毎日くだもの200グラムメールマガジン □■□ くだもの&健康ニュース Vol.131 ■□■ 2017年4月21日(金)配信 みなさん、こんにちは! 今号では、サプリメントなどで消費者の8.8%に有害事象が発生し ているという国立健康・栄養研究所の研究を紹介しています。 ───────────────────────────── 毎日くだもの200グラム以上食べましょう! 公式ホームページは下記です。 http://www.kudamono200.or.jp ────────────────────────────── <<< 本日のメニュ− >>> ・ 季節の便り ・ くだものレシピ:メロン ・ くだもの広場:「28年度果物の消費に関する調査」   (連載 第2話 果物好きの食習慣と食意識) ・ 文献紹介:果物、野菜などの菜食で健康度が高まる ・ 文献紹介:栄養補助食品の有害事例はほとんど報告されていない! ・ 文学の中の果物:夏(寺田寅彦) ・ くだものいちば ・ 編集部より ────────────────────────────── ■ 季節の便り    うり一つだひて泣きやむ子供哉    − 正岡子規 ────────────────────────────── ■ くだものレシピ:メロン ○ フルーツサラダ  パスタやカレーなど洋風メニューの付け合せサラダにぴったり! 冷蔵庫にあるフルーツですぐ出来ます。 材料(2人分)  メロン 100g位、バナナ 1/2本、ブドウ(デラウエア) 4粒、レ タスなどグリーンの葉 適量、ヨーグルト、マヨネーズ、牛乳(又 は、レモン汁)。 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 https://cookpad.com/recipe/775078 ○ スイカとメロンのパスタ  スイカとメロンをパスタの具にしてみました。 材料(1人分)  メロン 30g、スイカ 90g、レタス 2枚、パスタ 1人分、オリー ブオイル、クレイジーソルト、など。 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 https://cookpad.com/recipe/618778 ────────────────────────────── ■ くだもの広場:「28年度果物の消費に関する調査」   (連載 第2話 果物好きの食習慣と食意識)  おじさん:今回は、前回紹介した「果物積極摂取層」(果物好き)につ いて、現在の食習慣や食意識について紹介するね。  調査では、まず、果物だけじゃなく食事全体について、「手作りした いか、市販の惣菜等に頼りがちか」、「食材は多少値段が高くても国産 を買うか、安さを重視して買うか」、「3食を規則正しく摂るか、不規 則になりがちか」、「食事は癒しのひと時として大切か、慌ただしく済 ませるか」、「カロリーや栄養素を気にするか、カロリー等にまで気が 回らないか」等の質問で、食事の習慣がどちらに近いかを調べたんだ。  ミカさん、果物好きはどうだったかわかる? ミカ:この質問は、食事を空腹を満たすことや単なる栄養摂取と考えて いるか、生活の中で大切なひと時と考えて食事をする習慣があるかどう かということね。  女性は男性に比べて、食事を大切にしている人が多いように感じるん だ。果物の摂取量は女性の方が多いって聞いていたので、果物好きは 「食事を大切にしている」ってことじゃないかなあ? おじさん:ミカさん、なかなか鋭いねえ。  果物積極摂取層は、それ以外の人に比べて、手作りや食材を選んで 「食事に手をかけ」、3食を規則正しく摂って「食事の時間を大切にす る」傾向があるんだ。  この傾向は、ミカさんが言った女性と男性との比較ではなく、同じ性 、同じ年代で比較しても、果物積極摂取層はそれ以外に比べて食事を 大切にしているという結果だったんだ。 リン:それじゃあ、食事・食物に対する意識も違うのかなあ? おじさん:「食べ物のバランスは健康に直結する」、「子供の食育は重 要」、「安価な食べ物でも工夫すれば美味しく食べられる」、「家族の 健康を第一に食べ物を考えたい」と思っている人は、全体で6割以上と なっており、多くの人が食事や食物を大切に思っているよね。  なかでも、果物積極摂取層では7割以上となっており、それ以外の人 とは10ポイント以上も高くなっているね。さらに、果物積極摂取層とそ れ以外で差が大きかった項目は、「旬や季節感を感じる食材・メニュー を取入れたい」、「食材の産地やブランドにこだわっている」、「生産 者の顔が見える食材は好ましいと思う」等で、15〜20ポイント以上 高くなっているね。 リン:ということは・・・。食事や食材に対する意識が非常に高い人に は、果物好きが多いってことね。 ミカ:果物積極摂取層とそれ以外で差が少ない項目って、どんなものだ ったのかなあ? おじさん:「食費はどうしても切り詰めがち」、「今の生活の状況から どうしても出来合いの総菜や加工食品が多い」、「生活が手いっぱいで 食べ物には気が回らない」、「どうしても外食が多い」という項目では、 その差は1〜5ポイントしか無かったね。 リン:その調査結果ってどう考えたらいいの? おじさん:経済的な事情や生活状況などで、自分の思った食事ができて いないと考えている人は、果物積極摂取層でもそれ以外でも同じような 割合で居るっていうことだね。  果物好きって恵まれた人たちで、こうした項目への回答が少ないって 思ってたの? ミカ:経済事情や生活状況から自分の思った食事ができなくても、果物 好きは食に対する意識が高いていうことかなあ。 おじさん:じゃあ、果物好きがどのように育ってきたのかに興味が沸い て来たよね。次回は、食に意識の高い果物好きの幼少期の食実態につい てのお話だよ。 ────────────────────────────── ■ 文献紹介:果物、野菜などの菜食で健康度が高まる     アメリカ、ジョージ・メイソン大学などの研究チームは、果物、 野菜などを中心とした植物ベースの食事を3週間続けることで、体 重減少を導き、血圧低下、コレステロール値の改善、血糖を安定さ せると「アメリカ看護学雑誌」に発表しました。  ジョージ・メイソン大学で、植物ベースのビーガン菜食(完全菜 食)を取り入れることの健康的利点を紹介したところ、看護師19人 が、率先して植物ベースの菜食を試してみることになりました。  看護師19人は、栄養教育プログラムに参加し、菜食についての栄 養知識を向上させた後、21日間、植物ベースの食事を摂りました。  看護師たちは、専門家からネットを通して、栄養摂取量や料理の 手順などについてアドバイスを受けたり、毎月始めに栄養士が作成 した食事計画や食料雑貨購入品リスト、デモンストレーション形式 の料理ビデオ、食料品店ツアー、無料のiPhoneアプリなどが提供さ れました。  しかし、試験の間、カロリーの計算をしたり、摂取量のサイズ計 量をしたり、厳しい規則を厳守するようなことはしませんでした。  その結果、食事変更前と比較して、果物と野菜の摂取が増加した 一方で、肉と乳製品摂取が減少しました。  また、看護師の74%(19人中14人)は、試験開始前と比較してコ レステロール値が平均18mg/dL低下 しました。中でも6人は、コレ ステロールが45〜60mg/dL低下しました。  また、半数以上(10人)は、平均体重で約2kg(約0.7〜4.1kgの範 囲)減少しました。さらに、30%(6人)は、活力の増加、41%(8人)は、 健康に関して大いに満足していると回答しています。  以上の結果から、有益な個人レベルの健康利益をもたらす今回の 果物、野菜中心の菜食プログラムは、患者ケアや、看護学生に対す る授業において、より多くの人々に有益な影響を与えることが出来 ると結論づけました。 【文献】 Evans, J. et al.: A Plant-Based Nutrition Program. Am. J. Nurs., 117: 56-61. (2017) [doi: 10.1097/01.NAJ.0000513289.14377.0f] ────────────────────────────── ■ 文献紹介:栄養補助食品の有害事例はほとんど報告されていない!  国立健康・栄養研究所や静岡大学大学院薬学研究科の研究チーム は、機能性成分やビタミンなどの栄養補助食品(サプリメント)の 利用による有害事例に対し、消費者、医療従事者(医師、薬剤師)と も、行政機関に報告している症例は少ないと「栄養学誌」に発表し ました。  医療従事者が報告しないのは、サプリメントと有害事象との因果 関係の証明が難しいからというのが主な理由でした。また、有害事 象をどこに報告したらよいか分からないなどの回答もありました。  わが国では、機能性成分やビタミンのサプリメントなど健康食品 の使用が増加し、健康食品使用に関連する有害事象の発生が顕著と なっています。重篤な有害事象は、保健所などを通し、行政機関に 届出なければなりません。  しかしながら、行政機関に報告された症例数は極めて少ないと言 われていました。これらの矛盾を明らかにするため、研究者らは、 インターネット調査を実施し、医療従事者(医師、薬剤師)、消費者 が、健康食品使用による有害事象を認めた際、どのように対応した かについて、調査を行いました。  研究では、2015年11月、インターネットを通じ、 消費者2732人、 医師515人、薬剤師515人を調査しました。  その結果、消費者(2732人)の8.8%は、有害事象(下痢、便秘、 腹痛、頭痛、吐き気、胸のむかつき、嘔吐)を経験しているにも関 わらず、多くは、保健所に報告していませんでした。一方で、有害 事象が原因で病院を受診していた消費者もいました。  患者が健康食品使用による有害事象を生じた場合、医師や薬剤師 がどのように対応したのかについて調査した結果、ほとんどの医師 や薬剤師は、有害事象の因果関係が証明できず、これらの症例を保 健所に報告していませんでした。また、これらの有害事象に関して、 どこに報告するべきか分からない医師と薬剤師もいました。  今回の調査から、行政に対し有害事例の報告数が少ない理由が明 らかとなりました。消費者だけでなく、医師、薬剤師に対しても、 有害事例を保健所に報告するよう推奨することが重要です。  さらに、因果関係を分析するツールの利用の推進が医師や薬剤師 の報告を促進するのに役立つ可能性があると、研究者らは述べてい ます。 【文献】 Chiba, T. et al.: Behaviors of consumers, physicians and pharmacists in response to adverse events associated with dietary supplement use. Nutr. J., 16: 18. (2017) [doi: 10.1186/s12937-017-0239-4] ────────────────────────────── ■ 文学の中の果物:夏(寺田寅彦)  食堂や写真部はもちろん、理髪店、ツーリスト・ビュロー、何で もある。近頃郵便局の出来たところもある。職業紹介所と結婚媒介 所はいまだないようであるが、そのうちに出来てもよさそうなもの である。今でも見合いのランデヴーには毎日のように利用されてい るくらいである。球戯場などもあっても差支(さしつか)えはない。  しかし百貨店の可能性がまだどれほど残されているかは未知数で ある。その一つの可能性として考えられるものは、軽便で安価な 「知識の即売」である。法医工文理農あらゆる学問の小売部を設け ることである。  親類に民事上の訴訟問題でも起りかかった場合に、われわれはあ る具体的の法律上の知識の概要を得ておきたくなる。そういう時に、 もし百貨店で買物をした節に十分か十五分の時間と二円か三円の金 を費やして要領を得ることが出来れば便利である。  わざわざ医者にかかるほどでもないちょっとしたできものを診て もらって適当な療法を教わったり、また病気であるかないか分らな いようなからだの工合を話して意見を聞くようなことが、あたかも 鉛筆一本、ハンケチ一枚買うように気軽に出来れば便利である。  家を建てようと思う人が自分の素人設計図を見せてまずい所を直 してもらったり、ちょっとした器械でも買う場合に目的を話して適 当なものを選定してもらわれれば好都合である。メロンを作ってみ たいと思う人が自分の畑の適否を相談し、栽培法の要領を教われれ ば軽便である。  もう少し実用を離れた知識でもわれわれは時に自分の畑違いの事 で一通りのことを心得ておきたい場合がある。書物を読めばいいと したところで第一どういう本を読んでいいのかそれが分らない。そ ういう場合にもし百貨店で買物の節に軽便安直な知識を購入出来れ ば工合がいい。たとえば相対性原理とはどんな事か、マルキシズム とは何か、バロック芸術とは何、ベースボールとは何、ジャズとは 何、そういうことが望みのままに早分りがすれば甚だ便利であり、 また時代に適応する所以(ゆえん)であるかもしれない。 【著者】 寺田寅彦(てらだ とらひこ、1878年〜1935年)。実験物理学者、 随筆家、俳人。夏目漱石の門下。 ────────────────────────────── ■ くだものいちば  今回は、京都市中央卸売市場に入荷している果物について紹介し ます。入荷量が多いのは、清見、リンゴ、スイカ、イチゴ、メロン などです。長崎のビワも入荷しています。 ネーブルオレンジ、レモン、グレープフルーツはアメリカ産です。 甘ナツミカンは熊本産です。 清見、ハッサクは和歌山産です。 リンゴ(ジョナゴールド、ふじ、王林)は青森産です。 ビワは長崎産です。 イチゴ(あまおう、ほのか)は福岡、熊本、大分、佐賀産です。 メロン(アールス、アンデス、アムス、クインシー)は静岡、高知、 熊本産です。 スイカは熊本産です。 バナナはフィリピン産です。 パイナップルはフィリピン産です。 キウイフルーツは福岡、ニュージーランド、韓国産です。 「くだものいちば」は青果物市況情報を参考に作成しています。ht tps://www.seisen.maff.go.jp/seisen/bs04b040md001/BS04B040UC010SC999-Evt001.do ────────────────────────────── ■ 編集部より  国立健康・栄養研究所の調査からサプリメントなどの健康食品の 摂取による有害事象が予想以上に多いことが分かりました。病院に いった事例も報告されています。やはり、健康は食事からですね。 くだもの広場の記事で、果物好きの人は、「食事に手をかけ」てい るとのアンケート結果も大変興味深いです。(tnk)  日中には真夏のような日もあれば、朝晩は少し暖房が欲しい日など、 気温の変化が激しいこの頃ですが、春から初夏に向けての確かな季節 の移ろいを感じます。 果物売り場では、甘夏、ポンカン、清見、不 知火(デコポン)等の晩柑類に加えて、せとか、はるみ、はるか等の 新顔の柑橘類を含めて「春みかん」というジャンルが新しい旬の楽し みになりましたね。また、心待ちにしていた「びわ」もそろそろ。(KM) ────────────────────────────── ◆発 行◆ 公益財団法人中央果実協会 kudamononews@kudamono200.or.jp Copyright(C) 2011-2017.  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