツは少し値が張るからお小遣いで買うのはちょっとためらって  しまうわね。でも、ジュースはたしかにおいしいけれど、私はや  っぱり生鮮果物が好きよ。 おじさん:水代わりにジュースを飲むようなことは避けた方がい  いね。でも、飲み過ぎなければジュースも悪くはないよ。  さあ、次に行こうか。1年前と比べて果物加工品を食べる回数  がどう変わったかという質問だよ。一番多かったのは変わらな  いという人だけれど、残念ながら増えたという人よりも減った  という人の方が男女とも多かったんだ。しかし、20代、30代に  限れば、男女とも増えたという人の方が減ったという人よりも  多かったという結果になっているよ。  これを加工品の種類別にみると、面白い特徴がみられるんだ。  100%ジュースでは増えたという人と減ったという人の割合が  ほとんど同じだけど、カットフルーツやフルーツヨーグルト、  ドライフルーツなどでは増えたという人の割合が減ったという  人の割合の約2倍になっているんだよ。 リン:僕はフルーツケーキをもっと食べたいな。 ミカ:虫歯にならないように、食後はよく歯を磨いてね! ─────────────────────── ■ 文献紹介: 果物などが豊富な質の良い食事が脳の萎縮を予防する!  今までの研究から、脳容積がより大きい人は、優れた認知能力を 有する可能性があることが示唆されていました。    そこで、オランダ、エラスムス大学医療センターなどの研究チー ムは、認知症のない集団を対象に食事との関連を調べた結果、果物、 野菜、ナッツ類、魚類が豊富な食事をしていると、脳の容積を増や すと「神経学」に発表しました。  研究は、認知症の既往がないオランダに住む4,213人(平均年齢66 歳)を対象に行われました。質問票により過去一か月に食べた約400 品目の食事調査を行い、オランダの食事ガイドラインに基づいて、 食事の質を評価し、スコア化(0〜14点)しました。14食品群(果 物類、野菜類、全粒粉製品、種実類、ナッツ類、魚類、乳製品、魚 類、茶、総脂質のうち不飽和油脂、赤肉・加工肉、砂糖入り飲料、 アルコール、塩)について評価しました。また、脳MRIスキャンと 食事内容との関連を調べました。  年齢、性別、学歴、喫煙の有無、身体活動、頭の大きさを調整後、 食事の質が良いと、脳の容積の大きいことが分かりました。食事の 質が良いと、脳容積、灰白質容積、白質容積、海馬容積が大きい傾 向にありました。一方、食事の質は、白質病変容積、ラクナ、微小 出血とは関連していませんでした。  具体的には、果物、野菜、全粒粉、ナッツ、乳製品、魚類の摂取 が多く、砂糖入り飲料が少ないと、脳は萎縮せず大きい脳容積と強 く関連していました。  また、全体的な食事の質の良さと、総脳容積の大きさとの関連性 については、1つの特定の食品群によるのではなく、いくつかの食 品群との相互作用の結果であると示唆されました。  以上の結果は、食事(栄養)の質が脳構造を介して神経変性に作 用する可能性があると示唆しています。したがって、食事の質を改 善することは、高齢者の思考スキル維持の戦略となる可能性がある と研究者らは述べています。 【文献】 Croll, P.H. et al.: Better diet quality relates to larger brain tissue volumes: The Rotterdam Study. Neurology. pii: 10.1212/WNL.0000000000005691. (2018) [doi: 10.1212/WNL.0000000000005691] ────────────────────────────── ■ 文学の中の果物:不思議な国の話(室生犀星)  姉はそこで話をきると、跼(しゃ)がんで私をも前に座らせ青い 名なし草を抜きながら、それを手でむしっては話しつづけました。 「けれどもその浮橋の上に乗ると、池水がじくじく蹠(あし)のう らに沁(し)みてそりゃ冷たいんですて。だからその浮橋の下は深 い池だということがわかるでしょう。ところどころに穴が開いてい て、そこから杖をさし込むと、一間(けん)もある杖がらくに沈み 込んでしまうんだそうですよ。」  私はそこまで黙ってきいていましたが、思わず口を挿しはさみま した。 「じゃその穴から落ち込んでしまえば、それきり沈んでしまうわけ ね。そんなに深いとすると。」 「そうだとも、実際はどれだけあるか分らないんだけれど、岸の浅 いところだって泥沼のようになって落ちこむと、足掻(あが)きも できないそうだよ。ずいぶん怖いところでしょう。」  姉は、そう言って医王山の方へ、ふいに顔を向けました。私もそ のふしぎな山と、山の上にある青い池のことで、益々(ますます) いろいろなことを考えられてくるので、しずかに山をながめていま した。山というものは、じっとしているようで、そのじつ、眼を凝 らしてながめていると、なんだか少しずつ動いているような気がし てならないものです。わけても大きければ大きいだけ、なお、むず むずと目にわかるかわからないかの程度で、まるで息をしているよ うな気がするものです。  二人がそうして眺めているうち、うす甘い春早(はるばや)に咲 く杏(あんず)の花の匂いが、庭の垣根の方からそよついて流れて きました。私は、春になると何より杏の花の匂いをかぐのが楽しみ です。 ────────────────────────────── ■ くだものいちば  今回は、札幌市中央卸売市場に入荷している果物について紹介し ます。入荷量が多いのは、リンゴ、スイカ、メロン、バナナなどです。 ウンシュウミカン(ハウスみかん)は佐賀、愛知産です。 グレープフルーツ、バレンシアオレンジ、レモンはアメリカ産です。 リンゴ(ジョナゴールド、ふじ、王林)は青森産です。 サクランボは山形、山梨産です。 ウメは宮崎、群馬産です。 ブドウ(デラウェア)は大阪産です。 イチゴは北海道産です。 メロン(アンデス、など)は茨城、北海道産です。 スイカは茨城、千葉、熊本産です。 バナナはフィリピン、エクアドル産です。 パイナップルはフィリピン産です。 キウイフルーツはニュージーランド産です。 「くだものいちば」は青果物市況情報を参考に作成しています。 https://www.seisen.maff.go.jp/seisen/bs04b040md001/BS04B040UC010SC999-Evt001.do ────────────────────────────── ■ 編集部より  高齢者の最大の関心事は、認知症と言われています。今号では、 果物などが豊富なバランスの良い食事は認知症予防に有効であるこ とを示す結果を紹介しています。(tnk) 近所のスーパーでは早くもすいかが店頭に出回りはじめました。 気温も湿度も高くなり、体調を崩しやすい季節になってきました が、こんな季節こそ果物で水分とビタミンを補給して健康を維持 していこうと思います。(HK) ────────────────────────────── ◆発 行◆ 公益財団法人中央果実協会 kudamononews@kudamono200.or.jp Copyright(C) 2011-2018.  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