毎日くだもの200グラムメールマガジン □■□ くだもの&健康ニュース Vol.64 ■□■ 2014年5月16日(金)配信 みなさん、こんにちは! WHOの糖類摂取についての新聞記事への読者の疑問に回答。 ───────────────────────────── 毎日くだもの200グラム以上食べましょう! 公式ホームページは下記です。 http://www.kudamono200.or.jp ────────────────────────────── <<< 本日のメニュ− >>> ・ 季節の便り ・ くだものレシピ:サクランボ ・ くだもの広場:「河内晩柑」というおいしいカンキツを食べま          したが、どんなカンキツですか。 ・ 文献紹介:果物と野菜の摂取で世界中の脳卒中が減る ・ 花実好きの家庭果樹だより:かき ・ 文学の中の果物:学校の桜の木(小川未明) ・ くだものいちば ・ 読者から:WHOの勧告案の新聞記事について ・ 編集部より ────────────────────────────── ■ 季節の便り   茎右往左往菓子器のさくらんぼ    − 高浜虚子 ────────────────────────────── ■ くだものレシピ:サクランボ ○ さくらんぼクラフティー  混ぜて焼くだけの簡単スイーツです。 材料(26センチくらいの型)  サクランボ 300gくらい(お好みで)、レモン汁 大さじ3杯、生 クリーム 200立法センチ、卵(L) 2個、オレンジキュラソー(ブランデー) 少々、など。 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 http://cookpad.com/recipe/2279967 ○ サラダ麺  サラダ麺つゆで簡単にできちゃった! 材料(2人分)  ソーメン 2束、キューリ 半分、ミニトマト 3〜4個、ハム 2枚、 長いも 2〜3センチ、さくらんぼ 数個、など。 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 http://cookpad.com/recipe/1883016 ────────────────────────────── ■ くだもの広場:「河内晩柑」というおいしいカンキツを食べま          したが、どんなカンキツですか。 果物大好きのミカさんが、なにか聞きたそうに、博士のところに やって来ました。 ミカ:こんにちは。河内晩柑というおいしいカンキツを食べました    が、どんなカンキツですか。 博士:風味と外観がグレープフルーツに似ていることから、「和製    グレープフルーツ」とも言われるが、グレープフルーツのよ    うな苦みはなく酸味も強くなくて、ソフトな口当たりで、さわや かな香りを持ち、ジューシーで上品な甘酸っぱさが味わえる、 とっても美味しいかんきつだね。サイズはなつみかんと同じ くらいで3月下旬〜6月頃まで出回っているね。 ミカ:ほんとうに今まで食べたことがないようなさわやかな味わい    のあるカンキツだったです。どこで作っているんですか。 博士:生産量は8000トンあって、7割を愛媛県で、3割弱を熊本県で    生産しているね。 ミカ:どうしてカワチバンカンというのですか。 博士:大正時代に熊本県の河内町で発見された晩生の柑橘というこ    とでつけられた名前だね。でも、産地ごとに名前が付けられ    ているね。大産地の愛媛県では、地元の地名から「美生柑」    「愛南ゴールド」「宇和ゴールド」、熊本県では「天草晩柑」    「ジューシーフルーツ」など様々の名前が付いているね。 ミカ:だから、名前があまり知られていないんですね。 博士:そうかも知れないね。もともとそれほど名前が知られていな    くて、しかも熊本県の小さな町の名がついていたから、各産    地でも新たに名前をつけたのかな。逆に、熊本県果実連の商    標である「デコポン」は有名だったので、どの県でも「デコポン」    という名前を使っているね。 ミカ:こんなに美味しいんだから名前を統一して大いに宣伝すると    もっと人気が出るような気がしますね。食べ頃の旬はいつで    すか。 博士:河内晩柑は、晩柑と言うように、樹上で冬を越して春以降に    収穫するんだね。だから、春から初夏にかけて収穫されたも    のはとても果汁が多くみずみずしい食味を楽しめるね。逆に    夏まで木成りで熟成させると、適度にその水分が抜け、さっ    ぱりとした甘味の食感が楽しめるよ。 ミカ:食べる楽しみが増えるから、みんなにも教えてあげよーっと。 ────────────────────────────── ■ 文献紹介:果物と野菜の摂取で世界中の脳卒中が減る  中国、青島大学の研究チームは、もっと果物と野菜を食べれば、 世界中の脳卒中が減少すると医学雑誌「脳卒中」に発表しました (文献1)。  研究チームは、果物と野菜の摂取量と脳卒中のリスクについて過 去19年にわたって発表された20件の研究についてメタ分析を行いま した。アメリカの6論文、ヨーロッパの8論文、アジア(日本と中国) の6論文で、解析対象者は、男女あわせて760,629人でした。  解析の結果、一日200グラムの果物の摂取で脳卒中のリスクが32% 減少することが分かりました。また、一日200グラムの野菜の摂取 では、脳卒中リスクが11%減少しました。  研究チームは、果物と野菜の摂取が多いことが血圧を下げ、毛細 血管機能を改善するためと考えています。また、果物と野菜の摂取 は、体格指数(BMI)、腹囲、コレステロール、炎症、酸化ストレスなど にも好影響を与えていました。  脳卒中のリスクに対する果物と野菜の好影響は、男女共に一貫し て認められ、脳卒中の種類(脳梗塞か脳出血か)にも関係なく認め られました。年齢に関しても55歳以上か以下かでも有意な差は認め られませんでした。  果物と野菜の摂取量が低いのは世界的に認められる傾向で、とく に貧しい国で多いことがわかったと、研究者らは述べています。  また、WHO(世界保健機構)では、果物と野菜を一日600グラムに 増やせば、世界的に脳卒中のリスクが19%減少すると述べています (文献2)。 【文献】 1) Dan, H., et al.; Fruits and Vegetables Consumption and Risk of Stroke. A Meta-Analysis of Prospective Cohort Studies. Stroke. online May 8, (2014) [doi: 10.1161/?STROKEAHA.114.004836] 2) WHO: The global burden of disease attributable to low consumption of fruit and vegetables: implications for the global strategy on diet. Bulletin WHO, 83: 81-160. (2005) http://www.who.int/bulletin/volumes/83/2/lock0205abstract/en / ────────────────────────────── ■ 花実好きの家庭果樹だより:かき    かき(太秋)の蕾が数個着きましした。 緑の小さな蕾は下記のサイトにあります。 http://www.kudamononet.com/kudamono200/back_number/K&K064phto1.html  鉢植えで、やっと付いた蕾なので収穫が楽しみです(花実好き)   ────────────────────────────── ■ 文学の中の果物:学校の桜の木(小川未明)  ある、小学校の運動場に、一本の大きな桜の木がありました。枝 を四方に拡げて、夏になると、その木の下は、日蔭ができて、涼し かったのです。  子供たちは、たくさんその木の下に集まりました。中には、登っ て、せみを捕ろうとするものがあれば、また、赤くなったさくらん ぼを取うとするものもありました。  桜の木は、ちょうどお母さんのように、子供たちのするままに委 (まか)していました。そして、子供たちの、楽しそうに遊ぶよう すを見下しながら、いつも、にこにこと笑っているように見受けら れました。 「太い木だなあ。」といって、無邪気な子供たちは、小さな両手を 開いて、太い幹に抱ついて、見上げるものもあれば、 「いい木だなあ。」と、いまさらのように、感心して、ながめるも のもありました。  年老(としと)った木は、かわいらしい子供たちに、こんなこと をされるのが、さもこのうえもなくうれしそうでありました。  そのうちに、上のほうの子供たちは、六年の修業を終えて、学校 から出てゆきました。そして、また、幼い子供たちが、新しく入て きました。  その子供たちは、みんながしたように、この桜の木の下で遊びま した。桜の木は、春にはらんまんとして、花が咲いたのであります。 夏は、また日蔭ができて、そこだけは、どこよりも涼しい風が吹い たのであります。 ────────────────────────────── ■ くだものいちば  今回は、水戸市公設地方卸売市場に入荷している果物について紹 介します。入荷量が多いのは、リンゴ、イチゴ、メロン、スイカな どです。ビワも取り扱われています。 リンゴ(ふじ、王林)は青森産 ウンシュウミカンは愛媛、愛知産、甘ナツミカンは愛媛産です。 ビワは長崎産です。 イチゴ(とちおとめ、など)は茨城産です。 メロン(アールス、アンデス、クインシー、など)は高知、茨城産 などです。 スイカは熊本、茨城産です。 「くだものいちば」は青果物市況情報を参考に作成しています。 https://www.seisen.maff.go.jp/seisen/bs04b040md001/BS04B040UC010SC999-Evt001.do ────────────────────────────── ■ 読者から:WHOの勧告案の新聞記事について  お世話になります。先日、日経新聞(2014年5月11日)に掲載さ れた砂糖についてのWHO(世界保健機構)の勧告案の記事について お尋ねします。記事によると「果物食べ過ぎ注意」として、果物の 糖類について、飲料や菓子の糖類と同じように摂取量を減らすよう に記されていますが本当ですか。メルマガ61号を読んだ印象とだい ぶ異なるのですが、本当のところはどうなのか教えてください。お 客さんに聞かれてどう答えてよいか困っています。(大阪:果物屋 、東京:知りたがりや、名古屋:フルーツ一番) 【編集部より】  メールありがとうございました。この記事についてはあちこちか ら問い合わせが来ています。  WHOの砂糖についての勧告案はメルマガ61号に掲載された論文 (文献1)を基としているので、勧告案には生鮮果物は含まれてい ません。WHOでは砂糖(転化糖を含む)を添加してある清涼飲料水 を問題としており、今回の勧告案ではその摂取量を減らすのが目的 です。  日本の報道では、そのことが記されていませんがCNNのニュース (2014年3月6日)の中では、はっきりと「生鮮食品は含まない」と 記述されています(文献2)。  また、WHOは各国の政府に対して果物と野菜の摂取量を一日あた り600gに増やすように勧告しています(文献3)。今号の文献紹介 でも取り上げましたが、WHOでは果物と野菜を一日あたり600g摂取 すれば、心臓病を31 %、脳卒中で19%減らせると述べています。  驚かれるかもしれませんが、基本的にWHOと「くだもの&健康ニ ュース」の考え方は同じです。なぜなら、信頼できる同じ論文を基 として理論構築されているからです。従って、「毎日くだもの200 グラム」を変更する必要はありません。  今回の記事は、WHOが根拠としている医学論文を読んでいないため に誤解が生じたものと推測しています。 【文献】 1) Morenga, L.T. et al.: Dietary sugars and body weight: systematic review and meta-analyses of randomised controlled trials and cohort studies. BMJ, 346: e7492. (2013) [doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.e7492 ] 2) CNN: WHO-proposed sugar recommendation comes to less than a soda per day. Mar. 6, (2014) http://edition.cnn.com/2014/03/06/health/who-sugar-guidelines/ 3) WHO: The global burden of disease attributable to low consumption of fruit and vegetables: implications for the global strategy on diet. Bulletin WHO, 83: 81-160. (2005) http://www.who.int/bulletin/volumes/83/2/lock0205abstract/en/ ────────────────────────────── ■ 編集部より  WHOの勧告案に対して、関係する医学論文を読まずにコメントして いる解説者がいるようです。こうした人たちに果物の力や魅力をお 伝えするにはどうすればよいのかと、考えさせられる日々です。(tnk)  カルフォルニア産のミネオラオレンジを食べました。皮にナイフ で軽く十字に切れ目を入れると簡単に皮がむけ、袋の皮も薄くて食 べやすく、甘いオレンジのようなジューシーな食味です。価格的に も安いので、国産の晩柑類の手強い競争相手になるようで心配です。(HK) ────────────────────────────── ◆発 行◆ 公益財団法人中央果実協会 Copyright(C) 2011-2013.  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