毎日くだもの200グラムメールマガジン □■ くだもの&健康ニュース Vol.152 ■◇ 2018年3月9日(金)配信 こんにちは。 くだもの広場で紹介。果物を食べて話題となったカーリングの「も ぐもぐタイム」。 ───────────────────────────── 毎日くだもの200グラム以上食べましょう! 公式ホームページは下記です。 http://www.kudamono200.or.jp ────────────────────────────── <<< 本日のメニュ− >>> ・ 季節の便り ・ くだものレシピ:ビワ ・ くだもの広場:日常にも「もぐもぐタイム」を! ・ 文献紹介:炭水化物を減らしても減らさなくても減量効果は同じ ・ 文学の中の果物:夢十夜(夏目漱石) ・ くだものいちば ・ 編集部より ────────────────────────────── ■ 季節の便り   植込のうしろの方や枇杷の花     − 正岡子規 ────────────────────────────── ■ くだものレシピ:ビワ ○ ビワで作る、さっぱり〜なドレッシング  ビワ、レモン、オリーブで色々使えるびわドレッシングの完成! 材料(200ml)  ビワ 大きめ5つ、小さめなら7〜8個、レモン汁 大2個、酢、オ リーブオイル、塩、あらびき胡椒、ウコン(ターメリック) 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 https://cookpad.com/recipe/837592 ○ ロウクワット・ポーク  ビワと豚肉を使った簡単煮込み。砂糖を使わず果物の酸と甘みだ けで作る柔らかくほんのり甘酸っぱいタラゴン風味の一品です。 材料(2人分)  ビワ 6個、豚肉(モモ角切り) 200g、梅酒 200cc、レモン汁、タ ラゴン(乾)、塩 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 https://cookpad.com/recipe/835254 ────────────────────────────── ■ くだもの広場:日常にも「もぐもぐタイム」を!  長らくお休みしていましたが、「くだもの広場」を再スター トします。今回は、先頃開催された冬季オリンピックの話題か ら始まります。 ミカ:先だって冬季オリンピックが閉幕したけれど、毎日いろ  いろな競技の応援や観戦でハラハラドキドキ楽しかったわ  日本選手が大活躍して、これまでで一番多くのメダルを獲得  したことが嬉しくって! おじさん:私も熱戦を手に汗を握って観戦したよ。接戦になる  と血圧が上がって、かえって健康に悪いんじゃないかと心配  になったほどだよ。二人はどんな競技が楽しかったのかね? リン:僕はなんといってもスノーボードだよ。初めて試合を見  たんだけれど、まるで無重力の場所で競技しているみたい!  僕ももう少し大きくなったら、スノーボードをやりたいな! ミカ:私はカーリングがとても面白かったわ。特に今回は選手  の話し声がマイクで聞こえてきたので、どんなことを相談し  ながら試合をしているのか、よく分かって、面白さが増した  と思うの。それに、途中の休憩の時に栄養補給をするのも、  他の競技にはない特徴ね。 おじさん:特に日本の女子カーリングチームは、皆でおやつを  囲んで、りんごやバナナ、いちごなどを食べながら後半戦の  作戦会議をしていたのが微笑ましかったね。テレビでは「も  ぐもぐタイム」とか「おやつタイム」などと呼ばれて、一躍  全国的に有名になったね。でも、あの「もぐもぐタイム」は  実に合理的なんだよ。カーリングは一見するとそんなに激し  いスポーツには見えないけれど、実はかなり体力を消耗する  競技だそうだよ。ストーンを投げるときの蹴り出しや、たわ  しのような道具で一生懸命スイープするのは、結構な運動量  らしいね。そんな試合が長時間続くのだから、途中で栄養を  補給しなければ、後半はバテてしまって試合にならないだろ  う。 ミカ:他の国のチームは、ナッツのようなものを食べていたの  が見えたけれど、日本の女子チームは果物やお菓子を食べて  いたわね。日本の女子チームはなぜ果物を選んだのかしら? おじさん:選手やコーチに聞かなければ本当の理由はわからな  いけれど、糖分を補給すると、素早くエネルギーになるとい  う効果は期待できるだろうね。また、多くの果物に含まれて  いるカリウムは筋肉の収縮を調整する働きがあるし、果物を  食べることによって、水分補給も同時にできるんだよ。その  ほかにも、さわやかな酸味と甘みは身体が疲れているときで  も食欲を刺激してくれるんだろうね。 リン:だったら、スポーツの時だけではなくて、普段から果物  を積極的に食べると良いということなのかなぁ? おじさん:そのとおりだね。3時のおやつには、油脂分が豊富で  カロリーの高いスナック菓子よりも、栄養や水分が豊富で意  外にカロリーの低い果物を食べると良いんだよ。 ミカ:毎日の生活にも「もぐもぐタイム」ということね。 リン:そだね〜。 おじさん:リン太くん、うまいね。座布団を1枚あげよう。 ────────────────────────────── ■ 文献紹介:炭水化物を減らしても減らさなくても減量効果は同じ  私たちが普段食べている、炭水化物が多く蛋白質と脂質の少ない 炭水化物食の減量版が、脂肪を減らす低脂肪ダイエットです。一方、 果物などを食べない、肉食を主体として蛋白質や脂質を多く摂取す る低炭水化物ダイエットがあります。近年、果物などを食べない低 炭水化物ダイエットが減量に効果的であるとさかんに宣伝されてい ます。そのため、果物・野菜中心の食事から肉食に変更しようかと 迷っておられる方がいるようです。  そこで、アメリカ、スタンフォード大学の研究チームは、炭水化 物ダイエット(低脂肪ダイエット)と低炭水化物ダイエットの減量 効果、被験者の遺伝子パターン、インスリン分泌との関係を調べた 結果、減量効果に有意な差がないだけでなく、遺伝子やインスリン との関連もみられなかったと、「アメリカ医学会誌(JAMA)」に発表 しました。  研究では、18-50才の糖尿病ではないBMI(肥満指数)が28-40の 609名を対象に、2013年1月から2015年4月にかけて介入試験を実施し、 その後2016年5月まで追跡調査を行いました。参加者はランダムに、 炭水化物食(低脂肪食)群と低炭水化物食群に振り分けられ、12か 月間、振り分けられた食事を摂取してもらいました。また、被験者 の3つの一塩基多型(SNP:遺伝子変異)およびインスリン分泌能 を測定しました。  12か月間の平均的な三大栄養素の摂取比率は、炭水化物食(低脂 肪食)群対低炭水化物食群で、炭水化物が48%対30%、脂質が29%対 45%、蛋白質が21%対23%でした。  介入の結果、12か月で、炭水化物食(低脂肪食)群で平均-5.3kg、 低炭水化物食群で平均-6.0kgの体重変化が観察されましたが、両群 間には有意差は見られませんでした。また、食事と遺伝子パターン、 または食事とインスリン分泌能と、12か月間の体重変化の間にも有 意な関連はありませんでした。  さらに、介入試験の間に18件の有害事象が報告されましたが、こ れも両群に均等に分かれていました。  以上の結果から、炭水化物食(低脂肪食)も低炭水化物食でも減 量効果は変わらず、基本的なメカニズムも類似していることが分か りました。言い換えると、果物野菜中心の食事は、健康によいばか りでなく、減量効果も肉食中心の食事に劣らないことを示していま す。 【文献】 Christopher, D. et al.: Effect of Low-Fat vs Low-Carbohydrate Diet on 12-Month Weight Loss in Overweight Adults and the Association With Genotype Pattern or Insulin Secretion. - The DIETFITS Randomized Clinical Trial. JAMA, 319: 667-679. (2018) [doi: 10.1001/jama.2018.0245] ────────────────────────────── ■ 文学の中の果物:夢十夜(夏目漱石) 第十夜  庄太郎が女に攫(さら)われてから七日目の晩にふらりと帰って 来て、急に熱が出てどっと、床に就(つ)いていると云って健(け ん)さんが知らせに来た。  庄太郎は町内一の好男子(こうだんし)で、至極(しごく)善良 な正直者である。ただ一つの道楽がある。パナマの帽子を被(か ぶ)って、夕方になると水菓子屋(みずがしや)の店先へ腰をかけ て、往来(おうらい)の女の顔を眺めている。そうしてしきりに感 心している。そのほかにはこれと云うほどの特色もない。  あまり女が通らない時は、往来を見ないで水菓子を見ている。水 菓子にはいろいろある。水蜜桃(すいみつとう)や、林檎(りん ご)や、枇杷(びわ)や、バナナを綺麗(きれい)に籠(かご)に 盛って、すぐ見舞物(みやげもの)に持って行けるように二列に並 べてある。庄太郎はこの籠を見ては綺麗(きれい)だと云っている。 商売をするなら水菓子屋に限ると云っている。そのくせ自分はパナ マの帽子を被ってぶらぶら遊んでいる。  この色がいいと云って、夏蜜柑(なつみかん)などを品評する事 もある。けれども、かつて銭(ぜに)を出して水菓子を買った事が ない。ただでは無論食わない。色ばかり賞(ほ)めている。  ある夕方一人の女が、不意に店先に立った。身分のある人と見え て立派な服装をしている。その着物の色がひどく庄太郎の気に入っ た。その上庄太郎は大変女の顔に感心してしまった。そこで大事な パナマの帽子を脱(とっ)て丁寧(ていねい)に挨拶(あいさつ) をしたら、女は籠詰(かごづめ)の一番大きいのを指(さ)して、 これを下さいと云うんで、庄太郎はすぐその籠を取って渡した。す ると女はそれをちょっと提(さげ)て見て、大変重い事と云った。  庄太郎は元来閑人(ひまじん)の上に、すこぶる気作(きさく) な男だから、ではお宅まで持って参りましょうと云って、女といっ しょに水菓子屋を出た。それぎり帰って来なかった。 ────────────────────────────── ■ くだものいちば  今回は、金沢市中央卸売市場に入荷している果物について紹介し ます。入荷量が多いのは、イヨカン、デコポン、リンゴ、イチゴ、 バナナなどです。 イヨカンは愛媛産、デコポンは佐賀産、ハッサクは和歌山産、清見 は佐賀産、ウンシュウミカンは徳島産です。 ネーブルオレンジ、グレープフルーツ、レモンはアメリカ産です。 リンゴ(ふじ、王林)は青森産です。 イチゴ(紅ほっぺ、あまおう、ほのか)は愛知、福岡、鹿児島産です。 メロン(アールス、など)は静岡産です。 バナナはフィリピン、エクアドル産です。 パイナップルはフィリピン産です。 「くだものいちば」は青果物市況情報を参考に作成しています。 https://www.seisen.maff.go.jp/seisen/bs04b040md001/BS04B040UC010SC999-Evt001.do ────────────────────────────── ■ 編集部より  近年、健康のためには、単独成分や食品ではなく、食事全体のパ ターンの重要性が指摘されています。また、WHOをはじめ各国の推 奨する食事ガイドラインは、動物ベースから植物ベースの食事パ ターンへと移行しています。そして、その推奨食事パターンには、 果物が必ず含まれています。にもかかわらず、わが国の果物の栄養 学的な位置づけは低すぎると感じています。(tnk)  冬季オリンピックが終わったら、春の嵐が日本列島を吹き抜 け、各地に被害をもたらしました。北海道で猛吹雪になった かと思えば関東では5月並みの高温を記録するなど、もはや 異常気象という言葉が通常の気象になってしまったようです。  さて、今度はパラリンピックです。オリンピックに続き、日 本選手の活躍を期待しています。(HK) ────────────────────────────── ◆発 行◆ 公益財団法人中央果実協会 kudamononews@kudamono200.or.jp Copyright(C) 2011-2018.  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