毎日くだもの200グラムメールマガジン □■□ くだもの&健康ニュース Vol.130 ■□■ 2017年4月7日(金)配信 みなさん、こんにちは! オーストラリアの調査から、果物を食べると心理的ストレスも改善 されることが分かりました。 ───────────────────────────── 毎日くだもの200グラム以上食べましょう! 公式ホームページは下記です。 http://www.kudamono200.or.jp ────────────────────────────── <<< 本日のメニュ− >>> ・ 季節の便り ・ くだものレシピ:マンゴー ・ くだもの広場:「28年度果物の消費に関する調査」   (連載 第1話 調査項目と事前調査) ・ 文献紹介:毎日の果物と野菜の摂取で心理的ストレスを遠ざける ・ 文学の中の果物:牧野富太郎自叙伝 第二部 混混録(牧野富太郎)           日比谷公園全体を温室にしたい ・ くだものいちば ・ 編集部より ────────────────────────────── ■ 季節の便り    春雨やふるもふらぬも花のため    − 正岡子規 ────────────────────────────── ■ くだものレシピ:マンゴー ○ メキシカンスイーツ、チリマンゴー (メキシコ人にとって)マンゴーは日本人の柿のようなもの。自然の甘 みをチリとレモン、ハニーでもっと美味しくする。酸味、辛み.と甘味 のハーモニー。 材料(2人分)  マンゴー 大1個、タジン 適量、ハニー 適量 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 https://cookpad.com/recipe/4272648 ○ カラフルピクルス(野菜&フルーツ)  作り置きができて便利 材料(2人分)  《フルーツピクルス》お好きなフルーツ(マンゴー・リンゴ・ブ ドウなど) 200g程度、生姜(薄切り) 5g《ピクルス液》リンゴ 酢 100cc、はちみつ 100g、塩 2つまみ、など。 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 https://cookpad.com/recipe/4441439 ────────────────────────────── ■ くだもの広場:「28年度果物の消費に関する調査」   (連載 第1話 調査項目と事前調査)  前号でお知らせしたとおり、28年度の調査目的は、「果物好きはどの ようにして生まれるのか?」を探るものです。 第1話では、調査項目と事前調査についてのお話しです。 おじさん:これまでの果物の消費についての各種の調査では、果物の消 費量や摂取意識についての現状や将来意向を調査し、消費量の多い人と 少ない人を比較するデータが多いよね。 ミカ:若い人の消費が少なくて高齢者は多く食べてるとか、男性と女性 では明らかに女性の方が消費量が多いとかね。  その他にも、家庭の主婦は多く食べるけど、外で仕事をしている人は 少ないとか、生活や働き方の違いでも消費量に差が見られたよね。 リン:消費についての意識では、果物は健康維持に良いことは多くの人 はわかっているけど、「値段が高い」、「皮むきが面倒」などの理由で 実際には食べてないってこともあったよね。 おじさん:よく覚えているね。全体の傾向はミカさんやリン太君の言う とおりだけど、果物の消費が少ない若い人の中でもしっかりと果物を食 べている人もいるので、このような「果物好き」を増やすための糸口を 探るため、消費が少ない20〜30歳代の若者層を対象に、幼少期の食習慣 や食育の状況、果物に関する体験等を調査し、「果物好き」と「それ以 外」の人でどのように違いがみられるのかを分析したんだよ。 ミカ、リン:調査対象を若者に絞ったのは正解だよね。おじさんの子供 の頃の話はよく聞くけど、今の私たちとは時代が随分違うので、話が合 わないもんねえ。 おじさん:調査項目については、現在の食習慣や健康意識、幼少期の家 庭で食育の状況、幼少期の学校での食育の状況等についてアンケートで 調査をしたんだよ。調査の詳しい内容は、次回から順番にお話しするか ら期待していてね。 ミカ:では、「果物好き」ってどのような人を調査したの? おじさん:良い質問だね。単純に若い人を対象にアンケート調査をして も、果物を多く食べている人が少ないので「果物好き」の人の声が集ま らないんだよ。このため、事前調査で「果物好き」の人を選んでおいて、 本調査で詳しく質問する形の2段階で調査したんだよ。 「果物好き」、「それ以外」でそれぞれ約1,000人で合計約2,000人から の回答を集めたんだ。 ミカ、リン:それで、「果物好き」の人って? おじさん:「果物積極摂取層」は、週に3日以上果物を食べており、か つ、果物に関する意識等として、「果物の無い生活は考えられない」、 「家には果物が常備されている」、「果物売り場を必ず覗く」、「旬の 果物が楽しみ」、「皮を剥いたりするのが面倒と感じるか」等の項目に 2個以上該当する人としてサンプル抽出したんだ。  それで、「果物積極摂取層」は「それ以外」と比較して、摂取頻度は 多いし、意識等の項目にも「あてはまる」との回答が高いのは当たり前 だけど、ひとつの質問だけ差が見られなかったんだ。 リン:それってどんな質問? おじさん:実は「皮を剥いたりするのが面倒と感じるか」については、 6割程度が面倒と感じており、両者にほとんど違いが無かったんだ。  これまでの調査では果物を食べない理由に「皮を剥くのが面倒」と の答えが多くあったので、「果物好き」はあまり面倒と感じていない のではと思っていたけど、誰でも面倒と感じているんだね。  でも、面倒であっても、「果物好き」はしっかりと食べているって いうことでもあるよね。  次回は、「果物好き」の食習慣や食意識についてのお話だよ。 ────────────────────────────── ■ 文献紹介:毎日の果物と野菜の摂取で心理的ストレスを遠ざける  オーストラリア、シドニー大学の研究チームは、毎日果物と野菜 を十分に摂取していると心理的ストレス(うつや苦痛など)の発生 率を下げることが出来ると、医学誌「BMJオープン」に発表しまし た。  オーストラリアに住む45歳以上の約6万人を対象として、果物と 野菜の摂取量などの生活因子や心理的ストレスを測定しました。  心理的ストレスは、様々な不安や抑うつを測定する10項目の質問 票である「ケスラー心理的苦痛尺度」を用いて測定しました。また、 果物と野菜の摂取量は、質問票を用いて評価しました。  調査開始時点で、ストレスを受けやすい人の特徴は、1 女性であ ること、2 若年であること、3 教育水準および収入が低いこと、4 過体重または肥満であること、5 現在喫煙者であること、6 身体活 動が不活溌な人でした。  今回の調査の主な結果は以下の通りです。 1)果物と野菜を毎日5〜7サービング食べる人は、毎日0〜4サービ ング食べる人よりも、ストレスのリスクが14%低いことが分かりま した。 2)女性で果物と野菜を毎日5〜7サービング食べる人は、毎日0〜1 サービング食べる女性よりも、ストレスのリスクが23%低いことが 分かりました。 3)女性で果物を毎日2サービング食べる人は、毎日0〜1サービング 食べる女性よりも、ストレスのリスクが16%低いことが分かりまし た。 4)野菜を毎日3〜4サービング食べる人は、毎日0〜1サービング食べ る人よりも、ストレスのリスクが12%低いことが分かりました。 5)女性で野菜を毎日3〜4サービング食べる人は、毎日0〜1サービン グ食べる女性よりも、ストレスのリスクが18%低いことが分かりま した。  以上の結果から、果物と野菜を毎日、十分に摂取すると、心理的 ストレスの発生が少なくなることを支持しています。  今回得られた知見は、これまでの多数の調査研究の結果に合致す るものでした。従って、果物と野菜の摂取は、うつになるリスクが 低いこと、および幸福度が高くなることが、複数の心理的健康指標 での評価から明かとなりました。 【文献】 Nguyen, B. et al.: Fruit and vegetable consumption and psychological distress: cross-sectional and longitudinal analyses based on a large Australian sample. BMJ Open. 7: e014201. (2017) [doi: 10.1136/bmjopen-2016-014201] ────────────────────────────── ■ 文学の中の果物:牧野富太郎自叙伝 第二部 混混録(牧野富太郎)           日比谷公園全体を温室にしたい  東京の日比谷公園全体を一大温室にして、中に熱帯地方のパーム 類、タコノキ類、羊歯(しだ)類、蘭類、サボテン類などをはじめ として種々な草木を栽(う)え込んで、内部を熱帯地に擬(な)ぞ らえ、中でバナナも稔ればパインアップルも稔り、マンゴー、パパ 〔イ〕ヤ、茘枝(れいし)、竜眼など無論の事、コーヒー、丁字 (ちょうじ)、胡椒、カカオなどの植物も盛んに繁茂して花が咲き 実が実り、その他花の美麗な、また葉の美観な観賞草木を室内に充 満する程栽え渡し、その植物間を自由に往来が出来るように路を通 し、また大なる池を造り彼の有名な大玉蓮すなわちヴィクトリア、 洋睡蓮、パピルスなどを養いて景致を添える。  処々にコーヒー店、休憩所、遊戯場などを設備し、また宴会場、 集会所、演奏場などその他万般の設備を遺憾なく整え、中へ這入れ ばわが身はまるで熱帯地にいる気分を持つようにする。また動物は 美麗な鳥、金魚のような魚、珍奇な爬虫類などを入れてもよいと思 うが、動物は汚い臭い糞をひり出すのでその辺の注意が肝要である。  何をいえわが帝都の真ん中へ類の無い一つの別世界を拵える事で あれば、これは確かに東洋、特にわが日本の誇りの一つにもなろう。 私は東京市が思い切ってこのような大々的規模のものを作らん事を 希望するが、小っぽけな予算でさえ頭を悩ましている現代では、と ても右のような計画は思いも寄らない事で、マー当分は問題になら んならん。 ────────────────────────────── ■ くだものいちば  今回は、神戸市中央卸売市場本場に入荷している果物について紹 介します。入荷量が多いのは、デコポン、清見、リンゴ、スイカ、 イチゴなどです。 甘ナツミカンは広島産、清見、デコポンは徳島産です。 レモンはアメリカ産です。 リンゴ(ふじ、ジョナゴールド)は青森産です。 イチゴ(ゆめのか、ほのか、さちのか、あまおう、など)は長崎、 熊本、福岡、兵庫産です。 メロン(アールス、アンデス、など)は静岡、高知、鹿児島産です。 スイカは熊本産などです。 「くだものいちば」は青果物市況情報を参考に作成しています。 https://www.seisen.maff.go.jp/seisen/bs04b040md001/BS04B040UC010SC999-Evt001.do ────────────────────────────── ■ 編集部より  果物を食べればストレスが減少し、幸福度が高まるという医学結 果など、研究が進めば進むほど果物の摂取の大切さが明かとなって きています。春を知らせる桃の花を眺めつつ、コペルニクス的転回 が起きて果物重視の日が来ることを楽しみにしています。(tnk)  桃の花がそろそろ見頃になっています。「桃源郷」の言葉通り春爛 漫を感じることができ、各地で花祭りが開催されています。 ただ、桜とは違って農家の果樹園ですので、トラブルの無いように 上手に楽しんでいただき、是非とも農家の人とお友達になってくださ い。(KM) ────────────────────────────── ◆発 行◆ 公益財団法人中央果実協会 kudamononews@kudamono200.or.jp Copyright(C) 2011-2017.  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