毎日くだもの200グラムメールマガジン □■□ くだもの&健康ニュース Vol.121 ■□■ 2016年11月11日(金)配信 みなさん、こんにちは! 今号では、ユズなど香酸カンキツのレシピを紹介しています。 ───────────────────────────── 毎日くだもの200グラム以上食べましょう! 公式ホームページは下記です。 http://www.kudamono200.or.jp ────────────────────────────── <<< 本日のメニュ− >>> ・ 季節の便り ・ くだものレシピ:香酸カンキツ ・ 文献紹介:地中海式食事ならオリーブオイルの量を気にする必要なし ・ 豆知識:ギンナン ・ 文学の中の果物:闇の絵巻(梶井基次郎) ・ お知らせ ・ くだものいちば ・ 豆知識:カシューナッツ ・ 編集部より ────────────────────────────── ■ 季節の便り   荒壁や柚子に楷子す武家屋敷    − 正岡子規 ────────────────────────────── ■ くだものレシピ:香酸カンキツ ○ カボスとチキンのパスタ  醤油味にカボスの酸味が効いてます!秋の味覚を楽しみましょ う! 材料(1人分)  カボス 1個、ササミ 2本、しめじ 1/3パック、白ネギ 1本、パス タ 1人分、醤油、鶏ガラスープの素、ニンニク、塩コショウ 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 http://cookpad.com/recipe/4151752 ○ 柚子香る ハム&玉ねぎの和トースト  ハムと玉葱の和トーストにユズを絞った風味の良い和トースト。 材料 (1食分)  ユズ果汁 お好み量、エキストラバージンオリーブオイル 小さじ 1/2杯、大葉 1枚、食パン 1枚、ロースハム 2枚、玉葱(中) 1/4 個分、塩昆布 適量、マヨネーズ 適量、粉チーズ 適量、 作り方とできあがりの写真は下記のサイトにあります。 http://cookpad.com/recipe/4127842 ────────────────────────────── ■ 文献紹介:地中海式食事ならオリーブオイルの量を気にする必要なし  果物や野菜、オリーブオイル、ナッツなどが豊富な地中海式食事 の健康効果は良く知られています。また、多くの研究で、オリーブ オイル、ナッツなどの植物性脂肪は、死亡率の低下、心血管疾患や ガンの減少に関連していることも明かとなっています。  しかしながら、動物性脂肪は肥満など生活習慣病のリスクを高め るとして摂取を控えるように指導されています。そのため、地中海 式食事に含まれている植物性脂肪であっても摂取することに不安を 感じている人がいます。  スペイン・バルセロナ大学の研究チームは、大規模な無作為化臨 床試験を行った結果、カロリー制限のないオリーブオイルやナッツ など植物性脂肪が豊富な地中海式食事では体重は増加しないと、 「ランセット糖尿病&内分泌学」に発表しました。  本研究は、2003年〜2010年に、スペインの11病院で行われました。 参加者(55歳〜80歳)は、心血管リスクが高いか2型糖尿病であっ て、90%以上が過体重または肥満でした。参加者7,447人(男性と女 性)を対象として、無作為に3群のうちの1つに割り当てられました。 内訳は以下の通りです。オリーブオイルが豊富でカロリー制限のな い地中海式食事群(2,543人)、ナッツが豊富でカロリー制限のない 地中海式食事群(2,454人)、脂肪の摂取を控える低脂肪の食事群(2, 450人)です。参加者全員に対する質問票を検討し、無作為に選ばれ た参加者については、血液サンプルと尿サンプルを採取しました。 また、実験中の食事療法の順守は良好でした。  5年後、低脂肪食群では、総脂肪摂取量が40%から37.4%に減少し ていました。2つの地中海食群では、総脂肪の摂取量はわずかです が増加していました(オリーブオイル群では40%から41.8%へ、ナッ ツ群では40.4%から42.2%へ)。一方、タンパク質と炭水化物からの エネルギー摂取割合は、いずれの地中海食群でも減少していました。  体重については、3群すべて減少しました。特に、オリーブオイ ル食群で体重の減少幅が最大でした。低脂肪食群で0.60kg、ナッツ 食群で0.40kg、オリーブオイル食群では0.88kg減少していました。  また、3群すべてで、ウエスト周囲径が増加しましたが、低脂肪 食群が最大でした。低脂肪食群で1.2cm増加、ナッツ群で0.37cm増 加、オリーブオイル食群で0.85cm増加しました。  以上の結果から、研究者らは、オリーブオイルやナッツに含まれ ている植物性脂肪の摂取は肥満には繋がらないとして、肉や加工食 品の脂肪よりも健康的であることが示されたと述べています。 【文献】 Estruch, R. et al.: Effect of a high-fat Mediterranean diet on bodyweight and waist circumference: a prespecified secondary outcomes analysis of the PREDIMED randomised controlled trial. Lancet Diabetes Endocrinol., 4: 666-76. (2016) [doi: 10.1016/S2213-8587(16)30085-7] ────────────────────────────── ■ 豆知識:ギンナン  ギンナンは、イチョウの果実です。イチョウは、地球上で最も古い 植物の一つで、恐竜と同じ時代にすでに存在していました。そのう ちのいくつかはすでに絶滅してしまったことから、原生地の特定が 困難となっています。  独特な芳しい香りの黄色い果実は、食用になりませんが、そのな かに堅い殻をしたナッツ(ギンナン)が入っていて食べられます。  ギンナンは、人類の誕生以来、貴重な食料源です。中国では数千 年前から栽培されており、その後、韓国を経て日本には1000年ほど 前に伝わりました。ヨーロッパへの導入は18世紀になってからです。 北アメリカに導入されたのは1784年で、フィラデルフィア郊外の庭 園に植えられたのが最初とされています。  ギンナンは煎ったり、焼いたり、蒸したり、ゆがいたりして、茶 碗蒸し、スープ、アパタイザ-、デザートなどで食されていてます。 ゆがいて缶づめにしたギンナンは、アメリカやヨーロッパでもエス ニック食品として利用されています。 ────────────────────────────── ■ 文学の中の果物:闇の絵巻(梶井基次郎)  私はながい間ある山間の療養地に暮らしていた。私はそこで闇を 愛することを覚えた。昼間は金毛の兎が遊んでいるように見える谿 (たに)向こうの枯萱山(かれかややま)が、夜になると黒ぐろと した畏怖(いふ)に変わった。昼間気のつかなかった樹木が異形 (いぎょう)な姿を空に現わした。夜の外出には提灯(ちょうち ん)を持ってゆかなければならない。月夜というものは提灯の要 (い)らない夜ということを意味するのだ。――こうした発見は都 会から不意に山間へ行ったものの闇を知る第一階梯(かいてい)で ある。  私は好んで闇のなかへ出かけた。溪ぎわの大きな椎しいの木の下 に立って遠い街道の孤独の電燈を眺めた。深い闇のなかから遠い小 さな光を跳めるほど感傷的なものはないだろう。私はその光がはる ばるやって来て、闇のなかの私の着物をほのかに染めているのを知 った。またあるところでは溪の闇へ向かって一心に石を投げた。闇 のなかには一本の柚(ゆず)の木があったのである。石が葉を分け て戞々(かつかつ)と崖へ当った。ひとしきりすると闇のなかから は芳烈な柚の匂いが立ち騰(のぼ)って来た。  こうしたことは療養地の身を噛むような孤独と切り離せるもので はない。あるときは岬の港町へゆく自動車に乗って、わざと薄暮の 峠へ私自身を遺棄された。深い溪谷が闇のなかへ沈むのを見た。夜 が更けて来るにしたがって黒い山々の尾根が古い地球の骨のように 見えて来た。彼らは私のいるのも知らないで話し出した。 「おい。いつまで俺達はこんなことをしていなきゃならないんだ」  私はその療養地の一本の闇の街道を今も新しい印象で思い出す。 それは溪(たに)の下流にあった一軒の旅館から上流の私の旅館ま で帰って来る道であった。溪に沿って道は少し上りになっている。 三四町もあったであろうか。その間にはごく稀にしか電燈がついて いなかった。今でもその数が数えられるように思うくらいだ。最初 の電燈は旅館から街道へ出たところにあった。夏はそれに虫がたく さん集まって来ていた。一匹の青蛙(あおがえる)がいつもそこに いた。電燈の真下の電柱にいつもぴったりと身をつけているのであ る。しばらく見ていると、その青蛙はきまったように後足を変なふ うに曲げて、背中を掻(かく)模(ま)ねをした。電燈から落ちて 来る小虫がひっつくのかもしれない。いかにも五月蠅(うるさ)そ うにそれをやるのである。私はよくそれを眺めて立ち留っていた。 いつも夜更ふけでいかにも静かな眺めであった。 ────────────────────────────── ■ お知らせ  国産の農産物を原料とした新商品の開発を支援する事業のご案内  「外食産業等と連携した農産物の需要拡大対策事業」 〇 外食、中食、食品加工業者で商品の開発・製造・販売を行う   事業者が対象です。 〇 自社でこれまで製造・販売していない商品(メニュー)の開発   への取組が対象です。 〇 試作品の製造、製造機械の開発・改良、試作品プロモーション   等の経費が補助対象となります。 〇 原料農産物の生産者・産地との3年以上の原料供給契約の締結、   事業実施年度の5年後の原料使用量を10%以上増加させるこ   とが成果目標となっています。  果物・野菜を原料にする場合は(公財)中央果実協会が事業の公  募を行っています。詳細は次のホームページの「調達情報」をご  覧ください。   http://www.kudamono200.or.jp/JFF/ ────────────────────────────── ■ くだものいちば  今回は、岐阜市中央卸売市場に入荷している果物について紹介し ます。入荷量が多いのは、リンゴ、ミカン、カキなどです。 ウンシュウミカンは静岡、熊本産などです。 バレンシアオレンジはアメリカ、オーストラリア産です。 グレープフルーツはアメリカ産です。 リンゴ(ジョナゴールド、ふじ、王林、など)は青森、長野産です。 カキ(平核無、など)は和歌山、岐阜産などです。 イチゴは岐阜産です。 メロン(アールス、など)は静岡、高知産などです。 バナナ、パイナップルはフィリピン産です。 「くだものいちば」は青果物市況情報を参考に作成しています。 https://www.seisen.maff.go.jp/seisen/bs04b040md001/BS04B040UC010SC999-Evt001.do ────────────────────────────── ■ 豆知識:カシューナッツ  南アメリカと西インド諸島が原生地のカシューは、甘い香りが強 いモモの形をした果実の先端にある殻の中で育つインゲンマメのよ うな風変わりなナッツです。16世紀に、ポルトガル人は、東アフリ カやポルトガルのインド領にカシューを導入しました。  ナッツ自体は果実の下部で育ちますが、カシューナッツが殻付き のまま販売されることはありません。カシューは、ウルシ科で、そ の殻には刺激性の成分を含むため、殻からナッツを取り出す前に高 温加熱処理して刺激性の成分を取り除きます。  他のナッツに比べて、カシューナッツは全脂肪分は少ないのです が、飽和脂肪酸の多いのが特徴です。カシューは、鉄、タンパク質 やビタミンCのすぐれた供給源です。 ────────────────────────────── ■ 編集部より  急に寒くなってきました。鍋の季節になると、酸味と香りが特徴 のユズやカボス、スダチなどが重宝されますが、高血圧の原因であ る塩のの代替え調味料としても注目されています。その上、ビタミ ンCの優れた供給源です。ビタミンCは、私たちの体を構成している タンパク質の約30%を占めるコラーゲンの日々の代謝に必須な成分 です。たくさん利用してください。(tnk)  朝晩の冷え込みが気になる頃となり、北海道では大雪の便りも届く など、短い秋を通り越して冬がそこまで来ています。季節の変わり目 なので、果物を沢山食べて、体調管理につとめたいですね。 中央果実協会では、11月11日、12日に池袋サンシャインシティーで 開催される「実りのフェスティバル」に出展し、果物の素晴らしさ をPRすることにしています。ぜひ、お立ち寄りください。(KM) ────────────────────────────── ◆発 行◆ 公益財団法人中央果実協会 kudamononews@kudamono200.or.jp Copyright(C) 2011-2016.  Kudamono & Kenko News 無断での転載、複製等はお断りします。ご協力に感謝いたします。 ────────────────────────────── ▽ 「読者から」欄への投稿方法  「読者から」欄への投稿は、下記のサイトからです。皆様からの 果物にまつわる思い出、食べ方の工夫、メルマガへのご意見、ご感 想など、楽しいお話をお待ちしています。  メールの件名は「投稿」としていただき、メルマガネームを記載 していただければ幸いです(例:りんごちゃん)。  また、本メルマガの転載依頼もこのサイトをご利用ください。件 名は「転載申し込み」でお願いします。 くだもの&健康ニュースへの投稿アドレスは下記です。 kudamononews@kudamono200.or.jp ────────────────────────────── ▽メルマガのバックナンバーは、下記に掲載しています。 http://a.hml.jp/bm/p/bn/list.php?i=hm020254&no=all http://www.kudamono200.or.jp/JFF/kudamono200/merumaga/merumaga.html ────────────────────────────── ▽メールマガジンの配信登録・解除等は下記です。 http://a.hml.jp/bm/p/f/tf.php?id=hm020254 ──────────────────────────────