毎日くだもの200グラムメールマガジン □■□ くだもの&健康ニュース Vol.133 ■□■ 2017年5月26日(金)配信 みなさん、こんにちは! 今号では、多くの方々が気にしている認知症予防について紹介して います。 ───────────────────────────── 毎日くだもの200グラム以上食べましょう! 公式ホームページは下記です。 http://www.kudamono200.or.jp ────────────────────────────── <<< 本日のメニュ− >>> ・ 季節の便り ・ くだものレシピ:ビワ ・ くだもの広場:「28年度果物の消費に関する調査」   (連載 第3話 幼少期の食事教育) ・ 文献紹介:脳の健康に有効な食事 ・ 文学の中の果物:旅行に就いて(長塚節) ・ くだものいちば ・ 読者から:絶対リスクとは? ・ 編集部より ────────────────────────────── ■ 季節の便り    木の上にひとり枇杷くふ童かな    − 正岡子規 ────────────────────────────── ■ くだものレシピ:ビワ ○ ロウクワット・ポーク  ビワと豚肉を使った簡単煮込み。砂糖を使わず果物の酸と甘みだ けで作る柔らかくほんのり甘酸っぱいタラゴン風味の一品です。 材料(2人分)  ビワ 6個、豚肉(モモ角切り) 200g、塩 小さじ2杯+小さじ2杯、 梅酒 200cc、レモン汁、タラゴン(乾) 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 https://cookpad.com/recipe/835254 ○ 枇杷と林檎のジャム  時間の経ったリンゴがあったので、ビワとコラボ〜〜 材料  ビワ 400グラム、リンゴ 1個(200グラム)、砂糖(上白糖) 180 グラム、レモン 半分 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 https://cookpad.com/recipe/3228213 ────────────────────────────── ■ くだもの広場:「28年度果物の消費に関する調査」   (連載 第3話 幼少期の食事教育) おじさん:今回は、20〜30歳代を対象に、小学校を卒業する頃までの両 親や学校での「食事」に対する対応状況についての調査結果を紹介する ね。果物好きとそれ以外の人で、幼少期の食に関する環境がどのように 違うのか関心のあるところだね。 ミカ、リン:私たちの家族は、両親を含めてみんな果物好きの家族なの で、果物好きが普通だと思っていたけどね。親の影響って結構大きいん じゃないかなあ。 おじさん 幼少期の好きだった食材について聞いたところ、果物積極摂 取層では、トップは肉(64%)、次に果物(55%)、米(54%)、菓子 (54%)、麺(50%)だね。魚(40%)、野菜(35%)は低くなってい るね。また、果物積極摂取層とそれ以外の層の比較では、果物積極摂取 層は食への関心が高く全体的に回答率が5ポイント程度高い傾向が見られ るけど、果物については、10ポイント以上高い結果となっており、2番目 に好きな食材だね。それ以外の層は果物は5番目なので、違いがあるね。  同じく、両親の好きな食材についての質問では、果物積極摂取層では、 トップが魚(44%)、次いで米(39%)、3番目が果物(38%)で、野菜 (33%)、肉(33%)と続くね。ここでも、果物積極摂取層では全体的 に5%程度回答率が高めで、特に、果物については10〜20ポイントも果 物積極摂取層が高い結果だね。それ以外の層では、同じく果物は5番目 だね。 ミカ:じゃあ、ご両親は子供にどのような教育をしているの? おじさん:家庭での食事に関する教育や習慣について聞いたところ、 果物積極摂取層では、「3食規則正しく食べる」(72%)、「食事は 一家揃って摂る」(69%)、「好き嫌いをしない」(66%)が7割近くと なっており、それ以外の層に比べて総じて10ポイント以上高くなって いるね。特に、「バランスのとれた献立」(64%)、「季節感や旬を 重視」(54%)のほか、食材に関する項目である「国産の食材を選ぶ」 (46%)、「素材の持ち味を生かす」(44%)、「食材を賢く選ぶ」 (40%)、「産地やブランドにこだわる」(34%)、「地元の食材を選 ぶ」(33%)では、それ以外の層に比べて約15ポイントも高くなっているね。  果物積極摂取層では、果物だけでなく食事や食材全般についての教育 が積極的に行われているようだね。ミカさんやリン太君のご両親はどう なの? リン太:一緒に買い物に行ったり、一緒に料理を作ったりすることも多 いので、食材の見分け方や食材に関する興味深い話もしてくれるね。 果物については、美味しさや健康などのほか、果物狩り等の楽しい話題 が多いような気がするね。 おじさん:学校での食事教育についても聞いたところ、果物積極摂取層 では、「出されたものを残さず食べる」(71%)、「食事バランスの 大切さ」(64%)、「調理体験」(59%)が6割ないしそれ以上とな っており、家庭での教育と同様、それ以外の層に比べて10〜15ポイント 高い状況となっているね。このほか、「食材の旬」(47%)、「食 材の効用」(47%)、「普段から健康を考えた食事」(47%)回答率が 高くなっているね。 ミカ:果物好きの人って、家庭や学校でも食事や食材についての積極的 な教育がなされているのね。 おじさん:この調査結果は、学校で行われている教育の状況というより も、学校での教育の記憶を聞いている形となっているので、果物好きの 人は食や食材についての幼少期の記憶が強く残っているのかもしれない ねえ。記憶に残る食体験や教育が重要だね。  いずれにしても、果物好きの人って、果物に限らず食材や食事全般に ついての教育の経験・記憶がしっかりとしているってことだね。  次回は、連載の最終回になるけど、食教育の現場の栄養士や栄養教諭、 フードコーディネーターなど関係者に取材した結果を紹介するね。  また、調査結果は中央果実協会のホームページにも掲載されているの で、是非みてくださいね。   公益財団法人中央果実協会ホームページ:http://www.japanfruit.jp/ ────────────────────────────── ■ 文献紹介:脳の健康に有効な食事  長い生活習慣病の研究から、食事の質が、深刻な健康問題である 肥満、高血圧、心臓病、2型糖尿病などと深く結びついていること が明らかとなり、予防のための健康的な食事の摂取が推奨されてい ますが、最新の研究から、こうした健康的な食事は脳の健康にも有 益であることが分かってきました。  一方で、若い頃の健康ではない食品を選択していると、後の人生 で認知機能に悪影響を及ぼすとの証拠も蓄積してきました。  カナダ、ベイクレスト老人医療センターは、こうした最新の研究 をもとに、脳の健康のための食事を提案しています。また、脳の健 康のために有効な特定の「スーパーフード」などはないことも指摘 しています。 ◇ 脳にフィットする食事パターン  果物、野菜、穀類、魚の摂取量が多く、脂肪(特に飽和脂肪)の 少ない食事は、認知機能の低下を予防し、老化による認知症予防に も役立つことが明らかとなりました。  脳の健康に最大の利益をもたらす食材は、果物と野菜です。その 理由は、生体内の酸化過程を制御する天然成分が豊富なためです。  また、果物や野菜から抗酸化物質を得ることを考える場合、果物 など植物製飲料も役立ちます。なぜなら、こうした飲料にも生体内 の酸化過程を制御している成分が含まれているためです。  次に、穀物や複合炭水化物を食べることです。複合炭水化物は、 コレステロールを低下させ、認知機能の低下および認知症の危険因 子である2型糖尿病を発症するリスクを低減します。  サケ、サバ、イワシなどの魚の摂取を増やすことも大切です。魚 には、オメガ3脂肪酸など健康的な脂肪が豊富です。  塩分の摂取量を減らすことが必要です。食塩は、高血圧症のリス クを高めます。高血圧は、認知症の主要な危険因子の一つです。ま ず、追加の塩を減らすために、テーブルから塩の瓶を取り除くこと を提案しています。 ◇ 炭水化物と脳の機能  炭水化物であるブドウ糖は脳のエネルギー源であるだけでなく、、 脳細胞間の情報伝達に必要なアセチルコリンなどの化合物を生成し ます。  また、脳には健康で正常なインスリン機能が必要で、学習と記憶 の処理に関係しています。しかし、複合炭水化物などの摂取が不足 するとインスリン代謝がうまく働かず、認知機能の低下、アルツハ イマー病を促進すると述べています。  一方、飲料や料理などに使う砂糖をあまりにも多く消費すると、 年を取るにつれて認知症のリスクが高くなります。  そのため、脳を維持するために、複合炭水化物が豊富な果物や野 菜、全粒粉などの摂取が必要です。 【文献】 カナダ・ベイクレスト老人医療センターのホームページ http://www.baycrest.org/ ────────────────────────────── ■ 文学の中の果物:旅行に就いて(長塚節)  余は旅行が好きである、年々一度は長途の旅行をしなければ氣が 濟まぬやうになつた。兎に角全國歩いて見たい積りで地圖の上に朱 線の殖えるのを樂みの一つにして居る。時には汽車や汽船の便を借 りることもあるが、大抵は徒歩である。隨つて身體には苦勞を掛け て、歸りには顏が黒くなつて頬骨が出る。それで苦勞をすればする 程、旅行の面白味が増して、話の種が殖えて來る。人に旅中の話を すれば、人も面白いといふ。自分は益々得意になる。偶々旅行して、 どれだけ面白味があるのだと反問するものがあるが、旅行をしたこ との無い者には、旅行の面白味は分るものではない。枇杷の木に黄 色な實が熟したとて、下から見たゞけでは味はわからぬ。一つでも ちぎつて見れば、枇杷のうま味は直にわかる。旅行をして見れば、 旅行の面白味は直に知れる。素裸になつてただごろ/″\して居る 者は、長い暑中休暇を短くして暮すものである。五十餘日を回顧し て何物も頭に浮び來るものが無いからである。旅行をすれば、其處 に追懷といふものがある。短い時日でも、長くするのは變化と活動 とに富める旅行の賜である。特別の事情ある者は格別、然らざるも のには、切に休暇中の旅行を勸める。多くの學生の間には、必便宜 を有して居ても、躊躇して居るものがあることゝ思ふ。此は余が以 前は非常な旅行嫌ひで、僅に一日の遠足でも出ることが稀で、素よ り修學旅行などに隨伴したことがなく、唯恐れてばかり居つたこと に徴して、十分に想像が出來るのである。然し實際旅行をして見る と、案外に人が親切で一向苦にならぬものである。 ────────────────────────────── ■ くだものいちば  今回は、長野市(在)地方卸売市場に入荷している果物について 紹介します。入荷量が多いのは、甘ナツミカン、メロン、スイカな どです。 甘ナツミカンは熊本、鹿児島、愛媛産です。 リンゴ(ふじ)は長野、青森産です。 イチゴ(やよい、とちおとめ、なえおど)は群馬、長野産です。 メロン(アンデス、など)は茨城産です。 スイカは千葉、熊本産です。 「くだものいちば」は青果物市況情報を参考に作成しています。 https://www.seisen.maff.go.jp/seisen/bs04b040md001/BS04B040UC010SC999-Evt001.do ────────────────────────────── ■ 読者から:絶対リスクとは?  平素から大変お世話になっております。 いつも「くだもの&健康ニュース」楽しみにしております。  さて、「Vol.132」の糖尿病の文献紹介の件でお伺いしたいこ とがあります。  「果物の摂取量の多い人は、そうでない人と比べて、糖尿病の発 症リスクが低下することが分かりました。毎日果物を摂取している 人は、摂取していない人と比べて、糖尿病発症の絶対リスクが5年 間で約0.2%低下していました。」とありますが、0.2%というのは結 果の数字とすれば、十分効果があったとみて良いのでしょうか? (大阪:吉) 【編集部から】  メールありがとうございました。同様のご質問が別件でもありま した。説明不足で申しわけありませんでした。  さて、ご質問の「文献紹介」で紹介した「絶対リスク」とは、危 険因子をもつことによる影響の増加(差分)のことで、危険因子に よる社会的影響の大きさを表す尺度として用いられています。一方、 従来から、本メルマガで使用してきました「相対リスク」とは、危 険因子を持つ集団の罹患率(または死亡率)の危険因子を持たない 集団の罹患率(または死亡率)に対する比のことで、危険因子の強 度を示す尺度です。  今回、研究者は、糖尿病に対する果物摂取の社会的影響を目的に 調べたため、絶対リスクを用いました。糖尿病発症では、5年間で 約0.2%の低下でしたが、糖尿病患者の死亡では、5年間の絶対リス クは1.9%の低下でした。この2つの結果は、糖尿病に対する果物の 摂取の重要性を示しています。  そのため、研究担当者は、論文の結論で、「この大規模な疫学的 調査の結果は、果物の摂取が糖尿病に対して大幅にリスクを低減し ている」と強調しています。  また、従来の相対リスクでは、果物を毎日摂取している人は、摂 取していない人と比べて糖尿病の発症リスクは12%の低下でした。 また、糖尿病患者の死亡リスクは17%の低下でした。  今後、文献紹介の仕方の参考にしたいと思います。ありがとうご ざいました。 ────────────────────────────── ■ 編集部より  本メルマガでは読者との交流を大切にしています。ご意見、ご質 問、果物にまつわる楽しい話題、文芸作品などの投稿をお待ちして います。どうぞよろしくお願いいたします。(tnk)  真夏を思わせる夏日や猛暑日が続き、体調管理には是非気を付けたい 季節ですね。湿度がそれほど高くないので、日陰に入れば過ごしやすい ですが、水分補給は忘れないようしてください。果物は、水分の他にビ タミンやミネラルが豊富なので、うってつけですね。今の時期は、私は スイカが良いですねえ。(KM) ────────────────────────────── ◆発 行◆ 公益財団法人中央果実協会 kudamononews@kudamono200.or.jp Copyright(C) 2011-2017.  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