毎日くだもの200グラムメールマガジン □■ くだもの&健康ニュース Vol.149 ■◇ 2018年1月26日(金)配信 こんにちは。 今号では、「果汁100%ジュースは糖尿病に悪影響を及ばさない」 ことを明らかにした論文を紹介しています。 ───────────────────────────── 毎日くだもの200グラム以上食べましょう! 公式ホームページは下記です。 http://www.kudamono200.or.jp ────────────────────────────── <<< 本日のメニュ− >>> ・ 季節の便り ・ くだものレシピ:アメリカ料理 ・ 文献紹介:果汁(100%ジュース)は糖尿病に悪影響を及ぼさない ・ 文献紹介:動物性タンパク質を植物性に変える健康上の利点 ・ 文学の中の果物:脚(吉川英治) ・ くだものいちば ・ 編集部より ────────────────────────────── ■ 季節の便り   林檎無き國をあはれむジャボン哉     − 正岡子規 ────────────────────────────── ■ くだものレシピ:アメリカ料理 ○ 田舎のクランブルりんごパイ  アメリカの田舎で作るようなざっくり作るお手軽なりんごパイ。 簡単なパイ生地の作り方もご紹介。 材料(18p1台分)  リンゴ 1個(250gくらい)、生クリーム(植物性でOK) 200t、グラ ニュー糖 大さじ3杯(36g)、パイ生地(パイシート 2枚で代用OK)、 など。 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 https://cookpad.com/recipe/4270978 ○ ハッセルバック アップル  簡単で美味しい! アメリカで人気のリンゴのデザート  ハッセルバックポテトのリンゴのバージョンです 材料(2〜4人分)  リンゴ 2個、無塩バター 14g、ブラウンシュガー 大さじ1杯、 シナモン(パウダー) 小さじ1/2杯、アイスクリーム(バニラ)、 キャラメルソース、など。 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 https://cookpad.com/recipe/3684213 ────────────────────────────── ■ 文献紹介:果汁(100%ジュース)は糖尿病に悪影響を及ぼさない  「生の果物が糖尿病に良いことは分かるが、果汁(100%ジュース) の場合は糖尿病に対してどうか」、と質問を受けることがあります。 この質問に答える論文が発表されましたので紹介します。  アメリカの研究チームが、果物(100%ジュース)は、空腹時の 血糖値や血中インスリン値、インスリン抵抗性に悪影響を及ぼさな いと、「栄養科学雑誌」に発表しました。  論文では、包括的なデータの分析で量的に果汁(100%ジュース) と血糖コントロールの関連性を評価しました。具体的には、リンゴ、 ベリー、柑橘類、ブドウ、ザクロなど果物の100%ジュースの影響を 検討するため、18の無作為化試験を含むシステマティックレビュー とメタアナリシスにおける空腹時の血糖値と血中インスリン濃度を 糖尿病リスクのバイオマーカーとして用いました。  試験期間は1か月程度のものが8件、2か月程度が1件、3か月程度 が7件、4か月程度が1件、6か月程度が1件でした。  その結果、果汁(100%ジュース)の摂取は、糖尿病のリスク増加 とは関連していないことが分かりました。  アメリカ糖尿病協会の推計によれば、国内の糖尿病患者数は成 人・子ども合わせて2900万人にもおよび、そのうち90%は2型糖尿病 です。2型糖尿病は身体がインスリンに対し、適切に反応すること ができない代謝性疾患です。2型糖尿病予防と治療の手段として最 も大事なことは、健康的な生活様式に従うことです。適切な食事、 定期的な運動、適正体重の維持が勧められています。  アメリカの食事ガイドラインでは、果物・野菜・穀類・低脂肪ま たは無脂肪の乳製品やタンパク質を含む様々な食品を含む、健康的 な食習慣を送ることを推奨しています。ガイドラインの中では、果 汁(100%ジュース)4オンス(約118ml)は果物1サービング(握り拳 1個分)相当とカウントしているほか、果物を補うことができ、食 生活の向上に役立つと指摘しています。 【文献】 Murphy, M.M. et al.: 100 % Fruit juice and measures of glucose control and insulin sensitivity: a systematic review and meta-analysis of randomised controlled trials. J. Nutr. Sc., 6: e59 (2017) [doi: 10.1017/jns.2017.63] ────────────────────────────── ■ 文献紹介:動物性タンパク質を植物性に変える健康上の利点  わが国では、果物や穀類を食べない低炭水化物ダイエットの情報 がメディアを通じて大量に流されています。低炭水化物ダイエット では、植物性食品の摂取量が少なく、動物性食品の摂取量が多いの が特徴です。中でも、タンパク質と脂肪は動物性食品から得ていま す。  カナダ、セント・マイケルズ病院などの研究チームは、動物性タ ンパク質と植物性タンパク質を比較した臨床試験の結果から、毎日 動物性タンパク質1サービングから2サービングを植物性タンパク質 で置換すると、心血管疾患予防の3つの主要なコレステロールマー カーが減少すると、「アメリカ心臓学会雑誌」に報告しました。  研究では、植物性タンパク質を動物性タンパク質に置換した無作 為化対照試験(試験期間:少なくとも3週間)の112件の系統的レビュ ー、メタアナリシスを行いました。  その結果、毎日、動物性タンパク質1サービングから2サービング を植物性タンパク質(主に、ナッツ、大豆、豆類)に置き換えると、 主要なコレステロールマーカーが約5%減少することが分かりました。  今回の研究では、植物性タンパク質を動物性タンパク質に置き換 えた利点を検討しています。また、植物性タンパク質に、他のコレ ステロール低下食品(水溶性食物繊維、植物性ステロールなど)と組 み合わせると健康上の利点は、さらに大きくなると研究者らは述べ ています。  以上の結果は、水溶性食物繊維が豊富な果物などを含む多種多様 な食品の摂取が、ヒトの健康の維持・増進に重要なことを示してい ます。 【文献】 Li, S.S. et al.: Effect of Plant Protein on Blood Lipids: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials. J. Am. Heart Assoc., 6:pii: e006659. (2017) [doi: 10.1161/JAHA.117.006659] ────────────────────────────── ■ 文学の中の果物:脚(吉川英治)  近年は、その真田伊賀守の家臣で、佐久間修理(さくましゅり) という名が、百姓たちの怨嗟(えんさ)の的(まと)だった。修理 は、号を象山(しょうざん)といい、学者で、砲術家で、経世家だ と聞えている。一頃(ひところ)は、目付役兼検見方として、千曲 川を改修し、山には檜を植林し、低地には、林檎苗(りんごなえ) を奨励した。又、温泉の利用だの、火薬の製法だの、葡萄酒(ぶど うしゅ)の作り方などをも、才学にまかせて試みた。それはいいが、 定例(じょうれい)の助郷(すけごう)のほかに、毎日、植林その 他、無給仕事に、お助けと称して一家の働き手を徴発(ちょうは つ)される百姓たちは、食えない上に、食えなくなった。  その佐久間象山が、やっと、藩命で京坂の方へ、派遣されたので、 百姓たちは、疫病神(やくびょうがみ)でも追ったように、 「佐久間ばらい」  といって、祝ったくらいだったが、間もなく、その象山の献策と かで、藩の松代(まつしろ)では、大砲だの小銃、弾薬、科学器械 などを、金もないのに買いこんで、毎日、千曲川では、調練兵が、 どかん、どかん、ぶっ放していた。  当然、その金は、百姓の上へ、税となってかかって来た。百姓た ちは、四斤(よんきん)砲一発、いくらという値を知ってから、ど かあん、という音を聞くと、自分たちの膏血(こうけつ)がぶッぱ なされるように、気がひけた。  武器の購入は、年々、莫大な額だった。国事御多端(ごたたん) の秋(とき)――という諭令が出たが、どう多端なのか、尊王攘夷 (そんのうじょうい)ということばや、京都江戸あたりの騒がしい くらいな事は、耳にもしてるが、百姓たちには、その必然性が、認 識できなかった。  で――飢え死にするよりは、と何度も苦い経験のある一揆を、又 ぞろ、繰返すらしい不穏(ふおん)さが、何十ヵ村の同じ痩せ村に うずいていた。  彦太の家は、割に、戸数の少ない村の小庄屋だったが、遺伝的に、 血の気の多い人間を代々生んでるので、萎縮(いしゅく)してる百 姓たちからは、事があると、頼られ、反対に、藩からは、睨(に ら)まれていた。 「親父が亡くなって、まだ、百日も経たねえだから――」  と、彦太は、それを理由に、廻状(かいじょう)がきても、寄合 いに出なかったが、もう、退(の)ッぴきならないものが、彼へ迫 っていた。そして、顔を出せば、三代前の祖父のように、狂的に、 火となって、闘うだろう事は、自分の血液が予感しているが、さて、 その祖父のやった犠牲が、どれ程後の百姓を生かしたかと考えると、 二の足をふまざるを得なかった。百姓は今も飢え、今も苦しい。 「はて、おらは、この生命を、そんな無駄には捨てられぬぞ」  彦太は、迷っていた。 ────────────────────────────── ■ くだものいちば  今回は、神戸市中央卸売市場本場に入荷している果物について紹 介します。入荷量が多いのは、ミカンやイヨカン、ポンカン、リン ゴ、イチゴなどです。 ウンシュウミカンは和歌山、徳島産です。 イヨカンは愛媛産、不知火(しらぬひ)は佐賀産、ポンカンは香川 産、ハッサクが入荷しています。 ネーブルオレンジ、グレープフルーツ、レモンはアメリカ産です。 リンゴ(ジョナゴールド、ふじ、王林)は青森産です。 イチゴ(ほのか、など)は熊本、宮崎産などです。 メロン(アールス、など)は静岡、高知産です。 キウイフルーツも入荷しています。 「くだものいちば」は青果物市況情報を参考に作成しています。 https://www.seisen.maff.go.jp/seisen/bs04b040md001/BS04B040UC010SC999-Evt001.do ────────────────────────────── ■ 編集部より  果物にまつわる「常識」には、ヒトを対象とした臨床実験などに 基づかない、頭の中で考え出された「常識」である例が多いのに驚 かされます。このことは、果物擁護派の「常識」にも当てはまりま す。ですが、長期的に見ると,果物の消費を伸ばすどころか、悪影 響を及ぼしかねません。そのため、今後ますます、医科学研究の重 要性が高まるものと考えています。(tnk) 全国でインフルエンザが大流行しているそうです。インフル エンザを予防するためには、予防接種も大事ですが、普段から バランスのとれた食事と十分な睡眠を取り、抵抗力(体力)を 付けておくことが大事だそうです。ビタミンなどの豊富な果物 をたくさん食べて、インフルエンザに負けない健康状態を維持 したいですね。(HK) ────────────────────────────── ◆発 行◆ 公益財団法人中央果実協会 kudamononews@kudamono200.or.jp Copyright(C) 2011-2018.  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