毎日くだもの200グラムメールマガジン □■□ くだもの&健康ニュース Vol.40 ■□■ 2013年3月15日(金)配信 みなさん、こんにちは! 今週はキウイフルーツの特集です。 ───────────────────────────── 毎日くだもの200グラム以上食べましょう! 公式ホームページは下記です。 http://www.kudamono200.or.jp ────────────────────────────── <<< 本日のメニュ− >>> ・ 季節の便り ・ くだものレシピ:キウイフルーツ ・ くだもの広場:家庭での生鮮果物の購入量が大きく減っている と聞きましたが、どれくらい減っていますか。 ・ 文献紹介:生活習慣改善への行政介入の支持、不支持 ・ 文献紹介:リスク因子と高齢者の10年後の生存率 ・ 花実好きの家庭果樹だより:ウメ ・ 文学の中の果物:庭(芥川龍之介) ・ くだものいちば ・ 編集部より ────────────────────────────── ■ 季節の便り    草籠をおいて人なし春の山      − 正岡 子規 ────────────────────────────── ■ くだものレシピ:キウイフルーツ ○ 豚肉ソテーのご馳走ベジフルサラダ  豚肉とお野菜とキウイフルーツのごちそうサラダ 材料(2人分)  キウイフルーツ(皮を剥き8等分の角切り) 1個、豚肉(肩ロー ス・ソテー用) 2枚、キャベツ(千切り) 3枚、キュウリ(斜め薄切 り) 1本、トマト(1口大) 1/2個、オリーブオイルなど。 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 http://cookpad.com/recipe/1637115 ○ タコとキウイのピリ辛サラダ  イワシのエキスのコクを生かした魚介類とキウイフルーツのサラダ 材料(4人分)  キウイフルーツ 1個、タコ 80g、エビ 80g、玉ねぎ 1/4個、サ ニーレタス 大4枚、コチュジャン 大さじ1杯、イワシのエキス 小 さじ1杯など。 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 http://cookpad.com/recipe/2142719 ────────────────────────────── ■ くだもの広場:家庭での生鮮果物の購入量が大きく減っている          と聞きましたが、どれくらい減っていますか。  果物大好きのりん太君が、なにか聞きたそうに、博士のところに やって来ました。 りん:こんにちは。家庭での生鮮果物の購入量が大きく減っている    と聞きましたが、どれくらい減っていますか。 博士:こんにちは。先月、公表された、総務省の家計調査年報の平    成24年版をみると、二人以上世帯の1人当たり生鮮果実購入    数量は、全体で76g、うち1位がバナナで18g、2位がみかんで    11g、3位がりんごで10gなんだ。    でも、昭和50年は、全体で136g、1位はみかんで55g、2位は    バナナで14g、3位はりんごで12gだったんだ。バナナは3割    程度増えたものの、みかんは5分の1に大きく減少し、りんご    も2割程度減少して、全体では半減しているんだよ。 りん:どうして、そんなに減っているんですか。 博士:生鮮果実は、国産果実が多いから、国産果実の生産量の減少    に比例するように減っているんだね。平成22年の国産果実生産    量290万トンは、昭和50年の670万トンに対して4割近くまで減    少しているんだ。 りん:生産が大きく減少している国産果物はなんですか。 博士:昭和50年と比べると、みかんが5分の1に、ももが半減、なし、    ぶどう、かきが6割台に、りんごは9割弱に減少しているね。 りん:主な果物は軒並み減っているんですね。増えている果物はあ    りますか。 博士:主なものでは、なつみかんやオレンジ以外のその他のかんき    つ類が4割、うめとさくらんぼが5割位増えているくらいだね。 りん:どうしたら国産果物の生産を増やすことができますか。 博士:消費者が、日常の食生活の改善として果物を選ぶようになる    ことが一番だから、果物の良さをPRし続けることかな。それと    合わせて、消費者ニーズの多様化に対応して、新しい品種を    どんどん出して頑張っているりんごやその他のかんきつ類の    ように、生産サイドの工夫も大事なことだね。 ────────────────────────────── ■ 文献紹介:生活習慣改善への行政介入の支持、不支持  アメリカ、ハーバード大学の研究で、国民は食生活など生活習慣 を自発的に促すための政策には大変協力的ですが、威圧的な介入施 策は支持されないことがわかり、その研究結果が「健康問題」のオ ンライン版(2013年3月)に掲載されました。例えば、食事のメニ ューに栄養表示を義務づける施策など自発的に健康的な選択を行え る介入の支持率は高く、肥満の人に高い保険料を課すような施策は 不支持率が高いことが分かりました。  近年、アメリカでは、過食、運動不足、飲酒、喫煙などの生活習 慣にかかわる疾患の増加が問題となっています。そこで、議会はレ ストランでのトランス脂肪酸(植物油や魚油に含まれるトランス型 の脂肪酸で心臓病やがんの原因とされる)の使用を禁止したり、タ バコ税を増税したり、高いBMI(肥満度指数)を持つ学童を検査する ことで、生活習慣病のリスク因子を削減する政策を行っています。  けれども、このような介入は個人的選択を制約し、政府の権限範 囲が行き過ぎると批判する人もいます。そのため研究者らは、国民 の支持が得られる介入施策とは何かを探るために調査が行われまし た。2011年10月にアメリカの成人1,817人を対象に調査が行われまし た。  様々なタイプの公衆衛生政策について支持するか否か、同時に支 持・不支持の選択に影響した要因についても調査しました。  その結果、ガン、心疾患、幼少期および成人の肥満、喫煙の予防、 糖尿病管理への助成、および飲酒量の減少といった政策に対しては 70%から90%という高い支持が得られました。  具体的には、果物や野菜を手頃な値段にするための施策、公立学 校で肥満の健康リスクに関する指導を促進する施策など健康的な選 択を促進するような介入施策に対しては、支持が非常に高いことが 分かりました。一方、罰則を伴う施策、例えば公共の場での喫煙に 対する罰則規定や肥満の人の保険料の増加などへの支持は低いこと が分かりました。  さらに、公衆衛生が専門の担当者が、施策に公共価値があると判 断している場合には、政府主導の公衆衛生施策は支持されていまし た。  研究者らは、健康施策は公共価値を広く伝えていくことが大切で、 介入は個人の健康についての選択をどのように支援するのか、ある いは、どうしてその施策が公平なのかということを伝えていく必要 があると述べています。 【文献】 Morain, S. et al.: Survey Finds Public Support For Legal Interventions Directed At Health Behavior To Fight Noncommunicable Disease. Health Aff March, 32: 486-496. (2013) [doi: 10.1377/hlthaff.2012.0609] ────────────────────────────── ■ 文献紹介:リスク因子と高齢者の10年後の生存率  アメリカ、カリフォルニア大学の研究チームは、50歳以上を対象 に2万人以上を調べたデータから、高齢者の10年生存率を予測する 「死亡率インデックス」を開発したと、「アメリカ医学会誌」のオ ンライン版(2013年3月)に発表しました。  研究では、アメリカの全国調査「リタイアと健康」調査の1995年 〜2008年のデータをもとにリスク因子と10年後の生存率にかかわる 「チェックリスト」を作成し、その数値を基に「死亡率インデック ス」を作成しました。  チェックリストはポイント制で、12項目の質問に「はい」か「い いえ」で答え、リスクがあればポイントが加算される仕組みです。 例えば、60〜64歳なら1ポイント、85歳以上だと7ポイントを加算 します。喫煙習慣、皮膚ガン以外のガン、慢性肺疾患、心疾患の持 病があれば2ポイント加算されます。  認知機能や身体機能については、お金の管理ができるか、1街区 を歩けるか、などの質問で、「いいえ」に対して1〜2ポイントを 加算します。  今回の研究は、2006年に発表した4年生存率についての研究が基 になっていますが、前回の短期生存率のリスク因子と、今回のより 長期のリスク因子には重なる部分がきわめて多いことが分かりまし た。こうした研究は緒についたばかりなので、さらなる研究の進展 が待たれています。 【文献】 Cruz, M. et al.: Predicting 10-Year Mortality for Older Adults. JAMA, 309: 874-876. (2013) [doi:10.1001/jama.2013.1184] ────────────────────────────── ■ 花実好きの家庭果樹だより:ウメ  寒さが緩んで、しだれウメが咲き出しました。 うすピンクのウメの花は、下記のサイトにあります。 http://www.kudamononet.com/kudamono200/back_number/K&K040phto1.html  本当に春を呼ぶ花です。(花実好き)  ────────────────────────────── ■ 文学の中の果物:庭(芥川龍之介)  長男は父の死んだ後、母と母屋に住まつてゐた。その跡の離れを 借りたのは、土地の小学校の校長だつた。校長は福沢諭吉翁の実利 の説を奉じてゐたから、庭にも果樹を植ゑるやうに、何時か長男を 説き伏せてゐた。爾来(じらい)庭は春になると、見慣れた松や柳の 間に、桃だの杏(あんず)だの李(すもも)だの、雑色の花を盛るやう になつた。校長は時々長男と、新しい果樹園を歩きながら、「この 通り立派に花見も出来る。一挙両得ですね」と批評したりした。し かし築山や池や四阿(あづまや)は、それだけに又以前よりは、一層 影が薄れ出した。云はば自然の荒廃の外に、人工の荒廃も加はつた のだつた。  その秋は又裏の山に、近年にない山火事があつた。それ以来池に 落ちてゐた滝は、ぱつたり水が絶えてしまつた。 ────────────────────────────── ■ くだものいちば  今回は、福岡市中央卸売市場に入荷している果物について紹介し ます。入荷量の多い果物は、ミカン、デコポン、リンゴ、イチゴ、 キウイフルーツなどです。まだわずかですがビワの出荷も始まりま した。 キウイフル−ツは福岡産などです。 リンゴ(ジョナゴ−ルド、ふじ、王林)は青森産です。 ウンシュウミカン(普通温州)は福岡、熊本、静岡産などです。 甘ナツミカン、イヨカンは愛媛産、ハッサクは和歌山、愛媛産、 清見は福岡産、不知火(デコポン)は佐賀産です。ネーブルオレン ジ、レモン、バレンシアオレンジ、グレ−プフル−ツはアメリカ産 です。 イチゴ(あまおう、ほのか、さちのか、など)は福岡、佐賀、長崎 産などです。 メロン(アールス、など)は鹿児島、韓国、静岡産などです。 スイカは熊本産です。 バナナ、パイナップルはフィリピン産です。 「くだものいちば」は青果物市況情報を参考に作成しています。 https://www.seisen.maff.go.jp/seisen/bs04b040md001/BS04B040UC010SC999-Evt001.do ────────────────────────────── ■ 編集部より  人の命と関わる情報は、「相手の利益に」を心がけています。そ のためには、医科学的に最も良い選択を紹介する必要があると考え ています。得てして食育などは、上から目線になりがちですが、今 回紹介したハーバード大学の研究は大変参考になりました。健康へ のアクションは自発的であることが大切と改めて思いました。(tnk) 平成24年の家計調査年報で、世帯当たりの品目別年間購入金額を みると、二人以上の世帯(平均3.07人))では、生鮮果物は34,832円 で、菓子類77,779円の2分の1以下です。ちなみに、生鮮野菜が64,299円 です。よく果物や野菜が高くて買えないと聞くのですが、菓子類を 下回る金額をみると、どう考えたものか迷います。(HK) ────────────────────────────── ◆発 行◆ 公益財団法人中央果実協会 Copyright(C) 2011-2013.  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