毎日くだもの200グラムメールマガジン □■□ くだもの&健康ニュース Vol.28 ■□■ 2012年8月3日(金)配信 みなさん、こんにちは! 暑い夏には果物でこまめな水分補給を 今週はナシの特集です。 ───────────────────────────── 毎日くだもの200グラム以上食べましょう! 公式ホームページは下記です。 http://www.kudamono200.or.jp ────────────────────────────── <<< 本日のメニュ− >>> ・ 季節の便り ・ くだものレシピ:ナシ ・ くだもの広場:来年度からスタートする「健康日本21」の第2次          で、果物の摂取量増加を掲げた理由はなんですか。 ・ 文献紹介:閉経後の諸症状改善には食事内容が重要 ・ 文献紹介:ビタミンE、C、セレンの摂取で膵臓ガンのリスクが低下 ・ 花実好きの家庭果樹だより:ネクタリン ・ 文学の中の果物:佐渡が島 波の上(長塚節) ・ くだものいちば ・ くだもの豆知識:セイヨウナシ ・ 編集部より ────────────────────────────── ■ 季節の便り   昼淋し梨をかぢつて句を案ず      − 正岡子規 ────────────────────────────── ■ くだものレシピ:ナシ ○ 白菜と梨のあっさりサラダ  ナシの甘味でパクパク  材料 ( 4人分 )  ナシ 1個、白菜 1/8、モッツァレラチーズ(なくてもいい) 少し、 レモン 半分、オリーブオイル 大さじ3杯、塩コショウ 少々 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 http://cookpad.com/recipe/1683230 ○ 梨のカラメルコンポート  ナシをカラメルとバターで煮詰めます。冷やして食べてもよし、 アイスクリームに添えてもおいしいですよ。 材料(2人分)  ナシ 1〜1個半、グラニュー糖 40g、水 10t、バター 10g 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 http://cookpad.com/recipe/221871/ ────────────────────────────── ■ くだもの広場:来年度からスタートする「健康日本21」の第2次          で、果物の摂取量増加を掲げた理由はなんですか。  勉強熱心で果物には目がないミカさんが何か聞きたそうに博士の ところにやって来ました。 ミカ:こんにちは。「健康日本21」の第2次版では、果物の摂取量    増加を大きく掲げているようですが。 博士:こんにちは。「健康日本21」というのは、健康増進法に基づ    いた「21世紀における国民健康づくり運動」のことで、第2次    は平成25年度からの10年間を目標にしたものなんだね。    厚生労働省は、7月10日に基本方針を公表し、合わせて、推進    のための参考資料をホームページに掲載しているんだ。 ミカ:果物摂取についてどんなことが書かれていますか。 博士:平成12年度からの1次では、果物摂取は、がん予防の観点か    らのみの目標設定だったんだけど、2次では、主要な生活習慣    病予防の科学的根拠があるものとして果物摂取の増加を掲げ、    次のような報告があることを根拠にあげているよ。        ・体重コントロールに重要な役割があること    ・循環器疾患、2型糖尿病(注)の1次予防に効果があること    ・消化器系や肺のがんなどに予防的に働くこと ミカ:体重コントロールに重要な役割って肥満防止のことですか。 博士:そうだよ。いまだに果物は甘いから太るとか糖尿病に悪いと    か言っている医者や病院があるから、目標やその考え方をぜ    ひ、関係者に広く普及してもらいたいものだね。 ミカ:私も、太るのを気にして果物を食べるのを控えている友達に    教えてあげなきゃね。それに、糖尿病を気にしているおじい    ちゃんにもね。 (注)2型糖尿病とは、インスリンの出る量が少なくなって起こる ものと、肝臓や筋肉などの細胞がインスリン作用をあまり感 じなくなる(インスリンの働きが悪い)ために、ブドウ糖が うまく取り入れられなくなって起こるものがある。食事や運動    などの生活習慣が関係している場合が多い。わが国の糖尿病 の95%以上はこのタイプ。 ────────────────────────────── ■ 文献紹介:閉経後の諸症状改善には食事内容が重要  アメリカの研究チームは、女性を対象とした大規模な介入研究の 結果から、更年期のほてりや寝汗といった血管運動症状の改善には、 脂肪の摂取を減らし、果物や野菜、全粒穀類を摂取することが重要 であると医学雑誌「更年期」の電子版に発表しました。  1993年から98年にかけ、大規模研究「食事療法を主導とする女性 の健康介入研究」が全国の40機関で行われました。研究では、脂質 を減らし果物や野菜、全粒穀類の摂取を増やす食事改善の指導を受 ける介入群と、受けない対照群で比較しました。  研究の参加者は50歳〜79歳の閉経後の女性で、調査開始時点にお いてホルモン治療を受けていない17473人を対象としました。体重 変化や食事内容の変化、ほてりや寝汗などの症状の変化を解析しま した。  閉経後の症状を訴えた人の1年後の変化を、食事改善指導を受け た介入群と対照群で比較したところ、介入群のほうが症状の改善が より多く認められました。  次に、体重変化の影響をみるため、1年間で10ポンド(約4.5kg) 以上もしくは10%以上減量できた人と、そうでない人とで比較した ところ、減量できた人のほうが有意に症状改善や消失が認められま した。  最後に、食事改善と体重減量と、どちらの影響が大きいかを比較 するため、症状の訴えのあった人で、10ポンド以上あるいは10%以 上体重減少がみられた人のうち、介入群と対照群で比較を行いまし た。その結果、食事改善をした群のほうが、ほてりや寝汗の症状の 改善がより顕著でした。  研究者らは「本研究は、食事の内容改善が閉経後の症状改善に役 立つことを初めて示したデータである」と述べています。  年齢とともに増える体重や身についた脂肪が、体温調節の妨げに なり、ほてりやのぼせが起きます。また、寝汗は、体に滞留した熱 を発散するために起こる現象です。こうした更年期の症状は、脂質 の摂取量を減らし、果物や野菜、全粒穀類からの食物繊維やビタミ ン、ミネラル摂取を増やすことで改善されることが明かとなりまし た。 【文献】 Kroenke, C. H.et al.: Effects of a dietary intervention and weight change on vasomotor symptoms in the Women's Health Initiative. Menopause, Online 9 Jul. (2012 ) [doi: 10.1097/gme.0b013e31824f606e] ────────────────────────────── ■ 文献紹介:ビタミンE、C、セレンの摂取で膵臓ガンのリスクが低下  イギリスの研究チームは、ビタミンEやC、セレンを積極的に摂 取すると、膵臓ガンの発症リスクが低下すると、医学雑誌「消化管」 の電子版に発表しました。  研究は、ヨーロッパの大規模疫学調査であるEPIC-ノーフォーク 研究に参加している約2万4千人(40歳〜74歳)を対象に、7日間分 の食事の記録を集めるとともに、10年間にわたって膵臓ガン検診 を行いました。  膵臓ガンの発症に関係すると考えられているビタミンE、C、セ レン、亜鉛について、摂取量との関係を解析しました。  摂取量に応じ4分割し、摂取量が多い群と最も少ない群を比較し ました。その結果、ビタミンEとセレンでは、摂取量が多い群は最 も少ない群に比べ発症リスクがそれぞれ43%と51%低くなりました。 ビタミンCでは、血清中のビタミンC濃度が高い群は、最も少ない 群に比べて、膵臓ガンの発症リスクが33%低下しました。ビタミンC の食事頻度記録からはリスクの減少傾向は認められましたが、統計 的な有意差はありませんでした。また、ビタミンCとEとセレンを 組み合わせて摂取した場合は、統計的に有意に67%リスクの低下が 認められました。一方、亜鉛については摂取量と発症リスクの相関 が認められませんでした。  膵臓ガンは主要なガンの一つで、5年生存率が3%という致命的な ガンです。喫煙、2型糖尿病などの危険因子だけでなく、食事との 関連も高いと考えられています。そのため、研究者らは、ビタミン C、E、セレンを多く摂取することは膵臓ガンの予防に大切であう と述べています。 【文献】 Banim, P.J.R. et al.: Dietary antioxidants and the aetiology of pancreatic cancer: a cohort study using data from food diaries and biomarkers. Gut. Online 23 Jul. (2012) [doi:10.1136/gutjnl-2011-301908] ────────────────────────────── ■ 花実好きの家庭果樹だより:ネクタリン  モモの一種で作りやすいネクタリンを鉢植えで挑戦しました。  テニスボールほどの赤い果実の写真は下記のサイトにあります。 http://www.kudamononet.com/kudamono200/back_number/K&K028phto1.html  食べごろを逃さずに味わうのを楽しみにしています。(花実好き) ────────────────────────────── ■ 文学の中の果物:佐渡が島 波の上(長塚節)  余は狹い後甲板へ横に敷いた莚へ腰を卸して立膝をして居るので 足の裏は直接に甲板を踏んで居る。五十格恰の男が余と相對して別 な莚に胡坐をかいて居る。筋肉のきりつと緊まつた極小柄な男で汚 れた白木綿の三尺帶を締めて傍に褪めた淺黄の風呂敷包を引きつけ て居る。朴訥な顏をした若者が三四人と其他に二三人莚に坐して居 る。乘客は皆船室へもぐり込んでしまつたのだ。此小柄な男と若者 と噺をはじめた。若者は佐渡から小樽へ出稼に行つて居たのである がもう季節に成つたので稻刈にもどつて來たのだといふと、さうか 佐渡は仰山稻が出來たと大きな聲で小柄な男がいつた。彼は割合に 大きな口を開いて喋舌る。其度毎に黄ばんだ反齒が抉き出しになる。 俺(わし)は博勞だがもう先月から越後へ三度も渡るが雜用が掛つ てよう儲からんといひながら其風呂敷包から梨を一つ引き出した。 さうして手の平でこすつたと思つたら大きな口を開いて皮の儘むし や/\と噛りはじめた。朴訥な若者も云ひ合した樣に梨を出して皮 の儘噛りはじめた。余も手拭へ括つてあつた梨を解いた。丁度拇指 の爪が非常に延びて居たので其爪の尖で皮を剥きはじめた。むくと いふよりも小さくはがしはじめた。ぼつり/\と鋲の頭のやうにへ げる皮が莚と莚との間の甲板へほろ/\と落ちる。氣の永いことを するのうといひながら博勞が余の手もとを見つめる。みんなが余の 手許を見る。余は一つ/\にはがしながら女の梨賣を憶ひ浮べる。 ────────────────────────────── ■ くだものいちば  今回は新潟市中央卸売市場に入荷している果物について紹介しま す。取扱量の多い果物はモモ、スイカ、メロン、ブドウなどです。 モモ(あかつき、白鳳など)は新潟、山梨産です。 スモモ(大石早生、など)は山形産です。 スイカは新潟産です。 メロン(アールス、アンデス、など)は静岡、新潟産などです。 ブドウ(デラウェア、など)は山形産です。 ウンシュウミカン(ハウスみかん)は長崎産などです。 レモンはチリ産、バレンシアオレンジはアメリカ産、グレ−プフル −ツは南アフリカ産です。 リンゴ(ふじ、など)は青森産です。 バナナはフィリピン産です。 「くだものいちば」は青果物市況情報を参考に作成しています。 https://www.seisen.maff.go.jp/seisen/bs04b040md001/BS04B040UC010SC999-Evt001.do ────────────────────────────── ■ くだもの豆知識:セイヨウナシ  セイヨウナシは、ヨーロッパ中・南部からカフカス、小アジア、 イラン北部にかけて原生分布しています。  1854年は、スイスのチューリッヒ湖の水位が特に低い年でした。 そのとき、港の工事をしていた人が、偶然に水中にあった住居の跡 を発見しました。その後、この遺跡は、紀元前4300年から800年の 間に栄えた石器時代の跡であることが分かりました。その集落では 農業や牧畜が行われており、セイヨウナシの種も発見されました。 このことから、当時セイヨウナシは重要な食料の一つであることが 分かりました。  ギリシャ時代(紀元前432年頃にパルテノン神殿完成)にはセイ ヨウナシは栽培されており、ローマ時代には35品種のセイヨウナシ がありました。 ────────────────────────────── ■ 編集部より  「健康日本21」と「くだもの&健康ニュース」のコンセプトが 完全に一致しました。健康に役立つ情報の発信力をさらに高めたい と思っています。国民の健康を守るためには果物の消費拡大が必要 です。(tnk)  今年も、福島の大きなももを冷やして美味しくいただいています。 (HK) ────────────────────────────── ◆発 行◆ 公益財団法人中央果実協会 Copyright(C) 2011-2012.  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