毎日くだもの200グラムメールマガジン □■ くだもの&健康ニュース Vol.158 ■◇ 2018年6月8日(金)配信 こんにちは。 最新のアメリカ心臓学会誌も果物の摂取を推奨しています(文献紹 介から)。 ───────────────────────────── 毎日くだもの200グラム以上食べましょう! 公式ホームページは下記です。 http://www.kudamono200.or.jp ────────────────────────────── <<< 本日のメニュ− >>> ・ 季節の便り ・ くだものレシピ:ベリー ・ くだもの広場:「29年度果物の消費に関する調査」(連載第4回) ・ 文献紹介:ビタミンや抗酸化成分などのサプリメントは心臓病        リスク低下に効果なし ・ 文学の中の果物:日本その日その日(エドワード・S・モース:           石川欣一訳) ・ くだものいちば ・ 編集部より ────────────────────────────── ■ 季節の便り   ほす衣の袖にも一つ栗の花     − 正岡子規 ────────────────────────────── ■ くだものレシピ:ベリー ○ ミックスベリーのバナナアイス  果物のみで作るダイエットアイスクリーム。暑い日のおやつにぜひ! 材料(2〜3人分)  冷凍ミックスベリー 200g、冷凍バナナ 1本 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 https://cookpad.com/recipe/5100065 ○ ベリーミックスとかいわれのひんやりサラダ  冷凍ベリーの冷たさとかいわれの辛味と甘いタレがマッチして美味 しいです。フルーツをお菓子以外に使うの初です。 材料(1〜2人分)  冷凍ベリーミックス 100g、かいわれ大根 10g、ハチミツ、醤油、など。 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 https://cookpad.com/recipe/4703202 ────────────────────────────── ■ くだもの広場:「29年度果物の消費に関する調査」(連載第4回) 前回に引き続き、「果物の消費に関する調査」の結果につい  て紹介します。今回は第4回です。 リン:この間、おじさんのお話を聞いていたらフルーツケーキ  が食べたくなったので、母さんに買ってもらっちゃった。 おじさん:それは良かったね。ところで、食後にはちゃんと歯  を磨いたかな?  さて、今回は今後、果物をもっと食べたいと思っているのか  どうか、という話から始めるよ。  質問は「今後、果物を食べる量を増やしたいと思いますか?」  というものだ。さて、この質問について、全体では55%の人  が「特に変えようとは思わない」と答えている一方で、4割  以上の人々が「果物を食べる量を増やしたい」と答えている  んだよ。男性よりも女性の方が増やしたいという人の割合が  高く、年代別にみると若い年齢層ほど増やしたいと答えた人  の割合が高くなっているんだ。特に20代の女性の6割以上の  人が増やしたいと答えているのが目立つね。 ミカ:たしか、1日当たりの果物摂取量は、20代から40代の若い  年齢層が低かったのよね。でも、若い人達がこれからはもっと  果物を食べたいと考えているのは何故かしら? おじさん:そのヒントは、次の質問で少し推理できるかもしれ  ないよ。今後果物を食べる量を増やしたいと思う理由につい  て、全体では「健康によいから」という答を選んだ人が8割で  一番多く、「おいしいから」、「旬や味覚を楽しめるから」  と続くんだ。しかし、若い年齢層の女性では、「美容によい  から」という答を選んだ人の割合が、「健康によいから」、  「おいしいから」に続いて高かったんだよ。特に20代、30代の  女性の約6割が「美容によいから」という答を選んでいるね。 ミカ:ビタミンCは美白効果があるということをテレビのCM  でも言っているわね。だから若い女性では果物を食べる量を  増やしたいと考えている人が多いのかしら?その気持ちは私  にも何となくわかる気がするわ。 リン:僕は、何といっても美味しいからもっと果物を食べたい  な! おじさん:さて、次は「どんなときに果物を食べる量を増やした  いと思うか」という質問だよ。全体では「自宅での朝食時」が  約6割と最も多く、次に「自宅での夕食時」が5割となっている  ね。次は少し下がって「リラックス時間」、「小腹満たし」と  続いているよ。一方、「自宅での昼食時」を選んだ人は2割に  とどまっているし、「勤め先・学校での昼食時」と答えた人の  割合は、わずか5%程度だったんだよ。男女別にみると、男性  では「自宅での夕食時」とした人が一番多かったね。特に30代  〜50代の男性では「自宅での夕食時」という人の割合がかなり  高いのが特徴だね。27年度の調査結果では、「自宅での朝食時」  が7割近く、「自宅での夕食時」が4割強だったから、この数年  の間に自宅での夕食時に果物を食べる人が増えたということに  なるね。 ミカ:働いている人たちは昼食を外食で済ませる人が多いの  かしらね。お弁当ならデザートに果物を持って行くことも  できるのに、外食ではそうもいかないわよね。 リン:ひょっとしたら、果物を食べた後の皮や種などの処分が  面倒で、職場や学校に果物を持って行く人が少ないのかもし  れないね。 おじさん:みかんなど、手で皮をむける果物はよいけれど、  皮をむくのにナイフが必要な果物は職場や学校に持って行く  にはハードルが高いのかな? ミカ:そんなときはコンビニなどでカットフルーツを買えば、  手軽で生ゴミも出ないからいいわよ。 おじさん:そうだね。カットフルーツなどを上手に食生活に  取り入れるのも良い方法だね。 ─────────────────────── ■ 文献紹介:ビタミンや抗酸化成分などのサプリメントは心臓病        リスク低下に効果なし  栄養科学の歴史において、1747年のジェームズ・リンドによるカ ンキツ果実(ビタミンC単独成分)摂取による壊血病の治療は画期 的な成果です。しかし現代は、古典的な単一ビタミンの欠乏症の治 療の考え方から、生活習慣病などにおける潜在的で複合的な微量栄 養素不足や相互作用を改善して全体的な健康と長寿の促進のための 栄養科学理論へと移ってきました。  一方で、古典的な理論に基づくビタミンやミネラル、抗酸化成分 などのサプリメントの使用が広がっています。こうした使用状況に もかかわらず、ビタミンやミネラルなどのサプリメントが、心臓血 管疾患(CVD)予防または治療のための補助剤として使用されるべ きかどうかに関する証拠は不十分です。そのため、サプリメントと 心臓血管疾患リスクとの関係を調べたアメリカ予防医学専門委員会 (USPSTF)は、サプリメントには十分なエビデンスが認められない とし、果物や野菜が豊富な食事からの摂取を推奨すべきと2013年に 報告しました。  こうした背景のもとで、カナダ、トロント大学等の研究チームは、 ビタミン、ミネラルや抗酸化成分のサプリメントは、心疾患の予防、 治療に有益であるというエビデンスは認められなかったと、最新の 「アメリカ心臓学会誌」(2018年6月発行)に発表しました。そし て、植物性由来の食品に重みを置き、健康的な食事を取り入れると いう現在の推奨事項を強化するべきであると結論づけました。  研究では、ビタミンやミネラルサプリメントの使用による有益性 の有無を調査した179件の無作為化比較試験を検討しました。対象 論文には、アメリカ予防医学専門委員会の報告以降の論文も含まれ ています。  その結果、最も広く使用されているマルチビタミン、ビタミンD、 カルシウム、ビタミンCのサプリメントは、心血管疾患、心筋梗塞、 脳卒中の予防に一貫した有益な効果は認められず、死亡率に対する 利益もありませんでした。また、ナイアシンや酸化防止成分は、死 亡率のリスクを促進しました。  一方、葉酸単独成分、葉酸が成分として含まれるビタミンB複合 体では、脳卒中のリスク減少が示唆されました。  しかし、葉酸のサプリメントを摂取しても心疾患の原因であるホ モシステインの減少は認められておらず、さらに、葉酸摂取量が増 加すると前立腺ガンのリスクが高まる可能性が明らかになっていま す。さらに、脳卒中のリスクを低減した中国で行われた葉酸サプリ メント投与研究を除くと、葉酸サプリメントの効果は認められませ んでした。そのため、、葉酸が心疾患に効果があるとする確実な データが得られるまで、葉酸の摂取は推奨するべきではないと著者 らは述べています。  以上の結果は、アメリカ予防医学専門委員会の推奨ガイドライン を裏付けるものです。従って、著者等もサプリメントに頼ることな く、果物などが豊富な食事から必要なビタミンやミネラルを摂取す ることを勧めています。 【文献】 Jenkins, D.J.A. et al.: Supplemental Vitamins and Minerals for CVD Prevention and Treatment. J. Am. Coll. Cardiol., 71: 2570-2584. (2018) [doi: 10.1016/j.jacc.2018.04.020] ────────────────────────────── ■ 文学の中の果物:日本その日その日(エドワード・S・モース:           石川欣一訳)  我々は村一番の宿屋に泊った。道路から古風な建物のいくつかが 長く続いて、美しい廊下や、掃き清めた内庭や、変った灌木や、背 の低い松や、石燈籠や、奇妙な塀や、その他すべてが、如何にも人 の心を引きつける。我々はかくの如き建物の最終の部屋――下二間、 二階二間である――を選定した。そこの廊下は殆ど部屋と同じ位広 く、そして張り出した屋根で覆われている。我々はテーブルを廊下 に持ち出し、夜は頭の上の桷からぶら下った、二つの石油洋燈(ラ ンプ)の光で、物を書く。これ等の洋燈は我々を除いては唯一の欧 州、又はアメリカとの接触の形蹟である。我々が逢うのは日本人ば かり。新聞紙片、ポスター、シガレットの箱、その他外国の物は一 つもない。今、午後十時、ここでこれを書いている私にとって、昆 虫類は大いに歓迎はするが、うるさい。私は手近に昆虫箱を置き、 誘惑に堪え兼ねて、蛾のあるものをピンでとめる。それ等はすべて 実に美しいのである。その多くは、我国にいるのと同じ「属」に属 するので見覚えがあるが、色彩や模様は異っている。時々、私の紙 の上に、驚く程同じ様なのが落ちて来て止るが、それにしても相違 はある。ここで書いて置かねばならぬのは、晩飯に食った野生のラ ズベリー〔木苺の一種〕のこと。形は我国のものの二倍位でブラッ クベリーのように艶(つや)があり、種子は非常に小さく、香はラ ズベリーで味は野生的な森林を思わせるもの。実に美味で我国のと は全く異る果実であった。 【著者紹介】 エドワード・S・モース(1838年〜1925年、享年87歳)は、アメリ カの動物学者。標本採集に来日し、請われて東京大学の教授を2年 務めた。大森貝塚を発掘し、日本の人類学、考古学の基礎をつくっ た。 ────────────────────────────── ■ くだものいちば  今回は、鹿児島市中央卸売市場に入荷している果物について紹介 します。入荷量が多いのは、ウメ、リンゴ、メロン、スイカ、バナ ナなどです。ビワも出回ってきました。 ウンシュウミカン(ハウスみかん)は佐賀産です。 甘ナツミカンは鹿児島産です。 バレンシアオレンジ、レモンはアメリカ産、グレープフルーツはイ スラエル産です。 リンゴ(ジョナゴールド、ふじ)は青森産です。 ビワは鹿児島産です。 ブドウ(デラウェア、巨峰、ピオーネ)は福岡産です。 ウメは福岡産です。 サクランボは山形産です。 モモ(はなよめ、など)は鹿児島産です。 スモモ(大石早生)は福岡産です。 スイカは鹿児島産です。 イチゴ(さつまおとめ、ほのか、など)は鹿児島、宮崎産です。 メロン(アールス、アンデス、タカミ、肥後グリーン、など)は鹿 児島、熊本産です。 バナナ、パイナップルはフィリピン産です。 キウイフルーツはニュージーランド産です。 「くだものいちば」は青果物市況情報を参考に作成しています。 https://www.seisen.maff.go.jp/seisen/bs04b040md001/BS04B040UC010SC999-Evt001.do ────────────────────────────── ■ 編集部より  医科学の分野では、新しい論文が提出されると、世界中で検証が 行われます。そして、検証を受け、妥当であると結論づけられたも のだけがエビデンスとして認知されます。論文があればよいと言う わけではありません。文献紹介を参考にしてみてください。(tnk)  すいかに続いてさくらんぼが出回りはじめました。果物で季節 の変化を感じることができるのは、四季の変化に富んでいて果 物の種類が豊富な日本ならではです。さくらんぼだけを200g食 べるのは大変ですが、いろいろな果物を組み合わせて毎日くだ もの200グラムを続けていきたいですね。(HK) ────────────────────────────── ◆発 行◆ 公益財団法人中央果実協会 kudamononews@kudamono200.or.jp Copyright(C) 2011-2018.  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