毎日くだもの200グラムメールマガジン □■□ くだもの&健康ニュース Vol.145 ■□■ 2017年11月17日(金)配信 みなさん、こんにちは! 果物摂取と糖尿病についての文献情報を医療関係者にご紹介ください。 ───────────────────────────── 毎日くだもの200グラム以上食べましょう! 公式ホームページは下記です。 http://www.kudamono200.or.jp ────────────────────────────── <<< 本日のメニュ− >>> ・ 季節の便り ・ くだものレシピ:干し柿 ・ くだもの広場:実りのフェスティバルに行ってきました ・ 文献紹介:果物摂取で糖尿病と合併症のリスク低下 ・ 文献紹介:わが国では栄養補助食品の有害事象がほとんど報告されていない! ・ 文学の中の果物:私本太平記−勝負の壇(吉川英治) ・ くだものいちば ・ 編集部より ────────────────────────────── ■ 季節の便り   干柿や湯殿のうしろ納屋の前     − 正岡子規 ────────────────────────────── ■ くだものレシピ:干し柿 ○ 柿のヨーグルトサラダ  ちょっと材料を干し柿に変えただけで、おしゃれなスパゲティに変身 材料(4人分)  干し柿 小1個(約30g)、プレーンヨーグルト(無脂肪タイプ) 100g、スパゲティ 1束(70g)、きゅうり 1本、赤パプリカ 1/4個、 マヨネーズ 大さじ1杯、塩・こしょう 少々 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 https://cookpad.com/recipe/1065473 ○ 不思議な食感!干し柿とこんにゃくの天ぷら  なんとも不思議な食感で、やみつきになること間違いなし!干し 柿やこんにゃくが余った時のアレンジレシピとしていかがですか? 材料(4人分)  干し柿 2個、こんにゃく 200g、大葉 4枚、こめ油(揚げ油)、 卵、小麦粉、など。 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 https://cookpad.com/recipe/2971346 ────────────────────────────── ■ くだもの広場:「実りのフェスティバル」に行ってきました リン:おじさん、この間の週末に東京の池袋で「実りのフェス  ティバル」という催しがあったので、姉さんと一緒に行って  きたんだ。すごい人出だったよ! ミカ:農林水産祭の関連行事ということだから、いろいろな農  産物などが売られているだろうと期待して出掛けたの。  全国の都道府県や団体が出展して、果物をはじめ、野菜やお  米、魚介類などから加工食品まで、沢山の農林水産物が紹介  されていたわ。 おじさん:「実りのフェスティバル」は歴史のある催しで、最  近はずっと池袋のサンシャインシティで開催されているね。  特に土曜日は学校も休みだから、親子連れのお客さんが多か  ったんじゃないかな。  二人が興味を持った展示はどんなものだったのかね? リン:展示されているものも面白かったけど、僕はやっぱり、  いろいろなブースの試食コーナーが良かったなぁ。それから、  ゆるキャラも見たよ。 ミカ:リンったら食いしん坊なんだから。  私は、いろいろな地方の果物が興味深かったわ。県で独自に  育成した新品種を紹介しているところがあったり、果物の加  工品を紹介しているところがあって、どれを買おうか目移り  してしまったくらい。 おじさん:ミカさんはお姉さんだけのことはあるね。感心、感  心。ところで、中央果実協会の展示も見てきたのかい? リン:うん。試食もやっていたようだけど、僕たちが行ったと  きは残念ながら試食の時間ではなかったんだ。 ミカ:もう、リンは試食のことばかりね。他に気がついたこと  はなかったの? リン:僕だって試食以外にも関心はあるんだよ。中央果実協会  のブースでは、一人1日当たり200グラム以上の果物を食べよ  うという「毎日くだもの200グラム運動」の紹介をしていたよ。  でも、200グラムって、どれくらいの量を食べればよいのか  分かりにくいよね。そこで、実際に秤で200グラムの果物が  どれくらいの量になるのか体験できるコーナーがあったんだ。  きれいな缶バッジをもらったんだよ。 おじさん:二人は、200グラムの果物がどれくらいの量なのか  もう知っているだろうけれど、実際に量ったのは初めてだっ  たのかな? ミカ:そうなの。やはり、頭で覚えた知識と実際に体験してみた  ことは違うわね。りんごは1個で200グラムと覚えていたけれ  ど、会場で量ったジョナゴールドは300グラムだったの。  でも、みかんは2個でだいたい200グラムだったし、かきも  少し大きめのものが1個で200グラムだったから、覚えていた  ことと同じだったわ。 おじさん:果物も品種や等級によって大きさ、重さはまちまち  だから、「この果物は1個で〇〇グラム」と一律に決めるわ  けにはいかないね。でも、おおよその目安として覚えておく  といいんだよ。 リン:うん、そうだね。でも、他のお客さんを見ていたら、ほ  とんどの人が、実際に量ってみたところ、思っていたよりも  少ない量で200グラムになるので驚いていたみたいだよ。  それから、外国と日本の消費量を比べた国当てクイズや、果  物の廃棄率を当てるクイズなどもあったんだ。 おじさん:このような催しを通じて、できるだけ沢山の人が果  物を積極的に食べようと意識してくれるといいね。二人は来  年も「実りのフェスティバル」に行くつもりかな? リン:うん、来年はもっと沢山試食するんだ! ────────────────────────────── ■ 文献紹介:果物摂取で糖尿病と合併症のリスク低下  果物を含む食生活の健康上の利点は立証されており、糖尿病患者 を含む各国の食事ガイドラインでは、果物の摂取が推奨されていま す。また、アメリカやヨーロッパでは、果物と野菜はしばしば一緒 のものと考えられていますが、糖度が比較的高いことから、わが国 などでは 糖尿病やその血管合併症に対して、あらぬ疑いが持たれ ています。こうした疑問に答えた報告がイギリスで発表されました。  オックスフォード大学の研究チームは、生の果物を豊富に摂る人 は、糖尿病になりにくく、また糖尿病患者においては血管合併症を 起こしにくいと、「プロス医学」に発表しました。  糖尿病に罹患していない中国に住む482,591人の成人を対象とし て約7年間の追跡調査が行われました。研究では、糖尿病の新規発 症件数や、糖尿病患者の血管疾患発症と死亡数などについて分析が 行われました。  その結果、生の果物の摂取量の多い人は、そうでない人に比べて 糖尿病の発症リスクが統計的に有意に低いことが分かりました。同 時に、果物の摂取量と糖尿病発症との間には、摂取量が多いほど効 果があることを示す明確な用量反応が認められました。  また、糖尿病患者においては、生の果物の摂取量の多い人ほど、 死亡リスクと、微小血管と大血管合併症リスクの有意な低下が認め られました。  研究者らは、今回の結果をもとに、糖尿病に対する生の果物を摂 取することの価値を強調しています。 【文献】 Du, H. et a.: Fresh fruit consumption in relation to incident diabetes and diabetic vascular complications: A 7-y prospective study of 0.5 million Chinese adults. PLoS Med., 14: e1002279. (2017) [doi: 10.1371/journal.pmed.1002279] ────────────────────────────── ■ 文献紹介:わが国では栄養補助食品の有害事象がほとんど報告        されていない!  国立健康・栄養研究所の研究チームは、消費者、医療従事者(医 師、薬剤師)ともに、健康食品(栄養補助食品、サプリメント)利 用による有害事象を、行政機関に報告している症例は少ないと、 「栄養ジャーナル」に発表しました。  医療従事者が有害事象を報告しない主な理由は、「因果関係が証 明できない」でした。また、有害事象を、「どこに、どのように報 告するべきか分からない」などの回答もありました。  わが国では、健康食品の使用が増加し、健康食品使用に関連する 有害事象が顕著となっています。重篤な有害事象は、保健所などを 通し、行政機関に届出なければならないことになっています。しか しながら、行政機関に報告された症例数はほとんどないのが現状で す。  国立健康・栄養研究所の研究者らは、2015年11月、インターネッ トで、 消費者2732人、医師515人、薬剤師515人を対象に調査を行 いました。医療従事者(医師、薬剤師)、消費者が、健康食品使用に よる有害事象を認めた際、どのように対応したかについて解析を行 いました。  その結果、消費者の8.8%は、有害事象(下痢、便秘、腹痛、頭痛、 悪心、嘔吐)を経験しているにも関わらず、保健所に報告していな いことが分かりました。また、消費者の中には、有害事象により病 院を受診している人もいました。  患者が健康食品使用による有害事象を生じた場合、医師と薬剤師 がどのように対応したかを解析した結果、ほとんどの医師と薬剤師 は、有害事象の因果関係が証明できないとして、これらの症例を保 健所には報告していませんでした。さらに、これらの有害事象に関 して、「どのように、どこに、報告するべきか」わからない医師や 薬剤師がいることも分かりました。  今回の調査から、行政に対し、栄養補助食品の利用による有害事 象の報告数が少ない理由が明かとなりました。従って、消費者に対 してだけでなく、医師や薬剤師にも、有害事象を保健所に報告する よう働きかけることが重要であることも分かりました。 【文献】 Chiba, T. et a.: Behaviors of consumers, physicians and pharmacists in response to adverse events associated with dietary supplement use. Nutr. J., 16: 18. (2017) [doi: 10.1186/s12937-017-0239-4] ────────────────────────────── ■ 文学の中の果物:私本太平記−勝負の壇(吉川英治) 「意外にみな元気だな。山上にもやっと木の芽や草が萌(も)えて きたし、もう病人に与える青い食物(もの)にも事欠くまい」  と、梢の色や地の力を見まわして、それも味方と恃(たの)むよ うに言った。 「はい。士気は病者といえあの通りさかんなものです。けれど貯備 の食糧がそろそろ底をつきかけておりまするで」 「穀類か、まず」 「稗(ひえ)、粟、米、どれもいくらの余裕もありませぬが、わけ て塩倉の塩もはや……」 「調べたのか」 「は」  と、了現はさっそく、ふところ覚えを、よろいの袖から取り出し て、およその数量を正成へ囁(ささや)いていた。ここでの、孤立 持久の籠城は、正成がはじめから一貫してきた方針である。  その方針を破ッて、当初、天王寺、堺あたりまで少数の兵でしば しばムリな奇襲を敢行したのも、敵の首があてではなく、塩、粟、 干魚、海草などを帰りに運んでくるのが主要な作戦目的であったのだ。  もちろん、それいぜんから、山上にはあらゆる貯備に努めてはいた。  焼米、道明寺糒(ほしい)。  河内名物のドロ芋。  その茎(くき)を干したずいき。  また梅漬け、干柿、栗、およそ保存にたえるものは、なんでも糧 倉へみたしていたが、しかし城兵一日の糧を、かりに米六合とみれ ば、千人で日に六石、古法の三斗五升俵にして十七俵強の容積であ る。それに副食物を加えた物が夜さえ明ければなくなってゆくわけだ。  もちろん合戦のすきにも、葛城(かつらぎ)の尾根や、間道をた どって、外部から蟻(あり)が穴へ持ち込むようなことはしつづけ ていたが、山伏の背や、忍び隊の搬入などは、およそたかのしれた 量でしかない。――安間了現が、ふところ覚えを繰(く)るたび眉 をくもらすのは当然だった。 「……む。……むむ。……だいぶ乏しくなって来たな。だがこれか らは木の芽も食える、草も食える。虫、鳥、獣、何でも食おう。そ して一日ここの籠城をささえれば、一日の勝ちだ。十日持てば十日 の勝ちとしてよかろう。もしあと百日保(たも)てば、おそらく北 条勢の寄手のうちに、大きな自壊がおこるに相違ない」  正成は言った。 ────────────────────────────── ■ くだものいちば  今回は、秋田市公設地方卸売市場に入荷している果物について紹 介します。入荷量が多いのは、リンゴ、カキ、ミカン、バナナなど です。 ウンシュウミカンは愛媛産などです。 レモンは和歌山産です。 グレープフルーツはオーストラリア産です。 リンゴ(ジョナゴールド、ふじ、王林、秋田紅あかり)は秋田産です。 ニホンナシ(新興)は新潟産です。 カキ(富有、平核無、太秋)は新潟、熊本産です。 ブドウは青森産です。 イチゴ(とちおとめ、など)は栃木産などです。 バナナはフィリピン、エクアドル産です。 キウイフルーツは佐賀産です。 「くだものいちば」は青果物市況情報を参考に作成しています。 https://www.seisen.maff.go.jp/seisen/bs04b040md001/BS04B040UC010SC999-Evt001.do ────────────────────────────── ■ 編集部より  私たちは、栄養補助食品よりビタミンやミネラルなどが豊富な果 物を推奨しています。国立健康・栄養研究所の研究から、栄養補助 食品利用による有害事象の発生率が約1割にも達することが分かり ました。にもかかわらず、テレビなどのコマーシャルでは、「飲み 続けたい」が90%以上と宣伝しています。統計の取り方に問題はな いのでしょうか。(tnk)  11月10日、11日に池袋のサンシャインシティで第56回農林水産祭 「実りのフェスティバル」が開催されました。中央果実協会もブース を出展し、国産果実を原料とした新商品開発の紹介展示や、果物の 消費に関するクイズなどを行いました。会場は大勢の来場者で賑わい、 当協会のブースにもたくさんの方に訪れていただきました。(HK) ────────────────────────────── ◆発 行◆ 公益財団法人中央果実協会 kudamononews@kudamono200.or.jp Copyright(C) 2011-2017.  Kudamono & Kenko News 無断での転載、複製等はお断りします。ご協力に感謝いたします。 ────────────────────────────── ▽ 「読者から」欄への投稿方法  「読者から」欄への投稿は、下記のサイトからです。皆様からの 果物にまつわる思い出、食べ方の工夫、メルマガへのご意見、ご感 想など、楽しいお話をお待ちしています。  メールの件名は「投稿」としていただき、メルマガネームを記載 していただければ幸いです(例:りんごちゃん)。  また、本メルマガの転載依頼もこのサイトをご利用ください。件 名は「転載申し込み」でお願いします。 くだもの&健康ニュースへの投稿アドレスは下記です。 kudamononews@kudamono200.or.jp ────────────────────────────── ▽メルマガのバックナンバーは、下記に掲載しています。 http://a.hml.jp/bm/p/bn/list.php?i=hm020254&no=all http://www.japanfruit.jp/consumption/mailmagazine.html ────────────────────────────── ▽メールマガジンの配信登録・解除等は下記です。 http://a.hml.jp/bm/p/f/tf.php?id=hm020254 ──────────────────────────────