毎日くだもの200グラムメールマガジン □■□ くだもの&健康ニュース Vol.29 ■□■ 2012年8月24日(金)配信 みなさん、こんにちは! 残暑の厳しい夏のこまめな水分補給は果物から。 今週はブドウの特集です。 ───────────────────────────── 毎日くだもの200グラム以上食べましょう! 公式ホームページは下記です。 http://www.kudamono200.or.jp ────────────────────────────── <<< 本日のメニュ− >>> ・ 季節の便り ・ くだものレシピ:ブドウ ・ くだもの広場:世界の果物消費は増えていますか。 ・ 文献紹介:DASH食に心疾患のリスク軽減効果 ・ 文献紹介:医療センター内の農産物市場に期待 ・ 花実好きの家庭果樹だより:ブドウ ・ 文学の中の果物:葡萄棚(永井荷風) ・ くだものいちば ・ くだもの豆知識:世界最古のワイン醸造施設 ・ 編集部より ────────────────────────────── ■ 季節の便り   小説を読む窓さきや葡萄棚      − 正岡子規 ────────────────────────────── ■ くだものレシピ:ブドウ ○ ぶどうとチキンのブランチサンド  ブドウの甘みとスパイシーなチキンの相性ばっちりです!  ブドウを果物としてではなく、ご飯として頂きます! 材料 ( 2人分 )  ブドウ 適量、鳥もも肉 150g、ナッツ類 40g、塩、あらびきコシ ョウ 適量、ガーリック 少々、マヨネーズ 適量、マスタード 適量、など 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 http://cookpad.com/recipe/1868892 ○ ぶどうの肉巻き  巨峰の甘さで砂糖など余分なものは必要ありません。お弁当のお かず、ワインのおつまみにもおすすめです。 材料(3人分)  巨峰(種無し) 15粒、豚バラ 200g、トマトピューレ 大さじ3 杯、小麦粉 大さじ2杯。 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 http://cookpad.com/recipe/1574091 ────────────────────────────── ■ くだもの広場:世界の果物消費は増えていますか。  勉強熱心で果物には目がないミカさんが何か聞きたそうに博士の ところにやって来ました。 ミカ:こんにちは。世界中で果物の摂取増進を勧めていますが、果物    の消費は増えていますか。 博士:こんにちは。FAO(国連食糧農業機関)から2009年の世界各国の    果物消費量の統計(FAOSTAT)が7月に発表されたんだ。これを    みると、世界176カ国平均の1人1日当たり果物消費量は200gで、    1999年からの10年間に21%増加しているよ。 ミカ:日本はどうですか。 博士:我が国は10年間では1%減少で横ばいだけど、最近は減少傾向    にあり、2009年は144gで176カ国中127位だね。先進国の中でも    最低水準なんだよ。 ミカ:他の国はどうですか。 博士:欧州平均は251gで10年間に21%の増加、アジア平均は175gで38    %の増加、アメリカは2%減の横ばい傾向だけど303gの高水準だ    ね。ちなみにイタリア426g、イギリス343g、フランス314g、アメリカ    303gで我が国の2倍以上。アジアでもタイ293g、韓国202g、中国    198g、ベトナム169g、北朝鮮156gも日本を上回っているんだよ。 ミカ:日本はアジアの中でも少ない方なんですね。 博士:そうだよ。アジア41カ国の中で24位なんだ。しかも、アジアの    国々では消費を伸ばしているのに、日本のように消費水準が低    いままの国は珍しいんだよ。 ミカ:どうしてなんですか。 博士:1つ言えるのは、日本では果物の食べ方がデザートやおやつの    嗜好品だということ、嗜好品なので食べる量も少ないし、お菓    子などの競合品がいっぱいあるということかな。 ミカ:世界中が健康のため、野菜と同様に果物をもっともっと食べよう    と言っている中でホントに不思議な国ですね。どうしたらもっと    食べるようになりますか。 博士:欧米とは食生活が大きく異なるので真似をするのは難しいけど、    食生活が似ているアジアの国で、果物消費が増えている理由を    もっと研究することも必要だね。中国や韓国は国内生産量が増    えているし、生産が減少している品目も高水準にあるんだよ。 ミカ:消費を増やすには、供給サイドの対応も重要なんですね。 博士:そのとおりだね。 ────────────────────────────── ■ 文献紹介:DASH食に心疾患のリスク軽減効果 アメリカ国立心臓肺血液研究所(NHLBI)などが高血圧予防のために 開発したDASH食は、血圧降下とLDLコレステロールの改善効果が証 明されていますが、DASH食は心疾患(CHD)のリスクも減らす効果も 認めらると、ジョンズ・ホプキンス大学医学校の研究チームが「循 環器:心血管性質と転帰」に報告しています。  DASH食は、果物や野菜、低脂肪乳製品、全粒穀類、鶏肉や魚、ナ ッツ類に富んだ食事です。研究者らは、DASH食による心疾患リスク への効果を見出すことを目的に解析を行いました。  調査対象者は436人(平均年齢45歳)で、高血圧ステージT(140-1 59/90-99mmHg)または高血圧前症(120-139/80-89 mmHg)です。被験 者には、1)DASH食、2)典型的な米国食(低ミネラル・高脂質 食)、3)典型的な米国食+果物、野菜食のうち、どれか1つの食 事を無作為に割り当てられました。実験期間は8週間で、被験者の 体重の変動はありませんでした。  解析の結果、心疾患発症率は、DASH食群は典型的な米国食群より 18%リスクが下がることが分かりました。また、果物と野菜を加え た食事群では11%軽減していました。また、DASH食群では、LDLコレ ステロールが平均8%減少し、収縮期血圧は6mmHg降下していました。  以上の結果から、DASH食は心疾患の予防に効果があることが分か りました。また、典型的な米国食に果物と野菜を加えた食事群は、 DASH食群には及ばないものの効果が認められました。  研究者らは、多彩な食品を含み継続が難しくはないDASH食は、国 民の健康の維持増進に役立つと述べています。 【文献】 Chen, S.T. et al.: The Effect of Dietary Patterns on Estimated Coronary Heart Disease Risk - Results From the Dietary Approaches to Stop Hypertension (DASH) Trial. Circulation: Card. Qual. Outc., 3: 484-489. (2010) [doi: 10.1161/?CIRCOUTCOMES.109.930685] ────────────────────────────── ■ 文献紹介:医療センター内の農産物市場に期待  アメリカでは、医療センター内に農産物市場が増えており、地域 住民の健康増進や、生活習慣病の改善が期待されています。  アメリカでは、地産地消の機運が高まっていて、7175カ所のファ ーマーズマーケットがあります。このうち100カ所以上が医療センター 内に設けられています。  このうちのひとつ、「ハーシーズ農園市場」は、ペンシルバニア 州立大学のハーシーキャンパス内に設けられています。設立に際し て、同大学の医学部や人類学、科学部の研究者らが5つの理念を掲 げ、2010年春より週1回開催しています(「アメリカ公衆衛生雑誌」)。  その理念は、1)地産地消の促進、2)継続的に地元農家を支援 できる、3)地域社会に共同参画機会がふえる、4)巨大医療セン ターの職員と周辺住民が集う場となる、5)医療センターが存在す る地の利を住民が享受できる、です。  地域のスーパーや学校、職域において、様々な健康増進の取り組 みが試みられていますが、いずれも継続にはさまざまな障壁があり ます。しかし、医療センターであれば、運動学や心理学の専門家、 医療従事者には事欠かないので、週1回の開催にあたり、さまざま な取り組みを行うことができると研究者らは述べています。  たとえば、ヘルシーレシピを紹介したり、専門家による教育プロ グラムの実践を行ったりすることができます。学生や院生らが一般 を対象としたプログラムのマネジメント手法を身につける実践の場 になります  研究者らは、今後もこの取り組みの長期的な効果についても発信 していくとしています。 【文献】 George, D.R. et al.: Public Health Potential of Farmers' Markets on Medical Center Campuses: A Case Study From Penn State Milton S. Hershey Medical Center. Amer. J. Pub. Health, 101: 2226-2232. (2011) [doi: 10.2105/AJPH.2011.300197] ────────────────────────────── ■ 花実好きの家庭果樹だより:ブドウ  緑のカーテンのブドウ(ナイアガラ)が食べごろになってきました。  薄緑の艶のあるぶどうの房の写真は下記のサイトにあります。 http://www.kudamononet.com/kudamono200/back_number/K&K029phto1.html  ナイアガラの甘酸っぱい食感を楽しんでいます。(花実好き) ────────────────────────────── ■ 文学の中の果物:葡萄棚(永井荷風)  巷(ちまた)に秋立ちそめて水菓子屋の店先に葡萄(ぶどう)の 総(ふさ)凉しき火影(ほかげ)に照さるるを見る時、わが身には いつも可笑(おか)しき思出の浮び来(きた)るなり。およそ看る 物同じといへども看る人の心異(ことな)ればその趣もまた同じか らず。一茶(いっさ)が句には  一番の富士見ところや葡萄棚 といふがあり。葡萄の棚より露重げに垂れ下る葡萄を見上(みあ ぐ)れば小暗(おぐら)き葉越しの光にその総(ふさ)の一粒一粒 は切子硝子(きりこガラス)の珠(たま)にも似たるを、秋風のや やともすればゆらゆらとゆり動すさま、風前の牡丹花にもまさりて 危くいたましくまたやさしき限りなり。 ────────────────────────────── ■ くだものいちば  今回は福岡市中央卸売市場に入荷している果物について紹介しま す。取扱量の多い果物はナシ、モモ、スイカなどです。 ニホンナシ(幸水、豊水、二十世紀)は福岡、熊本、大分産などです。 モモ(川中島白鳳、清水白桃)は長野、岡山産などです。 スモモ(大石早生、など)は長野産です。 スイカは山形、大分、長崎産です。 メロン(アールス、ハネジュ、など)は熊本、アメリカ産などです。 ブドウ(デラウェア、巨峰、マスカット・オブ・アレキサンドリア、 ピオーネ、マスカットベリーA、、キャンベルアーリー、など)は 山形、、福岡、佐賀産などです。 ウンシュウミカン(ハウスみかん)は佐賀、大分産などです。 レモン、バレンシアオレンジはアメリカ産です。グレープフルーツ は南アフリカ産です。 リンゴ(ジョナゴールド、王林、ふじ)は青森産です。 バナナはフィリピン産です。 パイナップルは沖縄産です。 キウイフルーツはニュージーランド産です。 「くだものいちば」は青果物市況情報を参考に作成しています。 https://www.seisen.maff.go.jp/seisen/bs04b040md001/BS04B040UC010SC999-Evt001.do ────────────────────────────── ■ くだもの豆知識:世界最古のワイン醸造施設  アメリカ、カリフォルニア大学ロサンゼルス校などの国際考古学 研究チームは、イランとの国境に近いアルメニア南部の洞窟から、 今から6000年前(BC4000年)の足踏み式のワイン用ブドウ圧搾機、 発酵槽や貯蔵用の瓶などを発掘しました。ワイン製造を行った痕跡 としては、最も古く最も確実なものであるとしています。  最初に洞窟から粘土で固めて作られた直径1メートルの縁が盛り 上がった浅いたらいが1個見つかりました。また、そのすぐそばか ら、深さ60センチの大型の発酵槽1個と、ブドウ果汁を発酵させる 約50リットルの瓶も発掘されました。  この洞窟で発掘された発酵槽や瓶は、放射性炭素分析により紀元 前4100〜4000年のものと判定されました。    また、発見された瓶の中には、種や赤い色素が残されていました。 そこで、発見された色素を固相抽出し、液体クロマトグラフィー・ タンデム質量分析装置で解析したところ赤ブドウ酒特有の化学成分 であるマルビンと同定されました(文献)。  こうした科学分析の結果などから、この施設は、足踏み式のワイ ン醸造所であると判断されました。また、発見された醸造所の周り に、多くの墓があることから、作られたワインは、儀式に使われて いたのではないかと研究者らは推測しています。 【文献】 Barnard, H. et al.: Chemical evidence for wine production around 4000 BCE in the Late Chalcolithic Near Eastern highlands Original Research Article. J. Arch. Scie., 38: 977-984. (2011) ────────────────────────────── ■ 編集部より  「くだものレシピ」を読んでいると、果物は食事のあらゆる場面 に使えることが分かります。こうした美味しいレシピが、日常の食 事に定着すれば、果物の消費ものびるのではと思っています。その ためには、果物にまつわる誤解を解かなくては。(tnk)  立山に行ってきました。人の少ない登山道で雷鳥の親子に出くわ しました。逃げ足も遅く、動きがゆっくりしているので、外敵の少 ない高山にしか棲めないと納得しました。(HK) ────────────────────────────── ◆発 行◆ 公益財団法人中央果実協会 Copyright(C) 2011-2012.  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