毎日くだもの200グラムメールマガジン □■ くだもの&健康ニュース Vol.169 ■◇ 2018年11月16日(金)配信 こんにちは。 腹部脂肪を減らすには?今号では、科学的証拠に基づいた方法を紹 介しています。 ───────────────────────────── 毎日くだもの200グラム以上食べましょう! 公式ホームページは下記です。 http://www.kudamono200.or.jp ────────────────────────────── <<< 本日のメニュ− >>> ・ 季節の便り ・ くだものレシピ:イチゴ ・ 文献紹介:果物などの多い植物性食で腹部脂肪を減らす ・ 文献紹介:植物ベース食事は2型糖尿病の管理に優れている ・ 文学の中の果物:白南風(北原白秋) ・ くだものいちば ・ 編集部より ────────────────────────────── ■ 季節の便り   露あかしいちこ畑の山かづら     − 正岡子規 ────────────────────────────── ■ くだものレシピ:イチゴ ○ XmasにもWベリーのスイーツピザ  ケーキみたいにベリーいっぱいの可愛いピザ モチモチの秘密は 白玉粉!Xmasにもいかがですか 材料 (直径25cmくらい1枚)  イチゴ 8個くらい、ブルーベリー 50g、あればミントの葉、白玉 粉 30g、塗り卵、トッピングシュガー、強力粉、薄力粉、インスタ ントドライイースト、砂糖、無塩バター、サワークリーム、など。 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 https://cookpad.com/recipe/4855500 ○ 油揚げフルーツピザ  油揚げの新触感レシピ。ヘルシーで美しく女性にもおすすめのメ ニューです ! 材料 (2人前)  イチゴ 2個、ブルーベリー、ラズベリー、ブラックベリー、リ ンゴ 1/2個、油揚げ 1枚、バター、グラニュー糖 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 https://cookpad.com/recipe/5329775 ────────────────────────────── ■ 文献紹介:果物などの多い植物性食で腹部脂肪を減らす  体重に関係なく、腹囲が大きいほど心血管系疾患、糖尿病、メタ ボリック症候群のリスクが高まります。こうしたリスクは主に内臓 脂肪に由来しています。  アメリカ、カリフォルニア・ポリテクニック州立大学の研究チー ムは、腹部脂肪を減らす奇跡の食事や活性物質などは存在しないと したうえで、食物繊維が多く飽和脂肪酸が少ない果物などが多い植 物性食品主体の食事が腹部肥満の減少に適していると、「ACSM健康 とフィットネス雑誌」に発表しました。  論文をまとめた研究者は、「インターネット上では腹部脂肪を解 消するための様々な「新発見」にあふれています。例えば、プチ断 食、高タンパク食、パレオダイエット、緑茶などがありますが、カ ロリー制限(低カロリー)ダイエットよりも効果的であるとする質 の高い科学的根拠に欠けている」と述べています。  一方、健康リスクを減らす方法として、高血圧予防のためのダッ シュ(DASH)ダイエットや心血管系のリスクを低下する地中海ダイ エットが報告されています。これらに共通する特徴はトランス脂肪 酸や飽和脂肪酸の摂取量が少なく食物繊維の摂取量が多いことです。  トランス脂肪酸や飽和脂肪酸は腹部肥満を増やす要因です。一方、 食物繊維は腹部脂肪を減らすことが研究によって示されています。 したがって、腹部肥満を予防および低減するためには、果物、野菜、 豆類、全粒粉などの繊維が高い植物性食品を摂取し、脂肪、肉製品、 加工食品などのトランス脂肪酸および飽和脂肪酸が高い食品を制限 する食事に従うことです。この条件は、アメリカ国立衛生研究所 (NIH)が開発したダッシュ・ダイエットや地中海式ダイエットの 心臓肥満予防の食事と一致しています。この2つのダイエットは、 ワールド・レポート「2018ベスト・ダイエット」に選ばれています。 ダッシュ・ダイエットでは果物を毎日、握り拳5個くらい食べるこ ととしています。中くらいのリンゴなら2個半です。 【文献】 Pilolla, K.D. et al.: TARGETING ABDOMINAL OBESITY THROUGH THE DIET: What Does the Evidence Say? ACSM's Health & Fit. J., 22: 21?28. (2018) [doi: 10.1249/FIT.0000000000000419] ─────────────────────── ■ 文献紹介:植物ベース食事は2型糖尿病の管理に優れている  イギリス、ロンドン大学などの研究チームは、植物ベースの食事 は、精神的なウェルビーイング(幸福)を高め、2型糖尿病の、さら には患者の早期死亡の主要な原因である心血管疾患のリスク因子を 改善すると「BMJオープン糖尿研究治療」に発表しました。植物ベ ースの食事とは、果物、野菜、豆類、全粒穀物のことです。  研究では、糖尿病の管理に関する植物ベースの食事の有効性につ いて検討した論文を種々のデータベースから検索し、基準を満たし た11件を検討しました。参加者数は433人(平均年齢54.8歳)でし た。  系統的レビューを行った結果、植物ベースの食事は、感情的な幸 福、身体的な幸福、抑うつ、QOL(生活の質)、全般的な健康、HbA 1cレベル、体重、総コレステロール、LDL-コレステロールの有意な 改善と関連していることが明らかとなりました。  以上の結果から、植物ベースの食事は、精神的健康、生活の質、 血糖値(HbA1c)、体重などを改善できることから、糖尿病の管理 に有効であると結論づけました。 【文献】 Toumpanakis, A. et al.: Effectiveness of plant-based diets in promoting well-being in the management of type 2 diabetes: a systematic review. BMJ Open Diab Res Care, 6: e000534.(2018) ────────────────────────────── ■ 文学の中の果物:白南風(北原白秋) 砧村  今も、わたくしは、この砧村の大藏の西山野にゐる。移つたのは 六年の初夏である。此處に來てこの風景を散文に書いたことは曾つ て無い。すべてを歌に托した。作歌にしみじみとうち涵つたのもこ の砧村である。日常が作家生活であつたため、改めて新作を増補す ることも尠い。往時を追想して藝術表現に歌材を索る要も亦尠く、 直に觀て朝夕に磨いた。  この家は簡素で風致があり、和にして洋、何か虔ましくて、まこ とに田園の住居と思へる。庭は狹いが、ささやかでも芝生があり、 掌ほどでも苺の畝があり、花壇もある。古木の梅、樗の若木、藤の 棚、檜葉垣の向ふは植木屋の植込があり、坐ながらにして南の空に 雲の去來が仰がれ、野の涯、夜の星座までが廣々と眼界にはひつて 來る。門傍の薄、萩、茶の木垣の横の電柱、白木槿、或は左の書齋 の前の山茶花、躑躅、沈丁、月桂樹、小さな祠。門前の道路、畠、 田川、狹い田の竝び、萱原、色とりどりの畑の向うには竹山に高槻。 東南には本村の火の見、ラヂオ研究所の對の無線塔。このあたりの 盆地景情は、四時、わたくしをいかばかり樂しましてくれることか。  わたくしは本來光明の子であらうか。かうした自然の光耀の直下 には、如何なる人生の悲痛も一瞬にして忘れ得る性情が抑もの本質 であるらしい。自然と一枚になる時こそわたくしの最高の歡びを自 身に忝しとする。(昭和九年四月八日、釋迦佛誕日の夜記) ────────────────────────────── ■ くだものいちば  今回は、ミカンの産地にある松山市中央卸売市場に入荷している 果物について紹介します。入荷量が多いのは、ミカン、カキ、リン ゴ、バナナなどです。イチゴ「あまおとめ」は愛媛のオリジナル品 種です。 ウンシュウミカンは愛媛産です。 レモンはアメリカ産です。 リンゴ(ジョナゴールド、ふじ、王林)は青森、長野産です。 ニホンナシ(新高、など)は福島、栃木産です。 セイヨウナシ(「ラ・フランス)は山形産です。 カキ(富有、愛宕、など)は愛媛産です。 イチゴ(あまおとめ、など)は愛媛産です。 メロン(アールス、など)は高知、熊本、島根産です。 バナナはフィリピン、エクアドル産です。 キウイフルーツは愛媛、ニュージーランド産です。 「くだものいちば」は青果物市況情報を参考に作成しています。 https://www.seisen.maff.go.jp/seisen/bs04b040md001/BS04B040UC010SC999-Evt001.do ────────────────────────────── ■ 編集部より  研究論文を読み続けていて、果物などが多いダッシュ・ダイエッ トのような食事は、私たちの身体にとって最も健康的な食事である ことが一貫して示されています。その一方で、わが国では生理活性 物質や肉食中心のダイエットなどが流行しています。この矛盾を解 消出来ればと思っています。(tnk)  先週の土曜日に東京で開催された「みかん健康セミナー」という催し に行ってきました。みかんに含まれるβ−クリプトキサンチンという 成分の健康に対する機能や、食品と健康に関する様々な情報について 正しく理解するためのリテラシーについての講演でしたが、700人収容 の会場が満員になっていました。果物と健康に関心を持っている方が 多いことに嬉しい驚きを感じました。(HK) ────────────────────────────── ◆発 行◆ 公益財団法人中央果実協会 kudamononews@kudamono200.or.jp Copyright(C) 2011-2018.  Kudamono & Kenko News 無断での転載、複製等はお断りします。ご協力に感謝いたします。 ────────────────────────────── ▽ 「読者から」欄への投稿方法  「読者から」欄への投稿は、下記のサイトからです。皆様からの 果物にまつわる思い出、食べ方の工夫、メルマガへのご意見、ご感 想など、楽しいお話をお待ちしています。  メールの件名は「投稿」としていただき、メルマガネームを記載 していただければ幸いです(例:りんごちゃん)。  また、本メルマガの転載依頼もこのサイトをご利用ください。件 名は「転載申し込み」でお願いします。 くだもの&健康ニュースへの投稿アドレスは下記です。 kudamononews@kudamono200.or.jp ────────────────────────────── ▽メルマガのバックナンバーは、下記に掲載しています。 http://a.hml.jp/bm/p/bn/list.php?i=hm020254&no=all http://www.japanfruit.jp/consumption/mailmagazine.html ────────────────────────────── ▽メールマガジンの配信登録・解除等は下記です。 http://a.hml.jp/bm/p/f/tf.php?id=hm020254 ──────────────────────────────