毎日くだもの200グラムメールマガジン □■□ くだもの&健康ニュース Vol.134 ■□■ 2017年6月9日(金)配信 みなさん、こんにちは! 今号では、最近増加している足の血管疾患と果物摂取との関係を紹 介しています。 ───────────────────────────── 毎日くだもの200グラム以上食べましょう! 公式ホームページは下記です。 http://www.kudamono200.or.jp ────────────────────────────── <<< 本日のメニュ− >>> ・ 季節の便り ・ くだものレシピ:サクランボ ・ くだもの広場:「28年度果物の消費に関する調査」  (連載 第4話(最終回) 保育施設・小学校での食育) ・ 文献紹介:果物と野菜の摂取で足の動脈閉塞のリスク低減 ・ 文学の中の果物:雪の女王(アンデルセン//楠山正雄訳) ・ くだものいちば ・ 編集部より ────────────────────────────── ■ 季節の便り   梅雨晴やところところに蟻の道     − 正岡子規 ────────────────────────────── ■ くだものレシピ:サクランボ ○ さくらんぼのスパゲティ  サクランボと山椒の実のマリアージュ 材料(2人分)  サクランボ 20-30粒、ニンニク 少々、オリーブオイル 大さじ1 杯、ホワイトバルサミコ 小さじ1-2杯、アップルビネガー 小さじ1 〜2杯、お塩 小さじ半分位、実山椒 6?10粒、ブラックペッパー 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 https://cookpad.com/recipe/3925284 ○ たっぷりさくらんぼ 贅沢クラフティ  サクランボの季節に作る贅沢なおやつ 材料(断熱皿10×10 1つ分)  サクランボ 20粒、卵 1個、バター 10g、砂糖 40g、薄力粉 20g、 牛乳 100cc、バニラエッセンス 3振り 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 https://cookpad.com/recipe/3949423 ────────────────────────────── ■ くだもの広場:「28年度果物の消費に関する調査」  (連載 第4話(最終回) 保育施設・小学校での食育) おじさん:前回は、家庭や学校での食教育の状況についてのアンケート  調査の結果を紹介したけど、今回は、幼児保育施設や小学校の現場で  食育指導に当たっている栄養士・栄養教諭の方々から、食教育の状況  についての取組みをインタビュー形式で調査した結果の一部を紹介す  るね。 リン:学校での給食の時間は、毎日のメニューが楽しみで、食材につい  ての色々な話も聞けるので、大好き!! おじさん:先生たちも、「果物は子供たちの口に合うので、給食として  は扱い易い食材」との声があるね。また、「子供たちに旬や季節感を  伝えるうえでも大変役に立つ」って言ってるね。    ミカ:給食に果物が出るのは週に1回くらいなので、毎日(毎回)出て  くれば良いのになあ〜。  おじさん:先生たちの話では、アメリカの大学から学校の視察があった  時に、「給食での果物は月に5回くらい」と答えたら、「それは少なす  ぎて信じられない」との反応だったようだね。   先生たちは色々な食材や味などを生徒にできるだけ多く体験させた  いと苦労しているんだよ。例えば、初めは皮をむくことや種を取るこ  とが面倒と感じる子のために、皮や種を取り除いて先ず食べる事から  体験し、次に、皮の色や模様などを覚えるよう皮付きで出したり、  種は蒔くとやがて実がなることを教える機会にするなど、工夫をして  るんだよ。   子供たちは、酸味や苦みのあるものは苦手なようだね。 ミカ、リン:柿なんかは、お父さんやお母さんはあまり渋みを感じない  らしいけど、子供の私たちにはたまに渋さを感じることもあるね。  でも、果物は種類や品種、産地等によって味や香りなど全く違うし、  美味しい果物の見分け方など、野菜と違って奥が深い所が興味深い  よね。人によって色々な「こだわり」がある所も面白いね。 おじさん:そうだね。でも、果物には奥深さがあるために、逆に、給食  で一人一人に同じ物を提供できるよう産地や大きさ・形をそろえるの  が大変だって言ってたね。味についても、近年、光センサー等で選別  をしているので1個1個の味のバラツキは小さくなっているけど、先生  はとても気を使っているようだね。 リン:学校でも、学童農園で果物を栽培できたら良いのにねえ。 おじさん:先生も、子供たちには、食べる事だけでなく栽培や収穫など  とともに調理への参加など多くの体験をさせたいと思っているんだよ。  学童農園で果樹を栽培するのはなかなか難しいと思うけど、地元の生  産者の方々と連携して、地産地消の取組を進めている所もあるね。  果物は旬があるから、地元の食材を供給できる時期が限られてしまう  けど、複数の産地が連携して、各地の果物を食べつなげる取組を提案  してくれた先生もあったね。 ミカ、リン:先生たちは、私達に、食べる事や食材に関心を持たせて、  大人になっても自らバランスのとれた食生活が実践できるように教え  てくれているんだね。食育に携わる先生たちに、おじさんも是非とも  協力してよね。 おじさん:平成17年に食育基本法ができ、平成28年からは第3次食育基  本計画のもとで、子供から高齢者まで生涯を通じた取り組みが推進  されているんだよ。このうちの子供たちへの食育の現場で活動されて  いる先生や家庭のご両親をサポートできるように、果物に関する様々  な情報や各地の事例などを届ける工夫もしてみるね。  今回の調査結果は中央果実協会のホームページにも掲載されているの で、是非みてくださいね。   公益財団法人中央果実協会ホームページ:http://www.japanfruit.jp/ ────────────────────────────── ■ 文献紹介:果物と野菜の摂取で足の動脈閉塞のリスク低減  すでに、果物と野菜の摂取量が多いと冠状動脈性心臓病や脳卒中 の発症リスクが低下することが明かとなっていますが、近年増加し ている末梢動脈疾患(PAD)と果物と野菜の摂取との関連の研究は ほとんどありませんでした。  末梢動脈疾患(PAD)とは、手や足、脚の動脈が狭くなり、筋肉 への血流が制限され、歩いたり、立ったりすることに、困難や痛み を伴う疾病のことです。この病気があまり知られていないことに加 えて自覚症状が現れにくく、早期の段階でPADを疑って受診する人 はほとんどいません。そして、病気がわかったときにはかなり症状 が進行し、手術をするような深刻な事態になってしまうことも少な くないと言われています。  そこで、アメリカ、ニューヨーク大学の研究チームは、PADにつ いて研究を行った結果、一日あたり果物と野菜を3サービング以上 摂取していると、PADの発症リスクが低減することが分かりました。 アメリカ心臓協会のニュースサイトもその研究結果を報じています。  研究では、アメリカに住む370万人( 平均年齢64歳、女性64%、 白人約90%)を対象に、治療ライフスタイルに関するアンケートと 足関節上腕血圧比テストを実施しました。  その結果、毎日3回以上果物と野菜を摂取している人は、摂取し ていない人よりもPADリスクが18%低いことが分かりました。また、 白人の高齢女性は、果物と野菜を毎日3サービング以上摂取してい る人が多く、黒人の若年男性は、逆で、3サービング以上摂取する 人は少ないことが分かりました。  さらに、現在または過去の喫煙者の果物と野菜の摂取量は低く、 PADのリスクと強くリンクしていました。  以上の結果から、 公衆衛生上の観点からだけでなく、PAD患者 への個別の食事評価やカウンセリングに対しても果物と野菜の摂取 の重要性を指摘、指導する必要があると、研究者らは述べています。 【注釈】  海外では、「末梢動脈疾患(PAD)」という疾患名が一般的ですが、 日本では、「閉塞性動脈硬化症(ASO)」と呼ばれています。PADの 日本における保険適応上の疾患名は「閉塞性動脈硬化症」または 「慢性動脈閉塞症」です。 【文献】 Eating more fruits and vegetables may lower risk of blockages in leg arteries. American Heart Association Rapid Access Journal Report. May 18, (2017) http://newsroom.heart.org/news/eating-more-fruits-and-vegetables-may-lower-risk-of-blockages-in-leg-arteries ────────────────────────────── ■ 文学の中の果物:雪の女王(アンデルセン//楠山正雄訳)  それからおばあさんは、ざぶりざぶり水の中にはいって、撞木杖 で小舟をおさえて、それを陸(おか)のほうへひっぱってきて、ゲ ルダをだきおろしました。ゲルダはまた陸にあがることのできたの をうれしいとおもいました。でも、このみなれないおばあさんは、 すこし、こわいようでした。 「さあ、おまえさん、名まえをなんというのだか、またどうして、 ここへやってきたのだか、話してごらん。」と、おばあさんはいい ました。そこでゲルダは、なにもかも、おばあさんに話しました。 おばあさんはうなずきながら、「ふん、ふん。」と、いいました。 ゲルダは、すっかり話してしまってから、おばあさんがカイをみか けなかったかどうか、たずねますと、おばあさんは、カイはまだこ こを通らないが、いずれそのうち、ここを通るかもしれない。まあ、 そう、くよくよおもわないで、花をながめたり、さくらんぼをたべ たりしておいで。花はどんな絵本のよりも、ずっときれいだし、そ の花びらの一まい、一まいが、ながいお話をしてくれるだろうから といいました。それからおばあさんは、ゲルダの手をとって、じぶ んのちいさな家へつれていって、中から戸にかぎをかけました。  その家の窓は、たいそう高くて、赤いのや、青いのや、黄いろの 窓ガラスだったので、お日さまの光はおもしろい色にかわって、き れいに、へやのなかにさしこみました。つくえの上には、とてもお いしいさくらんぼがおいてありました。そしてゲルダは、いくらた べてもいいという、おゆるしがでたものですから、おもうぞんぶん それをたべました。ゲルダがさくらんぼをたべているあいだに、お ばあさんが、金のくしで、ゲルダのかみの毛をすきました。そこで、 ゲルダのかみの毛は、ばらの花のような、まるっこくて、かわいら しい顔のまわりで、金色にちりちりまいて、光っていました。 ────────────────────────────── ■ くだものいちば  今回は、横浜市中央卸売市場本場に入荷している果物について紹 介します。入荷量が多いのは、リンゴ、ウメ、メロン、スイカなど です。サクランボ、ハウスミカン、ビワ、モモなども並んでいます。 沖縄産のパイナップルも入荷しています。 ミカン(ハウスミカン)は佐賀、愛知産などです。 甘ナツミカンは熊本産、レモンは神奈川産、グレープフルーツは北 海道産、清見は愛媛産、ヒューガナツは神奈川産、ユズは高知産、 スダチは徳島産です。 リンゴ(ジョナゴールド、ふじ、王林)は青森産です。 ビワは和歌山産です。 ブドウ(デラウェア、巨峰、ピオーネ、シャインマスカット、な ど)は大阪、山梨産です。 サクランボは山形産です。 ウメ(南高)は和歌山、群馬産です。 モモは山梨産です。 スモモは熊本産です。 イチゴは栃木産です。 メロン(アールス、アンデス、アムス、クインシー、タカミ、な ど)は静岡、熊本、千葉、茨城産です。 スイカは熊本、千葉、茨城、群馬産です。 パイナップルは沖縄産です。 「くだものいちば」は青果物市況情報を参考に作成しています。 https://www.seisen.maff.go.jp/seisen/bs04b040md001/BS04B040UC010SC999-Evt001.do ────────────────────────────── ■ 編集部より  足の血管疾患など循環器疾患の予防には果物の摂取が重要である ことは医科学的に明らかとなり、世界保健機関(WHO)なども各国の 政府に果物の摂取を勧告しています。しかし、果物が疾病の原因だ と誤った情報が氾濫しています。そんな心が折れるような時は、中 島みゆきの「宙船(そらふね)」を聞いています。(tnk)    6月に入って、いよいよ旬の果物「さくらんぼ」が果物売り場に出始め ました。輸入物はひと足早く出回っていましたが、私としては、輸入物 は「チェリー」ですね。6月中旬から7月にかけて出回りが増えてくるので、 今年も楽しみにしています。(KM) ────────────────────────────── ◆発 行◆ 公益財団法人中央果実協会 kudamononews@kudamono200.or.jp Copyright(C) 2011-2017.  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