毎日くだもの200グラムメールマガジン □■ くだもの&健康ニュース Vol.159 ■◇ 2018年6月22日(金)配信 こんにちは。 スーパーや果物店に、初夏の果物が勢揃いしています。あれこれ試 してみてください。 ───────────────────────────── 毎日くだもの200グラム以上食べましょう! 公式ホームページは下記です。 http://www.kudamono200.or.jp ────────────────────────────── <<< 本日のメニュ− >>> ・ 季節の便り ・ くだものレシピ:マンゴー ・ くだもの広場:「29年度果物の消費に関する調査」  (連載第5回:最終回) ・ 文献紹介:感覚ベースの食育は子供を果物、野菜好きにする ・ 文学の中の果物:台湾の姿態(豊島与志雄) ・ くだものいちば ・ 編集部より ────────────────────────────── ■ 季節の便り   夕立にふりまじりたる李かな     − 正岡子規 ────────────────────────────── ■ くだものレシピ:マンゴー ○ おもてなしに 冷たいマンゴーのピザ  きりっと冷えた白ワインやスパークリングにぴったりです。おも てなしの前菜にどうぞ。 材料(6切れ分)  マンゴーの缶詰 2切れ、生ハム 6枚、バジルの葉 2枚、市販のト ルティーヤ生地 1枚、クリームチーズ 5mmの薄切り2枚 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 https://cookpad.com/recipe/745379 ○ 夏限定 夏野菜とマンゴーの冷製パスタ  ソースの隠し味はマンゴー 濃厚だけど後味さっぱり☆ 暑い夏にどうぞ 材料(3人分)  マンゴー缶(水切りしておく) 1缶、トマト 1個、きゅうり 1 本、サーモン(刺身用) 250g、玉ねぎ 1/2個、カッペリーニ 300g、 豆乳 500cc、コンソメ(顆粒)、オリーブオイル、塩、レモン汁、オ イスターソース 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 https://cookpad.com/recipe/1862933 ────────────────────────────── ■ くだもの広場:「29年度果物の消費に関する調査」  (連載第5回:最終回) おじさん:これまで4回にわたって「果物の消費に関する調査」の  結果について説明してきたけれど、今回が最終回だよ。今回は  「どうすれば果物の消費がもっと増えると思いますか?」という  質問への回答について説明しようね。  まず、「どのような果物が提供されれば果物をより食べるように  なると思いますか」という質問だよ。ミカさんやリン太くんは  どうかな? リン:僕はとにかく美味しい果物がいいな!お母さんに買ってもら  うから値段のことはよくわからないけど、安ければ沢山買っても  らえるかな? ミカ:私はできるだけ多くの果物を食べたいから、多少見た目が  悪くても、美味しくて安い果物がいいわ。アンケートの結果は  どうなっているの? おじさん:ミカさんと同じように「多少外観は悪くても割安な果  物」と答えた人が約4割で一番多かったんだよ。僅かな差で「皮  がむきやすい、皮のまま食べられる、種がないなど簡単に食べ  られる果物」が続いているね。この他には、「日持ちがする果  物」、「農薬をできるだけ使っていない果物」などが続いてい  るよ。「多少外観は悪くても割安な果物」は27年度の調査では  27%で2位だったんだけれど、今回は14ポイントも上昇したんだ。 ミカ:とても高価な果物も見かけるけれど、あれは自分で食べる  ためというよりは贈答用だと思うわ。自分で食べる果物は安い  方が嬉しいわよね。 おじさん:さて、次は「どのように果物が販売されれば果物をよ  り食べるようになりますか」という質問だよ。この質問への回  答は、全体では「袋売りではなくバラ売りや少数個入りでの販  売」と答えた人が26%で一番多かったんだ。特に女性や果物の  摂取量があまり多くない階層では「バラ売りや少数売り」と答  えた割合が多かったね。一方、男性では「コンビニでの販売」  を選んだ人が多く、「バラ売りや少数売り」と同じくらいだっ  たんだよ。 ミカ:果物をそれほど食べない人が「バラ売りや少数売り」を選  ぶのはわかるけれど、女性で多かったのはどうしてかしら? おじさん:女性は自分で食べる分だけ買うのではなく、家族で食  べる果物を買っていく人が多いのだと思うけれど、特にみかん  などは大袋売りが一般的なので、「バラ売りや少数売り」を望  む人が多いのかな?昔のように、ざるにみかんを山盛りにして  コタツで家族そろって食べてるようなことが少なくなったし、  一度に食べる量も減ってきたから、バラ売りや少数個入りの売  り方が望まれているのかもしれないね。この他には、「店頭で  試食ができる販売」、「コンビニでの販売」、「果物の栄養素  や食べ方、保存方法などの情報を表示して販売」などが続いて  いるよ。 リン:僕は試食がうれしいな。 ミカ:リン太は食いしん坊だからね。 おじさん:ただし、気になるのは、「販売方法が変わっても果物  をより多く食べることはない」と答えた人の割合が最も高かっ  たことだね。「バラ売りや少数売り」よりも多かったんだよ。  さあ、気を取り直して次の質問に進もう。「どんな情報を伝え  られたら今よりも果物を食べるようになりますか」という質問  だよ。一番多かったのは「果物を食べると健康に良い」だった  ね。8割以上の人がこの回答を選んでいるよ。次に多かったのは  「この果物の旬は今だ」という情報で、ここまでは男女で大き  な違いはないね。第3位は、女性では「果物を食べると美容に  良い」という情報なんだけれど、男性では「この果物は食べや  すい(皮ごと食べられる、皮がむきやすいなど)」だったんだよ。 ミカ:やはり女性は美容に良いという食べ物があれば、食べてみ  たいという気持ちになるのね。男性は手間を掛けたくないとい  う人が多いのかしらね。 おじさん:いやいや、ミカさん、女性でも「この果物は食べやす  い」は「美容に良い」に僅差で続いているんだよ。 ミカ:あら、そうなの。 おじさん:先ほど、男性ではコンビニでの販売が進めば果物をより  食べるようになると答えた人が多いと説明したけれど、コンビ  ニでの果物の販売について印象を聞いたところ、「スーパーマー  ケットより価格が高い」と答えた人が約半数もいたんだ。「24  時間いつでも変えるから便利」と答えた人は約20%だったから、  コンビニでの果物の販売については、むしろ厳しい見方をして  いる人が多いということだね。  さあ、これまで5回にわたって消費に果物の関する調査の結果を  説明したけれど、詳しい結果は中央果実協会のホームページに  掲載されているから、ぜひ読んでみてほしいね。 公益財団法人中央果実協会ホームページ  http://www.japanfuit.jp/ ─────────────────────── ■ 文献紹介:感覚ベースの食育は子供を果物、野菜好きにする  幼児は、何か新しいことを学ぶ際に、(1)見て、(2)匂いをかぎ、 (3)味わい、(4)触れ、(5)聴く、という感覚をベースとして学びます。  そこで、フィンランド、東フィンランド大学の研究チームは、感 覚をベースにした食育法を研究した結果、子どもの果物(ベリー類 を含む)と野菜を食べたいという気持ちが向上すると、「公衆衛生 栄養」に発表しました。3〜5歳の幼稚園児を対象に、幼児の教育と 養育において、健康的な食習慣を促進するためには感覚ベースの食 育が新たなツールになると研究者は考えています。  幼稚園では、果物や野菜について紹介したり、子どもに料理をさ せてみたり、園内の菜園で子どもに自分の野菜を育てる機会を与え ることもできます。本やゲームに取り入れることもできます。  こうしたことを行うために感覚ベースの食育法では、子どもたち は食物を囲んで積極的な役割を与えられ、感覚的な経験について共 有するよう促されます。感覚に基づいた食育は、グループ活動に参 加するという幼稚園の日常生活に非常に適しています。  研究では、感覚ベースの食育群と、対照群の子どもたちを比較し ました。11種類の果物、ベリー類、野菜を含むスナックビュッフェ を用いて、子どもがどのような食品選択をしたかを一人ずつ写真に 撮って分析しました。  その結果、感覚ベースの食育を受けた子どもは、果物(ベリー類 を含む)や野菜を選択したいという意欲が増加することが分かりま した。そして、好き嫌いの多い子どもでも、以前より多くの種類の 果物や野菜を選ぶようになりました。さらに興味深い発見は、幼稚 園で得られた肯定的で個人的な食物に対する経験が、その後の食事 をも改善することが分かりました。  幼児期の食事の好みは、青春期から成人期にまで及ぶことから、 この時期の良い食経験は将来の健康のために有益な方法になりえる と、研究者はまとめています。 【文献】 Kahkonen, K. et al.: Sensory-based food education in early childhood education and care, willingness to choose and eat fruit and vegetables, and the moderating role of maternal education and food neophobia. Public Health Nutr., 2018 May 8: 1-11. (2018) [doi: 10.1017/S1368980018001106] ────────────────────────────── ■ 文学の中の果物:台湾の姿態(豊島与志雄)  溪の水量の激変は大なる熱情の変動を思わせるが、温度の変化は 熱情的というよりも寧ろ病的である。台湾の気候は大体、北部と南 部とでは、その雨期と乾燥期との時期に於て対蹠的であるが、その 変化目の――例えば四月頃の気候は、病的というの外はない。冬服 の気温から単衣一枚の気温に至る間を、幾度も往復する。日によっ て変るし、一日のうちでも朝夕に変る。北方の台北に於てばかりで なく、南方の高雄に於てもそれが多い。この気温の不順不同は、所 謂三寒四温どころのものでなく、ヒステリックである。この季節、 気温に敏感な人々は、ヒステリーの妻と一緒に暮してる思いがする だろう  固より、ヒステリーのうちにもコンスタントなものはある。竹風 蘭雨などはその一つだろう。新竹州あたりは常に強風が多く、田畑 の畦には竹などを並べ植え、道路わきにはモクマオウを移植して防 風林とし、農作物其他への被害を防いでいる。また、宜蘭方面から 基隆方面へかけては、雨が非常に多く、基隆のことを洒落て雨港と も称するほどである。この基隆港の雨は、台北に至る汽車沿線地域 の痩せた土地と相俟って、台湾旅客の初印象を甚だ貧寒なものにす る。だが、この新竹の風も宜蘭の雨も、実は取りたてて云うほどの ものではない。気候のヒステリーの方がよほど人にこたえる。  そういうヒステリックな気候にも拘らず、台湾の春はやはり豊か である。草木の繁茂は云うまでもなく、花も豊か、果物も豊かだ。 果物の秀逸はパパイヤであろうか。その味はバナナにまさることは 勿論であるが、マンゴーには及ばない。その代り、マンゴーや柑橘 類が季節的であるのに反して、パパイヤだけは一年中常に結実する。 数顆が熟する頃には、その上の一節には次の数顆が既に成長してい る。四季ともにそうなのである。製糖会社にしても、甘蔗の糖分の 稀薄な夏季は工程を休み、機械の手入れをするだけに止める。然し パパイヤは一年中休みなくその結実成熟の工程を続ける。 ────────────────────────────── ■ くだものいちば  今回は、松山市中央卸売市場に入荷している果物について紹介し ます。入荷量が多いのは、スイカ、スモモ、メロン、モモ、リンゴ、 バナナなどです。初夏を迎え、果物の種類や品種が沢山入荷してい ます。 ウンシュウミカン(ハウスみかん)は愛媛産です。 甘ナツミカンは愛媛産です。レモンは広島産です。 リンゴ(ジョナゴールド、ふじ、王林)は青森産です。 ビワ(田中)は愛媛産です。 ブドウ(デラウェア、巨峰、マスカット・オブ・アレキサンドリア、 ピオーネ)は徳島、福岡、岡山、香川産です。 モモ(ちよひめ、日川白鳳)は山梨、和歌山産です。 スモモ(大石早生)は愛媛産です。 ウメ(南高)は和歌山産です。 イチゴ(あまおとめ、など)は愛媛産です。 メロン(アールス、クインシー、タカミ)は高知、静岡、茨城、熊 本産です。 スイカは愛媛、鳥取産です。 バナナはフィリピン、エクアドル産です。 キウイフルーツはニュージーランド産です。 「くだものいちば」は青果物市況情報を参考に作成しています。 https://www.seisen.maff.go.jp/seisen/bs04b040md001/BS04B040UC010SC999-Evt001.do ────────────────────────────── ■ 編集部より  日本のメディアで、果物と野菜の研究成果を紹介する際に、野菜 だけをタイトルにしている場合が多くあります。今回の文献もタイ トルは野菜だけのがありました。こうして果物の健康効果は、野菜 より低くなっていくように思います。誰に忖度しているのでしょう か。(tnk)  先日、近所のスーパーで南半球の某国の会社がキウイフルーツの 販促キャンペーンを大々的に行っていました。3日間の期間中、 かなり広いスペースにバケツに入れたキウイフルーツを山積みに して販売し、終日試食をしていました。見ていると売れ行きも 良く、最終日には山がだいぶ小さくなっていました。国産の果物 でも、これ位の規模のキャンペーンを行うことができればよいの になぁ、と感心してしまいました。(HK) ────────────────────────────── ◆発 行◆ 公益財団法人中央果実協会 kudamononews@kudamono200.or.jp Copyright(C) 2011-2018.  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