毎日くだもの200グラムメールマガジン □■ くだもの&健康ニュース Vol.200 ■◇ 2020年2月28日(金)配信 こんにちは! 皆様のおかげで本メルマガは200号を迎えることが出来ました。そ れを記念して、果物の美味しさや健康効果を伝えるための説得力に 関する論文を取り上げました。 ───────────────────────────── 毎日くだもの200グラム以上食べましょう! 公式ホームページは下記です。 http://www.kudamono200.or.jp ────────────────────────────── <<< 本日のメニュ- >>> ・ 季節の便り ・ くだものレシピ:リンゴ ・ 第21回全国果樹技術・経営コンクール表彰式について ・ 文献紹介:素晴らしいストーリーは強い事実を台無しにする ・ 文学の中の果物:詩壇への願ひ(中原中也) ・ くだものいちば ・ 編集部より ────────────────────────────── ■ 季節の便り   鵙鳴て北海の林檎到來す     - 正岡子規  ※鵙:もず ────────────────────────────── ■ くだものレシピ:リンゴ ○ アップルチーズトンテキ  子どもの頃の大好物 材料  リンゴ 2玉、豚ロースや肩ロースとんかつ用 2枚、ピザ用チーズ 適量(お好みで)、塩胡椒(お肉の下味用) 適量、砂糖、はちみ つ、レモン汁、シナモン 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 https://cookpad.com/recipe/5585670 ○ 絶品!リンゴ入りドライカレー  角切りにしたリンゴが入っていて、ちょっと今までに食べたこと がない絶品カレーかも! 材料(4人分)  リンゴ 1/2個、トマト 1個、牛ひき肉 300g、パプリカ(赤黄) 各 1/2個、玉ねぎ 1/2個、にんにく、唐辛子、サラダ油、バター、赤 ワイン、など。 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 https://cookpad.com/recipe/5761295 ────────────────────────────── ■ 第21回全国果樹技術・経営コンクール表彰式について  令和2年2月20日に、今年度の全国果樹技術・経営コンクール の表彰式が、メルパルク東京(東京都港区芝公園)において開催さ れました。  このコンクールは、果樹の生産技術や経営方式において他の模範 となる先進的な農業者、生産集団等を表彰し、その成果を広く普及 することにより、我が国果樹農業の発展に資することを目的として、 平成11年度から毎年度開催しているものです。  主催団体は、全国農業協同組合中央会、全国農業協同組合連合会、 日本園芸農業協同組合連合会、全国果樹研究連合会、公益財団法人 中央果実協会の5団体で、農林水産省及び日本農業新聞からの後援 をいただいて行われています。  令和元年度の農林水産大臣賞、農林水産省生産局長賞、各主催団 体賞の受賞者は、次のとおりとなっています。 ○農林水産大臣賞  もりやま園株式会社 森山 聡彦(青森県、りんご)/北田晴男・ 北田富士子(岩手県、りんご)/天野亘・天野千栄子(愛知県、いち じく)/株式会社 早和果樹園(和歌山県、温州みかん) ○農林水産省生産局長賞  富沢恒雄・富沢芳枝(群馬県、なし・すもも・うめ)/小林直樹 (新潟県、ぶどう)/雨宮覚・雨宮文子(山梨県、もも・ぶどう)/白 鳥岳寿・白鳥弘子(静岡県、ニューサマーオレンジ)/福田良浩・福 田美子(長崎県、温州みかん)/折田長美(宮崎県、マンゴー)/南ア ルプス市農業協同組合西野支所桜桃生産委員会( 山梨県、おうとう) 〇全国農業協同組合中央会会長賞  JA松本ハイランドぶどう部会(長野県、ぶどう) 〇全国農業協同組合連合会経営管理委員会会長賞  阿部為吉(山形県、りんご・西洋なし) 〇日本園芸農業協同組合連合会会長賞  大崎正安・大崎峰子(熊本県、不知火) 〇全国果樹研究連合会会長賞  農事組合法人小原紅共同組合代表 松下良夫(香川県、温州みか ん) 〇公益財団法人中央果実協会理事長賞  志士庫園芸農業協同組合(茨城県、くり) ────────────────────────────── ■ 文献紹介:素晴らしいストーリーは強い事実を台無しにする  果物の美味しさや健康効果を伝えるにはどうしたらよいのでしょ うか。本メルマガ読者も日々、悩まれているのではないでしょうか。 そのヒントとなる文献を紹介します。  ◇◇  素晴らしいストーリーは強力な説得力をもつ情報伝達の手段であ ると考えられてきました。ストーリーは、メッセージへの抵抗を軽 減する方法で注意を引き、感情を呼び込み、読者を呼び込むことが できます。そのため、素晴らしいストーリーの中に事実を埋め込む ことが情報伝達の最善の策であるとされてきました。  ところが、最新の研究から、事実とストーリーを結び付けること で説得力が高まる場合と、逆に、弱まる場合があることが分かって きました。  アメリカ、ノースウェスタン大学の研究チームは、ストーリーは 弱い事実の場合は説得力が高まるが、強い事実である場合はかえっ て説得力を弱めると、「性格と社会心理学公報」に発表しました。  今までの研究では、「事実を単独で提示する方がより良い結果が 得られる」という研究と、対照的に、「事実とストーリーが織り交 ぜられた場合に良い結果が得られる」という研究がありました。  ストーリーは感情的な繋がりを橋渡しするのに役立つことが知ら れていますが、事実を伝える情報伝達の手段に使うのが効果的なの かよく分かりませんでした。ある人が他人を説得したり影響を及ぼ そうとする場合に、ストーリーを語るべきか、事実のみに固執する べきなのか悩みます。  そこで、事実、ストーリー、説得力の間の相互関係を検証するた めに、研究では、成人397人を対象に、「ムーンストーン」と呼ば れる架空ブランドの携帯電話に関する広告を作成し、広告の説得力 を評価しました。使われたストーリーは、事実を含まない携帯電話 の落下に関する感情に訴える情緒的な物語です。  強力な事実として、「携帯電話は最大30フィート(約3メート ル)の落下に耐える」を使用しました。弱い事実として「携帯電話 は最大3フィート(約0.3メートル)の落下に耐える」を使用しまし た。  実験では、人々の半数は電話に関する事実のみの広告を読み、残 りの半数は事実が埋め込まれたストーリー広告を読んでもらいまし た。  その結果、事実が弱い時には、感情に訴える情緒的なストーリー が事実のみを伝えるよりも説得につながることを発見しました。し かしながら、事実が強い時には、逆効果が生まれました。事実のみ を伝える方が感情に訴える情緒的なストーリーにのせた場合よりも 大きな説得力が得られました。  以上の結果から、最も説得力がある情報伝達手段は、強い事実の 積み重ねであることが明らかとなりました。一方で、素晴らしいス トーリーに強く縛られていると感じるときは、事実をよりよく考え て検討する必要があると研究者らは語っています。 【文献】 Krause, R.J. et al.: Strategic Storytelling: When Narratives Help Versus Hurt the Persuasive Power of Facts. Pers. Soc. Psychol. Bull., 46: 216-227. (2020) [DOI: 10.1177 / 0146167219853845] ────────────────────────────── ■ 文学の中の果物:詩壇への願ひ(中原中也)  詩壇は今や、一と通りの準備をすませた。絵の具も画架も揃ひ、 まづまづ龍は描いたが、まだ点睛がないといふのが昨今の状勢であ る。従つて各人各様の特質にも拘らず、可なり大同小異の観がある ことは脱れられない。扨今後その中の若干なり未知の人なりが点睛 を示し始める時、詩壇ははじめて面白くなるのであらうと私は思つ てゐる。  そんな次第であるから、今私は「私の推賞する詩人」といふ課題 を貰つたのだが、今誰をといつて格別推賞したくはない。そこで私 は此の後詩が点睛を得るためには、どんなことが必要であらうかと いふことを、考へてみることにしたいと思ふ。今の詩に何が欠けて ゐるといつて、感情よりも欠けてゐるものがあらうとは思へない。  扨その原因を、暗中模索の揚句、社会問題に持つて行つて、其処 で解決を得られると思ふ人も相当あるけれども、私にはさうは思は れぬ。勿論其処にもその原因の説明に役立つ材料はあるかも知れぬ が、根本原因はそんな所にはない。芸術不振の原因を社会の事情に 在りとする見方は、常に十分なものではない。  例へば日々報道される様々な事件が、昔人間の数の少なかつた時 よりも、人の感動を鈍らせ易いものだといふことが云へるとしても、 而も芸術とはさういふ事情の問題ではなくして、さういふ事情の中 にあつても猶感動する人がゐたら、その人が感動した感動に基因し て表現するに到る所のものである。要は、芸術家その者の感動の深 浅が問題であつて、「事情」はあくまでも与件にしか過ぎぬ。諸君 がもし一個の林檎に如何にも惚れ惚れとしたら、それを描きたくな るであらう。その時その林檎と、果実商組合とは何の関係もない。 要は、その林檎に如何にもほれぼれとしたら諸君は芸術家だといふ ことだ。 ────────────────────────────── ■ くだものいちば  今回は、名古屋市中央卸売市場本場に入荷している果物を紹介し ます。入荷量が多いのは、リンゴ、イチゴ、バナナなどです。 [旬の果物と産地] ハッサクは和歌山産です。ポンカンは愛知産です。 しらぬひ(デコポン)は和歌山産です。 ネーブルオレンジ、レモンはアメリカ産です。 リンゴ(ジョナゴールド、ふじ、王林)は青森産です。 イチゴ(ゆうべに、紅ほっぺ、など)は熊本、愛知産です。 メロン(アールス、など)は静岡、愛知、高知産です。 バナナ、パイナップルはフィリピン産です。 「くだものいちば」は青果物市況情報を参考に作成しています。 https://www.seisen.maff.go.jp/seisen/bs04b040md001/BS04B040UC010SC999-Evt001.do ────────────────────────────── ■ 編集部より  本日、200号を配信できました。読者の皆様に感謝申し上げます。 本メルマガは、文献に根ざしたくだもの健康ニュースをコンセプト に号を重ねてきました。一方で、論文があればよいと言うわけでは ないので、世界全体の動向にも気を配ってきました。批判に耐えら れるかも論文選択のポイントです。次の号へとまた一歩踏み出した いと思います。(tnk)  新型コロナウィルスの感染拡大が止まりません。いよいよ、私た ちの日常生活にも大きな影響を及ぼし始めました。一日も早く、感 染拡大がおさまり、普通の日々が訪れることを祈っています。(EK) ────────────────────────────── ◆発 行◆ 公益財団法人中央果実協会 kudamononews@kudamono200.or.jp Copyright(C) 2011-2020.  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