毎日くだもの200グラムメールマガジン □■ くだもの&健康ニュース Vol.155 ■◇ 2018年4月20日(金)配信 こんにちは。 今号では、果物消費アンケート結果や古くて新しい「果糖問題」に ついて紹介しています。 ───────────────────────────── 毎日くだもの200グラム以上食べましょう! 公式ホームページは下記です。 http://www.kudamono200.or.jp ────────────────────────────── <<< 本日のメニュ− >>> ・ 季節の便り ・ くだものレシピ:ウメ ・ くだもの広場:「29年度果物の消費に関する調査」(連載開始) ・ 文献紹介:果物に含まれている果糖は肝臓にはいかない ・ 文学の中の果物:愉快な話(豊島与志雄) ・ くだものいちば ・ 編集部より ────────────────────────────── ■ 季節の便り   青梅の林見えけり麦の風     − 正岡子規 ────────────────────────────── ■ くだものレシピ:ウメ ○ しそ梅と納豆のぶっかけうどん  梅の酸味で納豆のクセが気にならずに食べられます。レンジだけ で五分で作れて納豆の栄養もとれるお手軽メニューです。 材料(1人分)  しそ梅 2〜3粒、小口ネギ 好きな量、ひきわり納豆 1パック、 冷凍さぬきうどん(袋にレンジで作れる表記のあるもの) 一袋、 めんつゆ 小鉢4分の1程度 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 https://cookpad.com/recipe/4690265 ○ 豚肉としめじの梅和風パスタ  梅干しの風味が美味しいパスタです。 材料(2人分)  梅干し 3?5個(お好み)、豚肉 1パック、しめじ 1パック、大 葉 2?3枚、海苔 2枚、パスタ 2人前、めんつゆ 大さじ1.5杯、 かつおぶし 1パック 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 https://cookpad.com/recipe/4942418 ────────────────────────────── ■ くだもの広場:「29年度果物の消費に関する調査」(連載開始)  中央果実協会が毎年行っている「果物の消費に関する調査」の29 年度の結果がまとまりました。中央果実協会のHPにも調査結果が 掲載されていますが、このメルマガでも今号から連載で調査結果を 紹介してゆきます。 ミカ:おじさん、果物の消費についての調査結果が公表されたそうね。  昨年公表された「国民健康・栄養調査」の結果では、1人1日当たり  の果物消費量がとうとう100グラムを割り込んだということだった  から、どんな調査結果なのか、少し心配だわ。 リン:僕たちは毎日たくさん食べているけど、他の人たちはどうなの  かな? おじさん:中央果実協会は、毎年果物の消費に関する調査を行って  いるが、昨年の調査では平成26年の調査とほぼ同じ内容について  調査をして、3年でどのように変化してきたのかを調べたんだね。   主な調査項目は、(1)日常の果物の消費行動(果物の摂取量、  摂取方法、購入頻度、摂取時間帯、摂取理由など)、(2)カット  フルーツやジュース、ジャムなど果物加工品の消費行動、(3)今後  の摂取の意向、(4)果物の消費を増やすための方法、(5)現在の食  生活、(6)「毎日くだもの200グラム運動」の認知状況などだよ。 ミカ:これまでの調査では、20歳台〜40歳台の働き盛りの年齢層で  消費が少なかったり、果物を余り食べない理由としては値段が高い、  他に食べるものがある、皮を剥いたりするのが面倒という理由が  多かったということがわかったわね。 おじさん:そうだよ。ミカさん、良く覚えているね。今回の調査でも  傾向としてはあまり大きな変化はなかったようだよ。では、順番に  調査結果をみていこうか。    まず、調査の対象となったのは、全国の20歳以上70歳未満の男女  約2,000名で、都府県ごとの人口構成比に合わせて性別・年齢別の  割付を行った上で無作為に選んだんだ。 リン:それって、つまり、調査結果をみれば日本の平均的な姿が  わかるっていうこと? おじさん:そうなんだよ。男女の割合はほとんど半々で、年齢階層  では20歳代が15.6%、30歳代が19.5%、40歳代が23%、50歳代が  19.4%、60歳以上が22.7%ということだよ。また、未婚が約40%  で既婚が約60%ということになっているね。その他、子供の有無、  職業別、世帯年収別、居住地の都道府県別の割合も調査結果には  載っているから、興味があれば確認してみるとよいね。  では、1日平均の果物の摂取量からみていこうか。「毎日くだもの  200グラム運動」では、1人1日当たり200グラムの果物を食べようと  勧めているけれど、実際に1日当たり200g以上摂取できている人の  割合は全体では13.3%だったんだよ。また、摂取量別に見ると、  50g〜150g未満で全体の約6割を占めているそうだ。  性別では、意外なことに女性よりも男性の方が200g以上摂取できて  いる割合が高かったんだよ。 ミカ:あら、てっきり女性の方が男性よりもたくさん果物を食べて  いると思っていたから、少しびっくりしたわ。 おじさん:また、年代別にみると、20歳台と60歳台では他の年代に  比べて200g以上摂取できている人の割合が高かったそうだよ。 リン:へぇ、たしか国民健康・栄養調査では20歳台〜50歳台の摂取  量が少ないことが特徴だったんじゃなかったの? おじさん:そうなんだよ。この調査結果では摂取量そのものを聞いて  いる訳ではないから、平均摂取量はわからないんだけれど、20歳台  の摂取量は60歳台にかなり近い水準といえるね。  さて、今回の説明はここまで。次回は1日当たりの果物摂取量が200g  未満の人たちについて、なぜ摂取量が現状程度なのか聞いた結果から  説明を再開するよ。楽しみに待っていてね。 ────────────────────────────── ■ 文献紹介:果物に含まれている果糖は肝臓にはいかない  果物に含まれている果糖は肝臓を害するとの説があります。とこ ろが、アメリカ、プリンストン大学の研究チームは、果物などに含 まれている果糖の生体内での代謝に関する動物実験を行った結果、 ほとんどの果糖は小腸で代謝されることを見いだし、専門誌「細胞 代謝」に発表しました。これまで、体内での果糖の代謝は、主に肝 臓で行われていると考えられてきたので、この研究は注目を集めて います。  慢性的に果糖を過剰に摂取していると、糖尿病を助長し、非アル コール性脂肪肝疾患の原因にもなると言われてきました。  一方で、果糖を含む果物摂取は、循環器疾患やガン、糖尿病、肥 満の予防効果が高いことが明らかとなり、過剰摂取の場合と、適正 量の摂取の場合とでは代謝が異なると考えられてきました。  例えば、果糖を含む果物を摂取していると中性脂肪が増えるとの 説がありましたが、ヒトを対象とした臨床試験の結果、説とは逆で リンゴ摂取で中性脂肪が減ることが分かりました。  研究では、同位元素でラベルした果糖がマウスの消化器系をどの ように進むかを調べました。その結果、果糖の90%以上は小腸で処 理されることが明らかとなりました。小腸で吸収しきれなかった過 剰な果糖は、そのまま結腸へ移動することが分かりました。  以上の結果から、従来、摂取した果糖は全て肝臓で処理されると されていましたが、摂取した果糖が適量なのか、過剰かによって、 生理反応に差異が生じることが明らかとなりました。少なくとも動 物実験の結果から、適度な量の果物に由来する果糖は肝臓には到達 しないと考えられました。 【文献】 Jang, C. et al.: The Small Intestine Converts Dietary Fructose into Glucose and Organic Acids. Cell Metab., 6;27: 351-361.e3. (2018) [doi: 10.1016/j.cmet.2017.12.016] ────────────────────────────── ■ 文学の中の果物:愉快な話(豊島与志雄)  これが、或るカフェーでの、或る紳士の話である。まだまだ、同 様なヨタが続く。こんなことをすまして書き立てる作者は、さぞ幸 福だろう。梅干というものは、梅の木の何方に向いた何番目かの枝 の何番目かの実を、何月何日の何時頃にとったものが、最も美味で ある、などと『南国太平記』のなかで坊さんに饒舌らしてる直木三 十五も、さぞ得意だったろう。『馬車』のなかで占筮の講義を長々 とやってる横光利一の気持とは、まるで質が違うようだ。  ヨタは真面目でないところにその面白みがある。がふざけては堕 落する。そのかねあいがむずかしいのだ。所謂ナンセンス文学など のうちには、新聞紙に引用されるくらいの愉快なエピソードが、少 しは現われてもよかろう。プロレタリア文学などにも、時には愉快 な通風孔が必要だ。それは案外強く労働者や農民を惹きつける。飲 食の時など、彼等は如何に愉快な話を歓迎することか。而もそれは 断じて、被搾取の苦渋な生活からの逃避ではない。 ────────────────────────────── ■ くだものいちば  今回は、宇都宮市中央卸売市場に入荷している果物について紹介 します。入荷量が多いのは、甘ナツミカン、リンゴ、イチゴ、スイ カ、キウイフルーツ、バナナなどです。 甘ナツミカンは熊本産です。 デコポン(不知火)は熊本、愛知、長崎産です。 リンゴ(ふじ)は青森産です。 イチゴ(とちおとめ)は栃木産です。 メロン(アールス、アンデス)は静岡、熊本産です。 スイカは熊本産です。 バナナ、パイナップルはフィリピン産です。 キウイフルーツ(ヘイワード)はニュージーランド、愛媛産です。 「くだものいちば」は青果物市況情報を参考に作成しています。 https://www.seisen.maff.go.jp/seisen/bs04b040md001/BS04B040UC010SC999-Evt001.do ────────────────────────────── ■ 編集部より  狩猟採集の時代の主に植物性食品による食事(大量の果物、ナッ ツ、野菜−大量のカルシウムを含む)が、優れていることが明らか になるにつれて、生活習慣病の要因である現代の食事(赤身の肉や 砂糖、食塩などの多い食事)との違いが文明との関わりで注目され ています。近々、こうした研究を紹介します。(tnk) 今年の春は例年よりもだいぶ早く桜が咲きましたが、友人の梨園では 2週間ほど前に梨の花が真っ白に咲き誇っているという便りがありま した。梨が出回るのはまだまだ先の話ですが、果物売り場ではいろ いろな中晩柑類が出回っています。不知火(デコポン)やはるみなど 糖度の高いかんきつも美味しいですが、甘さの中にもさわやかな酸味 のある甘夏も良いですね。(HK) ────────────────────────────── ◆発 行◆ 公益財団法人中央果実協会 kudamononews@kudamono200.or.jp Copyright(C) 2011-2018.  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