毎日くだもの200グラムメールマガジン □■ くだもの&健康ニュース Vol.253 ■◇ 2022年7月29日(金)配信 こんにちは! 暑い季節です。不足しがちな、ビタミン、ミネラル、ポリフェノー ル、食物繊維をくだものから。 ────────────────────────────── 毎日くだもの200グラム以上食べましょう! 公式ホームページは下記です。 http://www.kudamono200.or.jp ────────────────────────────── <<< 本日のメニュ- >>> ・ 季節の便り ・ くだものレシピ:ブドウ ・ くだもの広場:「令和3年度果物の消費に関する調査」(連載第3回) ・ 文献紹介:ポリフェノールが豊富な食事で高齢者の炎症予防 ・ 文学の中の果物:黒ぶだう(宮沢賢治) ・ くだものいちば ・ 編集部より ────────────────────────────── ■ 季節の便り   小説を讀む窓さきや葡萄棚     - 正岡子規 ────────────────────────────── ■ くだものレシピ:ブドウ ○ ぶどう・サーモン・チーズのパスタ  パスタを茹でる以外、まったく火を使わないので、暑いときは楽 です。いろいろな色のぶどうを使うとカラフルです。 材料(2人分)  ぶどう(大粒で皮も食べられるもの) 12粒、スモークサーモン 60g、ブルーチーズ 30g、オリーブオイル 大さじ3杯、レモン 1/2 個、生バジル 6枚、カッペリーニorスパゲッティ 200g、塩 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 https://cookpad.com/recipe/5254133 ○ ホタテとイチジク ぶどうのサラダ  秋の味覚イチジクとぶどうをメインにした、ビタミンたっぷりの サラダです。イチジクが美味しい季節にぜひ作ってみてください♪ 材料  ぶどう 10粒、イチジク 2個、ホタテ 12個、からし菜 もしくは レタス 適量、バルサミコ酢 大さじ2杯、レモン汁 1個分、オリー ブオイル 65ml、塩コショウ 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 https://cookpad.com/recipe/6943225 ────────────────────────────── ■ くだもの広場:「令和3年度果物の消費に関する調査」(連載第3回) 今回は、令和3年度「果物の消費に関する調査」の結果のうち、 果物の摂取意向について紹介します。 【今後の果物摂取の意向】  今後の摂取量について、「特に変えようと思わない」が64.5%、 「増やしたい」が34.4%となっています。20代では、「増やした い」が男性で41.1%、女性が52.6%と他の世代に比べて高くなってい ます。性別でみると、女性の方が「増やしたい」割合が、わずかな がら高くなっています。 【果物の消費量を増やすための提供方法】  果物の消費量を増やすための提供方法は、「多少外観は悪くても 割安な果物」が39.8%と最も多く、次いで「皮がむきやすいなど簡 単に食べられる果物」が32.3%、「購入後傷みにくい果物」が22.5%、 「カットフルーツやパックゼリーなど簡単に食べられる果物加工 品」が19.1%で続いています。令和2年度に比べて「多少外観は悪く ても割安な果物」が5ポイント近く増加して第1位になっています。 また、性別でみると、女性は「皮がむきやすいなど簡単に食べられ る果物」が39.8%と男性の25.7%に比べて顕著に高くなっています。 【果樹振興法に指定されている品目の喫食】  果樹振興法に指定されている品目の食べる頻度については、月に 1日程度より多く食べる人の割合の合計が5割以上となっているの はりんごの50.6%のみで、これに続いてみかんが48.0%で、令和2年 度と同じ結果になっています。これに続いて、ぶどう、キウイフル ーツ、なしがほぼ3割、その他の柑橘、かきが25%強となっていま す。一方、りんご、みかん以外の品目では、40%以上の割合でほと んど食べないという回答となっています。 【果樹振興法に指定されている品目で増やしたいもの】  今後、買う量を増やしたい果物は、みかんが35.5%、りんごが28. 6%、キウイフルーツ21.8%、なし20.0%、ぶどう19.1%、もも17.7%、 その後に、パインアップル、かきと続いています。令和2年度もみ かん、りんごがほぼ同じ割合で第1位、第2位でした。特徴的なの は、女性では、キウイフルーツを増やしたい人の割合が男性よりも 15ポイントほど高くなっています。  果物摂取量別でみると、摂取量が多いほどみかん、りんご、ぶど う、その他の柑橘を増やしたい人の割合が高くなっています。 ────────────────────────────── ■ 文献紹介:ポリフェノールが豊富な食事で高齢者の炎症予防  ポリフェノールは、プロバイオティクスと見なされる天然化合物 であり、主に果物や野菜を介して摂取されます。食事性ポリフェ ノールは、抗酸化作用や抗炎症作用に加えて、ヒトの腸内に存在す る細菌と相互作用し、健康へのプラスの効果を高めるポストバイオ ティクス(IPAなど)を生成する能力を持っていることが示唆され ていました。  また、食事性ポリフェノールを、定期的に摂取していると健康的 に年を重ねられることが分かってきました。特に、ポリフェノール が豊富な果物と野菜を主体とした地中海式ダイエットのような健康 的な食事はその代表と見なされています。  スペイン・バルセロナ大学などの国際研究チームは、私たちが食 べる食品に含まれるポリフェノールは、腸内細菌叢を改善し、腸内 細菌によるトリプトファンの分解に由来する代謝物であるインドー ル3-プロピオン酸(IPA)の生成を誘発するため、高齢者の炎症を 防ぐことができると、「分子栄養と食物研究」に発表しました。  研究では、60歳以上の高齢者施設に在住する51人を対象に、8週 間、ランダム化対照クロスオーバー臨床試験を実施し、ポリフェ ノールが豊富な食事(リンゴ、ザクロ、ブルーベリーなどの果物な ど)と、そうでない食事の効果を比較検討しました。  試験の結果、リンゴやザクロ、ブルーベリーなどポリフェノール が豊富な食事は、そうでない食事に比べて、腎機能が正常な参加者 の血清IPAを有意に増加させることが明らかになりました。  IPAは、腸内細菌によるトリプトファンの分解に由来するポスト バイオティクスであり、腸バリアの完全性に関連するなど、健康へ のプラスの効果が期待されています。  したがって、リンゴ、ザクロ、ブルーベリーなどの果物を含むポ リフェノールが豊富な食事は、腸内細菌叢の組成の変化を通じてIPA の産生を高めることが分かりました。高齢者におけるIPAなどのポ ストバイオティックの増加は、生活の質を損なう慢性疾患を遅らせ たり予防に寄与すると考えられました。 【文献】 Peron, G. et al.: A Polyphenol-Rich Diet Increases the Gut Microbiota Metabolite Indole 3-Propionic Acid in Older Adults with Preserved Kidney Function. Mol. Nutr. Food Res., e2100349. (2022) [doi: 10.1002/mnfr.202100349] ────────────────────────────── ■ 文学の中の果物:黒ぶだう(宮沢賢治)  狐はだまって今度は真鍮(しんちゅう)のてすりのついた立派な はしごをのぼりはじめました。どうして狐さんはあゝうまくのぼる んだらうと仔牛は思ひました。  「やかましいねえ、お前の足ったら、何て無器用なんだらう。」 狐はこはい眼(め)をして指で仔牛をおどしました。  はしご段をのぼりましたら一つの室があけはなしてありました。 日が一ぱいに射(さし)て絨緞(じゅうたん)の花のもやうが燃え るやうに見えました。てかてかしたまるテーブルの上にまっ白な皿 があってその上に立派な二房の黒ぶだうが置いてありました。冷た さうな影法師までちゃんと添へてあったのです。 「さあ、喰べよう。」狐はそれを取ってちょっと嚊いで検査するや うにしながら云ひました。 「おい、君もやり給へ。蜂蜜(はちみつ)の匂(にほひ)もするか ら。」狐は一つぶべろりとなめてつゆばかり吸って皮と肉とさねは 一しょに絨鍛の上にはきだしました。 「そばの花の匂もするよ。お食べ。」狐は二つぶ目のきょろきょろ した青い肉を吐き出して云ひました。 「いゝだらうか。」僕はたべる筈がないんだがと仔牛は思ひながら 一つぶ口でとりました。 「いゝともさ。」狐はプッと五つぶめの肉を吐き出しながら云ひま した。  仔牛はコツコツコツコツと葡萄(ぶだう)のたねをかみ砕いてゐ ました。 「うまいだらう。」狐はもう半ぶんばかり食ってゐました。 「うん、大へん、おいしいよ。」仔牛がコツコツ鳴らしながら答へ ました。  そのとき下の方で 「ではあれはやっぱりあのまんまにして置きませう。」といふ声と ステッキのカチッと鳴る音がして誰たれか二三人はしご段をのぼっ て来るやうでした。  狐はちょっと眼を円くしてつっ立って音を聞いてゐましたがいき なり残りの葡萄の房を一ぺんにべろりとなめてそれから一つくるっ とまはってバルコンへ飛び出しひらっと外へ下りてしまひました。 仔牛はあわてて室の出口の方へ来ました。 「おや、牛の子が来てるよ。迷って来たんだね。」せいの高い鼻眼 鏡(はなめがね)の公爵が段をあがって来て云ひました。 「おや、誰か葡萄なぞ食って床へ種子(たね)をちらしたぞ。」泊 りに来て居た友だちのヘルバ伯爵が上着のかくしに手をつっこんで 云ひました。 「この牛の仔にリボン結んでやるわ。」伯爵の二番目の女の子がか くしから黄いろのリボンを出しながら云ひました。 ────────────────────────────── ■ くだものいちば  今回は、仙台市中央卸売市場に入荷している果物を紹介します。 入荷量が多いのは、リンゴ、モモ、メロン、スイカ、バナナなどで す。 [旬の果物と産地] ウンシュウミカンは熊本、愛知産です。 レモンはチリ産です。 グレープフルーツは南アフリカ産です。 ニホンナシ(幸水、など)は茨城産です。 ブドウ(デラウェア、巨峰、など)は山形、栃木、山梨産です。 モモ(あかつき、なつっこ、など)は山梨、福島産です。 スモモ(太陽、など)は山梨、福島産です。 メロン(アールス、アンデス、タカミ、夕張、など)は茨城、高知、 山形、千葉、北海道産です。 スイカは新潟、千葉産です。 バナナはフィリピン、エクアドル産です。 パイナップルはフィリピン産です。 キウイフルーツはニュージーランド産です。 「くだものいちば」は青果物市況情報を参考に作成しています。 https://www.seisen.maff.go.jp/seisen/bs04b040md001/BS04B040UC010SC999-Evt001.do ────────────────────────────── ■ 編集部より  ビタミン、ミネラルなどは、適正量の摂取が必須です。不足して も、多すぎてもダメです。さらに、成分間の相互作用も重要なファ クターです。だから、サプリメントではなく果物をお勧めします。(tnk)  昨年と同様に、夏に新型コロナ感染が爆発的に増えています。一 日も早く少なくなることを祈りつつ、気を付けて過ごしましょう。 (EK) ──────────────。─────────────── ◆発 行◆ 公益財団法人中央果実協会 kudamononews@kudamono200.or.jp Copyright(C) 2011-2022.  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