毎日くだもの200グラムメールマガジン □■ くだもの&健康ニュース Vol.199 ■◇ 2020年2月14日(金)配信 こんにちは! 世界で最も権威のある四大医学雑誌のひとつである「イギリス医学 雑誌(BMJ)」も果糖を含む果物の健康効果を支持! ───────────────────────────── 毎日くだもの200グラム以上食べましょう! 公式ホームページは下記です。 http://www.kudamono200.or.jp ────────────────────────────── <<< 本日のメニュ- >>> ・ 季節の便り ・ くだものレシピ:干し柿 ・ 文献紹介:持続可能な食生活へ踏み出すための強い動機 ・ 文献紹介:果物の果糖は有害ではない! ・ 文学の中の果物:地球図(太宰治) ・ くだものいちば ・ 編集部より ────────────────────────────── ■ 季節の便り   干柿の次の便や春半     - 正岡子規 ────────────────────────────── ■ くだものレシピ:干し柿 ○ 甘味が新鮮!フルーツINハンバーグ  果物の甘味で一味違った新しい感覚のハンバーグ 材料(1人分)  干し柿 20g、白桃 30g、豚肉(こま切れ) 80g、玉ねぎ(みじん切 り) 50g、パン粉 10g、卵 10g、牛乳 20g、コンソメ 2g、塩コショ ウ 2g、デミグラスソース 10g、 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 https://cookpad.com/recipe/3988624 ○ 豚こまと小松菜と干し柿の和風スパゲティ  干し柿のほのかな甘みと豚こまのこっくり感が美味しいレシピです。 材料(2人分)  干し柿 2個、豚こま 100g、小松菜 1束、スパゲティ 200g、酒・ みりん・砂糖・濃口醤油 各大さじ1杯 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 https://cookpad.com/recipe/4973514 ────────────────────────────── ■ 文献紹介:持続可能な食生活へ踏み出すための強い動機  オーストリア、国際応用システム分析研究所などの国際研究チー ムは、果物など植物性食品主体の持続可能な食生活への変化を推進 する強い動機は、社会規範の浸透と自己効力感(用語解説1)であ ると、「ネイチャー持続可能性」に発表しました。  21世紀の最も偉大な挑戦のひとつは、地球のために持続可能であ ると同時に、ヒトの体に良い食事を開発することです。国際応用シ ステム分析研究所が主導する研究は、持続可能な食事への変更の主 要な動機について、新しく開発された集団行動力学のコンピュータ モデルを用いて探求しています。  森林伐採、水資源の崩壊、生物多様性の喪失、メタンガスの排出 などにより地球環境が悪化しています。その背景には食物生産シス テムが影響しており、特に広大な土地などを必要としている牧畜が 大きく関与しています。一方、肉の摂取、特に赤肉と加工肉を多く 摂取すると、糖尿病、心疾患、種々のガンなどの生活習慣病のリス クが高まります。  これまでの研究から、赤肉の摂取を控える一方で果物など植物性 食品中心の地中海式食事などは、地球温暖化や環境破壊を緩和でき ることを示しています。しかし、そこで提案された食事への変更は 実際には達成されていません。  研究チームは、どのような要因が食事の変化への強い動機となる のかを明らかにしようとコンピュータモデルを用いて検証しました。 食事の心理学的理論に基づいた集団動力学的変化を、収入、社会規 範、環境リスクの認識、健康リスクの認識、自己効力感といった因 子について、性、年齢、学歴の不均一性を考慮しました。  その結果、自己効力感に沿った社会規範(ある社会で順守しなけ ればならない明文化されていない行動規則)が、集団ベースにおけ る食事パターンの変化の主要な動機であることが明らかになりまし た。また、食事パターンの変化は、より若い集団に社会規範がいか に素早く浸透するかに影響されること、女性の自己効力感が特に重 要なことも明らかになりました。  すなわち、本研究は、持続可能な果物など植物性食品主体の食事 に変更してもらうためには、若い人や女性への働きかけが大切なこ とを示しています。 【用語解説】 自己効力感  人が何らかの課題に直面した際、こうすればうまくいくはずだと いう期待(結果期待)に対して、自分はそれが実行できるという期 待(効力期待)や自信のことを自己効力感といいます。 心理学者 のバンデューラが唱えた概念で、動機づけに大きな影響を及ぼす要 因の1つと考えられています。 【文献】 Eker, S.: Modelling the drivers of a widespread shift to sustainable diets. Nature Sustainability, 2: 725?735. (2019) ────────────────────────────── ■ 文献紹介:果物の果糖は有害ではない!  カナダ、聖マイケルズ病院の研究チームは、果糖を含む果物は、 血糖値に有益な影響を及ぼすが、果糖を添加したエネルギー過剰な 清涼飲料水などの食品は有害である可能性が高いと、世界で最も権 威のある四大医学雑誌のひとつである「イギリス医学雑誌(BM J)」に発表しました。  研究では、ヒトの血糖値に対する種々の果糖の影響を12週間まで 評価した155件の先行研究をレビューしました。  解析の結果、果糖を含む大部分の食品は、それらが過剰なカロ リーを供給するのでない限り、血糖には有害な影響を及ぼさないこ とが明らかになりました。  また、果物とフルーツジュースは、過剰なカロリーを供給しない 場合には、血糖値に対して有益な影響をもたらすことが明らかにな りました。特に糖尿病の患者において有益でした。  一方、栄養素を含まない過剰なカロリーを添加された食品、特に 糖分を加えた飲料やソースは、有害な影響がある可能性が示唆され ました。  果糖は他の炭水化物に比べて、血液中の血糖値を上げにくく、か つ、果物には豊富に食物繊維が含まれていることから、血糖値を改 善する効果があると、研究者は解説しています。  この報告は、世界保健機関(WHO)が、「添加した糖分を減ら そう、ただし、果物を除く」とした勧告や、果物を毎日握り拳5個 摂取するダッシュ(DASH)ダイエットや地中海式ダイエットなどの 食事パターンの健康効果を支持しています。 【文献】 No authors listed: Food sources of fructose-containing sugars and glycaemic control: systematic review and meta-analysis of controlled intervention studies. BMJ, 363. (2018) [doi: https://doi.org/10.1136/bmj.k4644 (Published 21 November 2018) ────────────────────────────── ■ 文学の中の果物:地球図(太宰治)  長崎では、とうとう訊問に絶望して、このことを江戸へ上訴した。 江戸でこの取調べに当ったのは、新井白石(あらいはくせき)であ る。  長崎の奉行たちがシロオテを糺問(きゅうもん)して失敗したの は宝永五年の冬のことであるが、そのうちに年も暮れて、あくる宝 永六年の正月に将軍が死に、あたらしい将軍が代ってなった。そう いう大きなさわぎのためにシロオテは忘れられていた。ようようそ の年の十一月のはじめになって、シロオテは江戸へ召喚された。シ ロオテは長崎から江戸までの長途を駕籠(かご)にゆられながらや って来た。旅のあいだは、来る日も来る日も、焼栗四つ、蜜柑(み かん)二つ、干柿五つ、丸柿二つ、パン一つを役人から与えられて、 わびしげに食べていた。  新井白石は、シロオテとの会見を心待ちにしていた。白石は言葉 について心配をした。とりわけ、地名や人名または切支丹の教法上 の術語などには、きっとなやまされるであろうと考えた。白石は、 江戸小日向(こひなた)にある切支丹屋敷から蛮語(ばんご)に関 する文献を取り寄せて、下調べをした。  シロオテは、程なく江戸に到着して切支丹屋敷にはいった。十一 月二十二日をもって訊問を開始するようにきめた。ときの切支丹奉 行は横田備中守(びっちゅうのかみ)と柳沢八郎右衛門のふたりで あった。白石は、まえもってこの人たちと打ち合せをして置いて、 当日は朝はやくから切支丹屋敷に出掛けて行き、奉行たちと共に、 シロオテの携えて来た法衣や貨幣や刀やその他の品物を検査し、ま た、長崎からシロオテに附き添うて来た通事たちを招き寄せて、た とえばいま、長崎のひとをして陸奥(むつ)の方言を聞かせたとし ても、十に七八は通じるであろう、ましてイタリヤと阿蘭陀とは、 私が万国の図を見てしらべたところに依ると、長崎陸奥のあいだよ りは相さること近いのであるから、阿蘭陀の言葉でもってイタリヤ の言葉を押しはかることもさほどむずかしいとは思われぬ、私もそ の心して聞こう故、かたがたもめいめいの心に推しはかり、思うと ころを私に申して呉れ、たとえかたがたの推量にひがごとがあって も、それは咎(とが)むべきでない、奉行の人たちも通事の誤訳を 罪せぬよう、と諭(さと)した。人々は、承知した、と答えて審問 の席に臨んだ。そのときの大通事は今村源右衛門。稽古通事は品川 兵次郎、嘉福喜蔵。 ────────────────────────────── ■ くだものいちば  今回は、京都市中央卸売市場に入荷している果物を紹介します。 入荷量が多いのは、ミカン、リンゴ、イチゴなどです。国産のキウ イフルーツは福岡産です。 [旬の果物と産地] ウンシュウミカンは和歌山産、甘ナツミカンは熊本産です。 イヨカン(宮内)は愛媛産、ハッサクは和歌山、、徳島産です。 ネーブルオレンジは和歌山、アメリカ産です。 グレープフルーツ、レモンはアメリカ産です。 デコポン(しらぬひ)は愛媛、和歌山、香川産です。 ブンタン(土佐)は高知産、ポンカンは高知、和歌山産です。 キンカンは宮崎産です。 リンゴ(ジョナゴールド、ふじ、王林)は青森産です。 イチゴ(ほのか、あまおう、ほのか)は熊本、福岡、大分産です。 メロン(アールス、など)は静岡、高知産です。 バナナ、パイナップルはフィリピン産です。 キウイフルーツ(ヘイワード)は福岡、和歌山産です。 「くだものいちば」は青果物市況情報を参考に作成しています。 https://www.seisen.maff.go.jp/seisen/bs04b040md001/BS04B040UC010SC999-Evt001.do ────────────────────────────── ■ 編集部より  果物に含まれている果糖は、古くて新しい課題です。しかし、今 回の報告で、果物の健康効果についての合意が出来たのではないか と考えています。  くだもの&健康ニュースが199号になりました。読者から、あの 記事が良かったなどの感想を時々いただきます。そんなとき、本メ ルマガは、優れた読者に支えられているのだと実感します。(tnk) ────────────────────────────── ◆発 行◆ 公益財団法人中央果実協会 kudamononews@kudamono200.or.jp Copyright(C) 2011-2020.  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